平凡な女{小説






また、
自転車盗まれた…

















「小林ー?宿題の提出期限はもうとっくに切れてるぞ?」

「ああ…すみません。明日は必ず持ってきますんで」

「その台詞、聞き飽きたよ」

私は苦笑いで担任の中川に頭を下げた

「失礼しました」

職員室を出ると、丁度登校してきた森田杏に出くわした

「真美子!おはよー」

「おはよ」

「何?また呼び出しくらってたの?」

「まあね。ああそうだ、杏、理科の宿題した?」

「うん、したけど」

「ちょっと見せて」

「いいけどもう提出しちゃった」

「じゃあ教えて」

「えーめんどくさい!まあいいけどさー」

「ごめんね」

「いーよ、いつものことだし」

幸福とか、不幸とか、私には全く関係ない話だと思ってた

だって今まで私は

幸福や不幸に出くわしたことがなかったから

運命の出会いとか、ドラマみたいな大恋愛とか、

私は全然、経験したことがない

身長も体重も、顔さえも、平均で、平凡な私

でも少し、人より少しだけ、些細な不幸が多い

どうせなら、大きな不幸を1つだけ

ただ1つだけ、くれればいいのに

その代わり、些細な幸福を、人並みにくれればいいのに…

なんて、思うのは、贅沢なことなのかな?

今日も1日が始まる

昨日とはまた別の時間が流れる

だけど、私の生活は昨日と一緒

なんら変わらない

違うのは、時間割くらい

だけど確実に、絶対的に昨日とは違う時間が流れてる

私には、そんな実感、全然ないけどね

昨日まであった自転車が、急に、なくなったくらいだ

「」


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