蒼い森に於いて

蒼い森に於いて

人魚姫




ちょっとした賭けだったのよ あの言葉は

私はずっと 迷っていたの 出逢った時から

貴方に対するこの気持ちを 恋心と認めるべきか

だってそれはね 誰が見たって 貴方は素敵すぎるから

初めから私は 遠くから眺めていたの 無関係を装って

貴方を想う 他の女の子の気持ちを知っても なお



平穏を装って ただ時が過ぎるのを 待ってた

心の漣が消えて 何も感じなくなるのを 待ってた

恋心って 逢う時間に 比例するものだと思ってたから

逢わなくなれば だんだん薄れていく物だと思ってた

そして 他の人を 好きになれるかなって 思った

でも 久しぶりに貴方の顔を見た時 水の泡になった




その時 向こう岸には 新しい恋の始まりが 待っていた

其処へ辿り着く為の視界は 遮る物もなくて

真っ直ぐ泳いで行けば 簡単に岸に上がれた筈なのに

莫迦な私は 違う岸辺に 貴方の幻を垣間見て

気付いたら方角を見失い 足を掬われていました

一人 深く暗い海の底に 呑み込まれてしまいました




本当は 溺れてしまうって分かっていたの

呼吸が出来なくなるって 分かっていたの

でも このまま岸辺に上がってしまうのは 違う気がしたの

其れでも良いなんて 人魚姫じゃないのにね

声を失っても良いから 貴方の傍に居たいなんて


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