蒼い森に於いて

蒼い森に於いて

赤い牢獄【改訂版】★




あの壁を越えたら

穢れたこの体は 浄化

忌まわしい感覚は 消えて

純白の魂が蘇る 


そして新しい名を借りて 

二人で暮らすのだ

そう仰る貴方の 夢物語 


私はこの頬の涙が 

悲しさで零れるのを

隠していた



貴方が私に見るという崇高な光も

所詮は一夜の幻

情婦が聖母には成れない

聖母になりたくもない


愛する貴方 左様なら

私はこの 赤い世界を生き抜いて

何時か 独り死に行く運命

ひとつにはなれないのです


最後の茶菓子を召し上がったなら

振り向かないで どうぞお行きなさい

此の世界を記憶から消して

二度とお越しにならぬよう


白い 白い 雪の朝

薄暗い小部屋にひとり

貴方の影が小さくなるのを

カーテンの隙間から 見ていました


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