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毎日新聞世論調査において、改憲意見が反対を上回っているという記事が出た。 憲法改正 「賛成」48%、「反対」31% 毎日新聞世論調査 5/3(月) 0:00配信 日本国憲法は3日、1947年の施行から74年を迎えた。毎日新聞と社会調査研究センターが4月18日に実施した全国世論調査で、憲法改正について「賛成」が48%と「反対」の31%を上回った。9条を改正して自衛隊の存在を明記することに「賛成」は51%で「反対」の30%を上回った。 調査方法や質問が異なるため単純に比較できないが、安倍晋三前首相が首相在任中だった2020年4月の調査では「安倍首相の在任中に憲法改正を行うこと」に「賛成」が36%、「反対」が46%。自民党がまとめた自衛隊明記の改正案に「賛成」は34%、「反対」は24%だった。 今回の調査結果を男女別に見ると、憲法改正について、男性は「賛成」58%、「反対」29%だったのに対し、女性は「賛成」32%、「反対」35%と賛否が割れた。自衛隊の明記も男性は「賛成」61%、「反対」28%だったのに対し、女性は「賛成」32%、「反対」34%と同様の傾向だった。いずれも女性の方が改憲に慎重な考えがうかがえた。 支持政党別では、憲法改正に自民党支持層の67%が「賛成」、立憲民主党支持層の63%が「反対」。無党派層は39%が「賛成」、32%が「反対」と答えた。自衛隊明記は自民支持層の69%が「賛成」、立憲支持層の60%が「反対」で、無党派層は42%が「賛成」、32%が「反対」だった。 憲法に自衛隊の存在を明記する案は、安倍氏が首相在任中の17年5月に打ち出し、自民党が翌18年にまとめた4項目の改憲条文案に盛り込んだ。20年9月に安倍氏から交代した菅義偉首相は同年11月4日の衆院予算委員会で、4項目の条文案について「自民党として提案するたたき台であり、そのまま継承したい」と述べている。【青木純】 国民投票法の改悪法案を強行採決するキッカケになることを恐れるけれども、これで改憲が一挙に進むことを、私は思わない。 もはや、15年前になるけれども、このブログで毎日新聞の世論調査で改憲が一挙に5%上がって60%になったことに危機感を抱いて、当時ブログを開設していた松竹伸幸さんに質問したことがある。 詳しくは「松竹伸幸氏より毎日世論調査の見解をいただいた 」を読んでいただきたい。 今回見て、あの時よりも改憲意見は減っているのである。だから良いとはならないけど、 やはり結論は一緒だ。 一喜一憂することはない。
2021年05月04日
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写真は、海兵隊単独訓練中止を求めることなどの要請書を、津山市長に渡す県北住民の会の中西会長。 2月6日、日本原演習場で3月に行われる米軍単独訓練の概要が明らかになりました。来るのは、岩国基地所属の「後方支援部隊」で、海兵隊171航空支援団中隊(後の要請行動で、36給油部隊も来ることが判明)です。訓練期間は、3月8日から21日の2週間。ヘリパッドの敷設、ヘリコプターの着陸・給油訓練、機関銃の射撃訓練を行います。オスプレイは、今回は来ません。 県平和委員会は、岡山県の平和諸団体と共に、県知事や美作の自衛隊や自治体に要請行動を行いました。 2月5日には、県南の諸団体とともに県知事へ。2月10日には、津山平和委員会や県北住民の会などとともに津山防衛局、津山市長、奈義町長へ要請書を手渡し、単独訓練を中止させること、ならびに強行した場合には、内容を住民につぶさに知らせることを要請しました。 大西県平和委員会会長は「平和憲法があるもとで、日本原で戦争の訓練をするのは問題がある。海兵隊は殴り込み部隊なのだから、日本を守る役割がないと言っている部隊が来て射撃の訓練をするのは受け入れがたい」と抗議しました。 懇談の中で各首長共に「市民の安全を守るのが1番だあり、覚書の遵守も徹底させたい」と約束しました。 一方で、公文書で「火機の使用」がライフルから機関銃に格上げされていることや、「自衛隊不使用時に単独訓練を行う」という説明が「自衛隊演習と違う場所で単独訓練を行う」というように、変化していることを自治体に伝え抗議しました。 「解釈の違いで、なし崩し的に変わるのは安倍内閣と一緒だ」と、津山平和委員会の末永氏は言います。 2月29日に、奈義町で400人目標の「米海兵隊の単独訓練に反対する抗議集会」を行います。
2020年02月12日
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「通販生活2019年春号」表紙は「9条球場」という動画になっているらしいが、この春号の表紙を飾った。一目見てよくわかる。安倍首相があくまでも執念を燃やす「9条改憲」。「純粋な国民投票だからやったらいいじゃん。なんで反対するの?」という若者や、ネトウヨや、恣意的な報道にコロリと騙されている大人の、なんと多いことか。でも私は知っています。今こそ、私は全国の有権者に声を大にして言いたい。国民投票は、不公平投票です。この表紙でわかることは、カネをたくさん持っている方(改憲派)が、圧倒的に有利である。ということだ。実は有料CMの問題だけじゃない。「どういう投票文章にするか、今だに決まっていない。それは、国会の力関係で、容易に改憲側に有利に変えられる」ということだ。つまり、「9条改憲」と明確に出さなくても、それと同等の効果のある文章を作ったり、或いは環境問題と抱き合わせにして一括改憲させるのも可能、ということだ。それに、「全有権者の半数の賛成で改憲」ではないことは、既に(強行採決された)国民投票法決まっている。「投票数の半数で改憲」なのだ。だとすると、投票率が、最近の選挙のように4割で終わったならば、有権者の2割以上の賛成だけで改憲されることになる。国民へのいろんな印象操作は、既に改憲派は様々に実験すみである。それで私たちは、国民投票の実施自体に反対している。お金にもならないのに(ていうか、駅前宣伝には毎回申請費がかかる)、2015年の安保法制反対の時から、もう69回も反対集会&パレードを行っている。1月19日も反対集会&署名行動をした。倉敷の片田舎だけど、3年間以上、ずっと続けている所は、もう全国で珍しいけど。でも、いろんな形で、全国でこのような地道な「反対行動」をしているから、安倍さんも去年はあんなに言っていたのに、遂に「改憲案」を国会に提出することができなかった(これは実際大きな「成果」なんです)。一人ひとりは「微力」だけど、「無力」じゃない。私たちの行動が、何処まで「沸点」に近づいているのか?それは誰にもわからない。けれども頑張るしかない。という気持ちで、この三年間以上、私は19日(9月19日が安保法制が強行採決された日)に近い土曜日に、集会場所まで駐車場節約のために30分歩いて通ってきた。これからも通うだろう。
2019年01月26日
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「改憲的護憲論」松竹伸幸 集英社新書本書を読んで2ヶ月近く経った。未だにどのようにまとめていいのか、判断がつかないでいる。多くが微妙な問題を孕んでいて、評価しようとすると、かなり長い文章になるからである。その間にも、憲法をめぐる情勢は二転三転している(各種世論調査、内閣支持率下落、自民党の改憲案報道)。よって、この本で1番刺激を受けた所を書く。それは、日本共産党の憲法政策でもなく、肝心の改憲的護憲論でもない。第一章「護憲派とはどういう人のことか」の所である。著者は過去の世論調査結果を駆使して、現実的な国民世論をデッサンする。つまり、一方では現実の自衛隊を認める圧倒的な世論がある。それは災害派遣だけではなく、「専守防衛の自衛隊」を認める世論でもある。一方では9条をどうするか、という国民の世論である。その実態は複雑で、(詳細は略すが)アメリカと同じように海外で武力行使をする力を持つべきだ、と思っている人は全体の2%ほど。防衛力どころか、日本は完全非武装国になるべきだ、と思っている人は全体の2-6%ほど。あと9割は、安全保障政策でいえば、明確不明確にしろ、「専守防衛」を期待しているのである。非常に心配なのは、改憲反対運動を担っている少なくない人たちの信条が「9条を素直に読めば、完全非武装は当たり前」という人たちであること。でもその人たちは、自分の意見が国民の5%にも満たないと自覚しているのだろうか。みたところ、「俺たちの後ろには声にならない2割くらいはいるはずだ」くらいに思っている節がある。その人たちが「海外で戦争するつもりなどさらさら無い」と思っている人たちに「改憲したら、海外で戦争する国になるぞ」と「批判」したら、人の信条を侮辱することになるだろう。もちろん、今の自衛隊は昔の専守防衛の自衛隊ではないから、安倍首相の言うような改憲をしたら「海外で戦争する国になる」のは論理的な帰結である。しかしかなりナイーブな言い方をしないといけないのを、護憲派は自覚しないとならない。2%の論理が国の方針になるようなことは、絶対にあってはならないのである。2018年3月24日記入
2018年04月01日
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「平和新聞3月15日号」1面に、「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」発起人の1人、内田樹氏のインタビューが載っている。安倍自民党は、年内の改憲発議の企みをいささかも緩めてはいない、とわたしは思う。3000万人署名の趨勢は、この日本の未来を左右するだろうと、わたしは思う。署名の発起人・内田樹氏は、大事な「論点」について語っている。その要旨(と言いながら、あまりまとめ過ぎると大切な点が抜けるので少し詳しく載せる)を述べて、わたしの感想を付ける。改憲論の特徴は以下の点である。◯今後の国家戦略にビジョンが何もない。2012年の憲法草案にあるのは、「俺たちはこの国の権力を半永久的に独占して、国民を従わせたい」これだけ。これほど志の低い憲法草案は見たことがない。憲法論議は、本来我が国の未来像を提示するもの。現状と条文をすり合わせるだけの改憲論には、未来志向の要素のかけらもない。◯この改憲論によって、軍事的な対米従属はさらに深まり、自衛隊は米軍の「二軍」として海外派兵される可能性が高まります。米の兵器産業は、日本を絶好の市場として高額な兵器を大量に売りつけてくるでしょう。改憲によって、米国の産軍協同体は間違いなく大きな利益を得ますし、このスキームを円滑に運営することで飯を食っている日本の「対米従属テクノクラート」たちもその余沢に浴するでしょう。けれども、国際社会で日本がどんなポジションを得るか、と言うような国家戦略議論で言えば、日本とアジア隣邦との友好と信頼が深まることは絶対にありません。◯改憲論の方が、護憲論よりもリアリティがあるように見えてしまう。何故か?戦中世代は、憲法制定時に憲法制定の主体性を失っていたことは知っていましたが、あえて黙秘しました。その代わり、彼らの生身の戦争体験が、護憲運動のリアリティを担保していた(「おまえは戦争を知らないだけだ」)のである。加害体験も語らなかった。しかし、現在戦中派世代が退陣して、条文と現実の矛盾だけが露呈して来た。今の若者が「9条二項は現実と整合していない」という言い分にあっさり頷くのは、有る意味で当然です。だから、護憲派の課題は、以下のようになる。◯護憲派は日本がこれから国際社会でどういうポジションを占めたいのか、明確なメッセージを示す必要がある。僕は、韓国や台湾やASEAN諸国と連携して、緩やかな共同体をつくることで、米国、中国、ロシアといった覇権主義的な傾向を持った大国から自分たちの主権=自己決定権を守ってゆくというのが、1番堅実な国家戦略だろうと考えています。これが最もリスクが少なく、最も利益が多い。◯護憲派は、戦中派世代が語り落とした2点、すなわち、戦争の加害体験、戦後にアメリカの「属国」化していった現実などを、世代の責任として語らなければならない。創造的に再構築していくこと。それなしに、護憲論がかつてのような力を取り戻すのはむつかしい。すなわち、戦争や敗戦後の占領の現実、憲法だけではなく日米安保条約や地位協定、その下にある密約群などを白日の下にさらすことで、今日の日本が出来上がっていった過程を明らかにし、もう一度憲法を選びなおす営みが必要です。以下、わたしの感想。わたしたちは何をするべきか?3000万人署名を一筆でも多くとることである。それが、現在最高の戦略である。賛否合わせて、出来るだけ多くの人と「会話」をすることだ。わたしは今日現在57筆とっている。少ないのか、多いのかわからない。わたしはわたしのペースで行くしかない。多くは直ぐに書いてくれるが、中にはもちろん拒否したり、今は書かないという方がいる。なかなかその真意を聞くことが出来ないが、若者が「明確に」拒否する方が多いことから、内田樹氏の言葉には頷くところが多い。今まできちんと「真意」を聞けたのは、2点。・中国と北朝鮮の脅威がある以上、武力持つのは当然である。話し合いしか、方針がないというのはおかしい。・むつかしいことは考えたくない。国民投票になって、判断すればいいのでは。もちろん、数分間「反論」をさせてもらいましたが、数分間で彼ら、彼女たちの意見を変える力は、わたしにはありませんでした。「話をさせていただきありがとうございました」と快く別れることが出来たと思っています。内田樹氏の議論の感想を更に言えば、◯内田氏の国際戦略論は、わたしは頷くところが多い。しかし、護憲派で、この部分ですり合わせが出来ているか、というと正直出来ていない。この部分がやや焦るところだ。◯戦後日本の「属国」化の歴史を明らかにすること。非常に大切だと思っている。以前、「知ってはいけない 隠された日本支配の構造」(矢部宏治 講談社現代新書)という本の紹介をしたが、あの本にあるように「むつかしいことは考えたくない」人に向かって、寄り添うようにひつこいぐらいの説明が、求められているのだと思う。
2018年03月16日
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「9条つつくな!水島の会」が21日、立ち上がった。地域で60団体に声をかけて、倉敷医療生協の理事を代表世話人に、天理教東水島文教会の人や労組などを世話人事務局に選んで、40人が参加してキックオフ集会が開かれた。清水善郎弁護士を迎えて「こんなに危険!9条改憲」という内容で記念講演が開かれた。安倍改憲の中身、実現してしまったらどうなるか、今やるべきことなどに分けてわかりやすく解説してもらった。後で質問して「自衛隊違憲論者」でも「合憲論者」でも同じだと講師の了承を得たので、現在の自衛隊が合憲だと思っている人でも、安倍改憲の後はこのような酷いことになるということを4点列挙したい。(1)アメリカの手下として戦争をすることになる。米国建国242年間で米国が戦争していないのは、たった21年間。特に、直近のアフガン戦争(01-)はドイツ軍も参戦、イラク戦争(03ー11)には英国、韓国、ポーランド等も参戦している。(2)国民生活が犠牲にされる。今でも軍備を増強しているが、自衛隊を憲法に明記すれば、さらに拍車がかかる。(3)自衛隊を存続させることが憲法上の価値とされ、人権を制約する理由になる。憲法上では国民は奴隷的な拘束を受けてはいけないが、自衛隊のためには「例外」を設けることができる。よって、「徴兵制」の法的な根拠を持てる。また、現在の有事法制の「業務従事命令」では、都道府県知事が病院を管理し、土地物資の保管収容を命じても、それを拒否して罰則はないが、それを強制させる罰則規定を設けることが可能になる。また、今までは土地収用法では自衛隊基地のための強制収容は出来なかったが、それが可能になる。辺野古のような事態が全国に広がる。(4)国際関係の悪化。前文と9条の絶対平和主義は、国際社会へ、特に東北アジアへの約束だった。改憲は、そこでより深刻に受け止められ、安全保障上の脅威と評価される。中国・韓国・北朝鮮との関係は、さらに悪化し、軍拡競争をエスカレートさせる。「改憲されたら、法律家はもううんともすんとも言えないのか?」と質問したら、「そもそも9条は矛盾をもっているのだから、それで戦う」とは言ってくれましたが、改憲されたならば、大きな変化が待っている(特に3番)ことは、具体的に話さなくてはいけないと肝に命じました。22日に、毎日新聞の世論調査が発表された。<本社世論調査>改憲案「年内に発議する必要はない」46%「年内発議は必要ない」の方がまだ上回っているが、「自衛隊の存在を明記する憲法改正について「憲法9条の1項と2項はそのままにして自衛隊を明記する」との回答が31%、「9条の2項を削除して自衛隊を戦力と位置付ける」が12%で計43%に上った。「自衛隊を憲法に明記する必要はない」は21%と、明記派の半分程度だった。(略) 自衛隊明記に関しては「わからない」も27%あり、国会などで議論が深まれば世論が動く可能性はある」とあり、これから何もしなかったら、発議されてしまうような状況だ。これからの運動がほんとに大切。
2018年01月22日
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唖然としている。水曜日に記事を書いた時点では、野党は臨時国会冒頭に、内閣不信任案を提出できるのか? なんてことをかいている時点では、そうはいっても、野党は野党らしく振舞うのではないか、と思っていた。民進党があんなにあっけなく瓦解するとは思っていなかった。聞けば、前原は民進党党首選の少し前から小池党首と相談していたらしい。民進党サポーターを騙して党首になり、その直後に非常事態宣言をして独裁国家をつくったナチスのやり方をまねたのか。私は野党共闘しか道はないと思っている。二年前のことを思い出してもらいたい。立憲主義を壊して集団的自衛権を認め、違憲を承知で安保法制の強行採決をした政府を許さない、次の選挙で落とそう、と誓った二年前を。この写真は2015年9月30日の記事の冒頭に掲げた。コンビニでダウンロードしたチラシを家の塀に貼ったものだ。「安保法案に賛成した議員には入れません」自公はもちろんのこと、「希望の党」「維新」も安保法制賛成を明言しているのだから当然入れないようにしよう。それはもう明確だ。たった二年で、三歩歩けば忘れてしまう鶏のような無様な真似はしないようにしよう無理にでも見なくちゃいけないのだけど、ここ数日、ニュース番組を観ることができない。解散当日に、嫌な番組を見たからだ(グッディ)。いまこそ、政策論議をしなくちゃいけないのに、テレビは延々、政党や候補者再編の話ばかりしている。一方で、自民党の北朝鮮対策、雇用、福祉、景気で「対抗軸」が見えないと嘆いて見せている。けっして、この二年間で野党共闘が作ってきた政策を紹介して批判的に検討しようとすることはしない。それが現代日本のテレビなのだ。しかし、「対抗軸」はある。もう、インターネットできちんと読んでそれを確かめて、批判的にみんなのところで検討してもらうしかない。唖然としている。しかし、出来ることをしなくてはならない。私の愛する祖国日本のために。
2017年09月29日
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不可解な報道があった。憲法に則って野党が臨時国会を求めたのに、政府は拒否しているのだ。それなのに、報道は政府は[違憲政府だ]というようなことを言っていない。世の中もざわついていない。どうしてこんなことがあり得るのか。臨時国会召集、4野党が要求 与党は否定的6/23(金) 7:55配信 産経新聞 民進、共産、自由、社民の野党4党は22日、学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設問題をめぐり、安倍晋三政権が国会の閉会中審査に応じないことから、憲法53条に基づき衆参両院に臨時国会召集の要求書を提出した。ただ具体的な召集日程は内閣の判断に委ねられており、安倍政権は早期召集に否定的だ。 提出に先立ち、4党の幹事長・書記局長が国会内で会談し、近く安倍首相に直接、早期召集を求めることも確認した。 民進党の野田佳彦幹事長は会談後の記者会見で「首相はいつも逃げてばかりだ。今回は内閣総理大臣としての政治判断を求めたい」と強調した。 一方、自民党の竹下亘国対委員長は「早急にやらなくていいのではないか」と否定的な見方を示した。憲法はこのように謳っている。「第53条 【臨時会】 内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。 いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。」どうして自民党はこれに応じないで、平気でいられるのか。共謀罪では「国会軽視」をしたが、今度は「憲法軽視」をする。三権分立が聞いてあきれる。司法は何をしている!!!既視感があった。つい最近こんなことがあった。二年前だ。記事を検索してみる。戦争法が強行採決された2015年の秋、ついにそのあと通常開かれる「臨時国会」が開かれなかったのである。このことを解説した渡辺輝人さんの記事がある。安倍政権が臨時国会を召集しなければ憲法違反となる2015/10/22(木) 2:00 政府側の勝手な言い分がどうやら通ったようだ。恐ろしいのは、一度政府は「グレーなことでも通ったらあとはやり放題だ」とばかり、平気でやって、それが国民軽視の[兵器]になることだ。マスコミは、二年前はある程度取り上げたのに、今回はほとんど取り上げていない。渡辺さんは最後に書いている。国会を召集しないのは憲法違反当然のことですが、臨時国会の召集を決定しなければ、憲法53条違反となります。そして、これは安保法制についても言えることですが、政府が憲法違反をすることについて、罰則もなければ議席剥奪のような制裁もありません。日本の場合、裁判所が何かをしてくれるわけでもありません。これは、恐ろしいことですね。結局、国民の声で、安倍政権に憲法を守らせなければならないし、国民が気を許せば、政府はいつだって憲法違反を犯し、いつの間にか国会そのものが開かれなくなったり、基本的人権が侵害されることになるのです。特に、今、我が国は安保法制の憲法違反の問題、TPPの問題、消費税増税の問題などなど、懸案事項が目白押しです。安倍政権の、憲法違反をしてまで政権運営に都合の悪いことを国会で議論させない姿勢は大いに批判すべきでしょう。また、この件を報道する報道機関の役割は極めて大きいと言えましょう。どっちもどっちの政争として捉えることを厳に慎み、臨時国会を召集しないことは、政権が憲法を蹂躙する姿そのものであることを国民に広く伝えなければなりません。
2017年06月23日
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あすわか(明日の自由を守る若手弁護士の会)の作った選挙フライヤーを紹介して、今日のところは記事の代わりにします。ついに選挙の月がやってきました。泣いても笑っても、若者にとっては今後の10年下手をすると一生を左右する選挙です。必ず投票に行きましょう。あすわかは共産党その他の政党を応援する組織ではありません。けれども、安倍政権の改憲策動に強い危機感をもって結成された弁護士の会です。だから結果的に野党統一候補と同じような主張をしています。でも中身を見てほしい。あなたは政党のために選挙に行くのですか?違うでしょ?私は自分や自分の周りの人々の未来のために選挙に行きます。きちんと作った資料は見応えがあります。写真をクリックして拡大して見る方法や画像を保存して拡大して見る方法もありますが、見にくいようならば、ホームページに入ってネットプリント番号もゲットできます。GO VOTE! 選挙です。 どんなに政治に関心がなくても、政治はいやおうなしに生活を、 人生を、揺らします。 国民の平穏で豊かな生活のことだけを考えてすべてを委ね られるヒーローが政治をしてくれたらラクなのに…なんて思っても、ざんねーん。そんなヒーローはいないのです。 私たちの社会は、私たちが治める。 私たちの生活をより豊かなものに、より平和なものにしていくため には、私たち自身がしっかり政治に関わっていくしかないのです。 その一票が、どれだけ強いパワーか! あすわかの選挙フライヤー、好評です☆ 全国のセブンイレブンのコピー機からプリントできます!
2016年07月01日
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17日に行われたSEALDs呼びかけの国会前緊急行動での渡辺治さんのスピーチを紹介します。 3回に分けて戦争法の問題点を述べた。これからどうするのか。現代日本の知性、渡辺治が「4つの爆弾を爆発させよう」と言っている。 あともう少しだ。彼らが暑くて暑くて生きていけないほどの運動をつくろう。 みなさん、こんばんは。学者の会の呼びかけ人のひとりである渡辺治です。よろしくお願いします。今日はみなさんに、ぜひとも 1つお話をしたいことがあって来ました。それはこの憲法に違反する戦争法案、衆議院で強行採決をされましたが、本当に廃案にするにはどうしたらいいのか。本当に廃案にできるのか。このことについて考えてみたいと思います。 みなさんの中には、怒りでここに結集した、そして同時に、こんな衆議院の強行採決で国民の声も聴かないような安倍政権のやり方では、もしかしたら戦争法案、強行採決されるんじゃないか。そういう焦りもあるかもしれません。でもまず第1に言いたいことは、焦っているのは私たちより安倍政権です。安倍政権は私たちの運動の中で、2つの大きなミスを犯しました。 1つ。意外かもしれませんが、国会の会期を 8 月の初旬に終わらせたいはずだったのに、なんと国会の会期を 95日も延長せざるを得なかったこと。これは私たちの闘いの中で 6 月 4 日に憲法審査会で 3人の憲法学者が意見を言ってしまう。こういうようなことの中で、国会を 8 月初旬に閉じるなんてことはとてもできない。だから絶対に安全を期すために、なんと9月27日まで延ばさざるを得なかった。 それからもう1つ。意外かもしれないが、強行採決は本当は彼らもしたくなかった。そんなことをやれば国民がさらにこの戦争法案をどう見るかわかっているから、彼らだってやりたくなかった。それをやらないと間に合わない状況をつくった。この2つの誤算が安倍内閣を大きく縛っていると私は思います。 なぜ8月に国会を閉じたかったのか。そのことが一番問題です。8月になると、もし国会が開かれていると、戦争法案という大きな害悪に加えて、3つの爆弾が出てきます。1つは何か。8月の中旬に間違いなく川内原発の再稼働が行われます。安倍は絶対にこの川内原発の第1号機の再稼働を実現したい。大国をつくるために、強い大企業本位の国をつくるために、戦争法案と並んで、彼がどんなに国民の反対を受けても、川内原発をまず再稼働したい。これが8月の初めにあります。 続いて、8月の 10 日過ぎには、安倍がこれまた執着している戦後70年についての談話があります。これも安倍は自分の命をかけて発表したい。そこでは、戦前の日本の侵略戦争と植民地支配を絶対にお詫びしない。それから絶対に謝罪をしない。そうしなければ、これから日本の国を支える若者たちが、この国に誇りを持てないと彼は思っている。馬鹿げたことだ。戦後70年の談話は彼は絶対に出す。しかし中国や韓国だけではなくて、この私たち国民の中からも確実に反発が起こる。これが2つ目の爆弾です。 3番目の爆弾は、辺野古の新基地について、前知事が許可をした埋め立て許可を拒否すると、その決定を翁長さんは8月にやると言っている。この原発、戦後の歴史問題の修正、植民地支配を反省しないで居直る。そして普天間の基地を強行する。辺野古の基地を強行する。 この3つのことは、戦争法案がなくても大きな爆弾であり、安倍内閣の命を吹っ飛ばすような、私たちにとって重大な課題。これがなんと 8月に出てくるんです。彼は 8 月の初旬に国会を閉めて、心静かにゴルフをしたかった。ところがこの運動がそのことを許さなかった。9月27日まで、つまり8月の間中、国会の中でまさに原発の問題と、辺野古の問題と、戦後70年の問題を大いに議論する。戦争法案と合わせて、4つの爆弾を彼は抱えている。 もちろん私たちが寝ていたら、この爆弾は爆発しない。しかし私たちがこの闘いを大きくすることによって、確実に安倍政権のこの 4つの爆弾で、安倍政権の命運を左右することができる。これが戦争法案をなくす唯一最大の道です。 みなさん、じゃあいったいこの 4つの爆弾を爆発させるために、私たち・君たちは何をやったらいいのか。これについて話をしたい。もちろん毎週金曜日ここに来る。これは前提です。だけどこれだけでは不十分だ。大きな闘いをやるには、これだけでは不十分だ。私も大学で教えていました。 今、夏学期の試験、あるいは始まるところです。学生みんな来てるんです。そこのところで、まず集会が終わったら学園に帰って、そこで 1人でも多く友だちを見つける。そして戦争法案がいかに悪いかということを話して、ここに連れてくる。そしてもっと余力があったら、学習会を開いて、シンポジウムを開いて、大学の中で戦争法案について議論する。 僕らは喜んで行きます。学者の会は、伊達にあるんじゃない。多くの学生を呼びたい。少なくてもいい。だけど学者の会に声をかけてほしい。僕は九条の会もやっています。九条の会にも声をかけてほしい。みんな行きたい。そういうふうに思っている。ぜひとも学園に帰ってほしい。それが1つ。 もう1つ。もしかしたら夏休みに、地域に帰るかもしれない。郷里に帰るかもしれない。恥ずかしがることはない。絶対に帰るべきだ。そして地域の中で、学生諸君は、必ず地域の中で起きている運動に参加してほしい。なぜならば、九条の会は全国に7500あります。 7500 あって10年以上頑張っています。最大の弱点。中高年なんです。僕と同じ、おじさんおばさんが必死に頑張っている。だから君らは、地域に帰って、必ず君らの地域に九条の会はある。必ず地域で戦争法案反対の取り組みがある。ここに行って訴えてほしい。自分たちはこういうことを国会の前でやっているんだ。ともに闘おう、とぜひ言ってほしい。これは地域の人びとに、すごく大きな元気を与えます。 これから暑い夏が来ます。安倍さんはこう思っていると思います。このような強行採決の後の集会も、今は盛り上がっているけれども、そのうち常連ばかりが集まって、静かな国会がやってくるだろう。彼はそれを切望しています。こんなことは許せない。こんなことは絶対に許せない。じゃあどうするか。それは私たちが、安倍さんが嫌がるようなそういう暑い夏に、もう嫌で嫌でしょうがない、生きていられない。そういう夏にしようじゃありませんか。 私たちの熱気で、怒りの熱気で、暑い夏をつくり出しましょう。 この夏が勝負です。この夏は、戦争法案をとおして、国を戦争する国、70年の歴史を変えるのか、それとも戦争する国を阻んで、私たちの国をアジアに広げていくのか、そういう正念場が今来ています。この夏をもっともっと暑い夏にするために、ともに頑張りましょう。
2015年07月24日
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今日のテーマを一回で済ませるのは、実は暴挙である。私がネットを始めた昔から、延々「そのエネルギーどこから来るの?」というくらい長い長いコメント応酬が続いていたのを何度も何度も見たからである。 しかしあえて取り上げるのは、違憲だと本心では思っていようが、強行採決だと本心では認めていながらも、安倍首相を支持し続ける人たちの(おそらく)最大の理由は、「国際情勢が逼迫している」という危機感があるのであって、そのことの解消なしには彼らは決して安倍首相支持、安保法制支持をやめないだろう。と思うからである。 私は蟻地獄には入らない。尖閣諸島がいかに危険な状態にあるかとか、中国・北朝鮮が何を狙っているかとか、そのためにはどんな軍事上の備えが必要で、法整備が必要とか、安倍首相のいう「国際情勢」とネットウヨ(仮名)さんのいう「国際情勢」は全く違うものだ、とかいう論議には入り込まない。 それよりも、その前提になる論議が必要だと思うからである。 国会で「強行採決」のあった7月15日、大阪梅田ヨドバシカメラ前でシールズの寺田ともかさん(21歳)が演説をした。その一部を抜粋する。 先日、安倍首相は、インターネット番組の中で、こういう例を上げていました。 『喧嘩が強くて、いつも自分を守ってくれている友達の麻生くんが、いきなり不良に殴りかかられた時には、一緒に反撃するのは当たり前ですよね』 って。ぞーっとしました。 この例えを用いるのであれば、この話の続きはどうなるのでしょう。友達が殴りかかられたからと、一緒に不良に反撃をすれば、不良はもっと多くの仲間を連れて攻撃をしてくるでしょう。そして暴力の連鎖が生まれ、不必要に周りを巻き込み、関係のない人まで命を落とすことになります。 この例えを用いるのであれば、正解はこうではないでしょうか。 なぜ彼らが不良にならなければならなかったのか。 そして、なぜ友達の麻生くんに殴りかかるような真似をしたのか。 その背景を知りたいと検証し、暴力の連鎖を防ぐために、国が壊れる社会の構造を変えること。 これが国の果たすべき役割です。 ちょっと話を単純化し過ぎると思うでしょうか?でも、先ず単純化して、わかりやすい言葉で、マスコミを総動員して、不安情報を大量に垂れ流して、危機感を煽っているのは安倍首相たちの方です。 私のいいたいのは、こういう国のあり方を変える法律を作る前には、政府は「戸締まり論」などの軍事戦術の前に、軍事戦略いや外交戦略を明らかにした上で提案すべきだと言うことです。 集団的自衛権を行使する国になるというのは、非常に重い決断です。敵国は日本を明確に敵国として認識するということなのである。では、日本にその覚悟があるのか。仮に中国が相手だったとすると、中国在住の日本人の生命も保障されなくなる。もし、行使するのなら、どういう戦略を立てるのか。日本と地域の平和にとって大事なのはなんなのか。しかし、今まで出た「報告書」はそういうことを検討した形跡が一切ない。ある日突然アメリカが攻撃を受ける、という想定しかないのである。 よくネットウヨ(仮名)さんは、左翼は「お花畑にいる」という。自分たちは現実的だと自負しているのだろう。しかし私から見れば彼らこそ空想的好戦主義者だと言いたい。 「憲法9条の軍事戦略」(松竹伸幸)を読んで、私は初めて実際1957年に決定された「国防の基本方針」を知った。なんと、この58年間日本は無為無策といっていい「国防戦略」しか持っていない。 その「基本方針」とは、「日本は自衛のための防衛力をもつ」という。しかし一方で、「侵略に対しては」日米安保で対処するというのである。少なくとも文面上、侵略された際に日本が何をやるのかという問題は、一言もふられていない。自衛隊の役割を検討しないまま、ただアメリカに頼るという表明が「国防の基本方針」の真髄だったのである。(44p) そんなバカな、と思うならば、例えばもっと長い文章の「国防白書」でも紐解いてみればいい。尖閣諸島をいかに防衛するか、ということは最近書き始めたかもしれないが、その時中国在住の日本国民をいかに守るか、いかに平和理に着地させるかなどの「方針」は一切書かれていないだろう。 それもそのはず。すべて「アメリカまかせ」なのだから。 マスコミの情報垂れ流しのの中で隠れて見えないかもしれないが、もっと「現実的な」戦略は検討されている。 既に日本を含む23カ国が平和原則を掲げて作られている東南アジア諸国連合、姜尚中さんたちの提唱する「北東アジア共同体」、韓国の主導する「北東アジア平和協力構想」、日本共産党の提唱する「北東アジア平和協力構想」等々である。そこには、アメリカがどういう態度をとろうと、主体的に平和を勝ち取る道筋のヒントがあるだろう。 あゝ私の文章力がないから、こんなことを書いても安倍支持派が趣旨変えするとは思っていない。そもそもこんなことを、ネットで説得するのがムリだと思う。 出来たら、ネット空間で議論をせずに、街に出て議論をして欲しい。いまならば、護憲派はいろんなところに出没していると思う。
2015年07月23日
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前回どう「かみ合わなかった」のか。もう少し詳しくみて行こう、と書いた。 これは朝日が19日にまとめた「かみ合わなかった質疑応答の論点」である。国会質疑の全部じゃない(と思う)。少なくともPKO改悪法や、首相の先の大戦に対する歴史認識とかの重要な論点については書かれていない。しかし、これだけでも到底衆議院通過出来るような法案ではなかったことが分かる。 先ずは、「安保法制は憲法違反ではない」と主張する政府の「これまでの憲法解釈と全然変わりない」としている根拠の主な論点の二つが、何れも既に論破されているということを指摘しておきたい。 一つは、1959年の砂川事件最高裁判決が、集団的自衛権行使の「合憲性」の「根拠」になるとしていること。 いま一つは、1972年に国会に提出された政府見解「集団的自衛権と憲法との関係」が示した「基本的な論理」は変更しておらず、「これまでの政府の憲法解釈との論理的整合性および法的安定性は保たれている」としていること。 しかし、砂川裁判は集団的自衛権については一切争っていない。そのことは現内閣の横畠裕介法制局長官も国会審議で認めてしまった。 1972年の政府見解はどうか。これはまさに当時の政府が集団的自衛権は憲法違反であることを文書として明らかにしたもので、違憲であることの根拠になることはあれど、その反対はないのだ。 最近安倍首相は集団的自衛権を火事に喩えたが、それは既に首相側近が女子高生にツイッターで論破された論理だった。 集団的自衛権は違憲である。よって、それを展開している安保法制も違憲である。しかし、政府は「ウソも百万べん言えばホントになる」というナチスのやり方を忠実に真似ている。そのために、首相になって直ぐに、1ー2年間毎日のようにマスコミ関係者と会食を重ねてきたのである。首相は○○だが、ブレーンは賢いと、私はつくづくと思う。 「合憲学者は多くいる」という答弁の意味は、その後名前が出てくた「3人」という意味だったのか。それとも、マスコミアンケートで明らかになった(詳しく思い出せないが)「ほんの数%」という意味だったのか。いずれにせよ、朝日新聞は「かみ合わなかった」と書いているが、実際は「違憲であることが明らかになった」のである。 その下の具体的な法案の審議の「かみ合わなかった部分」を見て欲しい。 「あらかじめ言えない」「(政府が)客観的、合理的に判断する」「我々が主体的に判断する」「戦闘行為がないと見込まれる場合」 つまりは、すべて「政府の判断まかせ」なのである。これほどまでに「信用できない政府」がこれほどまでに「我々を信用してくれ」と、言っている「だけ」の法案は珍しい。 「政府は必ず嘘をつく」と言ったのは、堤未果さんの著作の題名である。これは人類の歴史の教訓でもある。だからこそ、近代国家は立憲主義をとり、政府の暴走を抑止するための仕組みを作った。それでも機能し切れないから、堤さんがアメリカの教訓をもとに警笛を鳴らし続けているのだし、アメリカのポチたる日本国首相たちは、前回の失敗から学んで現在巧妙に暴走を始めている。 自民党支持者の中には、安倍首相を信頼したいという気持ちが一定程度強いと思う。特徴的なのは、彼らは自らを「孤立している」と思っていることだ。「マスコミは執拗に安倍首相を攻撃する」「プロ市民はアベとか、カタカナで呼び捨てする」。しかし、彼らが孤立していないのは、客観的事実である。それはこれほどまでに失点を重ねているのに、未だ30%台の内閣支持率がある(4000万人近く?)ことでもわかるし、NHK、フジサンケイ、BS日テレなどのお友達マスコミも健在だ。ただ、彼らは横のつながりは薄い。それが、そういう感想を持たせているのだと思う。それは「反アベ政治」で動いている自覚的な市民たちも同様だ。ただ、今回は危機感の現れで、アベ支持者たちよりも若干早く横のつながりを持ち始めている。 加藤周一はそれを戦略的に進めようとした。しかし、それを展開することはこの小論の役割ではない。 彼らが横でつながって、アベ政治の議論を始めたら、かえってアベ政治には脅威になるかもしれない。それは、「戸締り論」に代表される、彼らの共通認識の論理の希薄性が暴露されるかもしれないからである。 そのことの展開は次回にしたい。
2015年07月22日
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この前、私のTwitterもめでたく5000ツイートを超えました。そのちょうど前後で、めったにない揶揄が入ってきたので、ちょっと解説します。 あっ、写真は平和行進の時に貰ったポスターを家の前に貼ってみました(^-^)/ まずは制服向上委員会の7月15日の公式Twitterによる呟きから始まります。 @ski_official: 『強行採決反対 国会正門前大集会』に私たち制服向上委員会も参加させていただきます!与党のみで単独採決。国民の八割が説明不足と言っている状況で採決なんておかしい!国民が納得してからにしてほしいです。 なので諦めず戦争法案絶対反対を訴えていきます! 制服向上委員会 西野莉奈 (補足)制服向上委員会の皆さんが、自覚的に集会に参加したり発言したりしているのは、前回記事で書いた。それがあるから、以下のような励ましのツイートをしたのですが、それがどっかのネットウヨ(仮名)さんの癇に障ったらしいです。 (コレ私です) @KUMA0504: @ski_official @kijitora0510 委員長が約束していた資料の提出も結局なくて、強行に審議打ち切り。こういうのを強行採決という。「バックにオトナがいる」とかいつものバカな揶揄を気にせず、頑張りましょう! (補足)強行採決の直前、焦点になっていたのはイラク自衛隊派遣時の実態を書いた資料だったのですが、出てきたのは「黒塗り」でした。PKO法が改悪されようとしている時、現行法でもどんな危険があったのかどうかを確かめようとして、更に資料提出を求めたのです。浜田議長も再提出を約束しました。それを議長が突然審議を打ち切ったのです。安保法制の根幹に関わる内容の審議を打ち切ることが、果たして民主的な国会運営と言えるのでしょうか? @arisa11111: @KUMA0504 @ski_official @kijitora0510 全会一致で可決したものを強行採決なんて言いません。嘘つかないでください。本当に反日売国奴って息するように嘘を平気でつきますよね。気持ち悪い。 (補足)とネットウヨ(仮名)さんからツッコミを入れられたので、ネットの「国語辞書」で調べてみました。 (コレ私です) @KUMA0504: @arisa11111 @ski_official @kijitora0510 きょうこうさいけつ【強行採決】 国会などで、少数派が審議の継続を求めているにもかかわらず、多数派が一方的に審議を打ち切り、採決を行うこと。 常識を知らないのは、どちでしょう? @arisa11111: @KUMA0504 @ski_official @kijitora0510 @tyuusyo: 「強行採決」というのはマスコミの造語です。法律上は何の定義もありません。恥の上塗りですね。 (補足)「マスコミの造語」じゃありません。ちゃんと辞書でも定義されているんですよ。 これ以上はバカらしくてツイートしませんでした。このネットウヨ(仮名)さんは、どうやら「強行採決は許されない!」と、私たちが主張しているのは、「(法的に)採決が無効だ」と主張しているのだと勘違いしているようです。或いはそのようにミスリードさせようとしているのか。 しかし、この4日間のデモや集会で、いったい誰が「衆議院採決は無効だ!」と主張したでしょうか?ところが、今回ネットウヨ(仮名)さんたちは、かなり「強行採決」という言葉に敏感に反応したようです。ツイッターの全国トレンドでずっと上位だったことでもうかがわれます。それは彼ら自身が「強行採決だった」ことを認めているということなんでしょう。 戦争法或いは安保法制は、間違いなく戦後日本の国のあり方を変えるものです。ところが、「審議は全然充分されていない」とは、あらゆる世論調査が示しています。 自民党は「(審議時間のめやすである)80時間以上の審議はした。充分審議はした」と言っています。ここには、自民党のいつもの「黒を白と言いくるめる」レトリックがある。(1)この安保法制は一つではない。11もの法案を一括で審議している。100時間どころか、1000時間やっても足りないのだ。(2)あとで検討するが、野党と自民党の言い分は、全然かみ合わなかった。審議すればするほどわからなくなった。というのがこの国会の審議だった。(3)あとで検討するが、そもそもこの法案は憲法違反である。成立する前から違憲だと、ほぼ明らかになる法律を作らせないのが、そもそも国会の役割だったはずだ。到底「採決」出来るような状況ではなかったのである。私たちが「強行採決は許されない!」と言っているのは、つまりはそういうことなのである。 では、どう「かみ合わなかった」のか。もう少し詳しくみて行こう。
2015年07月21日
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「明日を作る若い弁護士の会」が衆議院選挙にむけて、全国の各候補者に出したアンケートの結果が公表されつつあります。 質問は 質問1.集団的自衛権の行使容認に 賛成・反対・どちらともいえない その理由は、 質問2.武力行使の要件に関する本年7月1日付閣議決定に 賛成・反対・どちらともいえない その理由は、 質問3.自民党の2012年改憲草案に 賛成・修正した上で賛成・反対・どちらともいえない その理由は、 質問4.12月10日施行予定の特定秘密保護法に 賛成・反対・どちらともいえない その理由は です。 大阪府の結果だけですが、画像をゲットしたので最後に載せます。 有権者の皆さんは画像をよく見て判断して頂きたいのですが、これを見て私は以下のように思いました。全体的には、これが全国的な各党の態度だと見ていいだろう。ということです。 自民党は、積極的賛成か未回答というものだった。賛成だけして理由を一切書かない不誠実なものも含めて、この党の憲法と平和を破壊しようとする方針は揺るがないし、その方法は都合の悪いことにはだんまりを決め込む不誠実なことになるだろう(つまり強行採決の手段に出るだろう)、ということです。 公明党は全てだんまりを決め込んだ。責任のある与党からかけ離れている。一言でいえば「卑怯」。平和の党の看板は外してもらいたいと切に思う。 維新の党は、賛成、反対、だんまりと入り乱れていること自体が呉越同舟のいい加減な党であることを示しているが、反対しているのは全て国会運営に対してだけであって、来年春の戦争法も、秘密保護法の運営での決定的な場面も基本的には賛成に回ることが予想される。 民主党が基本的に反対の態度を示しているのは評価できるが、集団的自衛権に関しては従来政府の法解釈の範囲内の判断という限界はある。さらに自民党憲法草案を一部理解出来るとまで書く神経にびっくりした。 次世代の党は全てだんまり。まあ、政策はなくて自民党補完勢力なのだから仕方ない。 日本共産党のみ、誠実に自分の言葉で答えている。子どもや孫を戦争に行かせないことのみに関して判断すれば、日本共産党ということになるだろう。 「明日を作る若い弁護士の会」ホームページ http://www.asuno-jiyuu.com/?m=1
2014年12月08日
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今日はこの記事について考えてみる。 9条の会の出店拒否 「国分寺まつり」毎年参加一転 2014年8月29日 朝刊 東京都国分寺市で十一月に開かれる「国分寺まつり」で、毎年ブースを出している護憲団体「国分寺9条の会」が今年の参加を拒否されたことが二十八日、分かった。市などでつくる実行委員会は、内容が政治的であることを理由としている。9条の会は「表現の自由のじゅうりんで、到底承服できない」と同日、実行委と井沢邦夫市長に参加を認めるよう要請書を提出した。 (林朋実) 同会は立川市内で記者会見した。まつりには二〇〇八年からブースを出し、憲法九条に関するパネル展やシール投票をしている。 まつりは今年から、ブース出店者の募集要項に「政治・宗教的な意味合いのある出店」の場合は参加を不可とする文言が加わった。 実行委の島崎幸男会長は「市民が親睦する場で賛否両論あるものを取り上げ、いざこざが起きるのは好ましくない」と説明する。 これに対し、9条の会事務局の増島高敬(たかよし)代表(74)は「政治的内容についても市民が意見交流してコミュニケーションを深めることは、まつりの趣旨にも沿うはず」と話す。過去にトラブルはないという。 市議会の議事録によると、昨年十一月の総務委員会で委員の一人が、特定の政治思想を帯びた内容の出店が続くなら市は五百万円の補助金支出をやめるべきだ、との趣旨の発言をし、市側は「指摘の趣旨に沿う対応を検討する」と回答していた。 増島さんは「市が補助金をたてに出店拒否を主導したのでは」と疑念を募らせている。 今回のまつりでは9条の会の他にも、「バイバイ原発/国分寺の会」も同じ理由で参加を拒否された。同団体は二十九日に対応を協議するという。 国分寺まつりは十一月二日、国指定史跡「武蔵国分寺跡」に近い都立武蔵国分寺公園で開催。今年で三十一回目。歴史行列や多数の模擬店があり、例年三、四万人が訪れる。 もちろん私の意見は実行委の判断は言語道断であり、直ぐに取り消しを取りやめるべきだというものである。 しかし、問題はこれが国分寺市の問題ではなくて、芋づる式に出ている現象の一つだということである。だとすると、その持って来ている「論理」について、切り崩すメドはあるのか、ということを検討しなくてはならない。 実行委の島崎幸男会長は「市民が親睦する場で賛否両論あるものを取り上げ、いざこざが起きるのは好ましくない」と説明する。 というのが、実行委の「論理」である。私は最初パッと思ったのは この事例を「思想信条の自由を侵」す事件だと判断して、市を相手に違憲裁判が出来ないか? ということだった。しかし実行委は「思想信条」を問題にしていないのだ。実行委は「いざこざが起きる」「かもしれない」ということで、治安上の問題として出店を拒否しているのである。これだとやりにくい。たとえ「いざこざ」など起こるはずがなくても「かもしれない」と判断すれば「強権」が発動出来る根拠が実行委の規約の中にもし書いていれば、書いてなくともそう判断すれば「出来てしまう」。まるで9条改憲の先取りであるが、かなり悩ましい。 因みに、思想信条の問題ならば、「天皇陛下も憲法を守ろう」と言っておられるんですよ、などと攻めてみようかと思っていた私です。 しかし、この「論理」がまかり通ったならば、これからあらゆる平和集会・企画で、公共上の施設から締め出されることになることも事実である。 ならば、この「論理」自体を徹底的に批判しなければならない。 (1)「思想信条の自由を守るのは、公職者の責務である」ということを先ず認めてもらう。 (2)それを侵す恐れがある場合は、そうならないように治安上の「対策」をするのは公職者の責務である。 (3)「市民が親睦する場」が侵されるのではないかという懸念を実行委がもし持っているのだとすれば、その懸念を払拭するのは同実行委の構成団体である市の責務である。 裁判にはなりにくい以上、あとは早急に地元で署名を数万単位で取るしかないと思う。国分寺市民の「良識」が問われている。
2014年08月29日
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伊藤真さんの「今、憲法を考える」の講演内容を私流にまとめてみました。もっとも重要なのは、最後に出てきた「解釈変更、憲法改悪阻止する上で重要なこと」だと思う。 ●明治憲法から日本国憲法へ、憲法価値の転換があった。その中の一つ、「戦争し続けた国」→「戦争出来ない国」。これは、「戦争しない国」ではない。「戦争をしないために集団的自衛権が必要」とも言えるからである。日本国憲法は「戦争をしたくても出来ない国」である。 伊藤真さんは、法律用語の厳密さとわかりやすい日本語とのバランスが絶妙。今回、いろんな場所で「使える日本語」をたくさん見つけた。 ●前文1項で述べているのは、憲法を制定した目的は「人権」と「平和」であって、そのための手段が「国民主権」だということ。 国民主権と人権、平和は並列して並んでいるわけではないらしい。だからこそ、憲法は「国民の不断の努力によって保持しなければならない」のだろう。常に国民は政府を監視しなければならない。人間は間違いを犯す。政府はウソをつく。私は知らなかったのだが、イラク戦争で自衛隊が運んだ1.3万人の人員は自民党政権の時には「国連職員だ」とのみ説明されて詳しい資料は情報開示されなかったが、民主党政権になって見てみると紛れもなく「米軍人」だったらしい。これが秘密保護法が使われると、ずっと秘密になる。「国民主権」が無くなるのである。 ●この国は、憲法の「アクセル=民主主義」のみを使って走ってきた。と国民は思っているのではないか。本当は保守本流の中のリベラル、社会党共産党がブレーキの役割を果たしてきた。 アベも言うし、国民の中にも「自民党は選挙で選ばれたのだから、集団的自衛権も公約の中に一応入っているのだから、閣議決定は仕方ない」という空気があるのではないか。それは違う。憲法が訴えているのは、「法律でも、多数意見でも奪えない価値がある」ということ。その価値が平和と人権である。 伊藤さんは「30年かけて、やっと立憲主義という言葉が新聞一面を飾った。」という。憲法を「活かす」のは、それほどにも時間がかかるということなのだろう。 ●実は「戦争放棄」を憲法に掲げている国は160カ国もある。国連憲章にも入っている。これは近代国家の価値観なのである。日本国憲法9条の先駆性はそこにあるのではない。第2項の「戦力不保持」、「平和的生存権」にある。後者は国連憲章に入れようと運動がある「人間の安全保障」「平和への権利」の先取りでもある。 自民党改憲案は「戦争放棄」を「安全保障」へ変え、平和的生存権と交戦権否認条項を削除している。真っ向から日本国憲法の価値を否定している。 ●アベが言う「国民を守る」。そうではない。「国民を危険にさらす」のだ。それをもっと宣伝するべきなのだ。イラク戦争の時に、何処でテロが起きたか。イギリスとスペインだったことをきちんと思い出すべきだ。 憲法の価値。「ジャパンブランド」という言葉をもっと宣伝するべきなのだ。 ●平和委員会の例会で、私が初めてのチューターになって、石川達三「生きている兵隊」をテキストに「戦争の実態をイマジネーションする」というテーマで学習会をしました。ひとつ一つ、少しづつやっていくしかありません。
2014年07月03日
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伊藤真弁護士の「今、憲法を考える」という講演が倉敷市水島でありました(倉敷医療生協社保共闘会議主催)。期待以上にわかりやすい話でした。 冒頭は、昨日の集団的自衛権閣議決定の首相会見の感想。問題の「質疑応答」部分を下に全文載せておきますが、伊藤さんは「不誠実で、質問にまったく答えていない」とバッサリ。「時の政権の判断でいかようにでも拡大解釈でき、明確な歯止めにならないとの指摘があるがどう考えるか?」、「自衛隊員が血を流すかもしれないとお考えか」、「国民にはどのような覚悟が必要かと思っているか」これら国民のリスクに対して「すべてまともに答えていない。これは本来の政治家の役割を果たしていない」との伊藤真さんのご指摘でした。 反対に言えば、そこが向こうの弱点なのだから、そこをもっと宣伝するべきなのだ、と思ったのでした。 【質疑応答】 (内閣広報官) それでは、皆様からの質問をお受けいたします。 御希望される方は挙手を願います。私のほうから指名いたしますので、所属とお名前を明らかにされた上で質問をお願いいたします。 最初に、幹事社からお願いをしたいと思います。どうぞ。 (記者) 北海道新聞の宇野と申します。 今回閣議決定した内容については、日本への攻撃の抑止力を高めるという見方がある一方、武力行使要件として「国民の生命などが根底から覆される明白な危険がある場合」とするなど、抽象的な表現にとどまった感があります。これでは時の政権の判断でいかようにでも拡大解釈でき、明確な歯止めにならないとの指摘もありますが、総理はいかがお考えでしょうか。 また、自衛隊の活動については、世界の警察官としての役割を果たそうとしないアメリカに、尖閣諸島を始め東アジア地域で求められる役割のより適切な実行を促すとの期待がある一方、隊員が戦闘に巻き込まれ血を流す可能性がこれまで以上に高まる可能性も指摘されています。総理はこの点をどうお考えでしょうか。 (安倍総理) 今回の新三要件も、今までの三要件と基本的な考え方はほとんど同じと言っていいと思います。そして、それが武力行使の条件であったわけでありますが、今回、新三要件としたところでありますが、繰り返しになりますが、基本的な考え方はほとんど変わっていない、表現もほとんど変わっていないと言ってもいいと思います。 今回の閣議決定は、現実に起こり得る事態において、国民の命と平和な暮らしを守ることを目的としたものであります。武力行使が許されるのは、自衛のための必要最小限度でなければならない。このような従来の憲法解釈の基本的考え方は、何ら変わるところはありません。したがって、憲法の規範性を何ら変更するものではなく、新三要件は憲法上の明確な歯止めとなっています。 また、この閣議決定で集団的自衛権が行使できるようになるわけではありません。国内法の整備が必要であり、改めて国会の御審議をいただくことになります。これに加えまして、実際の行使に当たっても、個別的自衛権の場合と同様、国会承認を求める考えであります。民主主義国家である我が国としては、慎重の上にも慎重に、慎重を期して判断をしていくことは当然であろうと思います。 今次閣議決定を受けて、あらゆる事態に対処できる法整備を進めることによりまして、隙間のない対応が可能となり、抑止力が強化されます。我が国の平和と安全をそのことによって、抑止力が強化されたことによって、一層確かなものにすることができると考えています。 (内閣広報官) それでは、幹事社、もう一社ですか。どうぞ。 (記者) フジテレビの西垣と申します。よろしくお願いいたします。 北朝鮮問題についてお伺いいたします。本日、北京で日朝局長級協議が行われました。北朝鮮による特別(調査)委員会につきまして、拉致被害者の方を含め、包括的・全面的な調査を行うこの実効性の担保というものがどのようになされているのか、また、日本の独自の制裁解除に値するものになるのかどうか、総理の御認識をお願いいたします。 また、あわせまして、韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相が30日に韓国の国会の答弁で、日本の制裁解除を含む拉致問題解決に向けた交渉が核問題についての日米韓の協調に影響を与えているのではないかとの認識を示されておりますが、総理のお考えはいかがでしょうか。 (安倍総理) 日朝政府間協議については、現在も北京において開催されている最中であります。私としては、代表団が帰国後に北朝鮮側の特別調査委員会に関する説明についてきちんと報告を受けた後に、しっかりと見極め、適切に判断をしていく考えであります。現時点で今後の対応についてお答えすることは適切ではないと思います。 日朝関係を含め、北朝鮮をめぐる問題については、平素から米国や韓国と緊密に連携を取ってきています。我が国としては、今後も引き続き連携していく考えでありまして、日朝政府間協議の開催によって日米韓の連携に悪影響が出ることはないと考えています。 (内閣広報官) それでは、これから幹事社以外の方の御質問をお受けいたしますので、挙手をお願いします。 それでは、真ん中の女性の。はい、どうぞ。 (記者) AP通信の山口と申します。よろしくお願いします。 今回の集団的自衛権を容認するという決定は、日本の国防政策の大きな転換になると思います。これによって、総理は今後日本をどのような国にするというビジョンをお持ちでしょうか。これがいわゆる普通の国になるということなのでしょうか。 それからまた、抑止力を高め、一層国際貢献ができるという国になるということは、また平和を守るためには、もしかすると犠牲を伴うかもしれないという可能性もあるかもしれないのですが、国民はどのような覚悟を持つ必要があるでしょうか。そして、今回の決定によって一般の国民の私たちの生活には何か変化があるでしょうか。よろしくお願いします。 (安倍総理) 今回の閣議決定は、我が国を取り巻く安全保障環境がますます厳しさを増す中、国民の命と平和な暮らしを守るために何をなすべきかとの観点から、新たな安全保障法制の整備のための基本方針を示すものであります。これによって、抑止力の向上と地域及び国際社会の平和と安定にこれまで以上に積極的に貢献していくことを通じて、我が国の平和と安全を一層確かなものにしていくことができると考えています。 憲法が掲げる平和主義、これからも守り抜いていきます。日本が戦後一貫して歩んできた平和国家としての歩みは、今後も決して変わることはありません。今回の閣議決定は、むしろその歩みを更に力強いものにしていくと考えています。また、今回閣議決定をいたしました基本的な考え方、積極的平和主義につきましては、私は首脳会談のたびに説明をしています。そして、それを簡単にした説明書、これは英語やフランス語やスペイン語やポルトガル語や様々な言葉に訳したものをお渡しをし、多くの国々から理解を得ていると承知をしております。 また、自衛隊の皆さんは、今この瞬間においても、例えばソマリア沖で海賊対処行動を行っています。あるいは東シナ海の上空において、また海上において、様々な任務を担って活動しているわけでありますが、それぞれ、時には危険が伴う任務である中において、国民の命を守るために彼らはその任務を粛々と果たしているわけでありまして、私は彼らに感謝をし、そして彼らのこの勇気ある活動に敬意を表したい、彼らは私の誇りであります。今後とも、彼らは日本の国民を守るために、命を守るために活動していただけると確信をしております。 (内閣広報官) はい、それでは、次の方、どうぞ。 (記者) 総理、毎日新聞の竹島です。 先ほど御発言で関連法案の作業チームを立ち上げたいというお話であったのですが、今回示された基本方針がやはり国会でどのように議論されていくのかというのは、国民の関心もかなり大きいと思います。グレーゾーン、国際協力、集団的自衛権、この3つについてどのようなスケジュールで法改正に臨まれるお考えでしょうか。 (安倍総理) 法改正については、これは直ちに取り組んでいく必要があると思います。今回の閣議決定において、今仰ったようにグレーゾーンにおいて、あるいは集団的自衛権において、あるいは集団安全保障において、自衛隊が活動できるようになるわけではありません。そのための法整備、先ほど申し上げましたようにスタートしていくわけでありますが、この法整備についても与党とよく、スケジュールも含めて連絡をして、緊密な連携をしていきたいとこう思っております。 今の段階では、いつまでにとかいうことについては、これからスタートするところでありますから、まだ申し上げる状況ではないと思います。 (内閣広報官) はい、それでは、次の質問をお受けしますが、時間の関係でこれで最後にしたいと思います。では、竹内さん。 (記者) 日本テレビの竹内です。 そもそもなんですけれども、集団的自衛権の問題というものに総理が問題意識を持って取り組もうと思った、その何かきっかけとか原点みたいなものは何でしょうか。それをお聞かせください。 (安倍総理) 小泉政権時代に、いわゆる有事法制あるいは国民保護法の制定を行ったわけでありますが、当時、私は官房副長官でありました。あの時、改めて戦後60年経つ中において、そうした日本の独立、そして国民の命を守るための法制には不備があるという現実と向き合うことになりました。 その中において残された宿題がまだあった。それは今回のグレーゾーンであり、例えば集団安全保障の中において、PKO活動をする中において、一緒に活動する他国の部隊に対して、自衛隊がもし襲撃をされたときには助けてもらうことになるけれども、逆はないということで果たしていいのか。あるいはNGOの人たちが実際に危険な目に遭っている中において、自衛隊が彼らを守ることができなくていいのか。そしてまた、何人かの米国の高官から、米軍あるいは米国は日本に対して日本を防衛する義務を安保条約5条において果たしていく考えである。しかし、例えば日本を守るために警戒に当たっている米国の艦船がもし襲われた中において、近くにいて守ることができる日本の自衛艦がそれを救出しなくて、あるいはまた、その艦を守るために何の措置もとらなくて、アメリカ国民の日本に対する信頼感あるいは日本に対して共に日本を守っていこうという意志が続いていくかどうか。そのことを真剣に考えてもらいたいと言われたこともありました。 段々安全保障環境が厳しくなる中において、正にそうした切れ目のないしっかりとした態勢を作ることによって、抑止力を強化し、そして全く隙のない態勢を作ることによって、日本や地域はより平和で安定した地域になっている、そう考えたわけでありました。今次、その意味において閣議決定ができました。 私は総理大臣として国民の命を守り、平和な暮らしを守るために、様々な課題に対して目を背けずに正面から取り組んでいく責任があります。その責任において、今回、閣議決定を行いました。 (内閣広報官) それでは、予定の時間を過ぎましたので、これをもちまして記者会見を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。 (続く)
2014年07月02日
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安倍の記者会見を詳しく見ていると、こんな言葉があった。 今回の検討によって、他国の戦争に巻き込まれるといった批判があります。こうした批判は、1960年の安保改正の際、盛んに言われました。この安保条約の改正によって、むしろ反対論の中心はそこにあったのです。この日米安保の改正によって日本は戦争に巻き込まれる、さんざん、そう主張されました。しかし、50年たってどうだったでしょうか。この改正によって、むしろ日本の抑止力が高まり、アジア太平洋地域においてアメリカのプレゼンスによって、今、平和がより確固たるものになるというのは、日本人の常識になっているではありませんか。まさに、私たちが進めていこうとすることは、その抑止力を高めていく、そして、日本人の命を守るためにやるべきことはやらなければならないという観点から検討していかなければならないということであります。巻き込まれるという受け身の発想ではなくて、国民の命を守るために、何をなすべきかという能動的な発想を持つ責任があると、私は思います。 繰り返しになりますが、抑止力が高まることによって、より戦争に巻き込まれることはなくなると、私はこのように考えております。 このことは、石破さんの著書の中でも書かれており、いわば自民党の平和戦略の唯一の「戦略」と言っていいものだと思う。安倍の話はヒトラーを意識しているのか、繰り返しが多いので却ってわかりにくい。一言で言えばこうだと思う。 日本が戦争に巻き込まれることはない。なぜなら、日米安保によって抑止力が働いているからである。集団的自衛権はこれを強化するためにある。 日米安保を支持する国民は確かに安定多数で推移している。安倍さんは多分そこにも依拠してこういう言い方は、国民の理解を貰えるだろうと皮算用を踏んでいるのだろう。しかし、安保支持の理由は、安全保障の面よりもむしろ経済的なものだと私は思う。 そもそも、安保があったから戦争に巻き込まれなかったわけではない。むしろ、その反対である。ベトナム戦争は沖縄が戦闘機の出発基地だった。ベトナムがもし世界戦争を仕掛けていたら、少なくとも沖縄が戦場に「巻き込まれ」ただろう。9.11でもし9条の縛りのためにPKOが慎重な態度を取らなかったら、いつ戦闘があってもおかしくはなかっただろう。反対に、日米同盟がなかったら日本はソ連や中国から攻められただろうか。資源もないこの島国に?私は考えられないと思う。そう思うのは戦争をしたくて仕方ない好戦主義者のお花畑の頭の中だけだろう。 私は彼らの弱みは此処だと思う。本来、集団的自衛権の行使は極めて外交戦略の延長線上の帰結たる戦争の高度な戦術なわけだから、その背後にはシッカリした外交戦略がなければならない。しかし彼らの外交戦略は「日米安保の抑止力に頼る」その一点しかないのだ。そこにそもそも根拠がない事を攻めるのが、1番だと思う。 彼らが集団的自衛権を急ぐ理由は、ここである。反対に、彼らの防御が不足しているところもここである。ここを陥すべきだ。
2014年05月17日
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とりあえず腹が立ったこと。を揚げ足取り風に。安保法制懇の本格批判はおいおいやっていきたいけれど、昨日の安倍の会見もかなり酷かった。 歴代内閣が長年守ってきた憲法解釈を、安倍政権の判断で変更すれば、憲法が権力を縛る「立憲主義」の否定につながり、一内閣の判断で解釈を変えられる前例を残すことになる。この点について首相は「立憲主義にのっとって政治を行っていく。当然のことだ」と述べたうえで、「人々を守る政府の責任を放棄しろと憲法が要請しているとは私には考えられない」と持論を述べた。(5.16朝日新聞記事) と、記者会見でテキトーな事を言ったそうだが、この人は衆院予算委でこう言った。 「憲法が国家権力を縛るというのは、王権が絶対権力を持っていた時代の考え方だ。今のは国の形、理想を語るものだ」 こんな大事なことを「当然のことだ」などと前言を翻すような首相が、いったん「最後の砦」に近い憲法解釈を変えれば、「必要最小限度」という前言は次の日でも翻されることでしょう。 下の写真は昨日も言及した「明日の自由を語る若手弁護士の会」が作った安保法制懇報告書の添削です。尚、その下に朝日の元記事を置いておきます。 集団的自衛権行使へ転換 首相、憲法解釈変更に意欲 基本的方向性を発表 2014年05月16日05時00分朝日新聞 安倍晋三首相が、他国のために自衛隊の武力を使う集団的自衛権の行使に向けて踏み出した。15日に記者会見し、憲法9条が禁じる武力行使にあたるとされてきた集団的自衛権の行使を検討する考えを表明した。首相は「限定的」と強調したが、現実には自国の防衛に専念してきた戦後日本が、海外での戦争に参加できる道を開く安全保障政策の大転換だ。首相は憲法解釈の変更での行使に意欲を示すが、憲法の根幹を一内閣の判断で変えるという重大な問題をはらむ。 首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)が15日、首相に報告書を提出。これを受けて、首相は同日夕、政府の考え方を示す「基本的方向性」を記者会見で語った。 首相は会見で、安保法制懇が「我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があるとき、限定的に集団的自衛権を行使することは許される」と提言したことに触れ、歴代内閣は行使を認めてこなかったが、「従来の政府の基本的な立場を踏まえた提言だ。今後、さらに研究を進めたい」と述べた。与党との協議が調えば、行使を可能にする憲法解釈の変更を閣議決定する考えも明言した。 首相は「日本国憲法が掲げる平和主義はこれからも守り抜いていく」と述べた。その一方で、行使容認を検討する理由について、「抑止力が高まり、紛争が回避され、我が国が戦争に巻き込まれなくなる」と説明した。 しかし、歴代内閣が長年守ってきた憲法解釈を、安倍政権の判断で変更すれば、憲法が権力を縛る「立憲主義」の否定につながり、一内閣の判断で解釈を変えられる前例を残すことになる。この点について首相は「立憲主義にのっとって政治を行っていく。当然のことだ」と述べたうえで、「人々を守る政府の責任を放棄しろと憲法が要請しているとは私には考えられない」と持論を述べた。 一方、集団的自衛権行使は、日本が直接攻撃を受けなくても他国を守るための戦争に参加することだ。首相が行使容認を目指すのも同盟国である米国などの要請を想定して「戦争ができる体制」を整える狙いがある。当然、他国の戦争に巻き込まれる可能性が高まる。しかし、首相は「巻き込まれるという受け身の発想ではなく、国民の命を守るために何をなすべきかという能動的な発想を持つ責任がある」と強調した。 首相はまた、尖閣諸島での中国との対立を念頭に「漁民を装った武装集団が我が国の離島に上陸してくるかもしれない。こうした、いわゆるグレーゾーン事態への対処を一層強化する」と述べ、憲法解釈の変更が必要ない分野の法整備も検討する考えを示した。 ■危機事例を強調 安倍首相は記者会見で、日本人の危機を強調する事例を挙げて、行使容認の必要性をアピールした。 集団的自衛権の行使が必要と考える事例のうち、日本近海での邦人輸送中の米輸送艦を自衛艦が防護する事例をパネルで示し、「この米国の船を日本の自衛隊は守ることができない」と説明した。しかし邦人が乗っていることから、日本が攻撃を受けていると見なして個別的自衛権の行使で対応できるとの考えもある。 安倍首相はこうした現在の憲法解釈でも対応できる可能性については説明しなかった。さらに北朝鮮の弾道ミサイル問題にも触れて、「日本の大部分を射程に入れている。東京も大阪も、皆さんの街も例外ではない」と強調した。仮にミサイル攻撃があれば個別的自衛権や警察権の行使で対応できる態勢を整えているにもかかわらず、あえて脅威を強調した。(冨名腰隆、園田耕司)
2014年05月16日
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今日の憲法記念日に小森陽一講演があるのだが、仕事の関係で聞きに行けない。悲しいので、憲法関連の記事を書いて置く。昨日NHKのニュースで憲法意識調査の報道をしていた。今や安倍様様になったNHK幹部の歯がゆい想いが、アナウンサーの能面のような表情に出ていた。 世論調査 憲法改正必要・不必要ほぼ同じ 5月2日 17時17分 3日は憲法記念日です。NHKが行った世論調査によりますと、「憲法を改正する必要があると思う」と答えた人は28%で、1年前の調査より14ポイント減った一方で、「改正する必要はないと思う」と答えた人は10ポイント増えて26%となり、憲法改正が「必要」と「必要でない」という人の割合がほぼ同じとなったことが分かりました。 一方、憲法9条については、「改正する必要はないと思う」と答えた人が38%で、「改正する必要があると思う」と答えた人より多くなりました。 調査の概要 NHKは、先月18日から3日間、全国の18歳以上の男女を対象に、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDDという方法で世論調査を行い、2667人のうち60%に当たる1600人から回答を得ました。 改憲の賛否 今の憲法を改正する必要があると思うか聞きました。 「改正する必要があると思う」が28%、「改正する必要はないと思う」が26%、「どちらともいえない」が40%でした。 NHKが去年の4月に行った調査と比べると、「改正する必要があると思う」という回答は14ポイント減った一方、「改正する必要はないと思う」という回答は10ポイント増え、憲法改正が「必要」と「必要でない」という人の割合がほぼ同じとなりました。 憲法改正に賛成の理由 「憲法を改正する必要があると思う」と答えた人に理由を聞いたところ、「時代が変わって対応できない問題が出てきたから」が75%と最も多く、「国際社会での役割を果たすために必要だから」が15%、「アメリカに押しつけられた憲法だから」が7%などでした。 憲法改正に反対の理由 「憲法を改正する必要はないと思う」と答えた人に理由を聞いたところ、「戦争の放棄を定めた憲法9条を守りたいから」が60%と最も多く、「多少問題はあるが、改正するほどのことはないから」が31%、「今の憲法がいい憲法だと思うから」が7%などでした。 憲法9条改正の賛否 「憲法9条」について改正する必要があると思うか聞きました。 「改正する必要があると思う」が23%、「改正する必要はないと思う」が38%、「どちらともいえない」が32%でした。 去年4月に行った調査では3つの回答はいずれも同じ程度でしたが、今回は「改正する必要があると思う」が10ポイント減り、「改正する必要はないと思う」は8ポイント増えました。 9条改正賛成の理由 憲法9条を「改正する必要があると思う」と答えた人に理由を聞いたところ、「自衛力を持てることを憲法にはっきりと書くべきだから」が41%、「国連を中心とする軍事活動にも参加できるようにすべきだから」が35%、「自衛隊も含めた軍事力を放棄することを明確にすべきだから」と「海外で武力行使ができるようにすべきだから」がいずれも8%などでした。 9条改正反対の理由 憲法9条を「改正する必要はないと思う」と答えた人に理由を聞いたところ、「平和憲法としての最も大事な条文だから」が68%、「改正しなくても憲法解釈の変更で対応できるから」が14%、「海外での武力行使の歯止めがなくなるから」が11%、「アジア各国などとの国際関係を損なうから」が6%などでした。 立憲主義の認知度 今の憲法の基本的な考え方である「立憲主義」について聞きました。 「政府の権力を制限して国民の人権を保護する」という「立憲主義」について知っていたかどうか尋ねたところ「知っていた」が11%、「ある程度知っていた」が33%、「あまり知らなかった」が38%、「まったく知らなかった」が13%でした。 立憲主義を重視すべきかどうか 憲法解釈や憲法改正を議論するにあたって、立憲主義の考え方を重視すべきだと思うか聞いたところ、「重視すべきだ」が71%、「重視する必要はない」が11%でした。「憲法を改正する必要がある」と回答した人の中でも、議論するにあたって立憲主義を「重視すべきだ」と答えた人は75%で、「重視する必要はない」と答えた人は12%でした。 「改正に冷静になってきた」 今回の調査結果について、現在の憲法を守る立場の早稲田大学の水島朝穂教授は「去年の調査と比べて改正に積極的な人が減っていることから、この1年で国民は憲法改正に対しかなり冷静になってきたことがうかがえる。よく『憲法は理想をいって現実を見ていない』などと言われるが、どこの国でも憲法は理想や理念を語っているもので、政治がそれを現実に近づけるよう努力しないといけない。しかし、政治権力が憲法を変えて現実に合わせようとすることに国民が慎重になってきたのではないか。特に平和の問題では現在の憲法9条を変えて国防軍になる場合に生じるマイナス、特にアジア諸国から日本が厳しい目で見られることを徐々に理解してきたのではないかと思う」と話しています。 「憲法をより使いやすいものに」 今回の調査結果について、憲法改正を求める立場の慶應義塾大学の小林節名誉教授は「私自身は憲法改正を求める立場ですが、改憲を容認する人が減っているのは、憲法9条の下で平和に暮らしてきたという実感のなかで、集団的自衛権の話が出てきて警戒感が強まっているのではないか。人々は今悩んでいるところで、これからの議論次第で方向性は決まると思う。主権者の国民が幸福に暮らせるようにすることが国の存在理由で、そのサービス機関として国家機関があり、われわれが管理するマニュアルとして憲法がある。憲法をより使いやすいものにし、主権者である国民の幸せをより増進させるために憲法改正を促していきたい。そのための議論をすることが必要だと思っている」と話しています。 安倍首相は、何がなんでも集団的自衛権の解釈改憲を閣議決定するつもりだ。この強引さは、何処から来るのか。それは一言で云うと「国民をなめている」からだと私は思う。実際は閣議決定しても、法律の整備がなければ、使える改憲にはならない。秋に国家安全保障法を国会で決めないといけない。それが出来る根拠は「閣議決定されたのだから、もう仕方ない」という国民の「空気」なのだと思う。反対に言えば、その「空気」しか根拠はないということだ。それならば、我々の出来ることは、選挙で勝つことではない。「立憲主義を無視するなんてもってのほか」「憲法を解釈で変更するなんてもってのほか」「ましてや、解釈改憲の元に作った法律で憲法を縛ろうなんてもってのほか」という「空気」を我々が作ることなのだと思う。 闘いは、これからだ。今、私の所属している平和委員会では、小さな学習会を四月だけでも四回行った。
2014年05月03日
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昨日、いつも文化の日に合わせて行われる「憲法公布記念のつどい」。なかなか休みと合わなくて参加できなかったのですが、今回は日曜日、5年ぶりに参加しました。今年は名古屋大学名誉教授の森秀樹氏の「改憲勢力の拡大でどうなる憲法、どうする憲法」。初めて話を聞いたけど、ダジャレ大好きで、案外講演向きの話をしてくれました。 67年前の憲法公布の時、4日の朝日新聞で尾崎行雄氏はこういう懸念を書いていたという。「(国民がこの憲法を運用するには)頭をつくりかえることはなかなか難しい問題で、本気になってやっても、三代くらいはかかると思わなければならぬ」。氏の慧眼は当りました。しかしながら、一代30年とすると、あと23年はある。 山本太郎天皇手紙事件にも触れた。初めて知ったのは、田中正造の天皇直訴の顛末。現代とは違い不敬罪の可能性があったあの時でさえ、処罰されないで翌日釈放されたということである。自民党の喧しい議員たちはそのことは御存知なのかな? 自民党改憲草案の恐ろしい内容も条文に沿って解説してくれました。詳しい内容は省略します。ひとつ強調していたのは「この憲法草案は本気で近代憲法を否定しようとしている(13条、97条の削除、99条)」ということ。ああだから、自民党の議員さんたちに「憲法が規制するのは、国民ではなく政府なのだ」といくら言っても馬耳東風なわけだ。 参院選後の情勢の特徴はふたつ。ひとつは、明文「改憲」はとりあえず足踏みしているということ。 ひとつ、その一方で軍事増強・集団的自衛権行使に向けて「壊憲」路線まっしぐらだということ。驚いたのは、来年度概算要求で軍事費4兆8928億円(今年度比2.9%増)を要求しているその内容である。「海兵隊化」のための米国製水陸両用車AAV7購入、「オスプレイ導入」のための調査費、「ステルス戦闘機F35」購入、「高高度無人偵察機導入」のための調査費。これらは全て「専守防衛」から逸脱したものばかり。 また、集団的自衛権有識者会議が9月17日に発足して、既にとりまとめをしているらしい。石破が「国益上必要があれば遠くまでも行く」と言っていたのは知っていたけど、10月16日北岡伸一座長代理はもっといい気になっていて「論理的には地球の裏側も、地球外の宇宙にだって行く」とまで言っていたのは知らなかった。 その他、ホントに雪崩をうつように「壊憲」の情勢を話してくれたけど、省略。 じゃあ、どうする憲法。氏は三点を提案。 ひとつ、現在国会の議員数は違憲状態。違憲の国会に改憲論議などは出来ない!と言おう。 ひとつ、自主憲法制定を目指す「押し付け憲法」観は、「自主性なき対米追随」の集団的自衛権行使に矛盾するのではないか。 ひとつ、米国から注意されてもされても直らない、靖国参拝、従軍慰安婦否定志向は、米・韓・豪の「同盟」志向と矛盾する。 なるほど、確かにこれらの矛盾を抉り、衝き、追い込むのはひとつの戦術だとは思う。しかし、これは明文改憲の戦術なのではないか。 私は集団的自衛権解釈改憲の向こうが言い張るであろう「理論」を学者らしく理論で論破して欲しかったのであるが、残念ながら、一切質疑応答がないまま帰ってしまったのであった。
2013年11月04日
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財界人の世界から改憲反対を力強く訴えてこられた品川正治さんが亡くなられた。享年89歳。ご高齢なので、仕方ないとは言え、改憲策動が本格化する今、本当に残念です。ご冥福をお祈りいたします。三年前ブログに書き写した講演の速記録を再録したい。驚くほどに言っていることは、現代ますます必要なことばかり。 品川正治講演2010.5.3 今年の5.3憲法集会は品川正治さんの講演だった。初めて品川さんの話を聞いて大感激したのがもう3年前だった。品川さんは今年86歳になられるけど、以前と同じように全く老いを感じさせない歩き方、講演の間、全然原稿を見ずに区切るようにわかりやすく話される‥‥‥、そして最後に深々とお辞儀をして帰られる。やはり凄い人であった。 (以下講演) 高校(京都三高)に入ったとき徴兵猶予がなくなった。いくら頑張っても学問できるのはあと二年、全員が思っていた。 授業が終わると、先生が学生に向かい、深々と挨拶をするのです。最後の授業に出てくれた学生がいつも1-2名いたからです。 学校が遂に授業を止めてしまった。いっそ、授業を止めて学生が本当に聞きたい先生の授業をしてみようと学校が決意したからです。「死ぬまでに聞いてみたい先生」のアンケートをとり、全国から先生を呼ぶ。私は生徒総代をしていたので、三好達治先生を呼んだときにお世話をした。先生は今まで講壇に立ったことが無かった。5日の講義。自分の詩にどういう思いがこもっているか話された。講義を終わったとき、壇上で激しく号泣された。うずくまって泣いていた。傍に駆け寄ると、泣きながら「若い人を死なせて、俺が詩を作れるか」と呟いていた。 私は入学したとき、カントの「実践理性批判」をドイツ語で読み上げてから死にたいと思っていた。いい先生に恵まれて(岩波文庫の翻訳をした人)なんとか自分の翻訳を作った。召集の10日前だった。私の目的は二つあった。 一つは、この国は「国家理性」を失ってはいないか、確かめたかった。 一つは、国家が戦っているとき、国民の本当に正しい生き方、死に方は何か。 結局二つとも納得は出来なかった。 召集を受けて中国の最前線で戦った。白兵戦二度、迫撃砲を受けて九死に一生、私は戦場の体験をした男であることはまちがいと思う。しかし、80歳になるまで一切口外できなかった。ひとつは、南方戦線のほうが餓死で死んだ人が八割にも上ったことからわかるようにひどかったこと。そういう方の前で「戦争に参加した」などと口はばったかくて言えなかった。しかし、ほかにもトラウマがあった。 中国の戦場で私は壕から飛び出すことが出来なかった。戦友の「品川!品川!」という声は聞こえていた。もうひとりの戦友が私をとどめて首を振った。実際飛び出していれば、私の命は無かっただろう。戦後東大にいたとき、死んだ戦友の母が尋ねてきた。普通、私の下宿先などはわからない。村総出で調べて、切符を手配したのである。母親の前で私はしばらく頭を上げることができなかった。これが私の最大のトラウマである。講演会でも、このことはいつも通り過ぎて話していた。去年松江の講演会のとき「遠いところからバス3台で来たグループがある」と事前に聞いた。壇上からすぐにわかった。あの村の人々だ。おぶさってきた者は戦友だし、他の人たちもあの人の親戚なのだろう。手をついて謝った。会場全体が泣き出した。私のトラウマはそうやって消えた。 私は哲学青年として「国家が戦争をしていたとき、国民はどう生きたらいいのか」ずっと考えていた。「本当の戦争」を体験し、憲法九条を知った男として、今言わないといけないことがある。 私は哲学生としてなんという愚問を発していたのか。 戦争は抽象的な国家が起こすものではない。地震や天災などでもない。 戦争を起こすのは人間である。起こそうとする者が起こすのである。 そして、戦争を止めるのも人間なのである。 お前はどっちなのだ! これをハッキリと座標軸としてもっていなければならない。私は戦時中、「ものの問い方」を間違っていたのである。 今皆さんはすぐにわかるはず。憲法の下で生きている皆さんにはすぐに答える事ができるはずです。戦争を誰が始めようとしているのか。 戦後、日本に帰って上陸前に憲法草案を読んだとき、仲間みんな泣いた。「よもや、成文憲法でここまで踏み込んで書いてくれるとは」これならば、死んだ戦友たちも浮かばれる。 国民の大半はその気持ちを受け取ったと思う。不思議なのは、支配階級だ。一度も彼らは戦争を止めようとは決心したことはないのである。この国民と支配階級との「乖離」は大きい。 コスタリカも戦争放棄の憲法を持っている。しかし、日本の憲法とは違う。コスタリカは国益上戦争をしない国なのだ。しかし、日本は「戦争は人間として許せない」と書いている。知らず知らず60年間守ってきたために身につけた国民の信念になっている。今は戦争をすれば必ず爆撃がある。無人飛行機まである。必ず母親や子供が死ぬ。「たったひとつ、日本のみが人間の目で戦争をしないと決めている国なのです」 確かに、憲法の旗はボロボロである。けれども、まだ誰一人、外人を殺してはいない。自衛隊員は戦争で死んではいない。 いまさら、この旗をはずせるか!それが人間という意味だ。 もうひとつ、難しい問題がある。 戦争を人間の目で見ている国が、どうして経済を人間の目で見ることが出来ないのか。人間の目どころか、国家の目でさえも見てていない。会社でさえ商品になっている。 不興を買うかもしれないが、私は2009.9.15リーマンショックは神風が吹いたと思っている。あのままいけば、大変なことになるところだった。あれからアメリカの実態がボロボロ明るみになった。日比谷派遣村は、国民はその気になれば状況を作れる、ということを証明した。 いま民主党は「成長」「国際的競争力」ということで批判にさらされている。それほどに成長の呪縛に囚われているということだ。 日本は国債はべらぼうに出している。しかし、日本は外国から一銭の金も借りてはいない。国民の個人の家計簿から借りているのである。 財政局は困って、個人の家計からのみ借りれないから今度は消費税を上げたり、年金を切り下げたりして、さらに金を移そうとしている。家計簿から企業部門に金を移してきたのが赤字国債を乱発したいざなみ景気だった。この個人家計を実質下げようとして法人税をさらに下げろ、と言われて「わかりました」というのが今の政府。 怒るのが当たり前である。 国民の怒りを国民の運動までにさせない、というのがマスコミのやり方だ。普天間にしても、政治と金、政局の問題にすり替えている。マスコミは財政問題でも本当のことをぜんぜん書かない。 日本が変われば、アメリカも世界戦略を変えざるをえないのです。そうすれば、世界が変わるのです。皆さんは、主権者としてそういう位置に立っているのです。 もう一度、岡山の地で皆さんにお会いしたい。 (以上講演)
2013年09月06日
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久しぶりに喫茶店で朝日新聞を読むとムカムカすることばっかりだ。原発汚染水の垂れ流し、ナチスに学ぼうの麻生の国会審議拒否、社会保障国民会議の国民生活破壊案の公表、そして、集団的自衛権の行使を睨んで推進派の小松一郎氏をあろうことか法の番人の法制局長官に抜擢人事の報道である。 もちろん、参議院選挙のあとは憲法改悪の前に憲法解釈で「なしくずし的に」実質を作っていくだろうとは思っていた。でも目の前でこのように堂々と外堀を埋めてくると頭にくる。 自民党が大勝した以上は、集団的自衛権の変更は手続き上は容易に出来るに違いない。閣議決定して関連法を強行採決すれば済むからである。しかし表にあるように、歴代自民党内閣は本音はともかく建前上は「集団的自衛権の行使は憲法上は出来ない」という考えを示して来た。それは単に内閣法制局が立派だったからではなく、法律を素直に読めばそう言わざる得なかったからである。それをいったいどういうアクロバット理論で認めるというのか! 「現実がそれを要請しているからだ」本当の現実は要請していないのだが、仮にそれを認めるとしても、それで政府の憲法違反行為をするのだとしたら、先ず司法は「理性的な」見解を示すべきだろう。国会の力関係は直ぐに変えられないとしても、議員はきちんと国民に見解を示すべきだろう。そして、国民は「大騒ぎ」するべきだろう。 「憲法はある日気がついたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。誰も気づかないで変わった。あの手口に学んだらどうかね。わーわー騒がないで。本当にみんないい憲法と、みんな納得してあの憲法に変わっているからね。ぼくは民主主義を否定するつもりはまったくありませんが、喧騒のなかで決めて欲しくない」(麻生の発言) 国民は大騒ぎするべきだろう。 内閣法制局長官に小松氏 集団的自衛権容認派 http://www.asahi.com/politics/update/0802/TKY201308020042.html
2013年08月03日
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Facebookの「東京新聞を(かってに)世界イチにする会」から転載します。やはり、参議院選挙を前に確信的にこの特集を組んだようです。写真が大きいかもしれませんが、ご勘弁を。 皆さん、明日は日本の未来に向かって投票を! 「憲法を変えるなどもってのほか」。スタジオジブリ(東京都小金井市)が、毎月発行している無料の小冊子「熱風」の最新号で「憲法改正」を特集し、宮崎駿監督(72)が寄せた記事が話題を呼んでいる。全国の書店では品切れが続出。ジブリ出版部は反響の大きさから、「参院選の投票日(二十一日)前に読んでほしい」と十八日、急きょジブリ公式ページで公開を始めた。 (樋口薫) 熱風は「スタジオジブリの好奇心」が副題で、毎月趣向を凝らした特集を組む。過去には「デモ」「グローバル企業とタックスヘイブン(租税回避地)」など、社会的なテーマも扱ってきた。 編集長の額田久徳さん(50)によると、今回の特集を発案したのはプロデューサーの鈴木敏夫さん(64)。意見の分かれるテーマだけにためらいもあったが、参院選を前に「ジブリとしての旗色を鮮明にしよう」と腹を決めた。 執筆もジブリの重鎮に依頼。宮崎監督に加え、高畑勲監督(77)が「60年の平和の大きさ」と題して寄稿。本紙に五月、掲載された鈴木さんのインタビューも、「9条世界に伝えよう」として収録された。いずれも憲法九条や改憲手続きを定めた九六条の改憲に反対する内容だ。 宮崎監督は談話形式の記事で「選挙をやれば得票率も投票率も低い、そういう政府がどさくさに紛れて、思いつきのような方法で憲法を変えようなんて、もってのほかです」と明言。また、日本の戦争責任や産業構造の問題点などについても率直に語っている。 十日から全国の書店で配布した約五千部はあっという間になくなった。出版部にも「読みたい」と電話が殺到するなど、過去最高の反響という。「憲法を守るための最大の敵は国民の無関心。興味を持ってもらえたのがうれしい」と額田さん。 二十日に公開される宮崎監督の最新作「風立ちぬ」は、ゼロ戦の設計士が主人公で、戦前が舞台。戦争の直接的な描写はないが、平和について考えさせられる内容も含んでいる。「たくさん考えて投票に臨んでほしい」。それがジブリの願いだ。 <スタジオジブリ> 宮崎駿、高畑勲両監督のアニメスタジオとして1985年設立。「天空の城ラピュタ」以降、「となりのトトロ」「もののけ姫」など、宮崎監督の全アニメ作品を製作。2001年公開の「千と千尋の神隠し」が米国でアカデミー長編アニメ賞を受賞するなど、作品は国内外で高い評価を受けている。
2013年07月20日
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今日、「朝日茂生誕百周年記念講演会「人間裁判」朝日訴訟を学ぼう」と云う催しが、地元国立療養所のあった早島の会場でありました。副町長や町議会議長も来賓として出席、心のこもった挨拶があるとても気持ちの良い講演会でした。 改めて「人間裁判」の現代的意義について考えたいい講演でした。 朝日さんの示す資料の数々がとても的確で、考えさせられるものばかりでした。 来賓あいさつの中で、療養所近くの山川池に何人も入水したのだと云う「証言」があり、ビックリ。その頃は、今に匹敵する貧困による自殺者が多かった時代らしい。ホントに命をかけた戦いだったのだ。 produced by 「13日の水曜日」碧猫さん
2013年05月19日
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Facebookでこんな画像をゲットしました。 もし、ドイツの首相が「ナチは正しかった。ユダヤ人虐殺もアウシュヴィッツもなかった」と言えば、ドイツのみならず世界史的な大問題発言になることは、間違いがない。ところが、日本の首相はこの前国会でほとんど同じようなことを言っているわけです。 「あゝまた安倍くんがあんなことを言っている」と私たちは、そのことに鈍感になっていたのかもしれない。もしかしたら、安倍くんが言ったのは、「世界史的な大問題発言」だったのかもしれない。と、この画像を見て思ったところです(^_^;)。 憲法記念日を機に各新聞が世論調査をしているが、96条を変えた方がいいと思っている人たちは、政府の思惑とは外れて多くはなかったようだ。 96条改定し改憲手続き緩和、反対54%賛成38% 朝日新聞社世論調査 憲法記念日を前に朝日新聞社は全国郵送世論調査を行い、憲法に関する有権者の意識を探った。それによると、憲法96条を変え、改憲の提案に必要な衆参各院の議員の賛成を3分の2以上から過半数に緩める自民党の主張について、反対の54%が賛成の38%を上回った。9条についても「変えない方がよい」が52%で、「変える方がよい」の39%より多かった。▼3面=集団的自衛権に慎重、16・17面=特集、33面=自民、21条も改憲案 ■9条改定、反対52% 96条の改正要件緩和については、自民党が昨年作った憲法改正草案で主張。最近は安倍政権も唱えているが、有権者は慎重であることが浮かび上がった。 衆院と参院の一票の格差が是正されない状態で選ばれた議員が改憲の提案をすることについて尋ねると、「問題だ」が54%、「問題ではない」が38%。改憲手続き緩和の自民党の主張に賛成の層でも、44%が「問題だ」と答えた。 9条については、昨年4月下旬に実施した電話調査でも「変えない方がよい」が55%、「変える方がよい」30%だった。調査方法が違い、質問文もやや異なるため単純に比較できないが、「変えない方がよい」という人が多い傾向は続いている。 参院比例区の投票先で自民を挙げた人は49%に達したが、自民投票層でも、9条を「変える」が45%、「変えない」が46%とほぼ並んだ。自民党は9条を変えるべきだと主張しているが、変えない方がよいという人でも「景気や雇用」などを重視して自民に投票するという構図だ。 また、今の憲法を「変える必要がある」は54%、「変える必要はない」が37%だった。質問文がやや異なるが、過去の電話や面接調査では1990年代後半以降、改憲派が多い。 調査は3月中旬~4月下旬に実施。有効回答2194件、回収率73%。 しかしながら、課題はある。 その調査を詳細に見ると、こういうのがあった。 ◆憲法とはもともと、どのようなものだと思いますか。 国家の行動を制約するもの 18 国民の行動を制約するもの 7 1と2の両方の面がある 70 ◆自民党の改憲案は、自由と権利には責任と義務が伴うことを自覚するよう国民に求めています。憲法でこのような自覚を国民に求めることは望ましいと思いますか。望ましくないと思いますか。 望ましい 68 望ましくない 23 「憲法とはもともと日本の法律を縛るための大元の法律である」ということが、国民にはガッテンいっていないのがこれをみると明らかなのである。それでも、96条改憲反対が多かったのは却って不思議であり、非常に流動的だということが分かる。 反対に言えば、あと3ヶ月〜半年、此処に絞って学習会を旺盛にやるべきである、ということなのかもしれない。 produced by 「13日の水曜日」碧猫さん
2013年05月03日
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明日は憲法の日です。今年は憲法集会には行けられないので、その代わりに憲法問題について考えるための叩き台を提供します。アベノミクスでちやほやされてる安倍くんが、今本音を小出しにしています。この前靖国問題について、あまりに言いすぎたらワシントン筋から怒られたのでちょっとトーンダウンするかもしれませんから、この辺りが貴重な言質だと思われます。では、最もちやほやしてくれる産経インタビューをお読みください。 安倍首相・憲法インタビュー 一問一答 産経新聞 4月27日 8時51分配信 インタビューに答える安倍晋三首相=26日午前、首相官邸(酒巻俊介撮影)(写真:産経新聞) 安倍晋三首相(自民党総裁)の憲法に関するインタビュー詳報は次の通り。 --かつてなく憲法改正の機運が高まっている 「憲法改正賛成の人も増えてきた。一方、(まず目標に据えた改正発議要件を定めた)96条改正については慎重な人も増えていることを、われわれは注意深く考えていかなければならない。議論をしっかりと深め、正しく意図が伝わることが大切だろう」 --96条を先行させる意図、目的とは 「憲法を国民の手に取り戻す。現行憲法自体、国民の手によってつくられたものではない。明治憲法は(君主が定める)欽定憲法だから、いまだかつて国民は自分たちの手で憲法をつくる経験をしていない。憲法は今、(改正発議には衆参両院の3分の2の賛成が必要という96条によって)永田町に閉じ込められている。その憲法を、鍵を開けて取り戻す。それこそが96条の改正だ」(1) 「国民の見識を信じ、(国民投票で)2分の1の国民が賛成するものは変えていく。同時に国民にも、憲法改正に関わっていくことに責任が発生する。改正することで初めて、憲法を自分自身のものとして国民に感じてもらえ、国民の手に取り戻せる」 --現行憲法はもともと「日本製」ではない 「憲法を戦後、新しい時代を切り開くために自分たちでつくったというのは幻想だ。昭和21年に連合国軍総司令部(GHQ)の憲法も国際法も全く素人の人たちが、たった8日間でつくり上げた代物だ」(2) --野党には、96条の3分の2要件を2分の1にしたら危険だとの声がある 「(国会で発議しても)どのみち国民投票で国民の2分の1の賛成が必要だ。(危険だというのは)それは事実上、国民に投票させないために言っているに等しい。国民はそうした国会議員に対して、もっと怒らなければならない」(3) --仮に夏の参院選後、衆参で改憲勢力が3分の2に達したとしたら、96条改正のタイムスケジュールは 「まずは(第1次安倍内閣で成立させた)国民投票法について、宿題が残っている。成人年齢の18歳への引き下げと同時に、他の選挙権、民法上の権利義務との整合性を整理する必要がある。国民投票を行う際の公務員の政治的行為規制もあるし、国民投票の対象をどういうものにしていくかも宿題だ。これをまず整理する必要がある。(衆参の)憲法審査会でこの議論をしっかりやった上で発議をしていく」 --安倍政権が絶好調のうちに急いで進めようという思いはないか 「それは全然ない」(4) --各種世論調査で96条改正への賛否が割れているのは、その先に何をやるか分からないからでは 「そこについては議論していく必要がある。私はもちろん、前文、9条を変えていくべきだと思うが、政治は現実の問題だから、少し柔軟に考えていく必要がある。国民的な議論の盛り上がりもあるし、国民の関心の高さと支持による」 --憲法改正の必要性は時代の移り変わり、国際情勢とも連関している 「日本を取り巻く安全保障環境は随分変わった。かつて冷戦時代は憲法の要請通り、実際にわが国の安全を事実上、米国に委ねていて、外交も基本的に米国の後についていくということだった。現在、冷戦構造が崩壊した中で、わが国は独自の防衛力を保持する必要性に迫られ、同時に国際貢献を果たし、日米同盟を維持する上でも役割が要求されている。それに対応できるかということがある」 「そもそも憲法がつくられたときは、国際連合がものすごく機能するとみんな思っていた。(前文の)『平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼し』というのは国連を意識し、『国連がちゃんと機能するからそこに任せろ』ということだったが、実際は全く機能していない。憲法の前提条件は、実はもうあっという間に崩れていた」(5) --実際に96条を改正する際の枠組みの想定は 「憲法改正については、もう(各議員が自党の決定、方針に縛られず自由に賛否を投じる)クロスボーティングでいい」 --政府の現行憲法解釈が認めていない集団的自衛権の行使について、年末の「防衛計画の大綱」決定までに見直し方針を示すか 「示していければいいと思う。有識者会議『安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会』で深く議論してもらっている」 (阿比留瑠比) 太文字の後に便宜上数字を振っています。 このインタビュー全体の感想について。 これが一国の首相が最も大切な憲法を改正しようとする場合の「理由」なのか。あまりにも稚拙な。というのが第一印象です。もちろん、単なるブロガーの私に本格的な批判は出来ませんが、もっと言葉に詰まるような「理由」を言って欲しい気がする。 憲法は硬性憲法だから、改憲がむつかしいのは当たり前ということについて一言も述べてないのは、安倍くんの弱みです。 (1)について。 多分、政治家として練った今回の改憲のテーマだと思われます。 「憲法を国民の手に取り戻す」 この言葉を私は、もう一度「国民の手に取り戻す」必要があると感じます。そう言いたいのはあなたではない、私たちなのだ、と。 ずっと、9条も25条も国民から奪われてきたのが戦後の歴史だったのだから。 同時に、憲法を根本的に変えようとしていることがありありと見て取れます。「国民にも、憲法改正に関わっていくことに責任が発生する」というのは、「国は国民の生命や生活は守りません。あなたたちが国に奉仕してください」と言っているわけです。自民党憲法草案を読むと、そしてこの間の社会保障改悪案などを見るとそう読み取れます。そうならない様に守るのが憲法なのですが、そういう風にはなりませんよ、と改めて言っているわけです。 (2)について。 手垢のついた憲法押し付け論です。これはまた、何処かの機会に反論したい。 (3)について。 これは議論のすり替えです。硬性憲法だから改憲反対だと、ずっと言ってるじゃない。 (4)について。 よくもまあ、そんなウソが白々しくも言えるよ。 (5)について。 96条改悪の次にくるものに9条改悪があり、そのことはひつこいぐらいに我々も学習していかねばならない。今度の改憲はそれが「ほとんどセットだ」ということをひつこいぐらいに自覚せねばならない。その時に、どの様に「世界の日本の安全保障をどう考えるか」はここでは到底書ききれない問題である。 同時に、「憲法の前提条件は、実はもうあっという間に崩れていた」ということがもし妥当性がなければ、そういうことを堂々と述べる首相に国の舵取りは到底任せられないということになる。 私は、「任せられない」と思っている。 produced by 「13日の水曜日」碧猫さん
2013年05月02日
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インターネット愛好家などを集めたイベント「ニコニコ超会議2」の自衛隊ブースで、迷彩服を着て10式戦車に乗った安倍晋三首相(千葉市美浜区の幕張メッセで2013年4月27日)です。幼稚性丸出し。文民統制の先頭に立つべき首相が率先して軍国主義者にゴマをする。呆れてものが言えない。 しかし、同じ保守でも、ここまで酷くなった状況にやっとまともな意見も出始めた。 小林よしのりとは、その愛国史観や憲法観で、考えを異にする相手だったが、最近はAKB評価で共感するところも多く(^_^;)、耳を傾けることも多くなった。 今回の安倍の96条改憲についても、実にジョーシキ的な発言をしている。(太字の部分は私が注目した処) 『ゴーマニズム宣言』 「『憲法96条改正』は立憲主義の破壊だ!」 まず宣言しておくが、わしは憲法改正に反対ではない。 9条は国家の防衛本能に違反していると思うし、他にも改正してほしい条文がある。だから「改憲派」ではある。 だが、憲法は手段であって、目的ではない。 「護憲派」が言うように、憲法を守れば平和が維持できるわけでもないし、「改憲派」がこだわるように、憲法を改正すれば素晴らしい国になることもない。 石破茂が「憲法96条改正なら、憲法9条を念頭に投票を」と発言しているが、イラク戦争の総括ぬきで、自主防衛の目標もなく、改憲のみに執着している安倍政権・橋下維新の会や、自称保守派の思考停止の様子を見ていると、もはや完全に「憲法改正が日本の誇りを取り戻す」式の、目的そのものになってしまっている。 こういう状態で繰り出される姑息な戦略は、国民を誤魔化すデマや錯誤が潜んでいるものだ。 憲法9条改正を全面に打ち出すのならまだわかるが、なんと自民党が参院選の争点にしたがっているのは、「憲法96条改正」なのである。 「はれ?」と気のぬけるような感覚はないか? 「96条って何?」「何で96条?」と思う人は常識のある人である。 憲法96条は改憲のルールを定めたものであり、 「衆議院・参議院それぞれ総議員の3分の2以上の賛成」 ↓ 「国民投票で過半数の賛成」 という手続きを経れば改憲ができるとしている。 安倍政権は、この国会議員の「3分の2」を「2分の1」に緩和すべきだと主張しているのだ。 だがこれは、とんでもない愚作である。立憲主義の崩壊に繋がりかねない暴挙なのだ! 自称保守派は、「日本の憲法は世界一改正が難しい規定になっており、それはGHQが占領憲法を永遠に押しつけたかったからだ」と必ず言う。 全員そう言うので、かつてはわしもそうなのかと思っていたのだが、自称保守派が全員一致で言うことは大概ウソだと学習したので、自分で確かめてみた。 するとやっぱり、これも完全にウソだった! 日本国憲法の改正手続きは、世界的には常識的なレベルの規定なのだ! 例えばアメリカでは「上院・下院それぞれ3分の2以上の賛成」の後「全米50州の州議会のうち4分の3以上の承認」が必要である。日本国憲法の改正よりもハードルは高いかもしれない。 ロシアでは「連邦議会上院の4分の3以上、下院の3分の2以上の承認」の後「83の連邦構成体(共和国・州・地方など)議会の3分の2の承認」が必要。 オーストラリアでは、連邦議会の可決こそ「両院の過半数」と緩やかだが、その代わり、その後に必要な国民投票のハードルが高い。州ごとの集計で過半数の州が賛成し、なおかつ全選挙人の過半数の賛成が必要という「二重過半数条項」が課せられている。 デンマークも議会の議決要件は「過半数」だが、総選挙を経て再度議決し、もう一度議会の過半数の賛成を得た上で、さらに国民投票にかけなければならない。 他にも例はいくつも挙げられるが、通常の法律の改正よりも特別難しくなっているのは、憲法の常識なのである。 そもそも憲法とは、国民大衆が権力者を縛る手段として存在するものであり、権力者の都合で安易に改正できないようになっているものなのだ。 それに憲法は他のすべての法律を規定する特別な法律であるから、その安定性はある程度、確保されなければならないのも当然なのである。 改正に特別厳しい要件を課す憲法を「硬性憲法」という。 それに対して通常の法改正と同様の手続きで改正できるものを「軟性憲法」というが、これはイギリス、ニュージーランド、イスラエルなど、成文憲法を持たないごくわずかの国に限られる。 だがイギリスでは、これも不文律であるが「国王の存在」「議会主義」の2大原則を変更することはできないとされており、軟性憲法だからといって何でも簡単に変えられるというものではないのだ。 自称保守は「外国では頻繁に憲法改正が行われている」とよく言うが、これにもカラクリがある。 ここから先は有料になります ログインして購読 チャンネルに入会して購読する 会員でないので、全文は分からないが、ここまでは全くその通りだと思う。このウルトラ保守派でも理解出来ることが、安倍を始め「政治家」という人種には理解出来ないのである。 感動したのは、小林の意見を読んで、保守のコメンテーターたちが意見を変えたのである。護憲派の人たちは、もっといろんな意見の人たちに寄り添いながら、参院選にむけて改憲反対の運動をする必要があるのではないか。 以下一部、コメントを紹介する。 北野梅白@木択堂 No.41 (2013/04/19 18:20) 実際、私も頭の回転が鈍いので四宮正貴氏が指摘するまで気付かなかったのですが、憲法改正の要件を緩和する事は、國體条項(「天皇条項」)も二分の一の賛成で改定できるという危険性を孕んでいる事を見落とすべきでないと思います。 安倍氏がこの件について言及している事を寡聞にして聞ききません。それでも男系固執派は「安倍首相が皇室を守っている」などと言うのでしょうか? magome No.42 (2013/04/19 23:51) 号外の憲法96条改正については初めて知りました。9条改正にだけ目を向けていた自分にとって憲法と法律の違いすら分からなかったことをいまここで初めて知ることとなりました。 一概に言えば、立憲そのものまで否定するようになったのは政治を支援団体する経団連をはじめとする強力な団体が政治に大幅に介入するようになったからであって、民主党政権時代に発生した「武器輸出三大原則見直し」も輸出産業による後押しがあったことから生じたのだと聞いています。兵器の輸出が禁じられている現状では兵器として輸出できない輸出品が日本にあるからだといわれ、これはヤマハなどの軍事転用できる農薬散布機の輸出を行えるように政治に経団連などの経済団体が後押ししたからだといわれています。 以前にも書きましたが、今も昔も宗教団体を含む、強力な団体が政治に介入すると、その団体も団体に後押しされた政治によって舵を切っ... 全文表示 さい No.44 (2013/04/21 13:42) 96条改憲をニュースで見たとき、「9条改正の為の布石だし、いいんじゃないの。」という認識でしたが、今回のゴー外で立憲主義崩壊の危険性を孕んでいた事を知り、自分の浅はかさにショックを受けましたorz それにしても、『自称保守派が全員一致で言うことは大概ウソだと学習したので、自分で確かめてみた』の一文には爆笑しました(^^;; mayu No.45 (2013/04/21 13:42) 号外配信ありがとうございます。 今回も、とてもわかりやすかったです。 それにしても、 手段と目的が混同してしまうって、 どれだけ頭悪いのでしょう(・・;) あまりの酷さに唖然としてしまいます。 この問題に気付いていない人もたくさん いると思います。私も違和感があったものの ここまで酷いと意識していませんでした。 今回の号外を読んで、危険性がわかりましたので、 同じようにわかりやすい説明で、周りに話して みようと思います。 (憲法の話ってだけで「難しい!」ってシャット アウトされそうですが…。) もっともっと多くの人がこの危険性に気付いて くれるといいのですけどね…。 久米 No.46 (2013/04/22 01:43) 配信お疲れ様です。 立憲主義を揺るがすどころか、ひいては君主制を危うくするかもしれないのにあまり報道されませんね…。参議院廃止もそうですが、権力を拘束する安全装置を少しづつ外されていく事に関して、私を含め、警戒心が足りない事に気づかされました。TPPを推進して外圧で国柄を破壊して、自己責任を強調して貧富の差を拡大させて、パトリ無き愛国心をかきたてて差別主義者を放置するような政権が、どんな憲法に変えようとするのかと考えると、薄気味悪い世の中になりそうです。(草案読めば何となくわかりますけどね)安倍政権について私のまわりの人たちには、それとなくボロクソに言ってみようと思います。 ところで私のコメントをブログで取り上げていただきありがとうございました♪ 嬉しさと恥ずかしさで一日中ニヤニヤしてしまいました。まわりはさぞ気持ち悪かったことでしょう! train8585 No.48 (2013/04/22 05:34) 号外の発行、ありがとうございます。 憲法改正の議論が行われるようになった事自体は歓迎すべきことです。 改憲の議論がタブー化されており、思考停止の期間が長らく続きました。 その頃を思うと隔世の感があります。 しかし、憲法改正の発議のハードルを下げるのなら小選挙区制度から 中選挙区制度にすべきでしょう。 総選挙毎に雪崩を打って勢力図が変わる現行制度では憲法改正が 頻発する恐れがあり、どこの軍事独裁政権か、という恐れがあります。 諸外国では英国を始め小選挙区制の国が多いと聞きましたから、 改憲へのハードルが高いのでしょう。 そういう意味では、中選挙区制度で発議に必要な議員が三分の二、 というのはハードルが高すぎると思いますし、その反動で二分の一まで 引き下げる案が出ているのでしょう。 私は小学生の頃... 全文表示 三味線弾き No.49 (2013/04/22 12:11) 号外の配信、ありがとうございました。 私は現行の憲法改正には賛成ですが、それには、各種法律との整合性はもとより、国会議員が党利党略・私益を越えて、最低でも数十年は耐えうる内容を将来世代のために整備してゆくことが、必須に思います。また、何より、 天皇陛下の御璽を以て成立している以上、安易に変更可能にすることは、 陛下の権威を貶めることになってしまいます。 そもそも、せいぜい4年,6年の寿命の昆虫のような賤しい国会議員の思うがままに変更されてよいハズもなく、合意形成の努力を散々怠ってきた過失のある自民党と心身虚弱首相が自らハードルを下げるとか、さすが幼稚な甘チャンと思わざるを得ません。 kellow No.50 (2013/04/22 22:54) 生放送の自民の憲法改正案へのツッコミ「憲法に道徳を書くな!」という言葉で教育勅語を思い出したので、高森さんが解説している動画を見返してみました。 それによると明治の憲法や教育勅語に関わった井上毅は、国が国民の良心の自由に干渉する、道徳に立ち入るのを論外としていて、教育勅語も上からの押し付けにならないように明治天皇の訓示という形をとり、あえて法的強制力を持たせないようにしていたとのこと。 こうなると自民党は明治政府以上の昔に戻ろうとしているジジイを越えたミイラのような集団なのかもしれないと思わされました。 こういうことはゴー宣で指摘される前に気付けなければいけないと思うのですが、やっぱり自分は大衆の域を出られないなと思ってしまいます。 武藤 No.51 (2013/04/23 02:32) 自民党の憲法改正案って、公務を憲法に記入してますよね( ;´Д`) 政治利用する気マンマンですなあ。 Les_Miserables No.52 (2013/04/23 14:43) 号外の発行、ありがとうございます。 政治の現場に身を置いている身ですが、直感として、日本人は「自由主義」と「デモクラシー」の区別がうまくできていないようです。これが、安倍首相の増長をもたらし、日本を危うくしているのではと考えます。 哲人王の暴走よりはマシとはいえ、デモクラシーはキリストを磔にし、ソクラテスを死刑にした「制度」であり、本質的には危険なものです(ある意味、デモクラシーを民主”主義”と訳しているのもおかしいと思います)。 この「少しマシだけど危うい制度」を安全化するために、西欧ではローマ以来「自由主義」が存在してきました。憲法、三権の分立、王様から行使を委託される権力(立憲君主制)、報道による監視、選挙で選ばれない議員(貴族院)など、権力の集中を敢えて防ぐことで、デモクラシーの暴走を食い止めてきました。アメリカ合衆国憲法は如何に連邦政府の独裁を許さない... 全文表示 produced by 「13日の水曜日」碧猫さん
2013年04月30日
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今日は「生活保護の切り下げを許すな!県民集会」という学習会に参加しました。(爆弾低気圧の影響で、集会あとのデモは取り止め(^_^;)。岡山県は午後から時々晴れたのですが、風は非常に強く、電車は1時間遅れました) 開会あいさつの県生健康会会長の言葉が現代の情勢を的確にまとめていたのでお借りします。 「春から物価の値上げが始まっている。さらには2015年からは消費税10%、物価2%値上げ、年金の切り下げが待っている。1000万人のワーキングプアの雇用状態に加えて「多様な正社員化」が図られいつでも首を切るルール作りが考えられている。生きる権利が次々に破壊されている。生活保護にも攻撃され、自己責任で生きろと言い、ダメなら身内に助けてもらえという。」 記念講演は井上英夫氏の「生存権裁判で福祉国家を創る」というのだったのですがちょっと疲れていて相当飛んでしまいました(^_^;)。 生存権裁判とは数年前に決まった生活保護の老齢加算廃止を止めるように訴えた裁判のこと。第一次生存権裁判の朝日訴訟は岡山県早島の朝日さんのたった1人の闘いでしたが、この第二次裁判は約120人が原告になっています。老齢加算廃止で原告たちは二割の保護費がなくなったそうです。 そして、今度の生活保護法制の改悪で、生活保護費は6.5%-10%の引き下げになるそうです。しかもその影響を受けるのは生活保護受給者のなんと96%!200万人です。井上英夫氏は「今度は10万人が不服申し立てを行い、1万人が原告にならないと。そうしなくてはならない」と言っていました。(しかし、そこまでの運動は広がっていない) 生活保護の切り捨ては、決して受給者たちの問題では無い。生活保護基準は医療費用減免や年金減免、最低賃金法に連動しているからである。最低賃金は一般の賃金水準と連動しているだろう。さらには現在児童の1/10は就学援助を受けているそうだが、それも生活保護基準と連動している。 アベノミクスは「企業が潤えば、庶民の生活も向上する」と馬鹿なことを言っていますが、その掌の裏側で「自助、共助」を謳い、社会保障の切り捨てを図っています。 全然、国民に知らされていない。 というのが、今のところの運動の到達点ですね(^_^;)。
2013年04月07日
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調子に乗っていやがる。確信犯の暴言を続けている。それが最初の感想だ。政権奪取直後と参院選のちょうど真ん中辺りで、ホンネを小出しにして、波の波紋具合を調べてどこまで行き渡るか、どこで反発するか調べて、次の進行方向を決める真っ黒い潜水艦の如しである。9日から10日にかけて自民党幹部が相次いで改憲論をぶち上げた。 安倍晋三首相は9日のBS朝日の番組で、自民党の憲法改正草案に関連して「(日本が)国際的な集団安全保障の中に参加できる道は残した方がいいのではないか」と述べた。 首相は「国連としての集団安全保障を行う場合、日本は責任を果たすことができるのかという議論が残る。その整理をするべきだ」とも強調。国連軍に参加する場合に憲法9条との整合性がとれるかどうか議論する必要性を指摘したものだ。 国連憲章は集団安全保障を原則とし、加盟国への侵略行為などに対して国連軍による武力行使を含む制裁を認めている。一方、憲法9条では、国際紛争を解決する手段としての武力行使を認めていない。(朝日10日) 自民党の石破幹事長は仙台市で講演し、大規模な災害などに適切に対応するためには、政府が国民の権利を一時的に制限する必要があるとして、憲法を改正し根拠となる条文を盛り込むべきだという考えを示しました。この中で自民党の石破幹事長は、東日本大震災に関連し、「国民の生命・財産が危機にさらされた時や国家が存亡の危機にさらされたときに、国民の生命・財産を守り、平穏に回復させるため、国民の権利を一時的に制限するのは、どの国でも当たり前のことだ」と述べました。そのうえで石破氏は、「憲法に必要な条文が盛り込まれていないのは、憲法ができたときに日本が独立国家ではなかったからだ。国家が独立した以上、必要な条文を持つ憲法を作ることが、自民党の第1の目的だ」と述べ、憲法を改正し、政府が大規模な災害などの際に国民の権利を一時的に制限する条文を盛り込むべきだという考えを示しました。(11日NHK)参院選では、集団的自衛権の解釈改憲論をある程度表明したあと、比較的反発の少ない96条改憲を公約にするのかもしれないが、そのあとに直ぐにすでに発表している自民党改憲草案を具体化するための準備をしているのだろう。参院選までに、出来ることは総てやらなくてはならない。9条を変えての国連軍への参加も、非常時の国民の権利制限も、アドバルーンではある。しかし、去年の自民党改憲草案が出た時に、あまりにもの滑稽無糖さに一笑に付した時の余裕は私たちには無い。勢いは怖い。大企業栄えて国民に豊かさが還元されるはずだという夢物語のアベノミクスが破綻するまで、マスコミは持ち上げ続けるだろうし、国民は流され続ける可能性は十分にあるからである。気がついた時は小泉の時以上の荒野が広がっているだろうが、その時に改憲が終わっていたならば、泣くに泣けないからである。ネット選挙の解禁は、決定した。だから、何ができるわけでもないが、やれることは総て試そうと思う。produced by 「13日の水曜日」碧猫さんとりあえず、五年前に国民投票法反対の時につけていたバナーをこれから総ての記事につけようと思う。久しぶりに試したのであるが、まだリンク先のバナーが消えていないことに感謝いたします。ネットだけで動いても仕方ない。付き合いの狭い私ではあるが、身近なところから「改憲論の危険性」を語って行こうと思う。
2013年03月12日
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12月7日の地震の直前に行なっていた、映画監督想田和弘氏と自民党の憲法審査委員の片山さつき議員のツィートのやり取りをコピーします。想田監督も「驚愕」しているように、憲法の基本をさえも無視して基本的人権をなくすのが心底「正しい」と思っていらっしゃるこの人が、自民党の中心にいるわけです。今度の選挙で自民党が政権をとるようなことが、もしあれば大変なことが起きる。ジャーナリストの布施祐仁氏もツィートしていたが、各紙の選挙予測みてビックリ。民主党が激減するのはわかる。しかし、なぜ自民党なのか。前の総選挙では自民党は惨敗して野に下った。その時と比べて、今の自民党のどこが変わったというのだろうか…。自民と民主でダメダメ政治を交互にやっていくんじゃ、この国の未来はお先真っ暗だよ(゚o゚;;全く同感である。 片山さつき..@taiyonokokoro50国民が権利は天から付与される、義務は果たさなくていいと思ってしまうような天賦人権論をとるのは止めよう、というのが私たちの基本的考え方です。国があなたに何をしてくれるか、ではなくて国を維持するには自分に何ができるか、を皆が考えるような前文にしました!.返信する RTする ふぁぼる .katayama_s 2012/12/07 12:37:08 想田和弘..@ninjinninjinnin誰も奪ってませんよ!権利の享受には義務が伴い、自由は自分勝手でなはく、規律が守られた上でのこと、という原則をはっきりさせてマズい人ってどんな?.返信する RTする ふぁぼる .katayama_s 2012/12/07 15:35:11 片山さつき.@kkamiya授業受け直すのはあなたの方では?誰もケネディの真似などしてませんよ。長年、憲法改正論議の基本的人権の所で必ず出てくる議論ですよ。.返信する RTする ふぁぼる .katayama_s 2012/12/07 16:09:50 想田和弘.↓自民党憲法審査会委員の片山さつき、やっぱり「憲法とは権力を縛るもの」という立憲主義を全く理解していない!この人には、ホント、驚愕させられる。.返信する RTする ふぁぼる .KazuhiroSoda 2012/12/07 16:22:22 想田和弘..自民党の改憲案を作ったメンバーの片山さつき@katayama_sは、「国があなたに何をしてくれるか、ではなくて国を維持するには自分に何ができるか、を皆が考えるような前文前文にしました!」とツイート。こんな考えで憲法が作られたら戦前に逆戻りだってことに、本人も気づいてない。.返信する RTする ふぁぼる .KazuhiroSoda 2012/12/07 16:25:38 片山さつき.@KazuhiroSoda戦前?!これは1961年のケネディ演説。日本国憲法改正議論で第三章、国民の権利及び義務を議論するとき、よく出てくる話ですよ。.返信する RTする ふぁぼる .katayama_s 2012/12/07 16:30:48 想田和弘 ..国のために国民が何をするべきかを憲法が定めるなら、徴兵制も玉砕も滅私奉公も全部合憲でしょう。違いますか? @katayama_s @KazuhiroSoda戦前?!これは1961年のケネディ演説。日本国憲法改正議論で第三章、国民の権利及び義務を議論するとき、よく出てくる話ですよ。.返信する RTする ふぁぼる .KazuhiroSoda 2012/12/07 16:35:09 片山さつき..@hiroujin日本の近代国家としての成り立ちを考えた上で仰ってらっしゃいますか?国家の基本的な在りようを定めるのも憲法の意義です。.返信する RTする ふぁぼる .katayama_s 2012/12/07 16:38:14 想田和弘.また、ケネディの就任演説と憲法の前文を同レベルで論じることそのものが、驚愕です。憲法と演説は違います。 @katayama_s: @KazuhiroSoda戦前?!これは1961年のケネディ演説。日本国憲法改正議論で第三章、国民の権利及び義務を議論するとき、よく出てくる話ですよ。.返信する RTする ふぁぼる .KazuhiroSoda 2012/12/07 16:45:52 想田和弘..つーか、あなたみたいな不勉強で国家主義的な政治家が出てくることを見越したから、第97条が日本国憲法には盛り込まれたのでしょう。 あなたがた自民党改憲チームが97条を削除したのも頷けます。@katayama_s @KazuhiroSoda戦前?!これは1961年のケネディ演説。日本.返信する RTする ふぁぼる .KazuhiroSoda 2012/12/07 16:51:56 .想田和弘..自民改憲案ではわざわざ丸ごと削除。→日本国憲法第97条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。.返信する RTする ふぁぼる .KazuhiroSoda 2012/12/07 16:53:27 想田和弘 ..まとめ。→自民党の西田昌二と片山さつきが、国民主権と基本的人権を否定してしまいました http://t.co/Fx2KZ9Jm.返信する RTする ふぁぼる .KazuhiroSoda 2012/12/07 17:03:34 想田和弘..ホントですね。@TYSUMN: @katayama_s @KazuhiroSoda ケネディの就任演説は、最初に「人権は国家に与えられたものではなく神に与えられたものだという我らの祖先の信念」というものに言及しているのですが、天賦人権説を否定したあなたが同じ演説の一節を都合よく利.返信する RTする ふぁぼる .KazuhiroSoda 2012/12/07 17:04:47 .想田和弘..ケネディの1961年就任演説「それは、人間の権 利は国家の寛大さからではなく、神の手からもたらされる、という信念である。」http://t.co/qH12sKbz.返信する RTする ふぁぼる .KazuhiroSoda 2012/12/07 17:05:21 想田和弘..選挙前に重要なので再掲。「自民改憲案を認めると、僕らの基本的人権が事実上なくなってしまうよ」http://t.co/zHiudpPq.返信する RTする ふぁぼる .KazuhiroSoda 2012/12/07 17:06:39 想田和弘 ..全く同感です。@hirakawah: マスコミはもっと自民党改憲案の問題を取り上げるべきではないのかな。そもそも自民党自身がそれを今回の選挙の目玉にしてるのだし。.返信する RTする ふぁぼる .KazuhiroSoda 2012/12/07 17:11:45 .想田和弘..片山さん、あなたが持ち出したケネディの演説全文です。天賦人権説そのものだよw「人権とは国家の寛容さに与えられるのではなく、神から与えられるものだという信念を忘れてはならない」http://t.co/kaZYwskQ @KazuhiroSoda戦前?!これは1961年のケネディ演説.返信する RTする ふぁぼる .KazuhiroSoda 2012/12/07 17:20:13 片山さつき..@s_itsme @taiyonokokoro50よく読んでください、我々は、11条も25条も維持した上で、自由及び権利には義務及び責任が伴う、公益及び公の秩序に反してはならないと明記しています。自民党改正案4月発表の時もガチガチの護憲派から似たようなコメがしばらく来てましたが。.返信する RTする ふぁぼる .katayama_s 2012/12/07 17:20:14 想田和弘..つーか、そのケネディ演説ですら天賦人権説を採っているんですよw。@ashura820: ケネディのまねしてるだけじゃん。RT @KazuhiroSoda: 自民党の改憲案を作ったメンバーの片山さつき@katayama_sは、「国があなたに何をしてくれるか、ではなくて国を維持する.返信する RTする ふぁぼる .KazuhiroSoda 2012/12/07 17:22:27 片山さつき.@KazuhiroSoda 4月の自民党案発表時も人権派?或いは護憲派の方々とツイッターで二三日議論しましたが、社会民主主義だの第三の道だの民主党政権発足時の議論や人権擁護法案積極論者とのバトルと似たような所に行き着き、イデオロギーの違いは埋まらす。.返信する RTする ふぁぼる .katayama_s 2012/12/07 17:31:16 想田和弘..地震が起きたらしいね。津波と原発が心配だ…。.返信する RTする ふぁぼる .KazuhiroSoda 2012/12/07 17:35:28 .片山さつき.@Jiruberutojiru @KazuhiroSoda 国家のありようを掲げ、国家権力がやっていいこと、統治機構などを、規定。私は芦部教授の直弟子ですよ。あなたの憲法論はどなたの受け売り?.返信する RTする ふぁぼる .katayama_s 2012/12/07 17:38:39 .片山さつき..東日本大地震対策で、自民党が何度も強調し現政権が認識甘いのが、大規模余震。津波は2メートルでも巻き込まれた場合ほぼ溺れる、実験も見てますから。土嚢だけの海岸、大丈夫か!?.返信する RTする ふぁぼる .katayama_s 2012/12/07 17:41:49 想田和弘..天賦人権説を否定するのは、ナチスを肯定するのと同じくらいのトンデモ議論ですから、イデオロギー以前の問題ですよ。@katayama_s: @KazuhiroSoda 4月の自民党案発表時も人権派?或いは護憲派の方々とツイッターで二三日議論しましたが、…イデオロギーの違いは埋まらす。.返信する RTする ふぁぼる .KazuhiroSoda 2012/12/07 17:43:15 想田和弘..片山さつきのツイッターです。3月11日も告知板として情報収集、一定の役割果たしてます。東北関係のかた、政府は養殖25知らせたいことで電話がだめなら連絡して!十三万人が見てますから!.返信する RTする ふぁぼる .katayama_s 2012/12/07 17:44:29
2012年12月10日
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前の記事の『自民党の憲法草案の新設条項』を読んで「ビジョンが無い」と書いたのは、20-30年先を見越していないということではないのです。むしろ、それぐらいなら、ビジョンは極めて明確です。つまり「富国強兵」という短期的なビジョンならばよく読み取れます。---右肩上がりの成長を続ける、簡単に侮られない様に軍隊は持ちたいし、軍需景気というメリットもある。その為には、上からの支配がし易い様に社会を変えたい、ということではないでしょうか。昭和初年どころか、明治初年ですね。でも、世界は果してその様に動いて行くのでしようか。否、動いて行くべきなのでしょうか。地球上にあるあらゆる問題、地球温暖化、原発、南北格差、核戦争、食糧問題、水の確保、等々、全ては「一部の人たち」の「上からの支配」で解決するのでしょうか。いっ時ならばするかもしれません。でも、素人目で見ても直ぐに破綻しますね。100-500年先を見越した憲法が欲しいのです。私は現在の日本憲法前文が、とりあえず、一番相応しい気がします。日本国憲法前文 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法はかかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。(1946年11月3日公布)
2012年04月30日
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自民党が27日に発表した「憲法改正草案の主な新設条文」なるもの、一読、ほとほと情けなくなった。まあ百聞は一見に如かず、ちょっと斜め読みしてもらいたい。.自民党の憲法改正草案の主な新設条文2012.4.27 23:40更新 【第1章 天皇】 1条 天皇は、日本国の元首であり、日本国および日本国民統合の象徴であって、その地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく 3条 国旗は日章旗とし、国歌は君が代とする 2 日本国民は、国旗および国歌を尊重しなければならない 4条 元号は、法律の定めるところにより、皇位の継承があったときに制定する 6条 5 1項および2項に掲げるもののほか、天皇は、国又は地方自治体その他の公共団体が主催する式典への出席その他の公的な行為を行う 【第2章 安全保障】 9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動としての戦争を放棄し、武力による威嚇および武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない 2 前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない 9条の2 わが国の平和と独立並びに国および国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する 3 国防軍は、1項に規定する任務を遂行するための活動のほか、法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動および公の秩序を維持し、又は国民の生命もしくは自由を守るための活動を行うことができる 5 国防軍に属する軍人その他の公務員がその職務の実施に伴う罪又は国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、法律の定めるところにより、国防軍に審判所を置く 9条の3 国は、主権と独立を守るため、国民と協力して、領土、領海および領空を保全し、その資源を確保しなければならない 【第3章 国民の権利および義務】 15条 3 公務員の選定を選挙により行う場合は、日本国籍を有する成年者による普通選挙の方法による 19条の2 何人も、個人に関する情報を不当に取得し、保有し、又は利用してはならない 20条 3 国および地方自治体その他の公共団体は、特定の宗教のための教育その他の宗教的活動をしてはならない。ただし、社会的儀礼又は習俗的行為の範囲を超えないものについては、この限りでない 21条の2 国は、国政上の行為につき国民に説明する責務を負う 24条 家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない 25条の2 国は、国民と協力して、国民が良好な環境を享受することができるようにその保全に努めなければならない 25条の3 国は、国外において緊急事態が生じたときは、在外国民の保護に努めなければならない 25条の4 国は、犯罪被害者およびその家族の人権および処遇に配慮しなければならない 26条 3 国は、教育が国の未来を切り拓(ひら)く上で欠くことのできないものであることに鑑(かんがみ)み、教育環境の整備に努めなければならない 28条 2 公務員については、全体の奉仕者であることに鑑み、法律の定めるところにより、前項に規定する権利の全部又は一部を制限することができる。この場合においては、公務員の勤労条件を改善するため、必要な措置が講じられなければならない 29条 2 財産権の内容は、公益および公の秩序に適合するように、法律で定める。この場合において、知的財産権については、国民の知的創造力の向上に資するように配慮しなければならない 【第4章 国会】 47条 選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律で定める。この場合においては、各選挙区は、人口を基本とし、行政区画、地勢等を総合的に勘案して定めなければならない 53条 内閣は、臨時国会の召集を決定することができる。いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があったときは、要求があった日から20日以内に臨時国会が召集されなければならない 54条 衆議院の解散は内閣総理大臣が決定する 63条 2 内閣総理大臣およびその他の国務大臣は、答弁又は説明のため議院から出席を求められたときは、出席しなければならない。ただし、職務の遂行上特に必要がある場合は、この限りでない 【第5章 内閣】 66条 2 内閣総理大臣および全ての国務大臣は、現役の軍人であってはならない 【第7章 財政】 86条 4 毎会計年度の予算は法律の定めるところにより、国会の議決を経て翌年度以降の年度においても支出することができる 90条 3 内閣は、1項の決算報告の内容を予算案に反映させ、国会に対し、その結果について報告しなければならない 【第8章 地方自治】 94条 2 地方自治体の長、議会の議員および法律の定めるその他の公務員は、当該地方自治体の住民であって日本国籍を有する者が直接選挙する 【第9章 緊急事態】 98条 内閣総理大臣は、わが国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる 2 緊急事態の宣言は法律の定めるところにより、事前又は事後に国会の承認を得なければならない 3 内閣総理大臣は、前項の場合において不承認の議決があったとき、国会が緊急事態の宣言を解除すべき旨を議決したとき、又は事態の推移により当該宣言を継続する必要がないと認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、当該宣言を速やかに解除しなければならない。また、100日を超えて緊急事態の宣言を継続しようとするときは、100日を超えるごとに事前に国会の承認を得なければならない 4 2項および前項後段の国会の承認については、60条2項の規定を準用する。この場合において、同項中「30日以内」とあるのは、「5日以内」と読み替えるものとする 99条 緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる 2 前項の政令の制定および処分については、法律の定めるところにより、事後に国会の承認を得なければならない 3 緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体および財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。この場合においても、14条、18条、19条、21条その他の基本的人権に関する規定は、最大限に尊重されなければならない 4 緊急事態の宣言が発せられた場合においては、法律の定めるところにより、その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期およびその選挙期日の特例を設けることができる 【第10章 改正】 100条 この憲法の改正は、衆議院又は参議院の議員の発議により、両議院のそれぞれの総議員の過半数の賛成で国会が議決し、国民に提案してその承認を得なければならない。この承認には、法律の定めるところにより行われる国民の投票において有効投票の過半数の賛成を必要とする 【第11章 最高法規】 102条 全て国民は、この憲法を尊重しなければならない一言で言うと、自民党は単に日本を戦前のように戻したいと考えているだけなのである。天皇を国家元首にし、軍隊を持ち、教育勅語に匹敵するような古臭い「家族の絆」みたいな倫理観を持ち出し、財産権も制限し、簡単に戒厳令も敷けるようにし、文民統制を原則とし(非常時になればすぐにひっくり返るような仕掛けは作っておき)、人権は公共為に大きく制限される。憲法改正のハードルは低くする。全て昭和初年の日本に戻したいだけなのである。日本をどうしたいのか。全くビジョンがない。憲法を変えるほうがいいと言っているわけじゃない。でも、こういうのをみると、ほとほと情けなくなる。
2012年04月30日
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先週の土曜日19日、岡山県の50もの9条の会が集まった実行委員会主催「活かせ憲法!守れ9条!岡山のつどい」に行ってきました。きたがわてつさんの歌で始まり、(「9条」「日本国憲法前文」を初めて生で聞きました。ものすごく新鮮!)藤本義一さんのトーク、小森陽一さんの講演ととても盛りだくさんの企画でした。やっぱり注目したのは、小森さんの講演。今回の「政権交代」を受けて、どのように憲法の課題を語ってくれるか、注目していました。最初、酒井法子の話から始まります。彼女の騒動が8月3日に始まったのはなぜか。警察はすでに22日に容疑は固めていたのだから、いつ逮捕してもよかった。「これは悪質なメディアジャックだと個人的には思っています」8月4日に何があったか。クリントンが北朝鮮に電撃訪問をした。実はこのことは非常に大きな意味があったのだが、メディアは一通りの報道をしただけだった。と、いうところから90-94年にかけての(本当ははじめての)政権交代の歴史と、今回の類似点、はては50年代の北朝鮮を巡る日本と世界との関係の類似点をたった一時間で駆け足で説明して、「今が色んな悪法を無くすチャンス。そして、(参議院選挙までの)この一年間が憲法運動の正念場だ。」といいます。「庶民にとって、記憶力こそが力です」と、いうのですが、レジメを完全に無視しながら話した内容をここで整理して書くのは至難の業です。(ところどころしかメモしてないし)でも、前回の政権交代(この時代のことをメディアは意図してかぜんぜん報道していない。これも大変大きな問題ではないかと今ふと思いました)のとき、小沢が、「政治改革」「国際貢献」といいながら実現したのは「小選挙区制による財界言いなりになる二大政党制」「憲法九条をなし崩しにするPKO法」であったことをまざまざと思い出したのでした。私は小沢一郎は大嫌いだ、とことあるごとに言って来ましたが、あのときの気分をまざまざと思い出しました。どのようなことを言ったのか、覚えている限り書こうと思います。しかし、小沢の意図は簡単に実現したわけではなかった。そのごたごだか、あの政権交代だったのです。90年の湾岸戦争は、89年ベルリン崩壊のあと国連決議が戦後二回目に成立した二度目の正式な国連軍事行動でした。(一回目は朝鮮戦争)そのとき海部首相の幹事長だった小沢一郎は「国際貢献」を言い出し、今までの自民党の憲法解釈を変えて「国連決議があるならば海外派兵はOKだ」といい始めます。国連平和協力法を提出するのですが、やっぱり憲法との整合性が説明つかず「廃案」になります。そこでPKO法案を出すのです。リクルートでごたごたして宮沢喜一に首相になるけれども、宮沢喜一はPKO法はピストル以上の武器携帯を認めなかった。それで小沢は自民党を飛び出して、いろいろあって細川政権を誕生させる。そして「小選挙区制になれば、選挙に金は要らなくなる」とか変なことを言って小選挙区制を成立させるのです。話が早口でいまいちよく分からなかったのですが、実はこのとき、世界的、アジア的には、ソ連のバックアップがなくなった北朝鮮がエネルギー不足解消のために原発開発に乗り出し、それが「核兵器開発の口実になる」と言うアメリカのキャンペーンにつながり、一発触発の第二次朝鮮戦争の危機になっていたと言うのです。それを回避したのは、アメリカの提案に対して韓国の金泳三大統領と金大中の意思による拒否と細川首相の拒否によって頓挫します。細川首相はそのとき「拒否するのならば佐川急便の疑惑をばらすぞ」と脅されたと言います。それでもいい、と言って拒否したことが深夜の突然の辞任につながったと小森さんは言うのですが、私には初耳でした。そしてそのあとに94年、ビル・クリントン政権下でカーターの北朝鮮訪問があって、北朝鮮との「合意」が成立するのです。それがきちんと続けばよかったのだけど、その直後に金日正死去があってまた混沌としてしまう。そのあと、村山社民党と鳩山の党が自民党とくっついて村山政権が出来上がるのですが、アジア危機があったので、村山社民党も「安保は合憲」と言わざるをえなかった。と小森さんは言います。これが俗に言う社民党の「村山トラウマ」と言うやつで、社民党が今回民主党と「連立」を組んだときに、90年台と同じ轍を踏まないように、と言う意識は常にあるようです。歴史は繰り返す。さらに言えば、50年代の憲法危機も北朝鮮の戦争がきっかけでした。このの戦争に備えるために51年警察予備隊、52年保安隊、53年自衛隊と海軍、空軍を増やしていくのですが、どうしても憲法による足かせがあるために、「憲法を改定するために」55年自由党と民主党が「大連立」をして自民党になるのです。そのときの首相が鳩山一郎でした。鳩山一族は「血筋として」ばりばりの改憲派です。けれどもこのとき、国民の意思が「2/3の自民党」を許さなかった。小沢が二年前に自民党の「連立」を極秘に合意して国民の総すかんを食い、民主党内からも批判されたとき、小沢の頭にあったのは、55年の未完の憲法改定劇だったのは間違いないと思います。ああ、日本国民はいつもぎりぎりのところで、憲法を守ってきた。と改めて私は思いました。しかし、役者は今そろいました。小沢一郎と、サラブレッド鳩山。そして一方で、日本国民。一方で、世界は動いています。ブッシュの世界戦略はことごとく失敗し、だからこそ最後は政策転換して北朝鮮のテロ支援国家としての「肩書き」をはずしました。そして六カ国協議はアジアの平和の枠組みの「基本」となりうるものです。北朝鮮、韓国、日本がアメリカ、中国、ロシアにもし一致団結して非核化を迫ってきたならば、断れない雰囲気ができつつあります。だからこそ、オバマはプラハ演説をしたのではないか。そんなとき、被爆国日本が「核の傘論」に固執しているのはあまりにも世界情勢を読んでいない。いまこそ、「攻め」のときです。九条を守り、活かすことを軸に、憲法の各条文を現実化する草の根の運動を大きくして、どれだけ政府の方針を一年間で左右させるかが、これからの日本の未来を決します。…すみません、「記憶力は力」といいながら『うろ覚え』で書きました。おおよそこのような意味のことを言っていたと思うのですが、文責は私にあります。ただ、集会の前にいつものように私学助成の署名をしていたので、私も協力をしました。『今年はいつもと違うでしょ』と聞くと、『そうよ!いつもぜんぜん相手にしなかった国会議員も今回は民主党の二人の議員が紹介議員になってくれているわ』『今年がチャンスですね!』『もちろんよ!』小森講演で、ひとつだけ残念なことがありました。この日は、2009年9月19日でした。この前亡くなった9条の会世話人加藤周一は1919年9月19日生まれです。生誕90年だったのです。記念すべき「9」の日だったのです。九条の会事務局長の小森さんが、どうしてそのことに触れなかったのか。時間がなかったから仕方ないとはいえ、本当に残念でした。
2009年09月21日
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今週の「マガジン9条」の「コラムリコラム」で、毎日新聞(8月20日付)の候補者アンケートの紹介しをしていた。おもしろい結果が出ていたので、取り上げたい。 <憲法改正について 自民=賛成97% 反対3% 民主=賛成57% 反対24% その他・無回答19% 公明=賛成73% 反対18% その他・無回答10% 共産・社民=反対100% 9条改正について 自民=賛成82% 反対11% その他・無回答7% 民主=賛成17% 反対66% その他・無回答16% 公明=賛成24% 反対71% その他・無回答6% 共産・社民=反対100%> 「集団的自衛権を行使できるように憲法解釈を見直すべきか」について、賛成が、自民77%、民主25%、公明8%、共産・社民0%となっている。 コラムの筆者たちはは公明党のリベラルぶりを評して「うーん、驚くなあ。確かにかつては、公明党は「反戦平和の党」と自らを規定していた。その根っこが今でも残っているということなんだろうか。 」「そう言えると思う。しかし、それならばなぜ、公明党が自民党にべったり寄り添っているのか、その意味が分からない。政権与党にいれば、自分たちの政策が実現できて、その存在感を示すことができる、という判断なんだろうけど、それにしても国家の根底の憲法観がこれほど違う党と連立しているっていうのは、自分たちで矛盾を感じないのか。彼らはよほど美味しい政権の蜜を味わってしまったのかもしれないな。 」そして選挙後には、民主党にすり寄るのではないかと書いている。私なんかは「この政党には一貫した政治イデオロギーというものはなく、外的世界がどのように変わろうとも、心の平和さえ保てれればそれで目的は達する」のだと思っているから意外でも何でもない。 自民党の憲法改正賛成、九条改正賛成については、今更ながらの話なので、置いておくとして、民主党が「憲法改正には賛成」だが、「九条改正には反対」という結果が出いるのは注目に値する。 実は、これを見て「民主党政権になれば九条は変わらない、安泰だ」と思う人がいるのではないかと危惧している。民主党のマニフェストを見てみれば、憲法改定を「慎重かつ積極的に検討」するとし、日米軍事同盟における「責任を積極的に果たす」立場を表明し、武力行使も含む「国連平和活動への積極参加」などをうたっている。これを見れば、日本国憲法の平和主義の大きな転換を目指していると見ることは充分に出来るだろう。憲法の根幹は九条だけではない。平和的生存権をうたった前文等重要なところはたくさんあって、その根幹が変わるようではとてもいただけない。四年前から一貫して、私は憲法を守り活かす政党に一票を入れます。
2009年08月26日
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昨日広島で、広島平和研究所の専任研究員 河上暁弘氏の『日本国憲法を読み返す』という話を聞きました。若い研究者が育っています。歯切れがよくて、これからが期待できます。憲法前文にある『そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって』の『信託』という意味で私の思っていた以上に重要な意味を見出すことができることを知りました。『信託』とは「条件付契約」ということで『白紙委任』とは違うのです。J.ロックからの思想で「ぜんぜん過激ではない」と先生は言うのですが…国家はわれわれの人権を保障するためにつくられたものである。だから、違約をしたら引きずりおろすことができる。つまり「革命」ですね。これは昔は「命がけ」でした。けれども、今はそうではない。「清き一票」という言葉があるけれども、これはスローガンとしてはうまくない。今は選挙で『投票非暴力革命』ができるのだから、「あなたの一票、革命権」というようなスローガンのほうがいい。よく「あなたの言うことは分かる。けれども、一票で選ぶ人がいないんです」と言われる。それならば、自分たちで出せばいい。出さないのは『市民失格』ではないか。そういえば、そうだと思う。日本でも、ほんの100年前までは、自由民権運動で命を懸けて選挙権をたたかっていたではないか。幸福実現党の主張にはほとんど反発を覚える私ですが、彼らは自ら出ている、その一点で正しい行動だと思う。今政党選挙ではなかなかその条件は熟してはいないと思う。けれども、自治体の首長選挙では、岩国の基地撤去を巡る選挙でその典型が現れたし、その他の選挙でも十分に条件は熟していると思う。あとは『市民』がどれだけ本気になるかどうかだけだろう。河上氏は現在の護憲運動は「9条が変えられたらどのように悪いことが起こるか」ということはよく語るが、「9条が実現したらどういう世の中になるか」をほとんど語っていない。と指摘します。憲法が持っているグランドデザインを明らかにしよう、と呼びかけています。大賛成です。
2009年08月23日
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今年の憲法記念日はいつもに増し25条が注目された。「すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」朝のNHK憲法の日の特集では雨宮可凛、五木寛之、吉岡忍が登場してそれぞれの立場から25条を語っていた。そのときにやはり、問題になるのが「健康で文化的な最低限度の生活」とは何か、ということである。当然「人間裁判」ことが話題になる。今日その場所に行ってみた。朝日さんが入院していたのは、岡山県早島町の現在南岡山医療センターのあるところである。二号線を倉敷から岡山方面に行き、早島無津交差点を左に曲がるとすぐ左手にこの記念碑はある。「犬のように死にたくはなかった」映像の中で朝日さんは訴えている。朝日でも社会面で特集をしていた。今こそ「生存権」を 「朝日訴訟」若者の胸に(ウェブ上に記事がない。長くなるので省略します。)当時26才の弁護士だった新井章さんは「この裁判があったから、25条は絵の中の餅ではなく、使われなくちゃいけないということを多くの人に認識させたのだ」と評価している。実はいまも憲法25条をめぐり訴訟があるという。知らなかった。04年度から始まった生活保護の老齢加算・母子加算の段階的な廃止が同条に違反するとして、高齢者や母親が廃止処分の取り消しを求めて、全国10の地・高裁で争う「生存権訴訟」が起こっているという。そして、今年はその最終段階母子加算の最終的廃止が4月より始まったばかりである。5月16日より、また今年も最賃(岡山県では669円)では「健康で文化的な最低限度の生活」は到底できないことを証明するために最賃生活します。
2009年05月03日
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「いのちの山河 日本の青空2」の撮影が猛吹雪の中続いています。「日本の青空2」ホームページ21日の撮影は凄かったようです。沢内村に帰ってきた深澤村長の遺体を乗せた車を、村民が総出で出迎えるシーンの撮影全国、地元から300名以上のエキストラ参加者が、吹雪の中、過酷な撮影を乗りきりました。西和賀町長 高橋繁はこのようなメッセージを入れています。深澤晟雄が願い続けたものは、何であったのでしょうか。豪雪の中に自動車を運行させたことも、乳児死亡ゼロの達成も、老人医療費の無料化も事実であり、輝かしい業績であります。しかし、これらの事実は深澤晟雄の願いの目に見える一部でしかなかったのではないかという思いが募るばかりです。今、分権社会が進行している時代です。生活にかかわるものは地方にまかせるという方向に国も県も変ってきています。国から地方へ、県から市町村へと権限の移譲が行われています。行きつく先は国家政府と地方政府の対等の関係樹立です。私には深澤晟雄は早くからこのように時代が流れることを予感していたのではないかと思われてなりません。情実が先行しては、真の自治は成立しないことを見通していたに違いありません。生命に結びつく保健婦さんたちの活動、婦人会や青年会を組織し、強化を促したことも「主権在民」の本来の姿を確立するためであったように思われます。村民の精神的自立と独立独歩の生活者としての誇りこそ、最後まで念じた願いであったのではと思う日々ですテーマはずばり憲法25条です。「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」品川正治さんも伊藤真さんもメッセージを入れており、湯浅誠さんも入れています。応援メッセージのオールスターです。湯浅誠さんメッセージ貧困と格差が広がる中、自衛隊が就職先としての「魅力」を増しています。今日明日の暮らしが成り立たないホームレス状態にある人たちやネットカフェ難民、それに「派遣切り」の被害者たちは、一番政治に変わって欲しいと願っている人たちなのに、そのことを十分に考える時間的・精神的ゆとりを持ちにくい状態に追い込まれています。住居を追われ、選挙権を行使できない人たちさえいる。貧困が広がれば、政治はますます一握りの人たちだけの舞台になっていきます。こうやって憲法25条の生存権が掘り崩されていく社会は、同時に9条をも危うくしていきます。誰もが人間らしく生きられる社会は、生存権が保障されているだけでなく、戦争に対する抵抗力も強い社会です。そうした社会の実現のため、”映画の力”にぜひとも期待したいですわたしも応援します!3月には日本全国で40万の失業者が出るといわれている。全国的に行政によるシェルター(一時避難所)の設置が望まれている。しかし、行政は及び腰だ。曰く「よその自治体の市民を受け入れることは市民合意が出来るだろうか」「今回の派遣切りとそれまでの失業者、ホームレスと何処で線引きをするのか」。そんなことを待っていられないと、倉敷市の労働組合が小さなシェルターを作った。「ほっとスペース25」この「25」は憲法25条からとったという。
2009年02月27日
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12.8平和のつどいがあった。そこで名古屋自衛隊イラク派兵差し止め訴訟の会代表の池住義憲さんの講演を聞いた。今日は実は、「12月8日」に関することを書こうと思っていたのだけど、この講演があまりにもおもしろかったので今日はこれを書く。内容は4月17日に出された違憲判決がどんな意義があるかを述べる話で、普通ならば途中で眠くなるのであるが、今日は違った。全然うとうとしない。しかも元気が出る、しかもこの判決を全文に即して逐一説明する、しかも時間が押していたのでたった70分で終わらすという離れ業をやってしまった。是非とも全国で講師にお呼びすることを(かってに)お勧めする者です。この違憲判決は「傍論だ」(福田首相)という意見がある。田母神元幕僚長は「そんなの関係ねえ」と言った。私はそれでも違憲判決が出たことが大切なのだ、という風に理解していた。てっきり傍論というからには、判決全文の一番最後に「おまけ」としてついてきたのだと思っていた。しかし違っていたのだ。この訴訟は「違憲確認」と「派兵阻止」を勝ち取るために「損害賠償請求」をするという形で提訴されている。ではそれはどのようにして勝ち取るか。「違憲性」と「被侵害利益(つまり被害を被った)」このふたつが証明されて初めて勝訴するのです。そして今回は「違憲性」のみを全面的に勝ち取ったわけです。「被害をこうむったとは、今は、まだいえない」ということで、裁判においては敗訴したけれども、池住さんの言うように「200%の勝利」なわけです。つまり、違憲性の証明はまさにこの判決を出すための骨格をなすものであって、「傍論」という意見は「暴論」なわけです。あとは判決文に即して、下線を引いていくというように、予備校の授業みたいに進んでいった。裁判の過程で、国側は事実認定に対して一度たりとも、反論しなかったらしい。池住さんたちは言う。「いいんですか。そのままだったら、擬性自白になりますよ」国側はなんといったか。「結構です」。まったくあきれる。議論をすればぼろが出る、というのが分かっていたからだろうが。議論しなかったら、私たちの言うことを認めることと同じですよ、といっても「結構です」と言ったわけだ。なぜなのか。池住さんは言う。「今まで出なかったのだから、絶対違憲判決など出るはずがないと高をくくっていたのだ」私もそう思う。その後政府は子供が逃げていくときに悪口を言うように何かを言っているようだが、決して一度たりとも判決そのものに対しては反論をしていません。それもそのはず、判決文はなんと「政府の見解に沿ったとしても違憲である」ということを証明しているのだから。もっともっとこの判決文は学習されてしかるべきである。
2008年12月08日
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九条廃止論者からの意見はたいていパターン化されている。それに対して、こちらも彼らの言いがかりと同じ分量の知識しかもっていなかったとしたら、彼らを納得させれないのはもちろんのこととして、黙らせることも出来にくい。 反論は出来るだけ具体的に、そして事実でもってすること。が肝要だと思う。松竹伸幸氏が、それに特化した本を出してくれた。日本国憲法は時代遅れか? 松竹伸幸著 学習の友社そのうちの一つの意見に対する反論をそのままのせたい。(この場合、要約は意味がない。具体的事実にこそ反論の力がある。)少し長く、著作権の侵害ではあるが、護憲論者の学習のため(何よりも私自身の学習のため)です。許してくれますよね。Q2他の国では何度も憲法を変えており、60年間一言一句を変えないような異常な国は日本だけだという人がいますが、どう考えたらいいですか?答え 確かに改正の数だけを見ると、一度も改正していない日本は「特殊」な国です。でも、改正の中味まで踏み込んでみると、別なことがわかってきます。 第一、各国における憲法の位置づけには違いがあり、単純に比較できないことです。 たとえば、改正数が世界で一番多いのはスイスであり、1874年の制定以来140回も改正し、つぎはぎだらけになったため、1999年全面改正に踏み切りました。スイスで改正が多い最大の理由は、税率を憲法で決めているからです。改憲勢力は、スイスの改正数が多いことは強調しますが、消費税率を憲法で決めようとは言いませんから、都合の悪いことは隠しているのです。 また、連邦制をとる国家の場合、州の権限を尊重するため、憲法で国の権限を制限するのが普通です。ドイツも改正の多い国の一つですが(50回以上)、その理由は「連邦制をとっている関係で、連邦と州の権限を見直す改正を何度も行なってきた」からです。(2000年11月「衆議院欧州各国憲法調査議員団報告書」より)要するに、各国の国情の違いが反映するのです。しかも以上の事例からわかるのは、各国の憲法が改正されるのは、税率とか州の権限が国を勝手に変更できないようになっているからです。国が国民や州の権利を勝手に変えられないようにする目的のために何回も改正が必要になるということです。自民党が目指す改正方向は、逆に国民の権利を制限し、義務を果たそうとするのですから、問題外です。 第二。各国の改正事例を眺めると、日本国憲法の先駆性がかえって証明されるような場面も多いことです。 アメリカの憲法は1788年に制定され、18回(27項目)改正されています。最初の10項目の改正は、憲法制定の三年後にまとめて行なわれたもので、信教、言論、出版の自由や請願権を定めたものです。その後、現在に至るまでの改正の大半も、奴隷制の廃止や女性参政権の付与など人権にかかわるものです。 フランスでは、1789年に人権宣言がつくられ、2年後の最初の憲法に盛り込まれます。しかし、その内容は、社会権など含んでいないと言う制約がありましたから、第二次世界大戦後の最初の憲法(46年)で、男女の平等や勤労の権利などを定められます。その後、1956年制定の現在の憲法は、20回近く改正されていますが、ヨーロッパ連合に権限を委譲するなど、フランス独自の事情によるものが大半です。 どちらの国の例にせよ、日本では憲法規定としてはすでに実現されているか、憲法でなく法律の改正ですむか、日本の国情とは無縁な問題ばかりです。またアメリカの憲法には、いまだに男女平等や労働三権はじめ社会権、経済権の規定もないので、これから憲法を改正する場合も、日本の憲法を追いかけてくると言うことにならざるを得ません。日本の憲法はそれぐらい先駆的なものだということが、成果の憲法改正の事例から導き出されることです。 第三。各国憲法の改正されなかった部分に目を向けると、もっと大事なことがわかります。 フランスの現行憲法は、その前文で、1789年の人権宣言を厳粛に再確認すると述べています。200年以上も前に作られた宣言を、現在でも通用する原理として確認しているのです。宣言は18世紀に作られ、社会権がないという制約があり、そのため1946年憲法で補充されたのですが、それでも人類史上に不滅の意義を持つ宣言に愛着を持ち、減法憲法に生かしているのです。 アメリカ憲法も同様のことが言えます。アメリカ憲法はの改正は、憲法本体のあとに「修正条項」を付け加えると言う形を取っています。つまり改正は繰り返されていますが、本体は変わっていないと言うことです。最初の改正が行なわれたとき、本体も修正する案もあったのですが、ある議員が「憲法(制定)は人民の行為であり、その全体を残さなければなりません。しかし、修正は政府の行為なのです」と発言し、それが議会に受け入れられました。アメリカの人々にとって、憲法とは、国を挙げて独立戦争をたたかい、その結果として獲得したものであり、そのことへの誇りがあるから、憲法全体をそのまま残したと言うことなのです。 フランスの人権宣言も、アメリカ憲法が規定する民主共和制も、人類にとって不変的な価値を持つものとして、世界の人々の目標になってきました。そういう大事な原理はどの国も大事にしているものです。 日本国憲法九条も、この本の本文(第一部)で触れたように、いま世界の目標になっています。改正するわけにはいきません。以上です。これからは具体的に彼らに反論していきたい。最後の「この本の本文(第一部)で触れたように、いま世界の目標になっています。」第一部に何がかかれているかと言うと、例えばハーグ国際条約「1.各国議会は、日本国憲法九条のような、政府が戦争をすることを禁止する決議倭採択すべきである」このような実に豊富な資料を元に、世界で採択されたたくさんの決議、多くの責任ある立場の人の発言を紹介しながら、「憲法の力」を証明したもので、けっして「時代遅れ」にはなっていないと自信を持っていえる「根拠」を作るものになっています。氏のブログ「超左翼おじさんの挑戦 」其の他の議論も積極的にオープンに行なっています。(現在は「戦争責任」についての議論をしているようです)HPの資料庫には第一級の第一次資料があります。もちろんこの本の巻末にも、その資料があり、いろいろと活用できそうです。色々刺激を貰った本でした。麻生政権が末期的な様相を示しているいま、憲法論議は下火になっていますが、国民投票法が発動される2010年にむけ、必ず議論は起こってきます。今からその準備をしていかなければなりません。サッカー日本代表ではないけれど、「決して負けてはいけない闘いがある」
2008年11月22日
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憲法改悪反対共同センターの「講演・論文」コーナーに渡辺治氏の「改憲をめぐる現局面と海外派兵恒久法 」と言う論文が載った。現代憲法情勢を鋭く分析し、来る国会においてこの海外派兵恒久法の法律化を許すかどうかが、これからの改憲動向に決定的な影響を与えるということを説得力を持って論じている。一読に値する論文である。論文は大まかにこのように章立てがされている。1 安倍政権による改憲強行路線はなぜ挫折したのか?(1)安倍政権は改憲をどこまで進めたか(2)改憲強行路線挫折の要因2 福田政権による改憲戦略の建て直しはいかなるものか?(1)改憲状況の一層の困難(2)民主党との協調体制の再建(3)改憲国民運動の再建と護憲運動に対する抑圧3 なぜ、海外派兵恒久法が改憲の焦点として浮上したのか?(1)海外派兵恒久法の2つのねらい(2)海外派兵恒久法の骨格小括 改憲を阻むために何が必要か?(1)海外派兵恒久法制定阻止に全力を(2)改憲阻止運動のさらなるバージョンアップを私が特に注目したのは、以下のところである。2-(3)で、ビラ配布逮捕事件や日教組の会場使用拒否や映画「靖国」へのクレームなどの一連の動きは「干渉の対象が九条の会に絞られつつある」と渡辺氏は分析するのである。「ビラの配布や会場の使用という九条の会をはじめとした市民の運動のもっとも基本的な活動の手段を規制する」と言うわけです。3-(2)において、派兵恒久法の問題点を論じている。「国際平和協力法案」(いわゆる石破試案)がもっともまとまったものであるが、この石破案では、「つまり、国連の要請があろうとなかろうと、いつでも派兵できるようになっているのである。」「これに対して、民主党は「国連決議若しくは国連の要請にあったとき」と限定してくることは明らかなので、この間の調整が法案の成否の鍵となるであろう。アメリカは、自衛隊の派兵を国連の要請に絞ることに強い抵抗を示しており、日本の外務省も防衛省も、それではアメリカの要請に迅速に呼応できないと考えているから、事実上、この基準をどうするかが、海外派兵恒久法の最大の焦点となろう。」と述べている。「民主党を改憲協議に巻き込む梃子」にすることもこの法案の狙いの一つであると、渡辺氏は言っているので、ここがまさに次期国会の焦点になる。小括-(1)で渡辺氏はこのように言ってこの問題がこれからの改憲運動の重要な分岐点になると指摘する。「こうした情勢の下で、私たちは臨時国会から衆院選後をも見越して本格的な海外派兵恒久法反対の運動を組んで行く必要がある。これを粉砕することができれば、私たちは改憲を阻む現実的な展望を切りひらくことができる。逆に海外派兵恒久法を通すようなことがあれば、解釈改憲で9条に大きく穴を開けるだけでなく、明文改憲への建て直しを許すことになる。文字通りの正念場がやって来る。」なぜ「これを粉砕することができれば、私たちは改憲を阻む現実的な展望を切りひらくことができる。」か。この論文にあるように、それだけ福田内閣は追い詰められていて、この法律が唯一のそれを突破する手段になっているからである。しかし、此の間のオリンピックのさまざまな試合を見て分るように、一つの突破口から形勢は大逆転するのである。そしてそれだけの力が政府与党にはあるのだ。
2008年08月22日
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昼休みの時間に書いているので、まるきり時間がないのだけど、憲法改悪反対共同センターの「最近のマスコミの動向」に改憲同盟発足の記事があって、新聞あかはたの記事を読むと、大変だけど、おもしろいことが書いてあった。改憲同盟 自・民で新体制「自民、民主、公明、国民新各党などの改憲派議員でつくる「新憲法制定議員同盟」(会長・中曽根康弘元首相)は四日、国会内で総会を開きました。民主党幹部を新たに役員に加え、改憲策動を推進する新体制を発足させました。 自民党からは安倍晋三前首相、伊吹文明幹事長、谷垣禎一政調会長らが新たに顧問に就任、民主党からも鳩山由紀夫幹事長が顧問、前原誠司副代表が副会長に就きました。二〇〇八年度予算案の衆院強行通過をめぐって「対立」姿勢をみせる自民、民主両党が、九条改憲という国のあり方の根本問題で基本的に同方向であることを示すものです。」このなかでなんと「九条の会」に対抗 新憲法制定議員同盟 地方拠点作り狙うというようなことを言っているらしい。いやあ、いよいよ北方「水滸伝」の世界になってきました。敵は、金も組織もある。一方こちらは志と人の力のみ。「水滸伝」と違うのは、「九条の会」のほうが数としては圧倒的に先行しているということ。しかし、宋江のような頭領に恵まれてはいない。よって、梁山泊のような一枚岩の運動にはなっていない。よって結果もまた違うでしょう。今日はここまで。資料ととして、記事にも載っているが、憲法議員同盟の役員全員をここに載せる。民主党からはやはり鳩山と前原が幹事として参加している。自民党からは安倍晋三前首相、伊吹文明幹事長、谷垣禎一政調会長が新たに。こういうラインナップはなかなか壮観。憲法議員同盟の役員 四日の新憲法制定議員同盟総会で了承された役員は次の通り。☆は新。かっこ内の元は元職。敬称略。 【会長】中曽根康弘(元) 【会長代理】中山太郎(自民・衆院) 【顧問】衆院=海部俊樹、中川秀直、丹羽雄哉、中川昭一、瓦力、山崎拓、☆安倍晋三、☆伊吹文明、☆谷垣禎一(以上自民)、☆鳩山由紀夫(民主)、綿貫民輔、☆亀井静香(以上国民新)、参院=青木幹雄(自民)、元職=塩川正十郎、奥野誠亮、森下元晴、上田稔、倉田寛之、関谷勝嗣、片山虎之助、☆粟屋敏信、☆葉梨信行、谷川和穂 【副会長】衆院=津島雄二、古賀誠、野田毅、島村宜伸、深谷隆司、与謝野馨、高村正彦、二階俊博、町村信孝、額賀福志郎、大野功統、斉藤斗志二、杉浦正健、森山眞弓、堀内光雄、☆臼井日出男、☆石原伸晃(以上自民)、☆前原誠司(民主)、平沼赳夫、☆玉沢徳一郎(以上無所属)、参院=☆藤井孝男、☆尾辻秀久(以上自民)、☆田名部匡省、☆渡辺秀央(以上民主)、山東昭子(無所属)、元職=小野清子 【副会長兼常任幹事】衆院=保岡興治、鳩山邦夫、大島理森、船田元、金子一義(以上自民)、参院=鴻池祥肇、☆泉信也(以上自民) 【幹事長】愛知和男(自民・衆院)
2008年03月05日
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小沢さん騒動とか、あまり言及したくないのだけど、これだけは言っておきたい。福田さんが大連立を提案した根拠として、衆参逆転の現在では法案が通らないからだ、と言ったそうだが、私はそれでいいと思う。そもそも現国会は参議院選挙で明確に自民党政治にNOをいった結果の国会なのだから、重要法案は通してはならないのである。ましてや福田さんは選挙で選ばれた「首相」ではない。一日も早く、衆議院選挙で民意を問うと言うことこそが自民民主党首会談で「公開」で行なうべき議題だったはずだ。小沢さんは、それとは全く反対のセンスの持ち主と言うことが分ったのだから、国民は早く見切りをつけるべきでしょう。そうすれば、国民の真意を測ることに長けてている「政治家」なのだから、早いところ党首交代するでしょう。どうでもいいことだけど。問題はそんなことではない。政権交代など私にとってはどうでもいい。いかにして、来るべき改憲を問う国民投票で、今の憲法を活かす方向で民意をまとめることが出来るか、そのためには何が重要か、が私の最重要課題。メッキがはげかけてきた民主党に、それでも薄い金箔を貼らせるのもそのためには必要かもしれないと思うだけである。九条麺は250円で買った。たぶんほとんどは運動のカンパなのだろう、と思いながら喜んで買う。まあ、楽しく何か出来たらいい。写真のバックは1900円で買った「ANTI WAR STYLE」のTシャツ。キッャチコピーには元手はいらない。「護憲」は「湯呑み(言うのみ)」からはじまるお湯を注ぐと、日本国憲法9条の全文が浮き出る不思議な、不思議な、「9条カップ」向こう三軒両隣、合わせて五軒(護憲)一戸に一個の「9条カップ」で、護憲つながり実現9条カップを置いて、我が家も「護憲宣言」誰でも出来る「護憲運動」です日本機関紙協会兵庫県本部でこのような素敵な商品開発とキャッチコピーを見つける。二年半後あるいは五年後の改憲の天王山までに何が出来るか。付けたしけさの天声人語ではうまいことを書いていた。とりあえず載せておく。前首相の政権「放り出し」は歴史に残る失態だった。政権へと踏み込んだ足がもつれた「寄り転び」もまた、末永く語り継がれる独り相撲となろう。政界の横綱級が、奇々怪々な決まり手で次々と倒れては、有権者の座布団が舞うばかりだ
2007年11月06日
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「検証・憲法第九条の誕生」岩田行男著昨日、「日本の青空」をみて感想を書いたのですが、実はこの映画の副読本とでもいえる本を薔薇豪城さんから紹介いただいていました。(この記事のコメント欄のところです。)興味をもったので、知り合いの本屋さんに無理を言って一冊だけ200円で手に入れました。この本には、法制局の憲法改正草案に対する想定問答や、帝国衆議院本会議や小委員会における「憲法九条に関しての」憲法改正案論議の速記録、自衛隊の問題に1945年12月の政府世論調査等の関連資料を収められている。全体で175P。普通に発行すれば、1500円はする資料集ではある。「負けられないこの闘い、私が今最大限にできることは何か、と考えた末、本書の第四版を一冊200円で刊行することを決意しました。(略)人生に悔いを残したくありません。赤字覚悟の出版ですが、この闘いに勝てば、私の「人生の決算」は充分に黒字です。」とのことです。岩田さんは序文で書いています。この小委員会速記録は公開されたのは平成六年のことだったらしい。一般にはあまり知られていません。「この資料で論議の全体を通して読んでみると、各党の議員と政府の間での自主的な、そして真剣な論議により、平和の理念が語られ、平和条項である憲法第九条が、短文ながらも格調高い、豊富な内容をもった条文に仕上がっていく様子が手に取るように分かる。」とのことです。小委員会の論議は冗長に過ぎるのでここでは取り上げることができない。吉田元首相もなかなかいいことを言っているのだが、ここでは、小委員会の論議をうけて帝国議会でまとめの意見を「政府」の側から言った芦田均委員長の意見の一つを紹介して、まさに最初の憲法論議は「押し付けではなく、自主的な論議の上に作られたものである」ということを主張したい。さらに、第九条によって我が国が戦争の否認を宣言しても、他国がこれに賛同しない限り、その実行は保証されないのではないかとの質問に対して、政府は次のごとき所見を明らかにいたしました。即ち、第九条の規定は、我が国が好戦国であるとの世界の疑念を除く消極的な効果と、国際連合も理想として掲げているところの、戦争は国際平和団体に対する犯罪であるとの精神を、我が国が率先して実現するという積極的効果があり、現在のわが国はいまだ十分な発言権を持って、この後の理想を主張しうる段階には達していないけれども、必ずやいつの日にか世界の支持を受けるであろうという答弁でありました。(昭和21年8月24日芦田均委員長「憲法改正案委員会の論議の経過と結果の報告」)これはまさに小学生用の憲法副読本「新しい憲法のはなし」をさらに格調高く述べたものである。あれは心ある公務員が書いたからあのような内容になったのではなく、議会の論議の結果を説明したにすぎなかったのだな、と知り大変うれしかった。いろんな発見がこの本にあります。ただし、岩田さんの個人の奮闘で普及している本なので、入手方法は非常に限られています。最後のページにあるそれを記入して、それでもこの本が少しでも普及したらいいなと、私は思います。一、発行者 岩田行男の扱い。 情勢と運動に対応し、急速に広めるため一口10冊単位での普及をお願いします。 電話・FAX03-5386-1497(いずれも午後9時まで) 振替郵便 00190-1-352884二、下記の書店で、一冊からの販売をお願いしています。 (東京)芳林堂書店高田馬場店4F(政治コーナー)03-3208-0241 美和書店(代々木)03-3402-4146 友好堂書店神保町店03-3291-1181増補改訂第四版「検証・憲法第九条の誕生-「押し付け」ではなく自ら平和条項を豊富化した論議の全経過」200円(送料とダンボールの箱代は別料金)
2007年11月05日
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私の記事がきっかけで品川正治さんの本を読んで、大感激したとコメントを頂いていたじゅんさんが、私のリクエストに応えていただいてブログを始められた。おかげで紹介しやすくなった。今は私に対するコメントをそのまま記事にしているけど、まとめて読むと「若いほとばしるような」気持ちが伝わってくる。そこで書いているが、なんと「ひとり九条の会」を立ち上げたという。一人からでもやれることはあると思う。それは自分にあった自分に出来ることを見つける以外にない。職場に「九条の会」を立ち上げました。って、私一人。ひとり九条の会。準備会もなし。いいんだ。まずは自分のため。発信する。小道具そろえた。品川正次著「財界人からの直言」20冊岩田行雄著「検証・憲法九条の誕生」20冊九条の会リーフレット100枚に、ポスター。あっちこっち、ポスターも貼ったぞ。憲法前文を写したプリント。徹夜で書き写した特大サイズで、「九条の会」アピール。壁紙を満開の花がらにしてやった。待合にズラッと並べる。待ち時間2時間は長いだろ?どうやら職場は病院らしい。こんなことが出来る権限を持っているんだろうか。その呼びかけ文書、最初は固い文を書いていたらしいが、「参謀」のアドバイスで「自分の言葉」に変えたらしい。これがなかなかいい。待ち時間二時間と言うから、多分受診者はじゅんさんと顔見知りなのだろう。じゅんさんの人柄がわかる。「情」がわかる言葉です。薔薇豪城さんは「二人九条の会」を作って、参議院候補者にアンケートを送ったし、現在6000の数の九条の会ですが、三万になれば世の中変わると、憲法共同センターの「参謀」川村俊夫も言っていた。「兎の子竹の子のように全国で九条の会をつくろう」と川村氏は言っている。じゅんさんの九条の会呼びかけ文わたし達の今の生活があるのは、九条のあるお陰です。生活は、九条が守っています。もし、九条がなくなったら、それこそ大変です。知ってますか?軍では、便器一個が200万えん!軍にお金使い出したら、医療費も、生活費も、教育費も、消えてしまいます。この数年、ダンダンそうなったでしょ?お年より無料だったのが、2割になり、(一部3割になった!)サラリーマンのひとだって、3割。これ以上、軍にかね使こたら、病気になっても病院にも行かれへん。戦前にもどった日には、モッと大変です。軍隊が海外に出て行ったかて、恨みを買うだけです。アジアで2000万人殺して、今でも恨まれてます。イラクでもそう、何の利益もありません。あんたら行け、言われて行ったら、命まで失うことになる。そやのに行け、言うヤツは、ゼッタイ自分では行けへん。自衛隊行け、いうて、ケシカケて、九条つぶそう言う人こそが、国賊です。わたしの情では、こうだ。病気や、怪我、直そうおもたら、わたしら手間と労力を、毎日、毎日、何年もかけてやる。ちょっとの病気でも、直すん、どんだけ大変か。なのに、戦争やられたら、爆弾一発で、そんな苦労は吹き飛ぶ。どんなに夜も寝んで修理したかて、追いつかへん。なおしても、なおしても、後から後から壊されたら、ヤッテられヘン。壊すのは、簡単や。一発で壊れる。全精力つぎ込んで、何年掛けて直しても、この程度や。だから、反対するねん。produced by 「13日の水曜日」碧猫さん
2007年08月19日
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「さるのつぶやき」さんから品川正治さんの記事が日経新聞に載ったというTBを頂いた。読んでみると、日経の記事は一生懸命書いてはいるが、なにせ短いので誤解を与えかねない文章にはなっている。書いていることは今までこのブログでも書いてきたことと大同小異。タダ、日本の勤め人の多くが読んでいる日経読者と品川さんの主張がどこで接点を持ちえるのか、考える上では興味深い記事であった。護憲の闘いは当然のことながら日経読者の大半を味方に引き入れなければならない闘いでもある。以下記事の紹介。「平和後退」に危機感元兵士・経済人の品川正治さん全国行脚不戦誓い、「敗戦」でなく「終戦」(日経新聞 2007.08.15.夕刊) 日本興亜損害保険(旧日本火災)の社長・会長を務め、現在は経済同友会終身幹事の品川正治さん(83)は、中国戦線で兵士の目線から戦争を見た数少ない経済人だ。迫撃砲で四発被弾し、一発は今も右ひざに残る。 品川さんは出版、講演、対談とあらゆる方法でメッセージを発し続ける。きっかけは、小泉純一郎前首相による米イラク戦争支持。「国民的議論もないまま、どこまでエスカレートするのか」。戦後日本が築き上げた平和が後退する、との危機感から「八十二歳で八十二回講演」を目標に掲げ、全国行脚した。 学生時代、戦時国家の国民としてどう死ぬのが正しいのかを常に考え、「死ぬ前にどうしても読みたい」と哲学者カントの著書を持ち歩いた。「戦争は天災のようなものと思っていた。しかし、戦争を起こすのも人間。止めるのも人間」 一九四四年に従軍し、中国大陸で終戦を迎えた。捕虜収容所で「敗戦」なのか「終戦」なのか大論争になった。品川さんは一つの文章をしたためた。「未来永劫(えいごう)、戦争はしない決意の表明として『終戦』と呼ぼう」と書いた。 愛国心を重視するよう教育基本法が改正された。自民党と経済団体は改憲で足並みをそろえている。憲法改正に向け国民投票法も制定された。政府の有識者懇談会が集団的自衛権を巡る議論を進めるなか、品川さんは現役経済人として、平和憲法を守ることを明言。「政府にもの申すことができなくなる」と、位階勲等を受けていない。 品川さんは「貧困や疫病など二十一世紀の課題には、平和憲法を持つ日本こそ貢献できる」と信じる。品川さんはますます意気軒高だ。先ずは記事で重要なのは見出しだ。「敗戦」ではなく「終戦」と言うのは、全く誤解を与える見出しだ。「敗戦」派の主張は負けを認めたうえですぐさま国力を蓄えて強兵をしようと言う捕虜兵士の考えなのだが、この記事ではわからない。けれども反戦派と反対のことをいっているぞ、とおやっと思わせる工夫はしている。「平和後退」に危機感と言うのが、結局日経読者と品川正二さんを結ぶ最大の書き方なのかもしれない、と思った。「きっかけは、小泉純一郎前首相による米イラク戦争支持。「国民的議論もないまま、どこまでエスカレートするのか」。戦後日本が築き上げた平和が後退する」と言うこの部分を日経新聞記者は読者が納得するところだと思って書いたのだろう。だとすれば、この部分はもっと宣伝するべきところなのかもしれない。議論もなしの後退どこの会社でもこれでは社員は納得しない。
2007年08月16日
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ホテルの一階のフリーパソコンを使っているので時間がありません。昨日今日の国際会議で、印象に残ったことなどを羅列します。写真を交えた補足的な報告や、広島の風景や、その他もろもろのことは又帰ってから書きたいと思いますが、印象の強い時に書くほうが案外本質的なこともかけそうな気がします。と、言うわけでコメントに対する返事やTB返しは後でということになります。ご了承ください。国際会議の課題原水禁世界大会の国際会議にはじめて参加しました。日本平和大会と比べ物にならないほど、多くの国が参加していて、びっくりしました。19カ国、33団体、5国際団体、計107名も参加しているのです。(韓国が多い。38名。)A Nuciear Weapon-Free ,Peaceful and Just World(核兵器のない平和で公正な世界を)をメインテーマにしています。何回も出てくる話題は、不調に終わった2005年のNPT再検討会議の轍を踏まない様、今度の2010年の再検討会議で『核兵器廃絶』を具体化できるよう、参加団体の意思統一を図っているようです。もう一つは日本の憲法九条を守る戦いを参加団体全員の課題にするということです。沢田昭二主催者挨拶の中「日本の憲法九条を守る戦いは、アメリカの世界戦略に沿った危険な「世界における日米軍事同盟」の形成を許さないたたかいです。同時に、諸国民相互の構成と信義を深め合い、有効と協力を強めあうことによよって自らの安全を確保することを世界に広げる運動でもあります。憲法九条を守ることは、アジアはもちろん、平和な世界を実現する重要な鍵になります。」といい、盛大な拍手を浴びました。アメリカ等大国の横暴、二重基準にたいするたたかいは参加団体起用通の課題でもあるのです。運動の作り方どうしたら、それと戦っていけるか、各国団体が色々述べたのですが、私は国際平和ビューロー会長のトマス・マグヌスンの言葉が大変印象に残りました。彼は成果を得るのは基本的に三つのことが必要だといいます。事実をきちんと伝えること。世論の支持が必要であること。戦略を持つということです。特に世論。「世論の動員にいつも十分成功しているとはいえません。」「大衆の叫びは嵐のようだ。しかし誰も嵐を恐れる必要はない。」「権力を持ち、核政策を擁護する男女にとって本当に恐ろしいのは、やむことのない風である。」「私たちは、大国に、核兵器保有国に、国連に、又この問題の議論が可能なあらゆる機関に、メッセージを伝えなければいけません。」「わたしたちは、貿易風や季節風、南西風のように吹き続け、核廃絶を要求しなければなりません。そして大衆世論は私たちに味方するでしょう。」戦略は何か。DC方式を採用したらどうか。Dは『多様性Diversity』Cは『集中Concentration』です。多様性のある活動をするということ。参加団体は皆いろんな活動を抱えた多様性のある団体です。そしてこの三年間に集中的に世界サミットを開催する。これは対人地雷禁止条約が実現した時の戦略らしい。この世論の動かし方、戦略の持ち方、いずれも他のことでも使えそうだ。韓国九条の会もう一つ面白かったのは、韓国の平和団体の報告である。今年5月ソウル大学で「反戦反核平和・東アジア国際会議」が開かれたらしい。日本からも100名近く参加し、大きな進展があった。ソウルでは根強く、核兵器容認の空気がある。日本の広島長崎の核の実相はほとんど知られていない。そういう意味では貴重な会議だったらしい。これを機に会議参加の勧告活動家を中心に「日本の平和憲法を九条を東アジアの憲法に!」を掲げる「日本平和憲法をともに守る韓国市民の会」(略称「韓国九条の会」)が発足したらしい。大変面白い。HP見ても良くわからなかった。後でゆっくり見てみたい。と、言うことで時間が来ました。印象に残ったのは、今のところこんなところです。
2007年08月04日
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小田実が戦死した。30日の午前2時5分に死んだが、新聞が選挙で特別体制をとっていたためにかろうじて一面の隅に「死去」の報のみが載った。当然死因は胃ガンだ。最後まで国政の行方を想っていた氏の執念が込められた様な紙面になった。氏の想いについては、すでに病床からの発言と言うことではっきりとした言葉が記事になっていたし、つい最近も二日にわたり氏のインタビューが載っていたので、末期のガンといっても死期はまだ先だ、と思っていたのに、このあまりにも早い「死」はなんとも残念ではある。けれども見事な「死」だったと思う。死の宣告を前にして、やるべきことをし、見事に討ち死にした。小田実の最後の戦いはいうまでも無く、憲法を護る闘いであった。自民党の歴史的大敗で、地すべり的な改憲は食い止められた感はあるが、民主党の多くが改憲賛成だという現実を考えると、まさに憲法問題はこれからが主戦場であるといっていい。その最初の日に「九条の会」の最初の戦死者が出た。残ったものは何をなすべきか。今からでも、「憲法を変えることは本当の国益にはならない」、「憲法を護ることで真に国際的に名誉ある地位を得、国が栄える」ということを、全国民の世論になるように示していくことではないか。合掌。安らかにお眠りください。produced by 「13日の水曜日」碧猫さん
2007年07月30日
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昨日届いた平和新聞7月25日号に「靖国」派を斬る!と題の特集があった。現在「日本会議」を中心とする「靖国」派のメンバーは閣僚の大部分と民主党にも多く存在し、(ワシントンポストに「従軍慰安婦は強制されていない」と言う意見広告を載せた国会議員45人のうち自民29人、民主13人、無所属2人)わが世の春を謳歌しているかに見える。参議院選挙の結果がどうなろうと、しばらくは彼らの位置は揺るがないだろうと私は思う。よって「靖国」派をどう見たらいいか、と言うことは参議院選挙後も大きな課題になるだろう。今回一橋大学社会学部教授 渡辺治氏の論文が載っていた。氏の論文はいつも歴史的にしっかりと日本の課題を見据え、なおかつ視野が広くて国際的経済的な視点を持っていて非常に参考になる。唯一の欠点はいつも論文が長いことである。今回「靖国」派の問題点を非常にコンパクトにまとめて書いていたので、貴重だと思い、「無断で」「全文を」紹介したい。長いように思うかもしれませんが、安倍内閣の世界での位置が非常によく分かります。以下転載。「安倍首相のジレンマ」 「靖国」派のような極右勢力が本格的に台頭してきたのは冷戦終結後の90年代半ば頃からです。 米国中心のグローバルな支配秩序を確立するために、「血を流す」日米同盟とそれを可能にする軍事大国への復活が必要になってきたわけです。しかし、最大のネックは、アジア諸国には日本に対する侵略の記憶と強い警戒心があることです。そこで米国の要請もあり、外務省を中心に戦前の侵略戦争の違いを明らかにし、それなりの責任を考える必要に迫られました。92年の天皇訪中の際の一定の謝罪の意を込めた「お言葉」や93年の河野談話、95年の村山談話もこうした流れの中で行われたもので、財界も支持しましたが、「靖国」派にとっては、日米同盟には賛成でも、こうした動きは大国の誇りを失くしてしまう危険な行動と映ります。戦争正当化史観95年の藤岡信勝の「あの戦争は正しかった」とする「自由主義史観」の提唱や、97年の右派の合併組織「日本会議」の発足で右派の台頭が始まります。2000年代に入ると、自虐史観の克服や伝統の強調、靖国参拝、憲法と教育基本法の改悪が声高に叫ばれるようになりました。このような変化を考える上で、大切なことが三つあります。軍事力行使の道ひとつは、日本の軍事大国化と軍事力の行使がいよいよ切実なものになってきたという点です。04年に政府は自衛隊のイラク派兵を強行しますが、憲法9条によって武力行使や米軍との共同作戦が出来ません。財界にもグローバリゼーションが飛躍的に増大していく中で、東アジアにEU並みの巨大な経済圏をつくりたいという欲求があり05年、日本経団連は支配層の改憲運動が強まるにつれ憲法と九条の改定を要求します。こうしてもともと傍流だった日本会議のメンバーの利用価値が大きくなったのです。憲法敵視の論理2点目は、構造改革によって崩壊した日本社会の深刻な分裂状況と格差、貧困化の進行に伴い、それを取り繕うイデオロギーとして右派のイデオロギーが動員されたことです。右派勢力はこの原因を憲法と教育基本法に求め、家族や道徳、伝統の再建が必要だというイデオロギー攻撃を展開しました。また、軍事大国化は「国際貢献のためだ」という従来の保守派の主張に対して、彼らは北朝鮮と中国の軍治脅威論をロジックとして展開します。揺れる改憲路線3点目は、安倍内閣はこうした右派勢力の活性化に乗って登場した内閣ですが、その路線には矛盾とジレンマがあるということです。安倍政権は自民党の枠を超え、民主党内にも存在する右派グループを基礎に登場した初めての内閣です。「靖国」派のイデオロギーがその中心に入ってきていますが、これが大きな矛盾をもたらしています。改憲の焦点は9条にありますが、「靖国」派は個人主義、人権も対象にした憲法全面改定論を主張しています。しかし、このような改憲案は、国民はもとより民主党でも肯定できない内容です。また、それは米国や財界との思惑とも食い違っています。イラクでも米国は「自由と民主主義」を旗印に掲げている以上、日本帝国主義の侵略戦争には大きな誤りがあったと考えています。「靖国」派の主張はアジアの人々とも米国とも矛盾しているのです。財界の意向で中国や韓国を訪問すれば「靖国」派が反発、そこで「従軍慰安婦」問題で「強制がなかった」と言うと米国とアジアが反発、そして今度は訪米時にブッシュに謝る、というように安倍首相は一種の「マタ裂き」状態に陥っています。彼自身は全面改憲論者ですが、米国や財界は「9条に限定せよ」と要請しており、安倍首相が「靖国」派の心情を封印して9条に限定すると、「靖国」派からは裏切り者とされるわけで、このジレンマをしっかり見ぬいて戦うことガ大切だと思います。転載終わり。参議院選挙後に、9条をめぐる憲法問題はいよいよ主戦場になっていくでしょう。敵は何を切り、何を残すか、何を磨き、どんな戦略を練ってくるか、見抜きながら闘っていきたいものです。
2007年07月26日
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ずいぶん前からあったみたいですが、最近気がつきました。九条の会のオフィシャルサイトにも載っていますが、九条の会関係の映像がまとまり、編集されてライブラリーになっているところがありました。映像ドキュメント研究会という。去年の九条の会全国交流集会の映像や、加藤周一の去年12月の東大での講演や、スポーツ九条の会の靖国神社見学ドキュメントや三木睦子、池田香代子、森井眞さん等の講演やインタビューその他が配信されているようです。多くは説明文もつけて、プロ的な編集がされています。高速通信の環境にある人には魅力的なサイトだと思われます。加藤周一フリークの私としては、この映像だけで、三つ四つ語りたいことがあるのだけど、非常に長い映像だし、時間がないので、いまはやめます。短い10分ぐらいの映像として紹介したいのは、今年2月1日、の九条の会の今年の活動計画を述べる記者会見の映像です。(映像番号でいうと7番)ここで事務局長の小森陽一さんが、この時点で全国6020になった全国の九条の会の特徴を分析しています。三つのタイプの九条の会が出来ているようです。ひとつは地域九条の会。そしてだんだんとこれが小学校区にひとつの九条の会に広がっている。ひとつは職場を中心とした九条の会。組合員以外、労働者、役員を問わず広がっているところに特徴があるようです。ひとつは産業別、分野別九条の会。土木や船舶、NTTなど、あるいは医療、マスコミ、弁護士など。これもさまざまな政治的な主張を異にする人たちが集まってきているのが特徴です。経営者の人たちも、この九条の会に入ることで、初めて発言を始める人たちもいるようです。品川さんの言っていることは本当ですね。詳しくは映像を見ていただくとして、小森陽一さんは「ようやく本格的に世論を根っこから変えるところにさしかかった」と分析しています。「さしかかっている」と私も思います。つまりまだまだということです。ある学習会で、九条の会が二万になれば、世論に影響を与えるかもしれない、といっていたのを思い出す。しかし数はあまり意味のある議論ではない。私の好きな北方「水滸伝」はいま九巻目に至って、梁山泊の二人の頭領、宋江と晁蓋の意見が分かれている。晁蓋は兵が3万集まれば宋の国の首都へ攻勢をかけよう、と言う。宋江は10万必要だという。実際、宋の国の軍隊はその数倍を擁する。しかし、晁蓋のいうようにまだ万にも達していたい梁山泊軍がそこまで待つ暇はないし、攻勢を始めれば、各地からいろんな勢力が立ってくれるだろうと言う期待もある。どちらの判断が正しいのかは私にはわからない。小説は結局どのように推移したのかも当然知らない。リアル社会では、「決戦の秋」は三年後に迫っている。時間はないのである。小説では最初の総力戦、「祝家荘の戦い」は梁山泊側の勝利で終わった。リアル社会ではいわゆる総力戦はこの参議院選挙だろう。全国各地で、無数の名もない英雄たちが、今日もビラを配り、電話をかけ、あるいはブログで鋭い記事を書いているだろう。統一された軍師、呉用もいない。宋江もいないけど。produced by 「13日の水曜日」碧猫さん
2007年07月14日
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