舞い降りた天使は闇夜を照らす12

僕は一旦キスを止め如月さんの顔を見つめた。
…薄らだがヒゲらしきものが生えてきている。
僕は頭がまたしても



「? ? ? ?」



になってしまった。
なんで如月さんにヒゲ?ヒゲなの? まさか~
最近の女性は男性化してヒゲが生えるとプレイボーイで読んだけど…



僕は意を意を決し、思い切って如月さんをベッドに押し倒した。
胸に触れようとしたら何かがずれて谷間から落ちた。
…これは、胸パッドだ。
胸が大きくないからきっと… いや違う!



僕はもっと思い切って如月さんの股に手を伸ばした。
あ、これは…



僕と同じものが付いている。



その時部屋のドアが開いて人が何人か入ってきた、鍵は閉めたはずなのに!



僕が冷静になるには1分以上の時間を要した。



冷静になって見てみると部屋に入ってきたのは健也たちだった。
みんなゲラゲラ笑っている。


「お楽しみ中スイマセン、ドッキリカメラです!」健也はビデオカメラを片手に持ち誠は直筆の「ドッキリ大成功」のプラカードを持っていた。 女の子たちは顔を見合せ笑っている。



「? ? ? ?」



「幸一、如月さんはニューハーフだよ。 若く見えるけど24歳。 ハーフなのは本当で留学とかF女子大とかは全部嘘!」健也はまだゲラゲラ笑っている。
「タイミング合ってて良かったよ、如月さん、マジで幸一の事気に入っちゃったってメール何回もしてくるんだもん。 幸一が食われる前にホテルに俺たちはやってきたんだよ、所謂救出だな。 このホテルも大蔵省こと誠くんのお父さんが経営しているトコだからマスターキーで入れたんだよ、助かったな~ あはは~」健也たちはみな笑っている。



しかしだんだん健也の顔が強張り始めた。
みなも顔の笑いが引いて行ってる。




僕が鬼の形相になったからだ。「あ、これ、マジでやばい」と悟ったのか健也は「ごめんごめん」と何回も謝りだした。
みなも同じく幸一ごめん、先輩ごめん…



許せるかボケー!!



肝心の如月さんは「私の本名は山田徹雄っていうの如月は新宿2丁目のお店での源氏名、それより健也くん私たちまだキスしかしてないんだから。 これからが本番よ、幸一くんは横になっていてくれるだけで大丈夫だからネ。 さ、続きを始めま…ふっぐわっは」



そこまで話した如月さんこと山田徹雄が横になっているベッドに駆け寄り僕は頭に蹴りを入れた、そして今度は平謝りする健也と誠が立つドアに向かい一直線に拳を固めて駆け出した。



おわり


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