ラジオと映画とちょっとジャジーな日々

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渋谷毅さんのこと ♪-4



ナント渋谷さんが作ったのだった。

それによく考えれば、このライブ会場ならば、
後から、話しをする機会は充分にあるのだった。

でも、心の準備も無いままに
エレベーターで2人切りになってしまうって

どうよ?

で、私の頭をよぎったのは、

あの八ヶ岳のライブ会場で、
目の前の渋谷さんに話しかけられなかった後悔。

お会いすることもないまま
逝ってしまわれた川端民生さんのこと。

そして、八ヶ岳のジャズ・フェスに誘ってくれた友人も
今は、この世にはいない・・・。

小沢健二の曲にこんな歌詞がある

“幸せな時は

不思議な力に守られてるとも気づかずに

けど、もう1回と願うならば、

それは、複雑なあやとりのようで・・・“


もう1回は無いかも・・・、

「渋谷毅さんですよね。」とかけた声は、
自分でも緊張しているのがわかった。

スッとこちらを見て、
「そう。」と答えてくれた渋谷さん。

“気負いが無い”

本当に全く気負いが無い人というのは、
こういう視線で人を見るのだなぁ・・・

なんて分析できたのは、後からのことだけれど、
その時、気負いでいっぱいの私は、

渋谷さんの目を見て、ただ、

「何だかこの人にウソはつけない。」 と思った。

もちろん、ウソをつくつもりなど無かったけれど、
とにかく最初に謝った。

「すみません。実は小沢健二さんのファンなのです。
八ヶ岳のジャズ・フェスに行って、それで
あの・・・今日のライブに来たのも、それで・・・。」

話しかけてみたものの、しどろもどろ。
そんな私を静かに見ながら、

渋谷さんが言ったのは、

「あぁ、そういう人けっこういるよ。」

気が抜けた・・。

そして、エレベーターは6Fに到着。

お店のドアまでたどり着いて、
とりあえず、ホッ!

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(つづく)


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