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花と実と魔女と
05オランダ1
ゴッホとフェルメールを訪ねて☆オランダ1
8月28日から9月5日まで
ゴッホとフェルメールを訪ねて
オランダ・ベルギーの旅をしてきました。
雲の絨毯を滑るように・・・
このところトラブルが多かったJ社ですが
アムステルダムへの空の旅、先ずは安全飛行でホッ。
国土の四分の一は海抜0メートル以下、海面下の土地、
かつ、国土の20%以上は13世紀以降の
干拓工事によって作られたものだという。
眼下に広がる平野は粘り強く勤勉な
オランダ人が作ったものなのですね。
「神は地球を創ったが、オランダはオランダ人が造った」
という諺があるそうです。
畑には水路が整然と、かつ縦横無尽に走っています。
12時間のフライトの後、いよいよネーデルランド王国(正式名称)
アムステルダム、スキポール空港に降り立ちます。
夕方入国後、チェックインしたホテルの庭には
秋明菊の白がまばゆいばかりに咲いていて・・・
今回の旅先、オランダベルギーは雨がよく降り、
快晴は珍しいと聞いてきたので、
第一日目からのお天気!に思わずニッコリ。
明日からの観光に期待が膨らみます。
ゴッホとフェルメールを訪ねて ☆ オランダ 2
そして、オランダ・アムステルダム二日目、観光第一日目となります。
ご覧のように晴天に恵まれ先ずは国立美術館へ。
国立美術館傍の建物の窓辺には真紅のゼラニウム。
切花出荷量世界一の国柄だけに、ボリュームもたっぷりです。
朝日を浴び際立つ紅色が、私の目を覚ましてくれました。
時差ぼけなんて言ってられませんっ。
国立美術館へのエントランスは
シンメトリーに立つ大きなポプラの木が出迎え
石のアーチをくぐっていよいよフェルメールに会える!と
心わきたつ瞬間です。
この国立美術館はアムステルダムの中央駅も設計した建築家カイベルスによるもので、
赤レンガの東京駅は、そのアムステルダム中央駅をモデルにしたものとか。
写真は一部でですが、全体を見るとイメージが似ているのに納得。
バスの窓から見た中央駅舎はなるほどよく似ていました。
残念ながら、1885年開設の70の展示室をもつ本館は2008年まで改修工事中、
名画名品の数々は縮小展示中の別館にて静かに待っていてくれました。
アムステルダムの人々が「ライクス」と呼び誇りにしている美術館。
ハーグのハウステンボス(王宮)に在ったコレクションを母体にし
デルフト焼きやダイヤモンドなどの工芸品なども収蔵。
浮き立つ心は、漸く会えるフェルメールに向かって駆け出しています。
ゴッホとフェルメールを訪ねて ☆ オランダ 3
光と影を操るレンブラントの「夜警」
レンブラントは17世紀のオランダ絵画を代表する巨匠。
当時の画家は台頭した市民階級の集団肖像画を描くことで生計を立てたそうですが、
レンブラントは肖像画の中に自分の感性を織り込み、
人物の印象などを描いてドラマチックに表現。
その中でも「夜警」は依頼人の求める肖像画とは異なった構成で
依頼人の不評を買い、長く忘れられた作品となったのです。
それぞれが代金を分担して支払うとすれば
思うように描いてもらえないと不満があるのもうなずけますね。
ともあれ、たくさんの作品を残したレンブラントの最高傑作とされる「夜警」
舞台の一幕を見るような、大きな作品(363×438cm)に目を見張りました。
こちらが、わたしが是非とも会いたかったフェルメール、
生涯に30数作しか残さなかったというのも希少価値を高めます。
没後二百年を経て、劇的な再評価を得、日本でも人気がありますよね。
以前、来日展示されたとき、知人から頂いた絵葉書に魅せられ、
ず~っと気になっていた画家の一人です。
上の作品は「牛乳を注ぐ女」
45.4cm×40.6cmと小さい作品に
17世紀の台所の静かな空気と光がひっそりと秘められている・・・
思わず近寄って、見つめてしまう。
この一枚を前に誰しもが寡黙になるような・・・
作品のもつ静けさに引き込まれてしまうのですね。
こちらもフェルメール「青衣の女」
絵には描かれてはいない窓辺から差し込む柔らかな日差しに
熱心に手紙を読む女性。
身体に丸みがあり、妊婦なのでしょうか?
この手紙は大切な人からのものでしょう・・・
控えめながら、手紙を読む女性の胸に秘めた情熱が伝わってくるようです。
*****・・・******・・・*****・・・******・・・******・・・*****・・・*****
フェルメールが好んで使った青、
このブルーは天然のウルトラマリンが使われているのだそうで、
当時は金と同じくらい高価だったとか。
本業は画商、奥様の裕福なお母様と同居していたことも
ウルトラマリンブルーをふんだんに使って描くことが出来た
理由の一つで在るのかもしれない・・などと
世俗的な感想を持ったのは、ガイドさんの話を聞いてからでした。
ゴッホとフェルメールを訪ねて ☆ オランダ 4
フェルメールを国立美術館で堪能した後
訪れたのが、徒歩3分のところにある、
ヴィンセント・ファン・ゴッホ国立美術館。
外観はこんな感じ。
世界各国から沢山の人が来ています。
看板もおしゃれですね~。
ゴッホというだけでなんでこう、浮き立つんだろう、私のココロ。
そして、この美術館はゴッホが自殺した1890年以来
遺族の手によって管理されていた作品(油彩200点、素描500点)
を集め1973年に公式開館。
作品は時代別に展示されており、
オランダ時代の暗いタッチの絵は、後に光を求めて南仏に行き
明るく強い色彩の絵を描いた同一画家とは思えないほどです。
1889~90年のサンレミ精神病院時代の
「花咲くアーモンドの枝」
弟テオの長男(フィンセント=ゴッホと同じ名)が誕生したお祝いに描いた作品。
この優しい色合いとタッチがたまらない魅力の作品です。
(実はこの絵をプリントしたTシャツを購入したの・・・)
このTシャツなんですよ~♪
美術館の売店で、綺麗なブルーが気に入って、思わずお買い上げ。
(ワンサイズなので、少々太め(笑)なのですが、ストレッチ素材なのでガマン)
気になるお値段は、35ユーロ(1ユーロ=約140円)
そしてこちらが最後の土地、オーヴェル・シュル・オワーズ時代の
「荒れ模様の空の麦畑」
ゴッホは、弟テオへの手紙の中で、
「これは今にも嵐が来そうな空の下の広漠たる麦畑で、
ぼくは思い切って悲しみや極度の孤独を表現してみようとした」
と書いています。そして
「ぼくの目に見える田舎の健康な強壮なもの、
そういうものをおそらくは君たちに語ってくれようと思うからだ」とも。
1890年7月27日、自らをピストルで打ち抜き、その二日後
7月29日午前1時半、37歳の生涯を閉じた。
息絶える10日前に描かれたという、
「荒れもようの空に烏のむれ飛ぶ麦畑」
アルルで耳を切り、サンレミの精神病院での一年間の療養生活の果てに
漸く見つけた最期の地オーヴェール・シュル・オワーズでの、
永遠の眠り・・・
画集で見る限り、もっと荒いタッチで
心の乱れが画布にたたきつけられるように
描かれているのかと想像していたのだけれど。
実際目にする上の荒れもようの麦畑の絵は
ある静けさを含んでいるような重さ、
もっと言うなら、狂気を感じない・・・
ゴッホ、あなたは本当に精神を病んでいたのだろうか。
*****・・・******・・・*****・・・******
ゴッホ美術館は館内撮影禁止なので、
買い求めた絵葉書・書籍の一部を写真に撮ってUPしています。
ゴッホとフェルメールを訪ねて☆オランダ5
フェルメールやゴッホとお会いした後(笑)
午後はアムステルダム北部郊外へバスで移動。
ザーン川の要塞ザーンセスカンスは
野外博物館として風車を保存しています。
オランダといえば、チューリップと風車。
わたしは、粉を挽くだけに使ったのかと想像していたのですが・・・
もちろん、粉挽きにも使われましたが、
主に国土を干拓するときに
湧き水を土手の外に排水する為に回っていたものだったのですね。
19世紀最も風車が活躍した時代は約9000もの風車があったというから驚き。
だって、この風車実際に見ると、3~4階建ての家の高さ、
大きいものは5~6階建てくらいの大きさがあるのだそうです。
それだけ洪水の恐怖と戦って暮らしていたということになるのでしょうが。
19世紀後半になり、風車が少なくなってきましたが
保存しようという国民の声があがって、
現在、大切な観光資源となっているのですね。
こちらは、風車の傍にある木靴の製作過程を見せてくれたり
お土産を売っっていたりするお家の概観。
お花が綺麗に咲いていて、お天気なのが尚うれしい!
このように、木靴工房で実演を見せていただきました。
今は機械化されているけれど、昔は一つひとつ、手彫りだったのよね~。
残念ながら、現在はオランダの人も、町で履いているのは見かけませんでした。
私が見たのはただ一人!この職人さんが、履いていました(笑)
綺麗でしょう!
大きいので、買うことはしませんでしたが、
小さなキーホルダーなどは
お土産品として、あちこちで見かけましたよ。
ゴッホとフェルメールを訪ねて☆オランダ6
風車の残るザーンセスカンスでのひと時、
可愛い男の子とおばあちゃまがアイスを食べていました。
あまり可愛いので、カメラを向けると、
おばあちゃま、気を利かせて脇へ・・・
ご一緒にってお願いしたのですが、控えめなお人柄なのでしょう、
一緒にカメラに写すことが出来なかったのが残念です。
背景の緑も美しいでしょう?
雄大な大地がどこまでも広がります。
牧草地であることが多いのですが、
どこまでも続く平野、山は四方どこにも見当たらず・・・
なるほど、オランダ人が長い年月、開拓して築いた国土なんですね~。
お土産やサンの窓辺にあるのは、デルフト焼き。
ブルーの絵柄がどこか懐かしい・・・
小さなお店の窓辺も絵になります。
そして見落としてはいけません(笑)
ここにも、薔薇が咲いていてくれました!
広々とした景色に薔薇の花壇がステキなフォーカルポイントになっています。
「あ~絵葉書のような景色だわ」
なんて本末転倒の感想を持ってしまいます。
オゾンもたっぷり、
綺麗な空気とまばゆい光。
ツアー参加中、あちこちと忙しい 旅人HANA魔女も、
このときばかりは、ゆったりした気持ちに浸ることが出来ました。
ゴッホとフェルメールを訪ねて☆オランダ7
オランダの郊外を楽しんだ後、
また、アムステルダムの中心地にもどってきました。
運河沿いには歴史を感じるこんなステキな建物が残っていて
今も、しっかり活用しているのですね~。
こちらはダム広場。
アムステルダムのおへそのような広場で
アムステルダムの歴史が始まった所でもあります。
アムステル川をダムでせき止めることにより発展した町のまさに中心地。
中心には第二次世界大戦で亡くなった霊を慰めるための白い尖塔がありますが、
1960~70年代、世界中のヒッピーのたまり場として「アシカの丘」と呼ばれたとか。
尖塔の周りの階段に寝そべっていたヒッピーは、さしずめアシカのようだったのですね。
こちらはダム広場を囲む建物群。
パリやロンドンとくらべ、都市の規模も小さく
建物も中世の雰囲気を残しているように思います。
そのせいもあってかヒッピーならぬ(笑)旅人HANA魔女にとっても
ホッとする街という印象でした。
画像左側(ダム広場の西側)に威風堂々と建っているのは
現在迎賓館として使われている「王宮」
その右側が後期ゴシック様式の「新教会」
(新といっても15世紀のもの・・というからスゴイ)
現在はイベント会場として利用されているとか。
王宮は1655年市庁舎として建てられ、
フランス侵略時代ナポレオンの弟の王宮となり、
その後アムステルダムに返還、
市がオランダの新王家に献上、現在に至っています。
迎賓館として使われているということですが、
日本の迎賓館と比べても身近な印象があり
(前庭の警備が特に目立たなかったせい?)
渋めのしっとりとした感じがしました。
こんなところにも、オランダらしさが感じられる市内の風景を
楽しんでいただけたら嬉しいです。
アンネの家を訪ねて☆オランダ8
先日紹介したダム広場の近くにある
この女の子の銅像は、第二次世界大戦で迫害にあった
ユダヤ人の一人、アンネ・フランクです。
映画や本でご存知の方も多いと思いますが、
アンネはドイツのヒットラー政権の迫害から逃れ
狭い倉庫の屋根裏部屋で隠れ家生活を余儀なくされていましたが
その隠れ家が現在も当時のまま保存されており、
その近くにこの銅像があります。
こちらは現在、隠れ家への入り口となっているアンネフランクハウス。
1944年ドイツ軍に連行されるまでの約二年間
隠れ家として使っていた家(父親の経営する会社)に
後になってから買い足された部分で、
この隣の奥に隠れ家が保存されています。
現在も、世界からアンネを偲んでたくさんの人が訪れています。
残念ながら、隠れ家などの撮影は出来ないことになっており、
わたしたちは、狭い階段を上って、
これまた狭い隠れ家の部屋を見学することが出来ました。
思春期の聡明な女の子がどんな気持ちで此処での生活を過ごしたのか・・・
わたしも大昔、アンネと同世代だったころ?に観た映画を思い出しながら、
胸が詰まる思いでこの隠れ家を見学しました。
そしてこちらは、アンネフランクハウスの前に流れる運河の模様。
花が飾られた船のようなもの、何だと思いますか?
実は、れっきとしたお家。
ボートハウスとでも言うのでしょうか?
ここアムステルダムの場合、
急な人口増加の時期やむを得ず暮らしたボート暮らしが許可され、
現在もその暮らしが気に入っている人々のたっての望みで
このように運河にお家を浮かべているのだとか。
それにしても、なんと情緒がある景色でしょう。
運河沿いの木陰に憩う人々は
皆、優しいまなざしをしています。
水と光と・・・花の国オランダ、
心安らぐ国というのを実感する景観です。
オランダでは珍しいという好天にきらめく水面。
穏やかに流れる運河のほとりを歩いていると、
アムステルダムの人々はこの流れのリズムで
決してあせらず、穏やかに暮らしているように思えました。
ゴッホとフェルメールを訪ねて☆オランダ9
アンネ・フランクハウスから、市内をめぐって次なる目的地に移動。
時折見かけるアムステルダム名物のトラム(市電)
市内に17路線ありバス、地下鉄と並んで市民の足となっています。
写真のように、ガラス張りで美しく、乗ってみたい衝動に・・・
ところが、今回のツアーではその時間がなかったのが残念。
飛行機とホテルだけ決めて行く、自由気ままな旅だと
その土地の乗り物に乗る楽しみもあるのですが・・・
今回の旅行は見所満載(特に美術館)のツアーだったので、
もしも、再び訪れる時の楽しみにすることにしましょう。
そして、今回この工場を楽しみにツアーに参加した方もいらしたみたいです。
そう、オランダといえばダイヤモンド研磨技術が優れた国でもあります。
その研磨をしている技術者の真剣な眼差しです。
このダイヤモンド、画像からもお分かりいただけるかしら。
とっても大きく、とっても綺麗 ♪
特にカラーがブルー系なので、高級なんだそうです。
目の保養をさせていただきました。
気になるお値段は、お安くしていただいて、500万円位だそうです。
おひとついかがですか?って言われてもね~。
ため息が出るばかりです。
でも、本当にクリアーな輝き、美しかったですよ、ウットリ~
研磨工場見学後は、その他のお手ごろ品!?の即売もやっていて、
ご覧のように、商品がしっかり準備されていました。
お求めになる方もモチロンいらっしゃいました。
私は・・・って?
目の保養として、十分楽しませていただきました。(笑)
屋外に出ても、未だ明るく(滞在中8時過ぎまで明るかったです)
アムステルダムの町並みがメルヘンチックなのに感動。
その多くは写真のように、屋根飾り?の部分がとっても美しいのですね。
工事もあちこちでしていましたが、
景観保護条例のようなものがあるのでしょうね、
歴史を感じさせつつ、綺麗に整えられ、
町並みに統一感が感じられました。
建物の外観は建設当時のオリジナルを大切にするよう配慮され、
現代も観光資源としてその魅力と価値が保たれています。
歴史を残すたたずまい、それがヨーロッパの街々の特徴かもしれません。
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