俺がみっくみっくにしてやんよ~♪

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SLIME出発(第一章

SLIME出発


最初、スライムも人間や他の生き物と同じように、水の中で生まれました。

最初はちょうどこの辺です。

そのころ、ここには大きな湖があり、スライム族はその中で誕生しました。

初めは目に見えないくらい小さかったスライムも、やがて

爪の先ぐらいの大きさになりました。

形も今とほとんど変わらず、色も綺麗な水色です。

そのころのスライムは単細胞生物。つまり身体全体が一つの細胞で出来ていたので
す。

子供を産む代わりに、ある程度成長すると身体が二つに分かれます。

「キ、キミは誰だ!?」

「と、言われても、困るな……ボクは君だ」

「君がボクだとするとボクは誰だ?」

「君はキミじゃないか」

「そうか、ボクがキミなのか」

順調に進化を続けたスライムたちは、そのうち雄と雌とに

分かれました。今と変わらない物凄い繁殖力です。

「アナタ、喜んでまた赤ちゃんヨ」

「ヒエー、いっぱいいるナ」

「十七つ子なの、どの子もみんなアナタそっくり」

「ウーンこれでわが家も三五七人家族か」

普通の生き物ならここで多細胞生物、つまり人間やほかの動物のように

たくさんの細胞から身体を作るようになるのですが、

スライムたちは相変わらず一個の細胞のまま、

身体だけをドンドン大きくしていったのでした。

そして今とほとんど変わらない大きさになりました。

「すいません。ちょっと通してください」

「あ、そこ、気をつけてくださいな。うちの赤ちゃんたちが寝てますから」

「どんどん、どんどん子どもが生まれ、その子たちも

アッという間に大人になってしまうのです。

たちまち湖の中はスライムでいっぱいになってしまいました。

こうなったらもう陸に上がるしかありません。

「ウワッ!熱い」

「ヒエーッ!身体が溶けちゃうヨ」

湖面から顔を出した何匹かがたちまち死んでしまいました。

しかし、陸に上がるのをあきらめる訳にはいきません。

何度も何度も挑戦しては失敗し、少しずつ熱さに慣れていきました。

そして何世代か後、ついに陸で暮らせるスライムが生まれました。

やがて陸の生活に慣れたスライムたちは、さらに増えていったのです。

「ここもせまくなっちゃったネ」

「食べられる草もなくなっちゃったヨ」

「このままじゃみんなお腹が減って死んじゃうワ」

「ヨーシ!ボクは新しい土地を探すゾ」

「アタシも行く」

「ボクも」

こうして元気のいい数百匹が湖のそばを離れ、

新しい土地を探すことになったのです。

でもどっちに行けばいいんでしょう?

「ほかの場所ってドコへ行けばいいんだ?」

「南さ!このまえ旅のデスフラッターが話しているのを聞いたんだけど、

あっちの草原は暖かくって住み心地がいいんだって」

「アタシも南へ行く。暖かいの好き」

「そうかなぁ、僕の聞いた話じゃ、北の海の方には

ここよりずっと広い草原があるっていうヨ」

「ちょっと待ってヨ。東の方がエサがいっぱいって話も……」

「みんななに言ってんだヨ。西のほうが絶対にいいヨ」

「南だってば!」

「北がいいヨ」

「東だよ。ひがしっ!」

「などと、もめている間にも赤ちゃんはどんどん生まれて来ます。

とうとう湖のそばの草原は、スライムたちであふれてしまいました。

「ボク、南に行くゾ」

「ワタシは、西」

「北、北に行く」

「東、東に決まってるじゃないか」

こうしてスライムたちは四つの集団に分かれると、

それぞれの目的地を目指して大移動を開始したのです。





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