フィンとリーフのトラキア博物館

フィンとリーフのトラキア博物館

フィンのトラキア戦記(1)


<最新の更新>11月17日に第25話アップしました。その(1)はここまでとなります。
第26話以降はその(2)へと続きます。


第21話の続きから・・・

<第22話・ダンツヒ砦>
セリス様とリーフ様は、その後アウグスト司祭とレヴィン様と会議を行い、今後の策を相談し、結局二手に分かれて進軍することになった。戦力は落ちたとはいえフリージ軍はブルーム率いる主力部隊がいるので、まだまだ侮れない。
そこでセリス様率いるイザーク軍はブルームがいるコノート城を、私たちの軍は宿敵レイドリックがいるマンスター城を目指すことにした。

レンスター城を出発して数日、私たちはダンツヒ砦にやってきた。
ここには捕虜収容所があり、今まで帝国軍との戦いに敗れ捕虜とされた市民たちがいるというのである。
だがここにもフリージ軍が待ちかまえていた。しかも天馬騎士団の報告によってトラキアの竜騎士団がいることもわかった。

要所要所にロングアーチと、より飛距離のあるアイアンアーチが設置されていて、しかも周りにはアーマーナイトが多数と強力な魔法が得意な司祭がおり、容易には突破できそうにもない布陣を強いていた。
やがて戦いの幕がきって落とされた。

まず私が率いる騎馬隊がおとりとなり、敵の遠距離飛行槍攻撃(ロングアーチなど)の矢を打ちつくさせると、グレイド率いる騎馬隊が敵の弓兵たちを追い詰めていく。そして南から迫ってきたトラキアの竜騎士団の方は、同じ竜騎士であるディーン殿とエダ殿が迎え打った。そして引き付けてきたところを、アスベルの風魔法グラフカリバーが切り裂いた。セイジにクラスチェンジをしより魔力を向上させたアスベルの魔法は、確実に敵の竜騎士を次々と落としていった。ミランダ王女の魔法サンダーとリノアン様の光魔法リザイア、セイラムの闇魔法ヨツムンガンドと次々繰り出される連続魔法攻撃に、ついに竜騎士団は全滅した。

その後、リーフ様率いる本隊がダンツヒ砦に向かっていた。ほとんどの戦力を前線に送っていたため、手薄になった砦の守備隊は混乱状態に陥っていた。
あわててここを守っていた敵の司祭が魔法を放ったものの、あっさりとかわされ、リーフ様が繰り出した光の剣の餌食となった。
砦を制圧すると、ほかの部隊の到着を待って捕虜収容所に突撃を開始した。収容所内ではすでに帝国軍が捕らえられていた捕虜に対して攻撃を開始していた。
急いで歩兵部隊(おもに剣が得意な方々が中心)が帝国兵たちを切り伏せていく。周りには重騎士たちが囲んでいたが戦力ではこちらの方が圧倒していた。この収容所を守っていたジェネラルもソードマスターにクラスチェンジしていたマリータの必殺剣「流星剣」と「月光剣」の連続攻撃であえなく倒れた。

こうしてすべての捕虜を解放した私たちは、一路トラキア大河へ進軍を開始した。
そこにはフリージの精鋭部隊「ゲルプリッター」が我々の行くてを阻もうと待ちかまえているのだ。

第22話・完
第23話に続く・・・


<第23話・トラキア大河>

ダンツヒ砦の戦いから数日、私たちはトラキア大河にやってきた。ここでは過去わがレンスター軍とトラキア軍との間で、幾度となく激闘を繰り広げた因縁の場所でもある。

そして橋の対岸では、私たちの行く手を阻もうとフリージ軍の精鋭部隊「ゲルプリッター」が待ちかまえていた。
ここの軍師は、かなりの実力を持っているで、注意が必要だとアウグスト司祭がいっていた。宮廷司祭でもあるサイアスという軍師は、彼がそばにいるだけで帝国軍の士気が格段に上がるというのである。

そこで、リーフ様はまずこちらに向かってくる騎士や魔道士たちだけを相手にし、同じ陣地内でしばらく静観することにした。
その後橋を渡らずに、南西に陣取っているフリージ軍から攻めて見事に打ち倒した。
一方フリージ軍の方でも動きがあった。最強の軍師といわれたサイアス司祭が、姿を消したというのだ。これはラインハルト将軍を説得しようとしていたオルエン将軍からの情報だった。

しかし何かまだ罠があるかも知れないと思ったらしいリーフ様は、すべての騎兵に歩兵を乗せ一気に橋をわたることにした。
全員が橋の半分まで渡ったところで、フリージ軍が仕掛けた罠が発動した。
橋の前半部分が、完全に抜け落ちたのだ。これで後方に戻れなくなってしまったのだが、あらかじめ予想範囲内であったため、体勢を整えると、ゲルプリッター本隊との対決が始まった。

オルエン将軍が聖騎士フレッドに守られながら、ラインハルト将軍から託された「聖なる剣」を振るっていた。騎馬隊相手に効果があるらしく、向かってくる騎士たちを相手に確実に倒していた。
そして彼女の前に兄であるラインハルト将軍がやってきた。実の妹であるオルエン将軍を倒すために。

だがその目論見はあっけなく破れた。魔力の高いサラ嬢が、スリープの杖を使い彼を無力化し、そこをオルエン将軍が捕縛する。こうして兄妹で殺しあうという最悪の事態は避けられた。

指揮官が捕らえられたことを知ったゲルプリッターの部隊は、全員戦線から離脱した。あらかじめラインハルト将軍によって厳命されていたのだろう。

そしていくつか設置していたロングアーチとアイアンアーチの部隊も騎馬隊の活躍によって、すべて制圧された。

やがて砦が見えると、今度は騎馬部隊と重騎士部隊が襲ってきた。
しかし経験を積んだ我々の敵ではなかった。リーフ様がレイピアで騎馬部隊を倒すと、アーマーナイト部隊はオーシンとハルヴァン、タニアとマリータの「フィアナ義勇軍」の活躍で撃破することができた。

その後この砦を守っていた老将コーエン将軍はオーシンが倒しつつも、止めは刺さず捕縛し、すぐに解放させた。

こうして最大の難間であるゲルプリッターを撃破した我々は、いよいよレイドリックの待つマンスター城へと駒を進めることになった。

ブルームのいるコノート城ではリーフ様の従兄弟であるセリス様が戦っていらっしゃる。遅れを取ることはできない。
それにマンスターが故郷である「マギ団」にしてみれば、祖国解放への戦いでもあるのだ。

マンスター城へは、誰の妨害もない、ただ一直線である。

第23話・完
第24話に続く・・・

<第24話・魔王の城>
フリージ軍の精鋭部隊「ゲルプリッター」を退けた私たちは、ついにマンスター城へとやってきた。
あの城には、倒すべき敵レイドリックと、石化魔法をかけられ幽閉されているエーヴェルがいる。そして「マギ団」にしてみれば、祖国解放を目標にしてきただけに、士気もかなり高い。

しかし、偵察に出していたシレジア天馬騎士団から思わぬ報告をうける。

マンスター城では暗黒教団の司祭が守っているのは知っていたのだが、城の南東側にはトラキアの竜騎士部隊が潜伏しているのだという。しかしすぐに攻撃に移らないところを見れば、我々が戦って疲労した時に、隙を見せれば一斉に攻撃に移るのだろう。あの憎きトラバント王が指揮するのだ。どんな卑怯な手を用意しているかわからない。

協議を終えて1時間後、帝国軍が我々に対して攻撃を開始してきた。いくつかの砦から増援部隊も出現し、たちまち乱戦状態になってしまう。
しかしこれまでの戦いで数々の経験を積んできた私たちに対し、民たちを苦しめてきたマンスター兵は、戦い方を忘れてしまっているようだった。上級職ばかりの編成だったのにもかかわらず、統率が取れていなかったのを見る限り勝敗は明らかだった。

途中暗黒教団の戦闘部隊「ベルクローゼン」が現れるものの、人数が少なかったせいか大所帯である私たちの敵ではなかった。

しかし南東の山脈側に潜んでいたトラキア軍が動きだした。だが、指揮官であるはずの女性は戦う意志がなく、じっとこちらを見るだけであった。悲しい表情を称えているその女性の持っている槍をみて、私は大きな衝撃をうけた。あの槍は以前オーガヒルでの戦闘で一度見ている。そうイード砂漠の戦いで、亡くなったキュアン様がもっていた伝説の武器の1つ「地槍ゲイ・ボルグ」だったのだ。しかもその女性の体の回りは淡く光っていた。だとすれば彼女は・・・!!

だが、竜騎士部隊との戦いが激しくなり、私は考えるのをやめた。いまは早くこの戦に勝たなければいけない。

一方マンスター城門でも動きがあった。リーダーである暗黒司祭がマギ団のリーダーによって倒されたというのだ。

その報告をうけたマギ団の戦士マチュアは、そのリーダーがシレジア王子セティであることも教えてくれた。
トラキア軍がマンスター城門へと攻撃を開始したものの、セティ王子が繰り出す魔法によって、ほとんどの竜騎士が倒されていった。
その魔法こそ「風使いセティ」が使った、伝説の武器の1つ「風魔法フォルセティ」だった。

しかし竜騎士の隊長は、果敢にもセティ王子に襲いかかった。あわててセティ王子が魔法を唱えようとしたものの、間に合わない。ところが別方向から今度は光魔法ライトニングが竜騎士隊長に炸裂した。セティ王子に完全に意識を集中していた竜騎士は、なす術もなく倒れた。
振り返ると私は驚いた。なんと数日前にトラキア大河での戦いでフリージ軍の軍師を務めていた、あのサイアス司祭だったのである。わけあってベルクローゼンに追いかけられていたらしい。彼の後ろには子供狩りから逃れた、幼い子供たちがいた。

やがて、マンスター城門を制圧した私たちは、いよいよ城内に乗り込むことになる。
事後処理のあと、セティ王子とサイアス司祭が、私たちの軍に参加してくれることになった。サイアス司祭の方は初め難色を示していたのだが、彼の手で救われたマリータの嘆願もあって軍に参加することを了承した。
セティ王子の方は、リーフ様と以前面識があったようで会話もはずみ、ともに戦うことをすぐに了承してくれた。とくに天馬騎士団の方々は、主君であるセティ王子の合流に、より士気が上がっていたようだった。

そして翌日、たっぷりの休息をとった私たちは、レイドリックのいる居城へと足を踏み入れる・・・

第24話・完
第25話に続く・・・

<第25話・闇の男爵>

ついにマンスター城内に乗り込んだ私たちであったが、レイドリックも進撃を予想していたようで、総動員で迎え打ってきた。
アウグスト司祭の策で、部隊を3つに分け、リーフ様が率いる本隊、補助魔法(サイレスやスリープなど)による後方支援を絶たせる為の舞台、そしてこの城にあるという石化を解除できる杖「キアの杖」を取る部隊とに分けた。

そして戦いの幕が切って落とされる。

私はリーフ様のいる本隊であったが、さすがにレイドリックの直属部隊だけあって、スナイパーなど上級職ばかりが相手である。しかも、シレジア王子セティ様が言うには、彼を守っている最大の用心棒がかなりの強敵だというのだ。まともに戦っては勝ち目がないほどだという。だが、ここでなぜかマリータがその剣士の前に出た。するとその剣士はマリータを見て、かなり驚いた表情をしていた。そしてここで衝撃な事実が判明した。
マリータとその剣士ガルザスとは実の親子であったというのだ。以前マリータは、実の両親は亡くなっていて、町の奴隷商人に連れていかれそうになったところを、エーヴェルに救われたと聞いたことがある。

ところが実際はマリータは父親であるガルザスと町の中ではぐれ、その隙に奴隷商人に捕まっていたというのだ。エーヴェルがフィアナ村に連れ帰ったころ、ガルザスはマリータを探し町の中を回っていたのである。

マリータの必死の説得で、ガルザスは私たちの軍に同行することになった。

一方この様子をみていたレイドリックは、まさかガルザスが寝返るとは思っていなかったようで、相当動揺していた。
あわてて部下に攻撃命令を出すものの、ガルザスとマリータ親子の華麗な剣技の前に次々と倒れていった。
すべての部下を失ったレイドリックは、暗黒の剣ロプトの剣を取り出した。

そしてリーフ様とレイドリックとの一騎討ちが始まる。
レイドリックは、ロプトの剣がある限り自分にダメージを与えることはないと自信があった。

しかし私たちには秘策があった。マンスター城門制圧後、セティ様がリーフ様に「ロプトの剣」の効果を打ち消す、対となす剣「ブラギの剣」を手渡していた。

リーフ様はレイドリックに向けてブラギの剣を振り下ろす。ロプトの剣からまともな剣の感触をうけたレイドリックは驚愕の表情を浮かべている。セティ様は、以前マンスター城の格闘技場の中で「夜になると地面が淡く輝く」という噂を聞きつけ、地面を掘り返したところ「ブラギの剣」を見つけたのだという。剣が繰り出す淡い輝きの効果を消すため、血を注いでわからなくしていたようだが、レイドリックの作戦は無駄に終わったようだ。

それでもレイドリックはリーフ様に負けるはずがないと、体格をいかして剣を打ち込む。
だが言葉とは裏腹に、リーフ様は確実にレイドリックにダメージを与えていった。そしてレイドリックの動きが鈍った瞬間をリーフ様は見逃さなかった。
激しい打ち込みのあと、リーフ様は大きく剣を振りかぶった。反応が遅れたレイドリックは受け止めることができずに、リーフ様が繰り出したブラギの剣はレイドリックの体に深々と突き刺さる。

だが、ここで異変が起きる。前のめりに倒れこんだレイドリックの体が忽然と姿を消した。
回りを見渡すものの、何も変わった様子はない。ガルザス殿がいうには、この行為をしたのはレイドリックを影で操っていたロプトの司祭だという。名前はベルドといい、エーヴェルが石化にされた魔法を放ったのも、この男の仕業らしい。

玉座を制圧した私たちは、その後残る2つの部隊とも合流する。そしてエーヴェルの石化を解く魔法の杖「キアの杖」をも入手できた。と、ここでサラ嬢が私たちに衝撃な告白をした。
彼女はなんとあの暗黒教団の大司教マンフロイの孫娘だというのだ。一瞬全員に緊張がはしるがリーフ様が制した。

なぜ彼女がマンフロイの元を離れたのかというと、彼女の父は実の父であるマンフロイに、彼女の母と愛し合ったという、ただそれだけの理由で殺されてしまったのだという。さらにサラ嬢の母は、彼女が「子供狩り」に遭わないようにと、逃がしていたのだという。
私たちは彼女の話をきいて、がくぜんとした。このマンフロイという男には、果たして人としての感情があるのだろうか、と怒りを覚えてしまう。サラ嬢が話し終わるころには、彼女は泣いていた。自分の祖父が犯したあまりにも重い罪に、そして自分の父にした仕打ちに・・・
リーフ様は、あらためて暗黒教団を倒すことを誓った。これ以上の悲劇を重ねない為にも。


そして、私たちはマンスター城内にある「ロプトの地下神殿」に潜入することになる。
いよいよエーヴェル救出とベルド打倒のため、最後の決戦に突入する。


第25話・完
第26話に続く・・・

「フィンのトラキア戦記」その2に続きます!!


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