1番の始まり(小説)


それは、誰も知らない。知るはずがない。
だって、まだ作られていなかったんだもの・・・・。








     1番の始まり









誰もいなくて、何もなくて、物音一つしない世界は、どうだろう?
満足できなくて、不安で、何かが、誰かが欲しくなるだろう。

キミは我慢できるか?何もない世界だなんて。
私は無理ね、絶対に。
そんな時、どうするだろう?作るか?人間を。
そんなの、キリスト教の教えじゃあるまいし・・・無理だ。


信じられるか?
でも・・・

そんな世界を体験したんだ、私は。










目覚めた時には周りは真っ白。
ここはどこ?私でさえ、自分が分からない。
何もかも消えうせていて、何もない状態。
人間も、地も空も。
鳥も、犬も、猫も。
ビルも、街も、電車も。
本当に、何もないのだ。


どうしよう

それしか思い浮かぶはずがない。
だって、周りは何もない。


   「そうだ」

私はひらめいたと同時に、絶望に襲われた。

私がひらめいた事、それは・・

「私が全てを作ろう」

そんな無茶な計画であった。
でも、本当に・・・無理な計画であろうか?
できないことも、ないんじゃないか。
だって、実際、有り得るはずもない事がここにおきているんだから。
そうなんだ。
有り得ない事が、有り得てしまっている今。「信じるものは救われる」これなんだ。


キリスト教の教えじゃあるまいし、まさか、天地を想像?
神はよしとされた?
馬鹿馬鹿しくて、想像もくそもない。

でも、何もない今。
「信じるものは救われる」この精神でいこう。


  私は決意した。




私は神なのだ、全てを想像なさる。
・・・・・よし。


まず、闇と光をわけよう。
闇は夜なわけだから、光は昼だな。
私はこれで決定をした。

これでいいのである。



たまげたものだ。
私が決定の二文字を、脳内に思い描けば
あら、不思議。
まるで夢のよう。即座に昼と夜は出来上がったのだ。

まるで、本当の神様のよう。



私は勢いをまし、次々に想像したのである。
人間、爬虫類、哺乳類、鳥類、魚類・・・
そう、全てを。
そして、建物、住居、ビル。
まるでゲームのようだ。次々に、思い描くものが作られていく。

私は、次々とあらゆる物を想像して、決定した。


そして、その数分後、重大なミスに気付くのである。


私は、いろいろなものを想像した。そう、全てを。


重大なミス、それは



世界に、なかった物まで作ってしまったのだ。


こんなもの、知らない。
それこそ有り得っこないもの。

「しまった」

気付いたとき、時すでに遅し。


どうしたものか。
作るのは簡単だ。
しかし、消す事はできないであろう。消し方さえわからない。
私は何故か、消えたところを想像できないのである。

・・・空からは、飴が降り続き、雲は綿菓子。
人間はみな、背中から羽をはやしている。
動物は言葉を自由に操り、虫が地面を歩いている。
なんなんだ、この異常な世界は・・・。



何年か時がすぎ、有り得ない事態が作り上げられて早1年。
生き物たちは反乱をおこし、食料はつき、人間たちは羽を使いこなし、好き勝手に、自由気ままに生活をしている。


そして、時はすぎ・・・

滅亡の時は近かった。




生き物たちはもがき、苦しみ、もちろん私も苦しんだ。
駄目だ、こんなあやふやな世界。
必ずしも、うまくいくとは限らない。


この世界も・・・・・


滅亡の日はこくこくと近づいている





かもしれない。



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