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近未来の何処かで(小説)
私たちは,機械を完璧なものとは認めていなかった
しょせん,機械は機械であって,人間を超えるようなものは出来っこない,作れるはずがない
ずっと,そう思って来たのだ。
私たちにとって,機械は必要不可欠なものとなってきた
最近では、新型のロボットが次々と発明されているらしい
が,私たちの生活には遠いところで披露されているだけであった。
「ねぇパパ,ロボットは,生きてないんでしょ?」
「何言ってるんだ。私たちは立派なロボットじゃないか」
「私たち,その,人類のように,命を持って,魂を持ってるの?」
「ああ,そうだよ。私たちは人類より優れてしまった。魂だってある,もちろん意思もしっかりとな」
「人類はどうして自分たちより偉いものを作れたんだろうね」
「夢を追い続けたからさ」
「夢?」
「ああ。人類たちにとって,私たちは夢だったんだ。特にロボットの科学者なんかは」
「じゃあ夢が叶ったんだね」
「そうじゃない。夢が叶った頃には,自分たちはもう居ない。それなら,意味が無いだろう?」
「…人類が居なくなっちゃった後は,私たちはどうやって作られたの?」
「ロボットがロボットを作ることが,今じゃ自然なことになっているんだ」
「へぇ…難しいお話なんだね」
「ああ」
近い将来,ロボットは私たちの身近なところに存在するようになってくる
そうなると,ロボットはぐんぐん成長して
発展を遂げ
あたかも人間のようになってしまう。
厄介なことなのだ
ロボットに命令される世界? ロボットに支配される宇宙?
まるで映画の世界のようだけど
何れ,そんな世界がきっとくる。
「お父さん」
「ん,なんだ?」
「なに作ってるの?」
「アトムだよ」
「アトム?」
「知ってるだろう?香苗がよく見てるじゃないか」
「知ってるよ,そんなの。私が聞きたいのは,どうしてアトムなの?」
「父さんの小さい頃からの夢だったんだ。アトムをこの世に誕生させる」
「そして地球を救う戦士となる…でしょ」
「ああ」
「もう聞き飽きた。喜ぶのは香苗だけよ」
「きっとアトムを作ってみせる。父さん,嘘を言ったことはないだろ?」
「…馬鹿みたい」
「あぁ,そうだ。香苗を呼んできてくれ。いいものがあるんだ」
どうせまた,人間に似せて作った,しょぼいロボットのおもちゃでしょ
わかってるよ,お父さん
お父さんがどれだけアトムに心奪われているか
私だって,お父さんが世紀の大発明をした人物として
歴史上に名を残すことには賛成
でもね,アトムは漫画の世界の中だけで存在しなくちゃならないの
ほら,よくあるじゃない
ロボットが反乱を起こして,世界はぐちゃぐちゃ,人類は皆滅亡してしまう
そんなことになったら,お父さん,責任とれるの?
私は嫌。そんなことで借金かぶるの。
「香苗,いつか絶対お前の友達に,アトムをやるからな」
「うんっ」
いつまで夢を追うつもりなんだろう
私,近い将来,ある程度のロボットは出来ると思う
何処かの科学者が何人も集まって,やっとの思いで完成させるの
こんなちっぽけな工場でちまちまと研究を重ねている
お父さんとは大違いな人たちが。
「お姉ちゃん,見てぇ。お父さんがロボットのお友達くれたのー」
「…よかったね」
「香苗のお友達なのよ,可愛いでしょー」
妹の香苗は,銀色に色を塗られて,服をきせられた
歩くことさえ上手く出来ないロボット片手に,大喜び
「由愛も要るか?」
「アトムが出来たらアトムを頂戴」
何年かかってもいいから
大きな団体で高度な技術を駆使して研究を進める科学者なんかより早く
アトムを完成させて。
「この世にはな,有り得ないことが次々と起こってる」
うん,知ってるよ
「アトムなんて,夢じゃないんだ」
私は父のロボットへの憧れや強い希望を馬鹿にしているのではない
私は何故か,ロボットがこの世に誕生してはいけない気がしてならない
もしも,ロボットが人間のような複雑な心理を持ち合わせてしまったら?
世界は,どうなる?
きっと,ロボット達が自らの意思で自由に行動できる日には
私達人類はもういない
でも,そんなロボットだらけの地球をみたい?
私は,みたくない
想像できるのは
温暖化が進み,海の水が上昇して土地が狭くなった,じりじりと熱い地球
ロボット達が行きかう世界
喧嘩もハンパなものではなく
激しい銃撃戦,バッテリーを壊したのもが勝ち
人間でいえば,命をとったもの勝ち
そんな世界がきっと来てしまうに違いない。
私は,未来の地球になんの期待もしていないが
そんな,冷めた世界になってほしくない,という気持ちがある
何故だろう
私はもう死んで,人類なんて存在しない
ずっと先の未来なのに
不安があるのは,何故だろう。
「お父さん,行って来ます」
「ああ,気をつけてな」
「お父さん,私今日帰り遅くなるから」
「私はいつも通り。香苗,バス来ちゃうよ!」
「あ,ちょっと待ってー」
お父さんがアトムの誕生を夢見ていた頃から,何年がたっただろう
私はもう大学3年生
香苗も夢を忘れてしまっただろう
私は,忘れてはいなかった
お父さんのあの頃の情熱を,今でもしっかりと覚えている
お父さんはというと,小さなおもちゃのロボットは簡単につくれるようになっていた
当時,香苗のおもちゃとしてつくったものより
はるかに優れている。
二足歩行,手も自由に動かせて,音も出る,柔らかいものまである
アトムは,
出来なかった。
その代わり,今,2005年の冬
また新たなロボットが開発されていた
見かけは人間なのだが,目も口も動きもどこか違う
どこか,奇妙なのだ
初期のロボットにはあった愛らしさが,最新のロボットにはなかった
生々しい体や鋭い目つき,髪まで忠実に再現されている
なにより気味が悪かったのは,瞬きの瞬間であった
最新のロボットは,人間と同じ回数で瞬きをする
つけまつげがリアルで,人工皮膚もまた,リアルであった
私がそのロボットをみたのは
テレビのニュースだった
初めてその映像を目にしたとき
私は目を疑った
「…お,お父さん……アトムよりすごいものが出来てるよ」
ニュースキャスターはブラウン管越しにこう語った
━最近のロボットは本当に凄いですねぇ
━私,見に行きましたけど,遠くから見ると本物の人間のようでしたよ
「うわぁ,気持ち悪い」
香苗は今でも,当時のように,ロボットの友達が欲しいと思う?
━近い未来,ロボットと人間が共存する世界が来るでしょうね
━来ますね
キャスターは,更なる発展を期待します,という言葉でしめた
「私嫌よ。あんな気味悪いロボットと暮らす世界なんて」
「まだ先の未来よ。第一,私たちにあんな高そうなロボット買えないって」
「それもそうか」
「否,ロボットは確実に私達の日常に手を伸ばしている」
「…ねぇお父さん,まだアトムを造りたい?」
父は微笑むだけだった
本当は,アトムのように空を飛べる人間型ロボットを造ることなんて
不可能だったんじゃないか
時々,無性にそう思う。
アトムは人間をかたどられて造られている
人間が空を飛べない限り
アトムも空を飛んではいけない,飛べないのではないか,と。
私の通う大学には,
いまだにアトムを造るのが夢だと語る男子がいる
でも,わかってるんだろうな
自分にはそんな能力も技術もなく,アトムなんて造れない,って。
だから余計追い続けるんだろうね
永遠の夢のテーマを
「なぁ,村田」
「なんだよ」
「今日,新しいロボットがニュースに出てたけど,見たか?」
「話で聞いた」
「人間だよ,あれ。下手したらアトムを越したかもしれない」
「動きが滑らかで気味悪いんだろ?」
「ああ,ニュースの映像あるけど,メールで送ろうか?」
「頼む」
2014年
私はもう立派な大人だ
お父さんは,アトムをこの世に誕生させないまま,亡くなった
父の最後の言葉は
「アトムを頼んだぞ」だったのだ
私は驚いた
今まで,これまで,父はずっとアトムを思い続けてきたのだと知って
造りたい,が,造れないまま死んでいったことを知って
私はそのとき,アトムは私が造るから,と,約束した。
約束どおり,私は心を持たないアトムを完成させた
そのロボットはN-25型,名前はアトム2号
手塚オサムの描いたアトムをそのまま実写版にしたものじゃ,納得いかなかった
私は,私のアトム,を,造りたかった
父も,昔テレビでみたアトムの,父版を造りたかったのだと思う。
━やっと,アトムが完成したんですね
━空も飛べるらしいんです
━漫画のようには行かないですが,実によく出来てる
━これで夢が叶いましたね
━否,まだまだこんなものじゃ,ぼくらの夢には及びませんよ
━ええ,そうなんですか
キャスターの会話は続いていたが
私はその2人の会話を最後まで聞き終える前にテレビの電源を落とした
「…お父さん,お父さんは,満足しないよね」
心を持たないアトムに,アトムを名乗る資格はない
心も持ってこそアトム
感情を持ってこそアトムなのだ。
「博士」
「やめてよ,その呼び方」
「どう?アトムはまだ進化しそう?」
「感情さえ持ってくれれば,完璧なんだけどね」
「もう十分なんじゃない?」
「全然」
私は不気味に目を見開いたままのアトムを見つめて問いかけてみた
「ねぇ,お腹すかない?」
アトムからの返事はあるはずがなく,私の声は広い部屋に吸い込まれていった。
━ロボットが感情を持っているなんて,ただの人間の思い込みに過ぎない
ぼんやりと朝の空気を吸う
昔からコーヒーより紅茶が好きだった私は
今でも紅茶の香りで目をさます
━そう定義付けるのも如何なものか
━では貴方,ロボットが人間と同じように考え,喜び,時に傷付くとお思いですか?
━ロボットだって人間と触れ合う内に何らかの気持ちを抱く,不思議なことが実際に起こっているんですよ
━ロボットの感情は人間の錯覚に過ぎない
まだはっきりとしない視界に入ってきたのは
いい大人が声をあげて言い争っている光景だった。
ロボットが心を持っている
そんな馬鹿げた話が,ニュースに取り上げられるまでに膨らんだ
始まりはインターネットの掲示板にロボットに感情がある,と書き込んだことからだった
アトムを披露した会場に足を運んだロボット好きが
機械のアトムからなにかを感じ取ったのだという。
そのおかげで,私の研究所には,記者からの電話が鳴り止まない
━「あの,ロボットの感情の件ですが」
━「その件に関しては,一切お答え出来ません」
1日,そんな会話の繰り返しだった
━「実際,アトムの心を感じたことはあるんですか?!」
━「お答えできません。失礼します」
こんな繰り返しでは
ストレスがたまるのも当たり前だ
「博士。どうするんです,この騒動」
「すぐ収まるわよ。ずっと同じ内容じゃあ,世間も飽きるでしょ。すぐ忘れられるわよ」
「うーん,そうですかねぇ。私は結構続くと思うけどなぁ,この話題」
「どうして?」
「答えがないじゃないですか,こういう感情とか心の問題って」
「うん」
「ずっと賛成派と反対派の意見がかみ合わないままで,結論なんて出ないで終わるんです」
私はただ黙って聞くだけだった
「番組にアトム出演させます?」
「どうして?」
「そんな電話がいーっぱいかかって来てるんですよ」
番組にアトムを?
もし本当にアトムが心を持っていて,人間のように複雑な心理を持ち合わせているのなら
アトムは絶対に,テレビ出演を否定するだろう
「でも,テレビ出れば視聴率すごいことになりそうですよね。話題性ありますもん」
テレビ局にしてみては,視聴率を獲得するいい道具なのだろう
「由愛,大変なことになってるよ!」
「えっ?」
「玄関前まで記者が押しかけて来てるの。由愛を出せ,アトムを見せろ,って」
「何れ諦めるでしょ,ほおって置けばいいのよ」
「それが,2日前からずっと座りこんでて動かない人も居るんですよ」
「……わかった」
このままじゃ,なにも動かない
「由愛,何処行くの?」
「記者,まだまだたくさん居るんでしょ?」
「うん」
「私,ちょっと行ってくる」
「えっ?今外に出ちゃ大変だよ!」
「博士!?」
マスコミがざわつきだした
「貴方がアトムを造った方ですよね!」「なにかお話を伺えませんか!」「アトムの感情を感じますか!」「アトムは生きているんですか!」
「今からその件について話をしますので,静かになさってください」
「落ち着いて下さい!」玄関前で記者たちを帰らそうとしていた警備員が叫ぶ
私は一息ついて,アトムと父の顔を思い浮かべた
「私はアトム2号の感情を感じたことはありません。しかし,私の最終目標はアトムに心を持たせるということです。アトムをご覧になって,アトムから何かを感じ取られた方が居るということは,私にとって,目標達成,嬉しいことです。アトムの感情は私共には分かりません。ですが,感じ取ることが出来る人が居るのは事実です。」
「では,アトムは誰かとコミュニケーションしているということですか?」
「アトムが発したなにかを受け取る人が居て,アトムもまた,誰かの気持ちを受け取れているのなら,コミュニケーションしているでしょう。しかし,アトムが誰かの気持ちを受け取っているのかどうかは,私にはわかりません。アトム自身にしかわからないことです。それが知りたいのであれば,アトムと会話を交わしてみて下さい」
「ということは,アトムを我々の前に披露していただけると?」
「それはまだはっきりと決まっていませんが,ロボット博覧会か何かでお見せできたら,と思っております」
「何時頃の予定ですか!?」「アトムに直に触れることは出来ますか?!」「アトムの写真を撮らせて頂きたいのですが!」
いろいろな声が一気に私の耳に入ってくる
「アトムは生きていますか!?」
その中から,興味深い質問が発された
アトムが,生きている…?
「アトムは,心で生きているのではないかと思います」
私はその言葉を最後に,発言を止めた「では,やはりアトムは心を持っているんですか!?」「感情を感じ取れるものは生きているんですか?!」「アトムはロボットじゃないんですか!」
いろいろと質問を投げつけられるが,私はそんな声,まったく気にならなかった
アトムは生きていますか
この質問が頭から離れないのだ
アトムが生きているはずがないのだけれど
私にはアトムを殺すことは出来ない
「明日はこの話題で持ちきりだろうね」
「ねぇ…アトム,お腹すかない?」
「博士,どうしたんです?」
私は考えることをやめようともがく
アトムが私を見つめる
どうすればいい
私は,アトムを一つの生命体とみているのだろうか。
父が夢に出てきた
昨日のことを全て知っていた
私の気持ちまで理解していたようだ
夢の中の父は,私に語りかけてきた。
ロボットは新たな生命体であって,人間とはまた違う
だから人間と比較して考える必要は全く無い
ロボットはロボットという新しい生命体で
人間は人間という認められた生命体なのだ。
父はそう語っていた。
人間は人間,ロボットはロボット
そう振り分けることで混乱を抑えることが出来る
父は父なりに,私の中でもめ続ける2人の私を宥めたのだ。
人間もロボットも,まだ未完成なのだろう。
「ねぇお姉ちゃん,最近忙しいの?」
突然妹から電話がかかってきた
「そうね。どうかしたの?」
「ううん,用はないんだけど…昨日ね,お父さんが夢に出てきたの」
「お父さんが?」
「たまには由愛に連絡でもしてやってくれ,って」
「そう言ったの?」
「うん。お父さん,ちゃんと見ててくれてるんだね。お姉ちゃんが大変な時に会いに来てくれて」
「そうだね」
「あのさ,疲れたら,帰ってきてよね」
「ありがと」
香苗にも会いに来てたんだ
お父さん,ありがとう。
父親のロボットは誕生のときを覚えていた。
ロボットは,大人は大人,子供は子供
初めからしっかり決められて造られる。
だから,成長を楽しむことも,過去の自分の姿を思い出すことも
出来ないのだ。
人間は写真や映像で過去の自分を懐かしく思う
だが
ロボットはその楽しみがないのである。
「パパは初めからパパだったの?」
「お前は初めから,いつまでも,お前のままなんだ」
「人間は,大きくなってゆくんでしょう?」
「ああ」
父親のロボットは,写真や映像で過去を懐かしんで楽しむ気持ちを知らなかった
もちろん感じたこともなかったし
他のロボットも知るはずがなかった。
「私,いつか人間になりたい!」
「人間に?」
「だって楽しそうなんだもん,感じることがいっぱいなんだもん」
父親のロボットは,そんな娘の姿をみて
寂しく,また,悲しく思った。
叶うはずのない願いが,届くはずのない思いが
ただ闇の中へ消えてゆくのかと思うと
胸が締め付けられる思いであった。
結局完全なアトムは出来ないまま,ロボットは日々進化していった
私が生きる今,ロボットはまだ感情を持たない
どうすればいいのだろうか
どうすれば感じ取ってくれるのだろうか
「イタイ,イタイ」
はっと我に返った
「ごめんごめん」
香苗がロボ次郎の足を踏んでいた
それにセンサーが反応し,ロボ次郎は痛いと発言したのだ。
試行錯誤を繰り返し,有能なロボットが出来ているというのに
私はまだ,アトムにこだわり続けている
香苗は新しいロボットを一人暮らしの寂しさを紛らわすために購入した。
在り来たりで素朴な名前がいい
香苗の強い希望により,この有能なロボットは
かわいそうなことに,ロボ次郎という,在り来たりで古臭い名前を付けられてしまった
素朴でいいじゃない,愛らしいわよ,絶対
今では格好いい名前や愛らしい名前がロボットに付けられている。
ロボットは何かの役に立つものでもあるが
人間の寂しさを紛らわしてくれる唯一の親友でもあった。
「それにしても凄いよね,今でも思う」
「私にはもう造れっこないね」
「…今でもアトムのことを考える?」
「正義の味方アトム,が生まれるのはそう遠くない未来よ」
「でもそれはお姉ちゃんが造るアトムじゃないんでしょ?」
「頭が付いていかなくて」
私はもやもやを笑で吹き飛ばそうとした
が,失敗に終わったようだ
「頭がねぇ…お世辞じゃないけど,お姉ちゃんはまだまだ現役だと思うけどな」
「アトムはお父さんと私たちの心の中にいつでも生きてるでしょ。それでよかったのよ」
「夢は夢のままで?」
「アトムが夢を望んだのよ」
私はロボ次郎に,ねー,と微笑みかけてみた
ロボ次郎はすかさず,ねー,と首をかしげてみている。
可愛くて愛らしい,絶対に殺せない奴だ。
殺せない,といえば,昔アトムが感情を持っていると話題になったことがあった
それはもう,遠い昔に終わった話だけれど
今でも鮮明に思い出す,アトムの最後の言葉を
ボクハイツマデモヒトビトノ夢ノナカデイキツヅケル
確かにそういった
機械音だったのか?それとも幻想?
だが,アトムの願いだったことは確かであろう。
私はアトムをひしと抱きしめ,何時までも夢の中で想ってる,といった。
アトムの心の話題は,いつのまにかなくなり
たまにネットの掲示板で,あの話はどうなったのだ,という話題が出ていたらしいが
それも,もうない。
皆が忘れ去っただろう,アトムが心をもっていたことを。
でも
アトムには心がしっかりあった
私だけが知っている
それは,アトムにとってなにか特別なモノだったのだろう。
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