へっぽこ院長の独り言

【機能を復元すること】



機能を復元すること

 「完全マヒ」は完全ではない
 脊髄が横に切断されることは、珍しい現象である。
 10%以上の軸索が残存していれば、相当な機能的な回復を支持することができる
 「完全マヒ」の損傷さえ、若干の機能を回復する

■ 残存している軸索は、有髄化される必要がある

4-アミノピリジンは、ニューロンの伝導を改善する
幹細胞や他の細胞は脊髄の軸索を再髄鞘化(有髄化)する
学習された「不使用」を逆転させること
短期間の「不使用」でさえも、(神経)回路をオフにすることができる
集中的な「強制的使用」運動は、機能を復元する
 *・・・*・・・〔解説〕・・・*・・・* 
 おそらく、脊髄損傷の臨床試験の最も大きな障害のうちの1つは、機能を復元しているどんな治療法に対してもその見通しに関する臨床家の悲観論である。この悲観論は、脊髄損傷の3つのよくある誤解から生じている。

完全な脊髄損傷 :長年にわたり臨床家は、人は損傷部位以下のいかなる神経学的機能も有していないとき、これが損傷部位で全ての軸索の完全な損失と同等視されることができたと思ってきた。これは、真実でない。脊髄が物理的に横に切断されることは、非常に珍しい現象である。脊髄の軸索が10%未満残存するだけでも、相当な機能をサポートすることができる。
損傷部位の下の機能の欠如は、軸索の欠如を意味しない。ニューロンの脱髄は神経学的喪失の原因となる。損傷部位の多くの軸索は脱髄されるだろう。4-アミノピリジニンという薬剤は、脱髄された軸索のインパルスの伝導を改善することができ、また脊髄を再髄鞘化する多くの方法がある。
回復の破綻:「学習された不使用」という概念は、脊髄の損傷後40%もの人々がなぜそれ以上回復できないかを説明する重要な理由となっているであろう。現在いくつかの研究が示すところでは、受傷後けして歩けない40%もの人々は集中的なトレッドミル歩行運動訓練を通して再び歩くために訓練することができるということである。

脊髄損傷の希望の根拠 2005版
Bases for Hope for Spinal Cord Injury
ワイズ・ヤング(米国・ラトガーズ大学教授)
JSCFより抜粋





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