新潟  柏崎・刈羽観光案内

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石払の二十三夜塔の由来


 田屋の石払会館の上手に、自然石の二十三夜塔がある。昔は、会館の所に十王堂という堂があり、その堂の前にゆるみの大木があり、大木の横に石塔があり、三夜さんとよんで親しまれていた。
文化年代は三夜信仰が高まっていた。
 石払の人達は、近郷にない大きな塔を建てたいと思い、大平の奥山の大石を運ぶことになった。
 雪の上をだいもちに乗せて運ぼうと考えたが、この石が乗るような大きなだいもちが無いので根曲りの大木を何本も切ってソリ代わりにした。石を乗せ、ソリの下に横木(枕木)を入れて動かそうとしたが、あまりの重さに動かない。
 集落中の人はもちろん、他の集落の人も大勢来てくれたが、虫がはうような進み方だった。夜中に凍りつかないように、各家からワラを持ち寄ってソリと石を囲った。
 毎日同じ作業をくり返し、石をソリに乗せてから七日過ぎにやっと堂の前に着いた。道程は約千米位だったと思われる。
 人々は持ち昼(手弁当)で、粉餅やアブ(焼餅)を持って参加した。
 昔の人々の深い信仰心がこの大事業を成し遂げたのである。
 三夜さんの横のゆるみの木は、終戦前の陸地測量部の地図にも名木と記されていた。



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