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川原健太は袖を引いて腕時計を見てはため息を落とすのを繰り返していた。待ち合わせによく使う金時計前。ゴールデンウィーク初日の今日はいつもより人でごった返している。久しぶりのデートで、待ち合わせ時間の15分前には到着したいたのに、俺をあざ笑うような『ごめん、ちょっと遅れる』との由香里のメールが届く。久しぶりにできると思った王道の「待った?」「ううん、俺も着いたとこ」も使えない。待ち合わせの時間から30分は過ぎると思わず愚痴をこぼれる。同じように待ち合わせをしていた両隣もいなくなり、次の両隣も合流相手を見つけて立ち去った。「由香里のやつ『ちょっと』ってどれだけだよ」一人寂しく、その場にしゃがむ。携帯でゲームをしたくても体力を使い果たしてできない。情報検索しても目引くニュースもなく、肩を落としたところに影が落ちた。顔を上げると、たっぷり化粧をした派手な美女、もとい、見目麗しい晴香さんが見下ろしていた。「やっぱり、後輩君だぁ。誠ぉ、ちょっと待ってぇ」隣の人に声をかけて、晴香さんは俺と視線を合わすようにしゃがむ。「パンツ見えますよ」俺は短いスカートから覗く膝から目を逸らして忠告する。晴香はちっとも気にしたようすもなく、そのまま続ける。「後輩君が覗かなければ大丈夫。ねぇ、何してるの?」「待ち合わせっすよ。晴香さんこそデート中に彼氏放っておいていいんっすか」「放ってないわ。手が繋がってるもの」当たり前のように言われて、晴香の腕を目で辿ると確かに二人の手は繋がっている。手を繋いでいる男と目が合うと、男は会釈して恥ずかしそうに口元を手で覆って顔を背けた。ずいぶんごっつい黒縁メガネをしていて、インテリ系の神経質そうな印象。晴香の彼氏ならもっと遊んでそうなイケメンを連れているイメージだったので、意外かもしれない。「じゃあ、俺のことを放って置いてデートしてくださいよ」「ちょっと声かけただけでしょ。この間祥ちゃんと話をしててね、後輩君なら祥ちゃんの元彼の話知ってるだろうと思って。今度聞かせてねぇ」なぜ今更刈谷先輩の話なんか、と怪訝な顔を向けたが、晴香は気に留めることもなくさっさと立ち上がって彼氏の手を引く。手を振って歩き出す晴香さんの後を、彼氏は律儀にこちらにもう一度会釈をして歩き出す。ヒールを履いている春香さんと並ぶとあまり身長が変わらない小柄な彼氏。持ちもの、というと聞こえが悪いが、見た目もかなり重視しそうなのに、あまり身長の変わらない男を選ぶのも予想外だった。突然現れて、あっという間に去った二人を見送った俺の耳に由香里の叫ぶ声が聞こえる。「健太!健太ー!」にほんブログ村
2014.12.08
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日にちは前後しますが、今日からブログを始めてみます。初心者ですが、好きなことを好き!!と言いたい放題しようと思います。お出かけ先の土産話。映画の話。たま~に料理の話。基本的には、明るく楽しくをモットーに毎日はなかなか難しいかもしれないですが、頑張って行きます♪よろしく☆
2006.08.22
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