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恋スルキモチ(小説)
あの時だったんだ
ずっとドキドキして、じっと見つめるようになったのは。
今の私には 貴方しか見えない
いつからだったんだろう、って考えてた
どうして貴方なんだろう、って思った
好きって気持ちは理屈じゃ答えられなくて
どうしようもない程好きになって、貴方じゃなきゃ駄目になった。
何をしてても考えるのはひとつで
貴方によく見られるためなら何だって出来る。
翔くん…
好きだよ。
中島翔くん
私の好きな人、大好きな人。
いつの間にかひかれてた
気付かないうちにどんどん
好きになって、大好きになって、どうしようもなくなった。
少しの言葉で、少しの行動で、大きく動かされる。
恋って、すごいものだなって感じた。
恋をすると綺麗になるって言うけど
私は、ちゃんと綺麗になってるのかな…
今日も会えるんだ
明日も、明後日も、会える。
それだけで嬉しい。それだけで幸せ。
「おはよ!」
「…おはよう」
翔くんが、大好きな人が、私の隣を歩いてる…っ
緊張して上手く話せないよ、どうしよう
なっ、何か話さないと…
「翔くんっ、…今日も朝練だよね」
「うん、あるよ」
聞いたのはいいけど、何言おう
「……あ、あの…」
「頑張るから、応援よろしくな」
「…うん」
翔くんは微笑んでた。きっと私が話せなくて焦ってたから、翔くん…話してくれたんだ。…優しい、翔くんは優しい。
翔くんの優しさに、私はどんどん翔くんを好きになる。
翔くんが優しくしてくれるたび、私はどんどん好きになって…苦しくなる。
翔くんは皆に優しいんだよ、私だけ特別なんかじゃないんだよ、って…言い聞かせる。そのたびにまた、苦しくなる。
「……試合、いつなの?」
「今度の土曜。応援来てくれんの?」
「えっ…行ってもいいの?」
「全然、来てもらうと嬉いけど」
「…迷惑じゃなかったら、行ってもいいかな?」
「マジ?!来いよ」
「うん」
「あ、ヤベ!練習あるから、俺先行くわ!」
「っ……頑張ってね!」
「おう!」
…話しちゃった。いっぱい、話しちゃったよ。
気持ちはもう100%なのに、まだ好きになっちゃうよ…
「おはよー」
「あっ、おはよう」
「梨沙、さっきまで誰と居た?」
「……翔くん」
「梨沙ってさ、翔くんのこと好きだよね?」
「こっ、心…何を言って、…私は、そんなこと、全然」
「焦りすぎ、慌てすぎ」
「心が変なこと言うから」
「隠さなくていいって、あたしら親友じゃん。隠し事なしって約束したでしょ?」
「……好き」
「やっぱね」
「何でわかったの?」
「翔くんと目が合うと下をむく、翔くんと話してるとかむ、どもる、赤くなる。確実じゃん」
「…じゃあ皆にもバレちゃってるのかな」
「よっぽど鈍感な奴じゃなけりゃね」
「心は、好きな人居ないの?」
「翔くん」
「えっ?」
「って言ったら、どうする?」
「どっ…どうも、出来ない。…私達、ライバルなの?」
「待ちなよ、勝手に話進めないの。私は翔くんなんて狙ってないから、安心して」
「…本当?」
「本当よ。それに私、彼氏居るしね」
「うそっ?!誰?」
「今その話はおいといて。私が翔くんの事好きって言ったのは冗談だけど、本当に翔くんの事好きな人、梨沙だけじゃないと思うよ。」
「うそ…ホントに?」
「私の予想だけど、翔くんて結構カッコイイから、絶対モテてるよ」
…どうしよう。私なんかよりもっと可愛い人が、いっぱい翔くんのこと好きで…もし告白でもしちゃって、付き合っちゃったりしたんなら……私、たえられないよ。
「梨沙、梨沙?」
「…どうすればいいの!私、絶対負けちゃうよぉ…」
「まだ誰が好きかとか、分かんないんだから。もしかすると梨沙にライバルはいないかもしれないし」
「…でも、翔くんかっこいいから、モテるよ」
「人にはそれぞれの趣味とか好きなタイプとか相性とかがあるの。皆が皆、一致するとは限らないんだから。梨沙と同じ趣味の人がどんだけ居るかだよ。クラスの女子の13人が13人、同じ趣味じゃないんだよ」
「…そうだよね」
「不安になるのはわかるけど、不安になって焦っても何の意味もないんだよ。翔くんのこと好きな誰かに負けないって気持ち、あるの?!」
「…私、そんな強くないよぉ」
「泣いたって、何も始まらないんだよ」
分かってる…でも、私は心みたいに思えない。
私、とっても弱いの。何でもプラス思考に思えないよ…
「梨沙…気楽に行こうよ」
気楽に行こうよ
そういった心の言葉が、ずっと残ってる。
とても、とても、嬉しかった。私、全然気楽じゃなかった。
好きで、大好きで、身動き取れなくなってた。
告白することも出来なくて、いっぱい話しかけることも出来なくて
「恋っていうのは、楽しくなきゃ意味ないの。苦しいけど、辛いけど、楽しくなきゃ駄目なんだよ。泣いてもいいけど、笑わないと駄目なんだよ」
「…ありがとう、心」
「ほら!授業始まるから、急ご!」
「うん」
ありがとう、とても嬉しかったのよ。
好きすぎて、もうどうしようもなくなってて、好きなのに嫌になりそうになってたの。そんな私に気付かせてくれたのは心だよ。私はいつだって心の言葉に助けられて、励まされてるね。ほら、覚えてないかもしれないけど、私が友達と上手くいかなくなって悩んでた時だって、励ましてくれたよね。心はいつだって優しいよね。いつだって私を思ってくれて…。心には、悩みはないの?心は、辛くなったり悲しくなったりしないの?心が辛くなったら私、上手く言えないだろうけど、精一杯言葉振り絞って、心を勇気付けるよ。今まで心がしてくれたように…。
「梨沙?」
「えっ?」
「そのままいくとドアにぶつかるけど…」
「あっ…」
心は笑ってた。心には、悩みはないのかな…
「梨沙!」
「えっ…今、誰か」
「俺だよ」
「あっ…」翔くん?!
「朝練終わったんだ、お前来んのおせーよ」
「…い、今なんて?!」
「お前来んのおせーって」
「違う…その前」
「朝練終わった…」
「そ、その前…」
「…ああ、梨沙って呼んだこと?…駄目?」
「まさか…全然、嬉いです…」
「森山より呼びやすいし、親近感わくじゃん!」
親近感?!
いいの…いいの…?私なんかに、親近感なんて……
「…梨沙?」
嬉しい、嬉しい、嬉しい…
翔くんが、私のことを名前で、呼んだよ。
「心っ!」
「わかってるよ」
「そういえば前沢、先生呼んでたけど」
「あ、そう?じゃあ梨沙、後でね」
「……うん」
あれ……今、翔くん、心のこと前沢って、名字で呼んだよね。
心のことは、名前で呼ばないの?……気になる
き、きかないと…私気になって夜も眠れないよ…
「あのさ、…心のことは、名前で…呼ばないの?」
「…ああ、うん」
え……何?今の微妙な反応は…。なんなの?気になるんだけど、翔くん。
何か意味があるの?……まさか!心と付き合ってるから、わざと名前で呼ばないの?!まさか…嘘でしょ?!心…
「…梨沙?」
「まさか、…心と、」
「前沢と?…なに」
翔くん、今聞いたら嫌われちゃうかな。でも…付き合ってるんなら、諦めるしかないの?そんなの……嫌だ。
聞かないと…はっきり、しないと。でも…勇気が、ない。
「梨沙?前沢と何」
「あのね!…翔くんと、心って、仲いいの?」
「んー、別に。特に関わりはないけど」
「あ、そうなの」
とりあえず…喜んでもいいんだよね。
ああ、よかったよ……
「梨沙ぁ、翔くん、絶対梨沙のこと好き!」
「…心、どうしたの?」
「翔くんね、私に嘘付いた。先生呼んでないって…翔くん、梨沙と2人になりたかったから嘘ついたのよ。騙されたのは腹立つけど、梨沙、よかったね!」
「まさか、そんなこと有り得ないよ…翔くんが私のこと好きだなんて…好きだなんて…私は、大好きだけど」
「両思いってことか…さて、今のは私の予想だけど、確信にする為に作戦たてなきゃ」
「何するの?」
「梨沙と翔を2人きりにして…翔の様子を見る」
「2人きり?!無理だよ、そんなの!心臓出ちゃうよっ」
「じゃあ翔が梨沙のこと好きかなんて分かんないよ。このままずっと分からないままで、告白する勇気も出なくて、翔に彼女が出来るまでじっと待つしかないね」
翔くんに彼女が出来るまで…じっと………
「そんなの嫌!」
「じゃあ、やるのね」
「やります!頑張りますっ!」
「最後まで付き合うわ。でもホント梨沙って単純…メロスのように単純ね」
「メロス?」
「梨沙、翔のことになると必死で単純になる」
「心、さっきから翔って呼び捨てに…」
「2人の時ぐらい、わざわざ翔くん、って面倒じゃん」
「…翔……はぁ、駄目!ドキドキしちゃう」
「馬鹿だね、実物の翔はここには居ないのに」
「目を瞑れば出てくるんだよ…」
「まだ彼女にもなれてないのに、目を瞑ると思い浮かぶなんて…のろけすぎだよ!」
のろけ…
いつか、彼女になって、本当にのろけちゃいたな。
そんなことを考えている間に、心はその、作戦とやらを考えていたらしく、それは今日の放課後実行に移されるという。
「え……待って、今日の放課後って?翔くん部活だよ」
「部活終わるまで待つしかないでしょ」
「迷惑じゃないかな…」
「偶然教室にいたことにするんだよ、迷惑もなにもないよ。薄暗い教室に2人きり…いつもと違う雰囲気に緊張が高まる2人。ついに翔が耐えられなくなり告白!」
「…告白……翔くんが、わっ、私に…」
「あくまでも妄想よ」
妄想…そうだよね。翔くんと私は、しょせん結ばれない運命…会えるのは、私の空想の世界だけ…
「じゃ、梨沙!放課後楽しみにしてる」
放課後までの時間なんて、あっという間だった。
早いなあ、時間って……
「梨沙!とうとうだよぉ…私まで緊張してきたよ!」
「心は緊張じゃなくて興奮してるんでしょ」
はぁ…私は緊張どころじゃないよ。
私たちは翔くんが部活終わったことをいち早く知るために、かげからずっと見てた。翔くん…見つめるほど好きになるよ。
翔くんみてたら、1時間なんて1分のようだよ……
「梨沙!行くよっ」
「…何処に?」
「教室!もう終わるよ、部活」
「うそ…もう?!」
「ほら、早く!」
「うん」
私まで興奮してるのかな…駄目だ、上手く笑えるかな?
「行ってらっしゃい」
心は満面の笑みで私を送り出した。
隠れてるから、十分楽しんできなさい。だってさ。何を楽しめばいいの?
「あ、梨沙じゃん」
「しょっ…翔くん!う、うわぁ…偶然だね!」
「なに…そのわざとらしい言い方は」
「そっ…そうぅ?!そんなこと、ないけど」
私馬鹿だ…翔くんのまえで、こんなに慌てちゃって。
こんなんじゃ嫌われちゃうよ……
「…焦らないで、落ち着いて話てよ」
「…翔くん……」
教室が薄暗くて、顔の表情が上手く見れなかったけど、きっと翔くんはいつもよりずっと優しい顔をしてた…ような気がする。
「梨沙…」
私はドキドキして、翔くんの顔をよく見る事ができなかった。
告白する瞬間っていうのは、今なのかな?今のような、静かなときがいいのかな。
「…あ、あのね…私……」
「え、…うん」
「あっ、あの…」
言おう、言おう、と思うほど、いえなくなる。
「……応援、頑張るからっ!頑張ってね、試合…」
「…頑張るよ、絶対勝つから」
ああ、言えなかった。
大事な事、…好きって気持ち、伝えられなかった。
私はいつ、伝えることが出来るんだろう…。このままずっと言えないままなんて嫌だよ。
「暗いな…」
「教室も、いつもと違ってみえるよね。いつも賑やかで、明るくて、楽しい教室も…1人にされると、こんなに静か。寂しいよね」
私もいつか、1人になって、寂しくなるのかな…。
「でも、俺は好きだな。静かで、いい雰囲気じゃん」
いい雰囲気…翔くんも、思ってたんだ。
「…こんな教室に彼女と2人でこっそり来る」
「彼女…」
「夢なんだ、なんとなく。彼女早くつくんねぇとな」
「私も、私も思うよ。大好きな人と2人で、ここに来たい。もう1度」
でもね翔くん、私の夢はもうかなってるよ。
「…そんな俺の夢、一緒に叶えたい人がいるんだよな」
「えっ…」
だっ、誰……すごい知りたいけど、聞くのは…悪いかな。
それは、誰なんだろう。私、じゃなかったら、ショックで死んじゃうかも。
知りたい……きけない…
「…あの、……それって」
「え?」
聞かないと…もし翔くんに好きな人がいたのなら、協力しよう。
大好きだから、だからこそ、応援して、協力したい。
「…その、一緒に叶えたい人って……誰?」
「……梨沙、って言ったら…どうする?」
「えっ…」
私…?
そんなの、嬉しいに決まってるじゃない。嬉しくて、嬉しくて、すぐにでも死んでもいい。
「…私は……」嬉しい。素直にいえない…
「冗談だよ」
…冗談?あ、そうだよね。…私のことを翔くんが好きなわけないよね。
私、馬鹿みたい…一人で勝手に想像して、傷ついて、ほんと…馬鹿みたい
「……っ…ごめ、ん…帰るね!」
「梨沙?!」
私…これじゃあ翔くんのこと好きって言っちゃったようなもんじゃん。
翔くんの前で泣くなんて、最低…。
「あ、梨沙!」
心…ずっと応援してくれてありがとう。
私、翔くんと付き合いたいとか、思っちゃいけないんだ。翔くんには好きな人がいて、それは私じゃないんだ。私…翔くんを、応援することなんて出来ないよ…
翔くん…私は翔くんが大好きでした。今も大好き。
でもね、気付いたの。
好きって気持ちが100%を超えると、その気持ちは辛さに変わるの。
翔くんを100%以上好きで、好きで、大好きになっちゃったから…私は、もう辛いの。翔くんが違う子と仲良くなったりしたら、私は、どうやって毎日を送ればいいの?1人で、ひっそりと翔くんを想うしか出来ないの?…気持ちもつたえられないまま。
「…翔くん……」
大好きなの、今も。きっと明日もその先も。100%を超えた私の気持ちは、200パーセントにも300%にもなってゆく。100%以上有り得ないのに、それ以上になってしまうの。行く先には、何もなくて。翔くんは他の子を見つめる。私はそんな状況を我慢できない……
「梨沙っ!」
「…心……」
「どうしたのよ!走って行っちゃうから…」
「…ごめんね。私、もう…無理だよ」
「梨沙…何があったの?」
「…翔くん、好きな人が居るんだって」
「好きな人?」
「それは私じゃなかった…私、翔くんが誰かと仲良くしたり、恋人になったりするのを、見てられないの…。初めはね、翔くんの恋を精一杯応援しようと思ったの。でも、私…そんなに強くない」
「梨沙…」
「でも私、まだ大好きなの。…っ……翔くんが好きなのぉ…!」
「梨沙は、諦めるの?」
「……諦められないよ…」
「人の気持ちなんていうものは、変えることが出来るの。いくらでも。翔くんが今誰を好きであろうと、明日は梨沙を好きになってるかもしれないし、それはわからない。梨沙は、翔くんを動かす程翔くんを本気で思ってる。梨沙の気持ちが届けば、翔くんだってわかってくれるし、梨沙にひかれると思うよ?」
「……でも私、翔くんを振り向かせるような女の子じゃないよ…」
「好きなんでしょ?翔くんのこと」
「…大好き……」
「それじゃあ、諦めることなんてないよ。梨沙は梨沙のままで、翔くんを好きでいればいい」
「…もう、辛いよ……私」
「片思いも、悪くないよ…」心はそっとつぶやいた。
「…ねぇ、心の話を聞かせて」
「どんな話?」
「恋のお話。心は、どんな恋をしてきて、どんな恋をしてるの?」
「辛い恋、いっぱいあったよ。でも、私は絶対振り向かせてみせる、って強気でいた。ぐだぐだ悩むのは、疲れるからね」
「心は強いね、私は…無理だなぁ……」
「…いっぱい泣きなさい、その分スッキリするから」
私はいっぱい、いっぱい泣いた。
体中の水分がなくなるんじゃないかってぐらい、泣いた。
次の日、いつもの道を歩いて学校へ向かう。
いつもと同じ景色、変わらない町並み。皆が励ましてくれてる気がした。
「梨沙っ!おはよ」
「…おはよぉ」
「ねぇ梨沙、今日学校サボらない?」
「えっ…どうして?」
「んーー、なんとなく」
「駄目だよ、私は大丈夫だから」
「…でもね」
「ほら、行こ!私は今日休んじゃ駄目な気がするの。翔くんにも謝りたいし」
「…うん……」
教室に入ると、昨日の放課後と違う教室があった。
明るくて、うるさくて、楽しい。私は、どっちも好き。
見渡すと、翔くんの姿があった。謝らないと…ちゃんと、謝らないと。
「………翔くん、おはよ……」
「梨沙……おはよっ!」
翔くんはいつものように挨拶してくれた。それだけで、嬉しいよ。
「…あのねっ」
「あっ、梨沙!聞いたぁ?!」
「美和子…何が?」
「ちょと来て」
私は翔くんに待っててもらうように言って、美和子についていった。
「大ニュースなのっ!翔がさぁ、」
「駄目っ!」
…心?……え、何…
「みくと付き合ってるんだって!」
「え…」
何…どういうこと?翔くんが、みくと………
「梨沙…」
「心…どういう、ことなの?」
心はうつむいたまま。知ってたんだ、心も。だから朝、サボろうなんて言ったんだ。本当に、優しいんだね……
「えっ?何なに、どうしたの?!」
「梨沙、行こ…」
「…やだっ……」
「梨沙?」
何がおきているの?翔くんは、みくが好きだったの?私は……どうすればいいの。
「梨沙!何やってんの?!おりてきてよ!」
私はいつの間にか屋上にいた。フェンスに手をかけて、…飛び降りようとしていた。死んでしまおうと、思った。
「私は…生きていても仕方ない。もう、辛すぎるよ」
「私が居るじゃない!早く、こっちに来て!」
「ごめんね、心…ありがとう、本当に嬉しかったんだ。心に優しくされて」
翔くんが私の世界から消える。翔くんは他の子だけを見る。私はそんな世界にいたくない。すぐにでも、消えたい…
「……っ…梨沙!」
「…翔、くん」
「何やってんだよ!こっち来いよ!」
「…嫌、こないで……」
「なぁ、お願いだから話しよう」
「聞きたくない!翔くん、おめでとう。好きな人と、放課後の教室に行ってね…夢を叶えてね。私は翔くんが大好きでした。今も、大好き…」
「梨沙!」
「…梨沙っ、危ない!」
私の体は一瞬ちゅうに浮かびました。
「っ…いた……」
「何やってんだよ!」
「…翔くん」
私の目の前には翔くんがいる。私は、死んだの?
「俺が好きなのは、梨沙なんだよ!あの時言った一緒に夢を叶えたい人って、梨沙なんだよ…俺、恥ずかしくて言えなかっただけなんだ」
「…うそ……」
「嘘じゃない!みくと付き合ってる噂なんてデマなんだよ!」
「…私たち、両思いなの?ハッピーエンドなの?喜んで、いいの?」
「うん」
「翔くん……好きです、大好きです」
「俺も、好き…」
夢を見てるみたい。翔くんが私を好きなんて…
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