[Stockholm syndrome]...be no-w-here

2023.11.11
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暫く放置していたので時間がかかったが、ようやく 講談社現代新書『日本の歪み』 を読了した。
その中で、最終章の「第0章 地震」は読んでいて鳥肌が立つ内容だった。
僕がつい最近このブログで紹介した「 日本の中国への属国化 」と「 日本人の再生(=自然との共生) 」について、養老孟司が同じ見解を語っていたからである。
一部を抜粋してみる。


養老孟司
(大地震の)被害によっては、今のような生活を続けるのは無理になります。
小さな自給自足の集団を日本中に置いていくしかない。(略)
食料がない、エネルギーがない、となったら買わなければなりません。
それが今年のように食糧難だ、エネルギー不足だ、円安だという時だと余計にお金がかかる。
その時に大きな額を日本に投資してくれる国があるとすれば、アメリカは時間がかかるでしょうから、おそらく中国です。

東浩紀
つまり、すごく要約すると、日本は天災によって実質壊滅し、中国の属国になることによって新しく生まれ変わるしかないのではないか、というのが養老さんのお考えでしょうか。

養老
そうですね。
つまり属国とは何かという問題です。
中国の辺境は昔からたくさんあった訳で、今でも中国がないと成り立たないという状況を作ってしまえば、それは中国の一部であるのと同じことですから。
政治的にどうレッテルを貼るかの話でしかない。(略)
みんな不愉快かも知れないけど、一番ありうるシナリオです。
明日食べるものに困っている時に「中国のお金を受け取るべきじゃない」と言っても誰も聞きませんよ。
背に腹は代えられないとはそのことです。

茂木健一郎
アメリカの属国の次は中国の属国になると。

養老
独立とは何だという話ですよね。(略)
なぜ虫が減るという話をしたかというと、現在のような考え方で世界を運用していくのは無理があると思うからです。
子供が生まれないのと虫が減るというのは原因が同じだろうと思っています。
ただ、今の科学はそこを結び付けて考えられるようになっていないので、バラバラの現象だということになっている。
虫が減るなら人間も減って当たり前だろうと思うけど、そういうふうには言われない。
これを解消するには、別の社会をやってみるしかない。
それが日本でできれば良いなと思っています。
地震の後、日本だけ虫が増えてるよ、みたいに。
今住んでいる人を説得してどうこうできるとは思えないので、天災のようなものに賭けるしかないと思っています。


戦争か天災かの違いこそあれ、「解剖学者」「国際政治アナリスト」「シャーマン(霊能力者)」という何の接点もない人達が、日本の未来に対して同じ結論を見出しているのは驚嘆に値する。
しかも、たった2ヶ月の間に僕がその結論を続けて目にするとは、これも運命の導きだろうか。
この未来が「2025年7月」に現実となるかは不明だが、その覚悟と備えだけは必要だろう。
(本来なら戦争も災害も遠慮したいが、養老が指摘するように「天災」か「外圧」でも起きない限り日本人は変われないのだから仕方が無い)

また、養老の「天災待ち」と「言葉よりも身体性に重きを置く」という考え方は、宮台真司の「加速主義」や「森の幼稚園」に通じるものを感じた。
宮台は 『集英社新書プラス』での対談 で、このような発言をしている。

≪なぜ森のようちえんなのか。子どもは森に入ると力を得るからです。もともと子どもには森から力を獲得する力があり、もともと森には子どもに力を与える力がある。子どもが主体で森が環境なんじゃない。子どもと森の相互浸透がある。
クラブに行ったら自然に身体が踊り出すとか、セックスのときに自然に身体が動き出すとかも同じです。そこには主体の選択も決断もない。力の流れに委ねるプロセスだけがあります。必要なのはこの能力なんです≫

この「森の幼稚園」は、ブンジュ村の村長が伝える「縄文への原点回帰」とも繋がるだろう。
いずれにせよ、日本人の再生には「身体性の豊かさ」の復活と継承が不可欠だという事だ。
シークエンスはやともが指摘するように「2025年7月以降、日本の未来は明るくなる」という予言は、決して経済的・物質的な豊かさではなく、精神的な豊かさを指すからである。
寧ろ、精神的に明るく逞しくなければ、厳しい時代を前向きに生き抜く事はできないのだろう。
(村長が言う「篩(ふるい)にかけられる」とは、日本人の相当数が亡くなるという意味だ)

政治の視点からは、『日本の歪み』では、地政学的に見てアメリカよりも近隣に位置する中国やロシアに対して、今のような強硬政策を続ける事の危険性が語られていた。
「短期的な善悪とは別に、長期的なオプションもしたたかに抱えておかなければならないのに、日本はそういう事が本当に苦手だ」という東浩紀の指摘は的を得ている。
残念ながら、国家としての日本の未来は極めて暗いと言わざるを得ないだろう。

備えよ。





蛇足ながら、別の章で養老孟司は新型コロナウィルスについてこう発言していた。

≪コロナウィルス自体が政治的だからね。発生源とされる武漢の研究所は、建てたのは中国政府ですが、技術指導はフランスです。危険なウィルスを扱うP4実験室(BSL4実験室)を作ろうとすると、どこの国でも住民から反対運動が起こる。だから中国に作られた。でも中国でそんなことしたら漏れるに決まっている。(略)
武漢の研究所には、米国立アレルギー感染症研究所所長であるファウチが資金提供していたという報道もありましたし、一時、中国でコロナはアメリカ製のウィルスだと騒がれていたのも、あながち無根拠じゃないんだと思います。コウモリから感染ったという説もありますが、そんなもんだったらとうの昔に流行っていたはずです≫

最近、京都大学の准教授だった宮沢孝幸が「新型コロナウィルスは人工的に作られた」という論文を発表して話題になったが、養老は更にアンソニー・ファウチの名前まで出しており、良識ある人達の間では周知の事実になっているようだ。
ファウチは米政府で新型コロナの感染対策を主導し、ワクチン接種を積極的に推進してきた人物である。
「コロナウィルスを開発させた人間」と「ワクチン接種を推進した人間」が同一だとしたら、コロナ禍は果たして「天災」なのか「人災」なのか…。
推して知るべしだろう。

京都大学を退職した宮沢孝幸に関しては、いつか彼の名誉が回復される事を願うと同時に、本気でコロナ禍とワクチンの闇を暴こうとするのであれば、海外で活動した方が良いように思う。
思考が停止している日本人に訴えるのは、それこそ「馬(鹿)の耳に念仏」でしかない。






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Last updated  2023.11.12 21:31:56
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