OF CORUSE ONEPIECE!

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静かな海

静かな海


海に大きな黄金が
浮かんでいる。

波音が聞こえる。

月は優しく海を照らし、
波は夜の舞踏会をしている。
波は黄金を囲み
楽しそうにダンスしている。

波音だ。

アノウツクシイ
オウゴンガホシイ。

海が足先を舐める。
波が足を押し返す。
足首が波をかき分ける。
ひざがダンスを狂わせる。
ふとももが波を切り裂いた。

まっすぐ..まっすぐ..
黄金がゆれている。
黙って月は
光を注ぎつづけた。

黄金がゆらめき
丸い黄金は
散ってゆく。
すくわれた黄金は
指の間から
流れ落ちる。

月は笑っていた。

オマエナンカニヤラナイヨ。

耳元で波も笑った。



波が..波が押しよせてくる。
私を飲み込まんと
今にも私を飲み込まんと
黒い、冷たい、不気味な闇が、
心の闇に
流れ込む。
闇は心を支配する。
冷たい波が一瞬にして
私の体温を奪った。
闇は光を包み込み
目の前は真っ暗になる。
何も考える事が出来ない。
寒いのか
私の体は体温を奪われて
冷たくなったのか。
違う....違う!
ゾッとする。
何も分からない。
でも体だけは
まるで何かを感じろるかのように
訴えている。
体中の血液が氷水になった。
氷水は勢いよく体中を駆け巡る。

キヲウシナッテシマイタイ。
コンドオキタトキニハ、オサマッテルハズダカラ。
コンナノユメニキマッテル。

体の中の氷水はなお激しく
体中をのた打ち回る。
目をつぶる。
耳をふさぐ。
唇を噛み、しゃがみ込む。
波が私を襲う。
私は、壊れた船のように
沈んでいくほか無かった。

コンアニオオキイナミ
オヨイデモカナイッコナイヨ。
イキテイテナニガタノシイ?
ココデシネバイインダワ。

息が出来ない。
もがく。
酸素の欠乏。
のた打ち回る。
氷水のように。

クルシイ。
クルシイ。
クルシイ。
ク...クル..シイ..!

ウッ...


シニタクナイ!...シニタクナイ!!






急にあたまがさえてきた。
目を閉じたまま
手足を動かしてみる。
今度はそっと、
目を開けてみた。
呼吸が荒くなっている自分に気付いた。

窓の外を眺める。
朝日に照らされた、宝石のような
美しい海が志津かに広がっている。

キレイダナ。
ウツクシイ。
サッキマデナンノユメヲ
ミテイタノダロウ。


ソレニシテモ


ウミッテナンテユウダイ
ニンゲンハナンテチイサインダロウ。






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