閑古鳥の巣箱

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小市民伯爵

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2004.12.30
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子供 「ちょっと、父さん。野球なんか見てもつまんないよう」

父親 「我慢しなさい。父さんだってつまらないんだ」

子供 「面白くないのに見てるの!?」

父親 「よく見てないとな。ボールが飛んできたら危ないだろうが」

子供 「テレビからボールは出てこないよ」

父親 「父さんだってつい最近までそう思っていたさ!
    でもなぁ、貞子だってテレビから出てきたしな。油断ならねぇよ」

子供 「あれはリングという映画だよ、父さん」

父親 「でも父さん見たぞ。画面から、女の人の髪が…こわっ!」

子供 「それは特殊撮影だよ、よく知らないけど」

父親 「なら、その特殊撮影のボールが飛んで来て怪我するかも
    知れないだろ。危ないねぇ!」

子供 「父さん…
    生まれて初めて何を言ってもムダだという感情が芽生えたよ」

父親 「それにしても、いくら見てもちっともルールがわからないなぁ」

子供 「ルールも分からず見てるの!?」

父親 「大体は分かるんだよ。
    ピッチャーといわれる人がバッターという人に向かって
    渾身の球を投げつけるわけだ。バッターはその球を避けるか、
    バットではじき返さないと怪我をするわけだな。
    うーむ、人類は時に、残酷なスポーツを考えだすものだな」

子供 「父さんそれ、たぶん間違っているよ。子供の頃、やらなかったの」

父親 「あっはっは。坊や。野球は1人でやるスポーツではないのだよ」

子供 「まさか友達がいなかったの!?」

父親 「いたさ。ただ、みんなには見えなかったのさ」

子供 「空想上の友達かよ!」

父親 「彼らにボールを投げてもすりぬけるしな。
    そのまま通行人Aに当たることも少なくなかった」

子供 「大惨事だよ!」

父親 「学校でもソフトボールしかやったことがないしな」

子供 「ルールはほとんど同じじゃないかなぁ。
    ソフトボールはルール分かってるの?」

父親 「さっぱりわからなんだ。
    ボールを父さん目がけて投げてくるもんだから、怖くてね。
    バットではじき返そうかとも思ったが、
    あれだけの勢いで投げられたらこちらもただでは
    済まんだろうからな。最悪、手がしびれることを覚悟しないと」

子供 「それくらいなら打ち返してよ」

父親 「父さん、痛いのは嫌だ。だから逃げた。
    フェンスを乗り越えて裏山に行った」

子供 「行っちゃだめだよう」

父親 「そういうな。父さんやる時はやるんだ」

子供 「そこで言われても、全然かっこよくないよう」

父親 「結局、先生が追いかけてきて未遂で終わったがな。
    あれ以来、ソフトボールをやったという記憶がない。
    見学していたんだろう」

子供 「情けないにも程があるよう」

父親 「お、見ろ!坊や。乱闘だよ、乱闘!
    まったく暴力は困りますねぇ。もっとやれー」

子供 「どっちなんだよ」

父親 「でもこれはどう考えてもバッターが悪いよなぁ。 
    元々これはバッターにボールを
    投げつけるスポーツだろ。当てられるのは、
    バッターがだらしないからじゃないか。
    それなのに殴りかかるなんてねぇ!悔しかったらボールを打って、
    ピッチャーに当て返してやればいいんだ」

子供 「そんな殺伐としたスポーツなのかなぁ」

父親 「坊やはバッターボックスに立ったことがないからわからないんだ。
    本当に嫌なスポーツだよ。ほら!見たかい。
    ボールを相手がとれないように観客席まで打ち返したね。
    可愛そうに。ピッチャーの大事にしていたボールも
    あんなところにいったら二度と帰ってこないね。
    見ろ!あの悔しそうなピッチャーの顔、
    したり顔のバッターの顔。嫌だねぇ!」

子供 「父さん、でもどうして、バッターは走っているんだい?」

父親 「まぁ、大方、ボールを遠くにやってしまった罰じゃないかね。
    父さんも昔、悪でね。よくグラウンドを走らされたものだよ」

子供 「父さんが悪って言われてもパッと来ないね」

父親 「もたれかかった拍子に非常ベルを押してしまったこともあったなー」

子供 「地味すぎるよ、父さん」

父親 「それにしてものんびりとしたスポーツだなぁ。
    投げては休んでじゃないか。
    もっとスピーディーに出来ないんだろうかねぇ。
    ピッチャーが5人くらい並んで、一斉にバッターにボールを
    投げたらどうだろう。
    避ける時のドキドキ感が倍増されて、
    手に汗握るスポーツになると思うがなぁ」

子供 「それじゃただのいじめだよ、父さん」

父親 「ピッチャーが首を振っているナァ。なんだろうか、あれは。
    よく見ると完全防御した人が、股間の辺りで手話をしているなぁ。
    何を話しているんだろうねぇ。
    今夜辺りやらないか?―だめだ…僕には妻がいるんだ
    君と僕の仲じゃないか―だめだ…僕には子供もいるんだ
    試合の後ならどうだ!―よし、それでいこう」

子供 「何の会話なんだよ、父さん!」

父親 「おー、また打ったー。でも今度はグローブを持った人が捕ったねぇ。
    これは今走っているバッターに当てるためだろう。
    おっと!バッターは避けるためにスライディングをした!」

子供 「何だかんだいって、楽しんでない?父さん」

父親 「まさか!こんな野蛮なスポーツを楽しむかよ。あてろ、あてろー!」

子供 「絶対楽しんでるよう」

父親 「でもなかなか人に当たらないねぇ。
    まるでわざと当てないようにしているかのように見える」

子供 「父さんのルールが間違っているんじゃないの。
    ボールが遠くに行っている間に一周したら1点という
    スポーツじゃないかな」

父親 「たった1点かぁ。父さん、テストがいくらひどい点のときでも
    5点はあった。
    1点なんてかえって取れないよ。よっぽどひどいプレーなんだな」

子供 「違うったらー」

父親 「迷惑度で点数が変わるんだろうナァ。
    観客席までボールを入れて困らせたら5点。
    ボールを打ち返してピッチャーにぶつけたら20点。
    審判に当てたら50点。
    ぶらさがっている看板にぶつけて落としたら100点かな」

子供 「父さんの頭の構造を知りたいよ」

父親 「変なスポーツだねぇ、全く」

子供 「父さんが変にしているんだよ!」






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Last updated  2005.10.23 01:24:13
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