下弦の月

きっと銀の針のような雨が


 込み合う道の向こう側 
 信号待っている あなた見つけた

 久しぶりだね 変わらない 静かな瞳
 少し疲れた横顔に 切なさだけが蘇る

 遠くを見つめる 視線をもうつかめない
 あなたは今 何を見つめ 何を夢見ているの?

 きっと銀の針のような雨が
 この街に 夏を連れてくるように
 いつか胸を指す痛みも
 優しい想い出に変わってゆくの

 どうか私に気付かないで 困らせたくない
 バッグかざして 雨をよけるフリをしながら
 うつむいた

 大切そうに 抱えてる小さな箱
 この街のどこかに 
 あなたを待つ 人がいるのね

 きっと銀の針のような雨が 
 また夏を 街に連れてくるように
 いつかこんな風にあなたと
 出会った事 笑顔で話せるの



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