言霊堂

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「私達、縁がなかったのよ。」

SAYONARAと君は言った。

「あなたを傷つけるつもりはないのよ」
といいながら、
「ありがとう」
と言った。

いくら言葉で埋め尽くそうとも、
何をいわれようとも、さよならだ。
それは、決別を意味する。

届かなかった。
何故、別れなければならなかったのかわからなかった。

俺が悪いのか?
わからないまま、俺は二人の人と恋をし、そして別れた。

「縁が無かったのよ。」

愛は見返りを求めるものではない。
奪うものでもない。

からっぽのココロを抱えたまま、独り佇む。

グラスには丸い氷が光を屈折させる。
俺のココロは、オースチンニコルスじゃ満たされない。
酔いは身体を支配したまま、頭の芯はどんどん冴えさせる。

「縁がなかったのよ。」

俺は、今、君のことを本気で愛していたか自信が無い。

俺は、今、自分が男と女のカルマにさえ、触れることの出来ない。
俺は、今、君に必要とされていない。
俺は、今、君と話すことすらできない。
俺は、今、自分すら自由にできない。
俺は、今、自分を殺すことすらできない。

愛しているから、さよなら。

未練が北風に風化を続ける。

君のやわらかな笑顔が脳裏に焼きつく。

「あなた好みの女になれなかったわ。ごめんなさい。」

あんた以上に俺を酔わせるものはなかった。
今、気がついたよ。

『俺たち、縁がなかったんだよ。』

2003/01/05



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