不思議学園(小説)



最早、合言葉のようになっている。



ゆるすぎる校則


変わり者の生徒


教師も半端なくマヌケで



俺も


変な奴なのか?



否、正常だ


ここが少し可笑しいだけだろ。


不思議すぎるだろ







「こんにちはぁ。今日からここの生徒のぉ、愛沢桃果です」

「そうなんです、転校生よ。桃果さん、趣味はなにかしら?」

「うーんとぉ、星を眺めることですっ」

「かーわーいーっ!先生もね、星を眺めるのが大好きなのよぉ」

「やだぁ、気ぃ合っちゃいましたぁ」


また来てしまった

変な奴が。


「桃果ちゃん、友達しよー」

「うん」

徳永和葉、毎日のようにコスプレ姿で登校する。

教師はそれを「かわいー」で済ましてしまう

此処は恐ろしい学校だ。

「和葉って言うの。よろしくね」

「可愛い格好だねー」

「今日はアニメの制服なのぉ」

「やー、可愛い!いいなぁ、桃果も着たいなぁ」

「着る?」

「着る着る!」

あーあ…

変な仲間意識しちゃってる。

「先生、早く授業を始めてくれませんか?」

「ああ、そうだったわねー。ごめんなさいねぇ、じゃあ始めまーす」

いやに真面目な九条麗香。

何処かのお姫様だと噂されているが

本当は大金持ちの娘で、父親が大手企業メーカーの社長。

祖父は病院を経営しており、母親がそこの医者。

父親は病院を継がなくてもいいのか…?

なんて、どうでもいい話だ。


今日もまた新たに転校してきた、愛沢桃果も、たぶん、きっと、変な奴。



「栄治くーん」

「淳…何だよ」

「転校生!可愛いじゃん」

「あー…そうか?」

「俺惚れたかも。ちょっと話しかけてみるわ!」

友達の加藤淳は女好き

世の女子は全て俺のものにする、と

いつも騒いでいる。

やっぱり変な奴だ。

「にゃー?」

「藤崎…」

「遊んでぇ」

藤崎志穂

顔はきっと学校で1番可愛い

俺の好きな奴

ちょっと変わってるけど、やっぱ可愛い。

「うん、いいよ」

「今日ね、転校生来たんでしょ?」

「うん、もう知ってんの?」

「麻衣から聞いたの」

「へー」

真柴麻衣

志穂の親友だ。

麻衣は制服オタク

いろんな学校の、いろんな種類の制服を持ってる。

そして口癖は

「今しか着れないじゃない?」

そんな麻衣も、やっぱり変わってる。

「桃果っていうんだっけね?可愛いんでしょ?」

「別に、大して可愛くないよ。普通」

「目ぇ大きいんでしょ?」

「あー、普通よりはな」

「顔も整ってるんだってね」

「そうか?」

「私とどっちが可愛いんだろうね」

「さぁ、藤崎じゃねーの?」

もちろん、藤崎志穂、きみの方が断然可愛い。

「ねぇ、実際のとこ、どーなの?」

「俺は…藤崎の方が良いと思うけど」

「ほんとっ?」

「あー、ホントホント」

「嬉しいなぁ。栄治大好き!志穂って呼んでいーよぉ」

「んじゃあ、志穂」

内心、超ラッキーと、浮かれまくり

栄治大好き!って…ほんとかよ。

「志穂さぁ、他の男にもそんなこと言ってんの?」

「そんなこと、って?」

「…そんなことだよ」

「志穂はねぇ、ホントに好きな人にしか、好きって言わないんだよ?」

「へー」

じゃあ何だ

俺の事が好きってことかよ

じゃあ両思い? 俺の恋は実ったのかよ。

今告っちゃえば、OKくれるかな?

「あのさぁ…志穂」

「ん?」

「俺さぁ……ずっと志穂のこと好きだったんだ」

「へー?」

「付き合ってくんない?」

「うーん……じゃあ、明日1日テストします!」

「テスト?」

「明日1日、栄治といて、楽しかったら付き合ってあげるよーぉ。詰まんなかったらダメだからね」

「あー、わかった」

マジかよー

こうくるかよ

やっぱ妙な学校に来てるだけ、妙なこと思いつくな。


「栄治くぅん、見ちゃったぁ」

「果歩…」

「告白なんてしちゃってぇ、明日はテストだねぇー」

「…聞いてたのかよ」

「栄治大好き!」

「うるせー」

「マジなんですけどぉ」

「黙れって」

あーうぜぇ。

島崎果歩

いろんな奴の秘密知ってて、いろんな噂流す、変な奴

手首にはリストカットの後がしっかり残ってる

こんな毎日楽しそうな奴に、何の悩みがあってリスカなんてしてんだよ。

ホントわかんねぇ。

「今から果歩にもテスト受けさせてよ」

「は?」

「栄治のこと、本気で好きだから、テスト受けます!」

「え…なにいってんだか、話見えねーんだけど」

「栄治のこと好きなの、付き合ってよ。だから今日1日、私といて、栄治が楽しいと思ったら付き合ってね」

「果歩さぁ、冗談やめてくんねぇ?俺忙しいんだよ」

「果歩、マジなのにぃ」

本気かよ

「じゃあいいけど。楽しくないって思ったら、即失格!わかったか?」

「はぁい」

変なことになったな…

まぁ、果歩なんてすぐ失格にすればすむはなしだし。



© Rakuten Group, Inc.

Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: