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現実(小説)
「ただいま」
「あ、お帰り」
私の母はごく普通な人。母だって、現実と向き合ってちゃんと生きてきたんだろう。
「今日は早いわね。」
「うん、学校終わるの早かったんだ」
「そう。ねぇ、買い物頼んでもいい?」
「嫌、私、今忙しいの」
「何が、忙しい、よ。とても退屈そうだわ」
私は少し考え、もし今買い物に行けばメルヘンな夢の世界とつながる道に出会えるかもそれない、と思ったので、行くことにした。
「いいよ、行って来てあげる」
「牛乳、買って来て」
「それだけ?」
「ええ、そうよ。」
「じゃあ行ってくるよ」
扉がしっかり閉まるのを確認して、私は近くのコンビニへとゆっくり歩いた。
このまま、不思議なうさぎさんに出会って、不思議な世界に迷い込みたいなぁ、などと考えながら。
そしたら後ろから私を呼ぶ声がした。あなたは、運命の王子様?
「可憐、可憐!」
私は振り向いた。するとそこにはクラスの男子が走ってくるのが見えた。なんだ、王子様じゃないのね・・。
「小林・・」
「お前、何してんの?」
「お買いものー。小林は?」
「俺は、部活の帰り。」
「へぇ、大変だね、部活とかって。めんどくさそう・・」
「面倒なんて言うなよ。せめて、大変そうとか」
「ハハッ。じゃあ大変そう」
「でもさ、お前は部活やんねぇの?」
「あたし?!やらないよ、そんな事。時間を少しでも無駄に使うのが嫌いなの」
「無駄、か・・」
「そう、私にとってはだけどね。小林にとっては、そんな時間は無駄のうちに入らないんだろうけど」
「まだ無駄とは思えねぇな、部活、も今は大事だし」
「そ、まぁ頑張りなさい」
「何か入りたいと思わねぇの?」
「部活?・・メルヘン部とかがあれば、入りたいかな」
「何だよ、それ」
「夢の世界しか見ない部。現実が嫌いな子ばっかで集まるの」
「怪しいな、かなり。」
「いいと思うんだけどなー」
「でも、現実なしじゃ無理だろ、俺らって。現実で生きてるわけだし」
「ふふっ、ワカラナイ人はわからなくていいの。」
「何だよ」
「私コンビニ行くから、じゃあね」
「あ、じゃあ」
私がこんな事を話すのはめずらしい事じゃない。もう皆知ってるんだ、私がすごく不思議ちゃんなことを。
「いらっしゃいませ」
店員の元気な声が響く。これが夢の世界とは思えない光景が広がるコンビニ。所帯じみてる。
私は言われたとおり牛乳を持ち、レジに向かった。その途中、おかし売り場が目に入った。久しぶりに、おかしを買おうカナと、売り場を眺めた。ん・・?少し気になるモノを見つけた。「魔法グッズ」・・なんだこれは。魔法グッズが1つ、ラムネと一緒に入っているものであった。つぼにはまってしまった。私は、魔法や、夢の世界などがダイスキなのである。そしてその箱を手に取り、牛乳と共にレジに出した。
店員は何食わぬ顔で私からお金を受け取り、「ありがとうございました」と言いつつ私を送り出した。
私は魔法グッズが気になって、気になって、仕方なかった。これが夢の世界へとつながる第一歩?!と、浮かれていた。
その箱の中身を早く見たいがため、小走りで家へと向かった。
「ただいまー」
「おかえり」
私は「はい、コレ」と言い、母に牛乳を手渡した。すると母は、「ありがとう」とだけ言い、牛乳を冷蔵庫に直した。
私は2階の部屋へと、階段を駆け上った。
ガチャ
「魔法のグッズ」を開けるときが来た。ワクワク、ドキドキしつつ、「魔法の世界よ、飛び出せ!」と言い、箱を開けた。すると、中には小さなリボンと、説明書のような紙が入っていた。私はリボンを取り出し、その説明書に目を通した。
-これは、魔法のリボンです。これを毎日つけていると、必ず幸せがあなたの元へやってきます。-
うん、いいじゃん。と私は思った。なんだか嬉しくなり、リボンを髪に付けて、鏡をのぞいた。「カワイッ、」と私は思わず言った。
その時、すごい光が私を照らした。
「キャー、可愛い!」
何、あれ。・・・妖精?
私の目の前を虫のようにとんでいる、羽のついた小さな人間。
「・・・・何、」
「こんにちわ、私はベリー」
「・・・・・妖精」
「そう、妖精よ」
「・・・嘘、夢?」
「どうしたの?固まっちゃって」
「そっそりゃ、固まるよ。だって、あなた・・妖精・・」
「ちょっと、可憐?」
「・・どうして、私のところに?」
「あなたがそのリボンをつけたからよ、私はそのリボンの持ち主と大親友だったの、だけど・・」
「だけど?」
「その子、妖精なんて信じないって、私を追い出したわ、窓の外に」
「・・それで、どうしたの?」
「私は悲しくて、ずっと窓の外で泣いてた。そしたらその子、私にリボンを投げつけて、」
「じゃあ、どうしてコンビニなんかに・・」
「私はね、綺麗な心を持った人にしか見えないの。だから可憐が私を見つけたのは、可憐の心が綺麗だからよ」
「私がこのリボンを買ったのも運命?」
「そういうこと」
「すごいじゃない、私!」
「妖精とか、魔法とか、信じてるから巡り合えたのよ!」
「うわぁ、夢みたい・・」
「夢じゃないわ」
「・・ねぇ、あなたはこれからどうするの?」
「帰る場所なんてないわ・・」
「なんだ、それなら良かった。私のトコにいてよ!」
「えっ、いいの?」
「うん、もちろん!だって私、妖精とか大好きなんだもん。」
「ありがとう」
「ねね、べリーって読んでいい?」
「もちろんよ、可憐」
「ねぇ、どうして私の名前知ってるの?」
「魔法よ」
「ねぇ、私も魔法使いたい。」
「ソレは無理よ、だって可憐は妖精じゃないんだもの」
「そうよね・・でも、ベリーがいるからいいや!」
「明日から毎日が楽しみ!」
「私もっ」
「あっ、ねぇ、ベリーって何食べるの?」
「私?私は、人間と同じものよ」
「ならよかった」
「食べる量は少ないけどね」
「その体だもんね」
その後、いろいろ話しました。
そして次の日
「可憐、ねぇ可憐ー」
「んー・・」
「おきてよ、可憐ッ!」
「んー、・・・・えっ!?」
「わっ、ビックリしたなぁ、どうしたの?」
「あっ・・・・そっか。」
「なに?」
「・・目の前に妖精がいたから、ビックリした。」
「もー、寝起きは悪いのね」
「・・・で、何?」
「何って・・今日ガッコじゃないの?」
「あっ!」
「まだ大丈夫よ」
「何時?」
「7時40分!」
「大丈夫じゃないじゃない!」
「キャッ」
「いってきまーす」
「慌ただしい事・・」
ガチャ
キーンコーンカーンコーン
「ふぅ、なんとか間に合った」
「おはよ。全然セーフだよ、可憐」
「あー、おはよ・・」
「寝坊?」
「まぁね」
「早く用意したほうがいいよ、先生来る」
「そだね」
私はカバンを開けた。
「もー、カバン揺らしすぎ!よっちゃったよー」
「あっ!何でいるの?!」
「えっ、どーかした?」
「ううん、なんでもないの、アハハ・・」
「カバンに何かいた?」
「いない、いないよ」
私は慌てて教室を出た。
「何でいるの!」
「だって、」
「もー、来ちゃったもんは仕方ない・・大人しくしててね」
「はーい」
「絶対出てきちゃ駄目よ」
「わかってる」
ガラ
「どうしたのよ、可憐」
「ううんー、ちょっとね」
「ふーん」
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