死体愛好者 {小説



「綺麗だよ…凄く、綺麗だ」




















高校3年生の冬

私は、妹を亡くした

事故だった

妹は、中学2年生だった

まだまだ、これからだったんだ

楽しいこともたくさん待ってただろうし

やりたいことや、憧れだって

たくさん、たくさん、あっただろう

あまりにも若すぎる死だった

そして、あまりにも

突然だった

たった1週間前だ

妹の砂由は、たった1週間前まで

とても元気だった



「はい、もしもし?お母さん?」

「亜美…砂由が、今、事故にあったって、連絡が」

「え、お母さん?砂由が、事故?」

その時はまだ、怪我をしたくらいで、

まさか、死ぬだなんて

全く考えなかった

「で、砂由は?大丈夫なんだよね?」

「それが…分からないのよ」

「え?分からないって、何?」

「とりあえず、病院に呼ばれて…今、向かってるの。横山中央病院よ」

「分かった…私も、すぐ行く」

私は、何がなんだか分からなかった

砂由が事故にあって、今病院に居て、大丈夫かどうかは分からない

どういう事なの

砂由は、無事なんだよね?

私は走って駅まで向かった

電車に飛び乗り、病院へ向かった

気が気じゃなかった

焦りと不安を抱きながら

病院まで走った

病院に入ると看護婦さんが居たからすぐに声をかけた

「あの、砂由は、中川砂由は、どこですか?」

名前を聞いて、その看護婦は顔色を変えた

「ご家族の方ですか?」

「はい」

「…こちらです」

私は一番奥にある部屋に連れて行かれた

長ったらしい廊下が、何倍にも感じられた

その部屋にはお母さんと、お父さんが座っていた

「…亜美」

「お母さん…砂由は?砂由はどこ?」

「これで、全員お揃いですか?」

「はい」

医者が、少し間をおいて、話し始めた

「大変、申し上げにくいのですが……」

私は、心臓がどくんと音を立てるのを感じた

「…行方不明なんです」

「え…行方不明?え?意味分かんないんですけど…なに?行方不明って?」

「それが…先ほどまで病室に居た砂由さんが、急に、居なくなっているんです」

「砂由は、助かったんですか」

お母さんが身を乗り出して聞いた

「それが……砂由さんは、」

「死んでたの?」

医者はうつむいた

「……砂由、きっと、生きてるんだよ。ねえ、そう思わない?砂由は目を覚まして、きっと何処かに居るんだよ。私達を探してるかもしれないよ?」

私は立ち上がった

「探さないと、砂由」

「…砂由さんは、立ち上がる事は不可能なんです」

「…じゃあ、砂由は」

お母さんが泣き崩れた

「…砂由は、じゃあ砂由は、どこに居るんですか!」

「ただいま、全力で探しております」

医者は、頭を深々と下げて部屋を出て行った

「砂由…」

両親はただ呆然としていた

私は居ても立ってもいられなくなって

部屋を出た

砂由…探さないと 見つけないと

きっと、怖がってる

きっと私達を探してる

砂由…


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