Selfishly

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~麗しの金獣~ 金猫の恩返し 番外編6




★ この話は18禁指定です。
   18歳以上で、ご理解のある方のみ
   下へとスクロールしてお読み頂けますように。m(__)m



















~ 麗しの金獣 6 ~
        ―― 金猫の恩返し・番外編 ――




――― ずっと思い描いてきた。
 彼の白い肌に自分の印を刻んだら、どれだけ美しく映えるだろうかと。

 彼の奥深くに分けは入り、自分の滾る欲望を塗り込めたら
 どれだけの深い充足感が得れるだろうかと。

 彼の中に自分を刻み込む・・・・甘美な夢は、ロイの眠りと共に現れ
 一夜の享楽を与えてくれる。

 そして――― 朝日と共に消え去る日々。

 何度何十度と彼を想い描き、切なく熱い吐息を吐き出し慰める・・・。

 そんな日々の苦悩も、今は全く気にならない。

 そう、漸くこの手で、この身体で感じる事が出来たのだから・・・―――



ロイは際限なく溢れる気持ちを移し変えるかのように、エドワードの口内に長く留まる。
吐く息はとうに互いの熱がどちらの物とも判らぬほどだと言うのに、飽きる事を知らぬ子供のように
エドワードの口内に忍び込んでは、戸惑い逃げる舌を翻弄し続ける。
ロイのせいで上手く舌も使えぬほど痺れきった口で、エドワードは切れ切れの
切ない吐息を吐き出すばかり。
余程息苦しいのか、目尻には水滴が浮かんでは流れ落ちていく。

がその光景さえも、今のロイには至福の眺めに見える。
――― 彼が自分の施した行為によって涙する・・・―――
それを目の当たりに出来た事への喜びに勝るものはないからだ。

「ふっ・・・んんっ―― ロ  イィ・・もう、苦し・・・い」
限界が来たのだろう、エドワードはロイの胸に手を押しやって嫌々するように
力なく頭を振る。
そんなエドワードの反応に、取りあえず満足したロイは反らされた首筋に
噛み付くような口付けを押し当てる。
「・・・・っつぅ!」
きつく吸い上げると、エドワードの胸がびくりと反らされる。
そんな反応にも気を良くして、首筋から胸元へと幾つもの薔薇を刻み込んでいく。
その度に身体を跳ねさせるエドワードの反応が、益々ロイをのめり込ませることになると、
この青年は判っているのだろうか・・・。

汗ばみ始めた白い肢体に、真紅の印。
ロイは目を細めて、その印を指でなぞる。
「・・・・ああ」
感嘆の吐息を漏らしながら、ロイは嬉しそうに微笑む。
「―― やはり、良く似合う・・・」と。

白く薄い胸板には、良質の筋肉が付いている。それが厚くならないのは、
彼の体質によるものだろうが、ロイにとっては丁度良い抱き心地だ。
汗ばみしっとりと馴染んでくる肌は、ぞくぞくさせられるほど心地良い手触りだ。
女性の柔肌に馴染んでいた手の平に、直に伝えられる快感の度合いは新鮮で図り易い。
ピクピクとロイの手管に反応を返す身体が、愛しくて・・・愛しくて、欲して止まなくさせる。




くらくらと霞む意識で、何とか消えそうな理性を保ち続ける。
それでも、そんな努力さえ目の前の男の一撫でで霧散しそうだ。
先程から、嬉しくて仕方がないと言うように目元を緩ませている相手は、
エドワードが我慢に我慢して堪えている声が少しでも漏れると、更に執拗にその箇所を
弄るのだ。
堪えきれずに「止めて欲しい」と言葉に成り切れない声を上げれば、嬉々として
触れてくるのだから、性質が悪い。
――― それとも、情事とは・・・こういうものなのだろうか? ―――

エドワードとて、ロイと言う同姓の相手を恋人に持ったのだから、
全く知識も持たずに覚悟を決めたわけではない。
村にはそんな風習は無いにしろ、少し大きな街や子供向けでない図書館に行けば
耳目に触れ、知る事は難しくないからだ。
最初の頃こそは、「とんでもない!」と思って避けていた知識も、
日が経つにつれ、努めて冷静になろうとしながら知識を得はした・・・得はしたが。
―― 結局、知識は知識で経験には及ばないという事を、
    まさに今、学んでいる ――

今、執拗に弄られている箇所が甚くロイのお気召したのか、
散々、もういい!と嫌だと掠れた声で訴えているにも関わらず、
ロイは嬉しそうに咥え込んでは、離そうとしない。
甘く唇に挟み込まれたかと思うと、ビクリと身体が驚く程の刺激で噛まれ、
その度にエドワードは、身体を捩り、頭を振り乱して許しを乞うのだ。
「やっ・・・! ロ・・ロイィー 
 もう・・や・・・・だぁー」
声が涙声になってしまうのは仕方がない。何せ、自分はずっと鳴かされ通しなのだから。
「どうして? 気持ちが良くないかい? こんなに立ててるのに・・・」
そんな言葉を、器用にもエドワードの乳首を唇に挟んだまま言ってくる。

――― 信じられない! 本当に、この男は信じられない程、無神経だ!! ――

自分は泣いて懇願していると言うのに、相手はさも愉しそうに、嬉しそうに
そんな言葉を返してくる。
悔しくて・・・辛くて・・・腹も立つ! 
吹荒れる感情が、ぶわっとエドワードの目に雫となって膨れ上がっていく。
そんな自分を、ロイは・・・少し困ったような、それでも嬉しさを隠し切れない表情で
「大丈夫か?」などと聞いてくるから、始末に追えない。

『大丈夫なわけがあるか!!』と怒鳴り返そうと思っているのに、
零れていく言葉は、全然逆のことばかり告げている。

「いい・・・から・・。俺のことは・・気にしないで・・・・・・いいから」
そう告げながら、汗で張り付いているロイの前髪をかき上げてやると、
ロイは一瞬、瞠目して、次には心底幸せそうな笑みを浮かべて、口付けを落としてくる。

それでも、そんな相手を思う余裕があったのは、そこまでだった。
痛いほどの愛情を籠めて施される口付けの合間に、ロイの手が下肢へと下りて行ったとき
さすがに覚悟を決めていたエドワードとても、狼狽を隠せなくなる。

「ロッ・・!! ィ」
慌てて降ろされた手を拒もうとする自分に、ロイは不思議そうな表情で窺ってくる。
『何故、止めるんだい?』と伝えてくる瞳に、エドワードの方が羞恥で真っ赤に染まる。
「だっ!! お、俺ら、ふ・・風呂も―― 入ってない!」
消え入りそうな風情で、恥かしさを我慢してそう叫んだと言うのに
言われた相手は、「何だ、そんな事か」と言うように唇の端を上げて笑う。
「・・・別にいいさ。―― どうせこれから、お互いドロドロになるんだ。
 風呂には後で、私が責任を持って入れてやろう」
―― 考えてみれば、この時のロイの笑みが妙に厭らしく感じられたのは、
 気のせいでもなんでもない・・・・と後から知る事になる。

気の遠くなるほど啼かされ、そして辛いだろ?と優しい振りをしては
散々と俺を先に達かせておいたロイは、力の入らなくなった俺の身体を・・・、
――――― 散々、嬲り倒してくれた・・・それはもう、本当に ――




「ひっ・・・あーーーー!!」
もうまともな言葉も操れ無くなったエドワードの口からは、嬌声と喘ぎ声しか出てこなくなる。
1度目は仕方ない・・とうつ伏せに身体を入れ替えさせ、ロイは先程から
熱心にエドワードの後ろの口を解かすのに全力を注いでいる。
本当はエドワードの表情が良く見えるように、正面から抱き合いたかったが、
――― 今の彼には負担が大きすぎるだろう ・・・

今も息絶え絶えに、シーツに額を擦り付けて何度も頭を振り乱している。
「エドワード・・・力を抜いてくれ」
射れた指を喰いちぎりそうな力に、ロイも焦りが募るばかりだ。
それでもエドワードの身体から力が抜ける気配がないのを感じて、
ロイは、少しでもエドワードの気が紛れるようにと、萎れてしまった彼の分身に
手を伸ばす。
今のエドワードの心情を顕すかのように、小さく縮こまるソレは、ふるふると震えている。
可哀想に・・・と思う気持ちが、ロイの胸の内を掠めるが、だからと言って
行為を圧し留める事もー―― 最早、今のロイの状態では難しい。
エドワードの魅せる痴態に我慢できず、1度彼のモノと擦り合わせて果ててはいるが、
そんな事では到底、収まりきれないほど欲望はロイの体中・・・いや、脳内にまで
進行して広がっている。
それでも欲のまま押し進めないでいられるのは、単にエドワードへの愛情が勝るからだ。
―― 出来れば彼にも喜んで貰いたい ――
それが無理でも、極力エドワードの心身に負担がかかるような行為はしたくない。

そう念じながらエドワードの前に回していた手を動かし続けていると、
少しずつ、少しずつ、エドワードの受ける痛みより快感が勝っていってるのか
彼の体から力が抜けてゆく。
「はっ―― んっん・・・・はぁ・・・・っ」
気持ちよさ気に鳴らされた鼻声と同時に、ロイの指を締め付けていた力も緩む。
ロイは焦らぬように自分に言い聞かせながら、エドワードの背に被さる様にして
耳朶に囁きを吹きかける。
「愛している・・・エドワード、君を―――」
何度も何度も、そう囁き続けてやる。エドワードには多分、言葉の意味はきちんと
伝わってなどいない状況だろうが、それでもロイがそう囁けば、必死に頷いて
返してくるのがいじらしい。

その間にも増やされた指で、何とか口元を緩めれた頃には
ロイもエドワードも、滴るような汗で互いの肌を濡らしていた。
「そ・・ろそろ――」
呟いたロイの言葉が、エドワードを差すのか、自分の限界を示しているのかは
判らなかったが、ロイはエドワードの腰を抱えるようにして上げさせると、
彼の負担を極力減らすためにか、高価だろう枕やクッションを惜しげもなく
エドワードの腹の下へと重ねていってやる。

「エドワード・・・出来るだけ、力を抜いててくれ――」
無理だろうとは思いつつも、ロイはそう声を掛けて
エドワードの窄みへと、自分のモノをゆっくりと押し込んでいく。

「------っう!!」
ビクリと身体の下で、白い肢体が抗うように飛び跳ねるのを、ロイは体重を使って
押さえ込む。
グイッと先を押し込んだだけでも、固く閉ざした蕾は口を窄めて拒んでくる。
それだけでも、ロイの下半身からはぞくぞくするような快感の痺れが背筋を
這い上がって来ては、抑えようとしていた理性を食い破りそうだ。
「・・・・はっ・・」
ロイは小さく息を吐き出しながらぶるりと頭を振ると、その快感の波に
流されないようにと意識を保とうとする。
押さえ込まれているエドワードが、嫌々をする子供のように必死にシーツを
掴んでは頭を振って髪を振り乱している。
指とは格段に違う質量のモノを押し付け、捻じ込まれようとしているのだ
受け入れるのは用意ではないのだろう。
ロイは宥めるようにあやすように、エドワードの背を撫でてやる。
汗ばむ肌は、緊張と痛みのせいで張り詰めている。
「・・・エド――ワード・・、少しでいい・・・力を抜いて・・っくれ」
ガチガチに固まった身体では、ロイもその先に進めない。それに・・・、
エドワードの方により酷い負担を掛けてしまう。
「・・・息を吐いて。そう―― ゆっくりで良いから、吐いて」
そう励ますように声を掛けながら、ロイは背を撫で続ける。

 はっはっはっはっ

と忙しない吐息が下から漏れる。呼吸が繰り返される毎に、少しずつ少しずつ
エドワードの身体から僅かだが、力が抜けていくのを、ロイは額を伝い落ちてくる
汗を拭くことも忘れて、じっと待ち続ける。
「――― 大丈夫か?」
撫でている手の平を伝って、エドワードの硬直が緩くなってきたことを感じて
ロイは気遣わしげにそう声をかける。
緩慢な動きで、シーツに埋められていた顔が小さく頷くのを見て、
ロイは止めていた動きを再開する。
先を埋めただけのこの状態でも、エドワードの中の熱さが予想でき、
溶けそうな快感がロイの脳髄を焼き切りそうだ。
身体は更なる快感を得ようともがくが、ロイは理性を手放さないように気力を
振り絞りながら、慎重に進んで行く。
進むたびに生理的な反応で跳ねる身体を宥め、励ます為にエドワードに声を
掛け続ける。
「エドワード・・エド、愛している。
 君が―――、欲しくて・・仕方なかった・・・・」
うわ言のように繰り返される睦言に、エドワードは返せない言葉の変わりに
何度も・・何度も、シーツに額を擦りつける様にして頷いて返す。

それからどれ位の時間を要しただろうか。
漸く全てが納まった時、ロイが感じている感覚は・・・・言葉にも出来ない程だった。
繰り返す快感の波は、ロイの下半身から背筋を這い上がり、強暴なまでの熱を
身体に広げていく。突き上げられる刺激に、脳髄が真っ白に染められて
くらくらと眩暈がしそうだ。
「――― 全部・・・入ったよ」
ほぉーと満足の吐息と共にそう告げれば、エドワードが弱弱しく顔を振り向かせる。
痛みのせいで、顔を涙でぐちゃぐちゃにさせ、瞼は紅く腫れ上がっている。
それでもロイにとっては、何よりも・・・何にも換えがたい、綺麗な顔だ。
「・・・・・っと?」
掠れた声は聞き取りにくいが、言いたい事はちゃんと伝わる。
「ああ、・・・・すまない、痛いだろう?」
慎重に進めたとは言えエドワードの身では、痛みの方が勝っているはずだ。
が・・・・・・。
「――― そっかぁ・・・・、良かった」
そう、泣き腫らした顔で嬉しそうに笑う。
その笑みに、ロイは胸が締め付けられるほどの愛おしさを湧き上がらせる。
不安を抱え、痛みに耐えて尚、必死にロイを受け入れてくれるエドワードが、
――― 心から、嬉しくて愛しかった。
身体が欲望を満足させる充足感は、心が満たされる喜びには勝てはしない。
ロイは身体を重ねると、エドワードの頬に手をあて、深い口付けをする。
ロイが身体を動かしたせいで、エドワードに痛みを与えてしまったのか
眉が顰められるのに、詫びるように唇を嘗める。
「――― んだよ・・・、あんた犬みたいだな」
そう笑うエドワードに、ロイも微笑み返す。
「ああ、君専属の・・ね」
「・・・・バ~カ」
首筋まで紅く染め、またシーツに顔を埋めてしまったエドワードの肩に、
小さく断りの意味でキスを落とすと、ロイはゆっくりと動き始める。
その間にも手はエドワードの前に回して、少しでも痛みが散じるようにと
動かして煽ってやる。
「あっ・・・んぅ あっ あっ・・・・・!」
突き上げれば、喉を反らして声を上げる。その喉元に喰らい尽きたい衝動が起きるが、
この体勢では無理だ。だから屈んで、しなる背中に何回も、何回もキスをする。
エドワードの身体を慮って、決して激しい突き上げではないが、
それでも―――、ロイにとっては初めて得る絶頂感だ。
エドワードの中は欲張りで、これでもか、これでもかと言うように
ロイを絞り上げてくる。浚われそうになるのを必死で耐え、後少しこの快感に浸っていたい。
それでもロイを容赦なく締め付けるエドワードに、この時間が残り僅かへと近づいている事を
思い知らされる。
忙しなく動かしている手の中のエドワードも、開放を強請って震えを大きくして
伝えてくる。ロイの四肢も引き伸ばされてる開放に、引き攣れては時折痙攣を起こす。
「――― ああ・・・、最後だ」
互いの身体が溶け合いそうな程、熱い。
ロイは最後の階を、勢いよく駆け上がっていく。
「----------っ、ああーーーーーっ!!」
「くっ・・・・ぅ・・」
一際高くエドワードが啼く。
達ったエドワードの中が、奔流のようにロイを締め付け、浚っていく。
耐えに耐えていた快感の向うへと・・・・。

――― 後は二人して、真っ白な世界へと飛び込むだけだ。―――




忙しない呼吸が落ち着き始め、汗ばんでいる肌に夜気が感じられるようになった頃。
ロイは傍にある温もりをくれる相手に視線を向ける。
そこには涙の跡もくっきりと刻んだ、エドワードが瞼を閉じている。

――― そうか・・・、こちらの方がはるかに良いな・・・―――

朝目覚める時一番にエドワードの顔が見られる喜びも捨て難いが、
こうして隣で眠る彼を見れるのは―― 至福だ。
汗で張り付いた髪を頬から除けてやりながら、ロイは口元に笑みを刷く。

何人も、何人も、過去にロイの独り寝の寂しさを埋める為にベッドを共にしてきた者たち。
その誰にも、共にこうして眠りに就きたいとまで思えなかった。
それはこうやって、共に眠る者いる未来が待っていたからなんだろう。
ロイは上半身を起こすと、意識を飛ばしているエドワードの頬にキスを贈る。
そうして先程エドワードに言われた犬のように、涙の跡を嘗め清め、紅く腫れた瞼を
癒すかのように触れるだけの口付けを降り注ぐ。

「・・・・・・んっ?」
エドワードの意識が戻ってきたのを知らせるように、薄い瞼がピクピクと動き出すのを、
ロイは嬉しそうに更にエドワードの顔中に口付けを落とし続けていく。
ゆっくりと開かれる瞼の奥に隠されていた、綺麗な綺麗な宝石が瞬きのたびに見え隠れしている。
「・・・気づいたかい?」
そう囁いてやれば、ぼんやりとした視線をロイに向けてくる。
「・・・・・・・・!!」
ロイのことを視界に納めた途端、エドワードは言葉に出来ない驚きで目を瞠る。
何か言おうと開けられた口は、音の無い言葉を綴るかのようにパクパクと
開いては閉じてを繰り返し――― 諦めたように閉じられた。
その唇に口付けを1つ落として、ロイはエドワードの語り続ける。
「辛かっただろ? 酷く痛む処とかはないかい? ・・・出来るだけ気をつけては
 動いたんだが―――、最後は無茶をさせてしまったからね」

――― 居た堪れない・・・―――

ロイが気遣うように掛けてくれる言葉を聞きながら、エドワードはますます身体を
縮こませる。
相手が上機嫌なのは、流れ出している雰囲気で丸判りだ。
これが俗に言うピロトークとやらなのだろうが、エドワードには兎に角恥かしいの一言だ。

――― ・・・まさか、あんなに凄いとは思ってなかった。―――

思い返せば、抱き寄せてる手が邪魔をしないなら、即シーツの中に潜り込んで
姿を隠したいくらいだ。

――― お、俺・・・あ、あんな声上げて・・・・・。
    し―― しかも、あんた格好やら、あんなとこまで・・・・っ ――

シーツに顔を埋めてジタバタしているエドワードの様子を、ロイは微笑ましそうに眺めている。
ロイにしてみれば、エドワードの葛藤など透けて見えているのだが、その彼らしいお約束の
反応が・・・・・また、可愛くて仕方がない。

「さぁ、このままゆっくりと休ませてやりたいんだが、先に身体を
 綺麗にした方がいいからね。

 行こうか?」

「へっ?」

先程までも機嫌良ささは伝わっていたが、更に嬉しさが滲み出ている声に、
エドワードは不思議そうにロイの表情を見上げる。

その後、抱き上げられ浴室に向かう間にも、「一人で行ける!」「立てないさ」と
言い合い、締め切られた浴室の中からはエドワードの驚愕の声が木霊していたのだった。

「ええっーーーーーーーー!? 嘘ぉーーーーーーーー!!」

その声が静かになるまでは、随分と時間がかかったのは、
翌朝、拗ねきったエドワードと幸せそうにあやすロイの二人の秘密だ。






 ******

「大佐ぁ~、俺、昼飯喰いに行きたいっスけどねぇ」

翌日、にやにやと笑いながらそう告げてくるハボックに、
それ以上の笑みで財布から札を数枚抜き渡すロイがいた。

「ああ、昼でもディナーでも好きな物を食べて来い」

渡された高額紙幣の枚数の多さに、ハボックは仰天し、まじまじとロイの顔を見る。
「そうっすか・・・・・、良かったすね」
苦笑しながらそう告げると、「ありがたく使わせて頂きます」と札をひらひらさせて
機嫌よく出て行く。
閉められた扉の向こうでは、「大佐が驕ってくれるってさ、今日は飲みに出るぞぉー」と
人の良いハボックの声が響いている。


ロイは目の前の書類をせっせと片付けていく。
彼には急ぐ理由があるのだ。
機嫌を損ねてしまった、綺麗で可愛い大切な金獣の世話をするという・・・・。


                                   FIN





《 あとがき 》

WEB→オフ→WEBと、えらく長く続いた金猫シリーズ。
漸く完結いたしました。
ここまでちゃんと本に入れれば良かったのに・・・と悔やんでも
いつも締め切りに追われている身では、遅かりしです。
でも、二人とも幸せに過ごしていけるようで、書き終えて満足です。

長くお付き合い頂けて、ありがとうございました。








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