忘れられた本棚

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たこは食っても食われるな




たこ【×蛸】

頭足類タコ目の海産軟体動物の総称。
全体はやわらかく、胴はまるく頭のように見え、足は八本で多くの吸盤がある。
逃げるときにすみをはく。
マダコ、イイダコなど種類が多い。




食用。


(学研 現代新国語辞典改訂第三版より)

たこは喰っても喰われるな

「神様、わたし、今まで男としてちょ~っとおかしいな、と思われたり言われたりすることしてきました。」
(自覚あったんですか・・・・。)


スカーレルは祈りをささげるように両手を合わせ、それを目の端に映しながら夕飯をもくもくと食べるヤード。
ソノラは満面の笑みを浮かべエビにかぶりついている。
今日はオウキーニによってつくられたご飯である。
島でも評判のある彼の料理を食べられる日は機嫌を良くする。
スカーレルも同様のこと。


・・・・のハズだった。


「それが悪かったのかもしれないけどこんな仕打ちは無いわよぉ!!!」


スカーレルは目尻に涙をためながら自分の目の前にある皿を憎憎しげに見つめた。
今日はシーフードシチューに何故か茹でだこ。
シチューの隣に添えられた真っ赤な茹でだこをびしぃっと指差すとスカーレルはヒステリックに叫んだ。


「何でこぉんなものが食卓にならんでんのよ!?」
「夕飯だからだろ?」


この船の船長、カイルは「んなこともわかんねぇのか?」と言うように笑いながらタコを齧る。
さすがといって良いほど豪快な食べっぷりである。
余程嬉しいのかニコニコと笑顔である。


「ちっがーう!そーじゃないわよ!何でこんな気色悪いものがあるかって聞いてんのよぉ!!!」
「俺が食いたかったから。(キッパリ)」


いけしゃあしゃあとでも言うようにカイルはけろっと言う。
スカーレルは「恐ろしい子!」と某バラなマンガ(違)のシーンのような顔をする。
何を隠そう彼はこの生き物が大の苦手なのだ。
長い帝都の暮らしではめったにありつけないこの生き物を食すということは彼のとって非常識極まりないことなのだ。
今ここで、いきなりそれを喰えというほうが無理な注文である。


「あたしは絶対、ずぇったい食べないわよ!」


断固として食べようとしないスカーレルにカイルは「美味いのに。」と残念そうにタコを齧る。(いや齧るな)
ここまで嫌うと、タコもかわいそうである。
そこへ追い討ちをかけるようにもう一方でタコを拒絶する声がとんだ。


「ななな何なんですかこれは~~~!?」


スカーレル同様目尻に涙を浮かべイヤイヤと首を振りながらタコから遠ざかるアティ。
彼女もまた帝都暮らしだったためタコには慣れていない。
むしろ苦手・嫌いなものにあたいする。
足元でタコの頭部に齧りつくテコを見つけまた声を上げる。
まぁこれはグロかった、ということもあるのだろうが。


「先生までそういうかぁ~?」
「だだだだってこんなうにょうにょくねくねぶにぶになんて・・・・!」


皿にのっかったタコをお化けでも見るように、怯えてまた一歩下がる。
どこがどうだめなのかわからないカイルはざっくりとタコをフォークで刺すとアティの口の前に持って行った。


「食ってみろよ。絶対美味いって!」


にこにこと微笑みながらずいっと差し出す。
それと一緒に一歩下がるアティ。
もう顔面蒼白だ。


「いいいいいやです~~~~!!!」
「んなこと言わずに食ってみろって!」


フルフルと首をふり嫌がるアティ。
意地になって食べさせようとするカイル。
もはや解決策を見つけ、テコに皿ごと渡すスカーレル。


一歩下がる


一歩出る


一歩下がる


一歩出る


一歩下がる


殴られる


ガッ


「・・・・・・・・・何してるんですか。」
「・・・・・・(死)」


カイル、ウィルの横切りにより反撃できず撃沈。
ウィルはふぅっとため息を吐くと剣を鞘にしまった。


「さ、先生。あのバカはほっといて夕飯を食べましょう」
「で、でもタコが・・・。」

カイルは目に入っていないのかアティ。

「テコが食べますよ。」


にっこりと微笑みながら言うウィルに安心し、夕食を食べ始めるアティであった。


「兄貴ださ~い。そんなんだとセンセー逃しちゃうよぉ~?」
「・・・・・・・・。」
「そんなのあたしが許さないんだけらねー?ぶーぶー。」
「・・・・・・誰か俺の心配をしてくれ・・・・(泣)」


カイルの右手にはタコのささったフォークを握っていたとかいなかったとか。

たこ【×蛸】

頭足類タコ目の海産軟体動物の総称。
全体はやわらかく、胴はまるく頭のように見え、足は八本で多くの吸盤がある。
逃げるときにすみをはく。
マダコ、イイダコなど種類が多い。




食用。

食べないです(わよ)!!!

†END(カイル幸薄い)†


織山 千登勢さんから頂いたサモンナイト3のギャグ小説です!

本当にありがとうございました!

こう言う小説…好きなんです~^^

自分ではなかなか書けないと思うんで…

本当に感謝してます~♪



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