unplugged

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1. 闇の中、独り


身にしみる夜気。
緋霧煉は第一紀の名残が残る都市の一角を歩いていた。
都市の中心部とは比べ物にならないほどの灯りの少なさ。
寂れている・・・そういう表現がよく似合う一角だ。
道のいたるところ―――曲がり角や狭い路地に闇が満ち溢れている。
今宵、真円を描くはずの月も雲に隠れているからであろうか。


コツ、コツ、コツ
石畳に足音は弾けるように音を鳴らす。



さて、と。
さっきからついてきている謎の影にでも声をかけてみるか。暇だし。
いつからか俺には夜の散歩のお供がいたのだ。
「おい」
声が木霊する。
「出てきな」
シン・・・
さっきと同じ静寂。
・・・気のせいか?

まぁ、何もしてこないならそれでいい。
さて、帰るか。

数少ない灯りによって影が長く長く引き伸ばされていた。


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