*アルバム名のあとに発表年が無いのは全て新譜。(買った年に発表した作品)*(左側はアーチスト名/右側はアルバム名) ♪2009・1月(9)
1.Teresa Bright/Tropic Rhapsody(2008)
ハワイ出身のテレサ・ブライトの新譜。彼女独特のボサノヴァとジャズにフラや現代のハワイアンをミックスしたようなサウンドが特徴。ここでは「ブルー・ハワイ」「アロハ・オエ」などの名曲も含まれていて、アルバム全体を通して癒し系のサウンドが展開されている。 2.Dreams/Imagine My Surprise(1972)
今では死語となった「ジャズ・ロック」というジャンルがあった。ドリームスは後に「ブレッカー・ブラザーズ」の母体となるバンドで、ランディとマイケルのブレッカー兄弟にウィル・リーやビリー・コブハムなどが在籍していた。演奏はジャズ色が強いもののヴォーカル・ナンバーも収録されロック色も感じさせるが、アルバム全体としての印象はまだまだ洗練されているとは言えない。マイク・マイニエリ&フレンズの「White Elephant」~ドリームス~ブレッカー・ブラザーズで一つの流れとしてつながった。 3.Raymond Lefevre/Palmares Des Chansons No.12(1970)
フランスのイージー・リスニングを代表するレイモン・ルフェーヴル楽団のペーパースリーブでの再発シリーズの一つ。「雨にぬれても」「明日に架ける橋」などのポップスの名曲や「G線上のアリア」に3曲のボーナス・トラックを含む15曲収録されている。イージー・リスニングの王道を行くようなサウンドで、オリジナル盤が中々CD化されないのでこれから買い揃えたい。 4.Chris Botti/When I Fall In Love(2004)
スムース・ジャズ界の貴公子といわれるトランペッター。クリス・ボッティの紡ぎだすサウンドはどこまでも穏やかで優美で、まるでイージー・リスニングにようだ。ナット・キング・コールのタイトル曲に混じってシャーデーやガーシュウィンの名曲も演奏している。ポーラ・コールとスティングのヴォーカルも3曲収録されメリハリの利いた一枚となっている。寝る前に聴くと落ち着いてぐっすりと眠れそう。 5.Crackin'/Special Touch(1978)
1970年代後半から活躍したAORバンドであるクラッキンが1978年に発表した一枚。都会的グルーヴ感が魅力のサウンドで、これはプロデュースを担当したマイケル・オマーティアンの影響も大きいと思う。 6.Joseph Williams/Joseph Williams(1981)
後にTOTOのヴォーカリストとして加入するジョセフ・ウィリアムスの1981年に発表されたソロ・アルバム。プロデュースはマクサスのジェイ・グルスカが担当し、バックにはTOTOのスティーヴ・ルカサーを筆頭に西海岸のミュージシャン達が固めている。彼のパンチ力のあるヴォーカルとAORサウンドが見事に融合した一枚。 7.John Tropea/Live At Mikell's New York(1994)
NYを中心に活動するギタリストであるジョン・トロペイが同僚の凄腕ミュージシャンを引き連れて、NYのミケルズで繰り広げたライヴ。1980年4月22日から24日までミケルズでリチャード・ティー、スティーヴ・ガッド、デヴィッド・スピノザ、ウィル・リー、ランディ・ブレッカー、リック・マロッタらとセッションを楽しんだ様子が、14年の時を経てライヴ盤として世に出た。これだけのミュージシャンが揃えば当然ながら演奏は最高レベルであり聴いていても自分がそこの観客のように感じられる。 8.Hubert Laws/The Chicago Theme(1975)
クラシック畑出身のフルート奏者ヒューバート・ロウズが、フュージョン系ミュージシャンをバックに発表した一枚。バックにはボブ・ジェームス、ジョージ・ベンソン、ドン・グロルニック、エリック・ゲイル、スティーヴ・ガッド、デヴィッド・サンボーン、ブレッカー兄弟、ロン・カーターら豪華なゲストが参加した。曲はオリジナル2曲にボブ・ジェームスのタイトル曲やスタイリスティックスのヒットで有名な「誓い」など6曲。ヒューバート・ロウズのメロウでファンキーなフルートの音色とゲストのプレイが見事に融合している。 9.Stevie Wonder/My Cherie Amour(1969)
スティーヴィー・ワンダーが1969年に発表したアルバムで、今でも彼のレパートリーで人気の高いタイトル曲「マイ・シェリー・アモール」が収録されている。これはスティーヴィーとモータウンのライターとの共作で、ザ・ビートルズの「ミシェル」を意識して作ったとされている。個人的にも大好きな曲である。 ♪2009・2月(10)
10.Mamma Mia/Soundtrack(2008)
アバの曲をフィーチャーして作られたミュージカルで世界的ヒットを飛ばした舞台版を映画化したサントラ盤。出演者全てが一切の吹き替えなしで歌っている。アバの頭脳であり作者作曲を担当していた二人の男性が音楽監督としても参加し、原曲と変わらない演奏を聴かせている。 11.Paul Davis/Cool Night(1981)
昨年亡くなってしまったポール・デイヴィスの最大のヒットアルバム。AORの名曲としても名高い「Cool Night」を収録しているこのアルバムが再発されたので早速買った。長い間廃盤になっていたので買いたくても買えなかったのでこの再発は嬉しかった。ジャケットは日本盤は夕暮れの写真でそそられるが、オリジナルは本人のアップ写真であったのでCD化に際してはダブルジャケット扱いとして発売された。 12.Rob Galbraith/Throw Me A Bone(1976)
ブルーアイド・ソウル系のロブ・ガルブレイスが発表したAORアルバム。AOR初期の頃の名作で11のポール・デイヴィスと同じシリーズの一環として再発された。 13.Sergio Mendes/Never Gonna Let You Go(1983)
ブラジル出身のセルジオ・メンデスが個人名義で発表したAORアルバム。タイトル曲の「Never Gonna Let You Go」はディオンヌ・ワーウィックも歌っている。アルバム全体と通してはラテン色は薄めて当時の流行サウンドであったAOR色が濃く反映されている。 14.Bruce Springsteen/Working On A Dream
ブルースの新譜が意外と早い間隔で届いた。最近の彼の作品はロック色が薄かったが、ここではEストリートバンドもバックで参加していてロック色が戻ってきたのは嬉しい。ボーナス・トラックに映画「レスラー」に提供した曲が収録されている。 15.Rita Coolidge/Anytime...Anywhere(1977)
ベテラン・ヴォーカリストのリタ・クーリッジが1977年に発表したアルバム。彼女らしい歌唱力を生かした選曲であるが、AORブームが芽吹く頃とあってボズ・スキャッグスの名曲「We're All Alone」が収録されている点に、その後のこの時期の彼女の方向性が垣間見える。 16.Rita Coolidge/Love Me Again(1978)
リタ・クーリッジの1978年のアルバムで15と2in1で発売されていた。前作でAORへのアプローチを感じさせたが、ここでは再びボズ・スキャッグスの「Slow Dancer」やデヴィッド・ラズリーの曲を取り上げるなどAORライターの曲を歌っている。しかしアルバム全体としてはAOR色を取り入れたポップ・アルバムといった印象である。 17.Peter Allen/Not The Boy Next Door(1983)
豪州出身のAORシンガー・ソングライターでミュージカル女優ライザ・ミネリの夫であったピーター・アレンが1983年に残したアルバム。どの曲も質が高く共作陣もデヴィッド・フォスター、キャロル・ベイヤー・セイガー、ディック・セント・ニクラウスなどAORシーンを沸かせた連中が多い。彼は残念ながらエイズで亡くなっている。 18.Quincy Jones/Body Heat(1974)
クインシー・ジョーンズが1974年に発表した一枚。クインシーはその時々の旬なアーティストや実力はあるが無名なアーティストを自分のアルバムに起用するのが上手い。そういう点で彼はミュージシャンというよりプロデューサーである。ここでは当時は無名に近かったリオン・ウェアやミニー・リパートンらを起用している。サウンド的にはジャズ、ファンク色とR&Bサウンドを融合させたような曲が中心だ。 19.Boney James/Send One Your Love
サックス奏者ボニー・ジェイムスの新譜。ここではスティーヴィー・ワンダーのタイトル曲や、クインシー・ジョーンズのアルバムでレイ・チャールズとチャカ・カーンが歌った「I'll Be Good To You」らとオリジナル曲が程よく収録されている。静かな夜に聴いていると最高のBGMとなるでしょう。 ♪2009・3月(3)
20.Jorge Dalto & Super Friends/New York Nightline(1984)
アルゼンチン出身のキーボード奏者ホルへ・ダルトが1984年に一流のセッション・マンらと発表したアルバム。ホルへ・ダルトはジョージ・ベンソンのバックバンドに参加していた縁で、このアルバムでもベンソンを筆頭にスティーヴ・ガッド、スパイロ・ジャイラのジェイ・ベッケンスタイン、ウィル・リーなど彼のセッション仲間とのプレイが堪能出来る。サウンドはまさに夏に聴くと最適で日本独自のジャケットもそそられる。ダルトは残念ながら1987年に39歳に若さでガンで亡くなっている。 21.Stevie Wonder/Stevie Wonder Live(1970)
スティーヴィー・ワンダーのライヴ盤はキャリアの長さに反比例して極端に少ない。その中の一枚がこのアルバムで1970年に発表されたものの余りその存在を知られていない地味なものだ。このアルバムはスティーヴィーのアルバムが紙ジャケで再発されたことで陽の目を見た形で、果たしてどこの場所での録音なのかジャケットにもクレジットが無い上にライナーノーツにも記述が無いので分からない。曲目は主に1960年代の彼のヒット曲である「マイ・シェリー・アモール」「太陽のあたる場所」など15曲で構成されている。 22.Basia/It's That Girl Again
アルバム発表の間隔が信じられないほど長いバーシアがソロ名義では14年ぶりとなる新作、マット・ビアンコ名義では5年ぶりの新作がやっと届いた。 彼女らしいジャズ、ボサ・ノヴァ、ラテンをベースに紡ぎだす彼女独特のサウンドはここでも健在。しかし、以前のソロ・アルバムで特徴的だった抜けるような明るさは控えめである。 ♪2009・4月(3)
23.L'image/2.0
1970年代前半に主にNYを中心に活動していたフュージョン系セッション・マンを中心として結成されながらも、アルバムを発表することなく幻となってしまったリマージュの「ファースト・アルバム」。リマージュはバンド結成を呼びかけたマイク・マイニエリ、元スタッフのスティーヴ・ガッド、キング・クリムゾンのトニー・レヴィン、デヴィッド・スピノザ、ウォーレン・バーンハートらで構成されている。邦題ではマイク・マイニエリ&スティーヴ・ガッドとなっているが、これは他の3人に失礼だ。アルバムには新曲とメンバーらの過去のレパートリーらが収録されている。 24.U2/No Line On The Horizon
U2の新譜が出た。U2は最近では新作の間隔が長くなってきたが、これは世界規模でのライヴ・ツアーを敢行しているからだろう。今回の作品は前作よりは1990年代のテクノっぽい曲も一部収録されている。彼らのキャリアの中では地味な部類に入りそうなアルバムである。 25.Seawind/Reunion
1970年代後半から1980年代にかけて活躍したフュージョン・バンド「シー・ウィンド」の再結成アルバム。「シー・ウィンド」はハワイ出身のウィルソン夫妻(当時)がグループの主体となっていた。フュージョン・バンドでありながら、当時流行のAORサウンドを取り入れたアルバムで人気を博していた。グループの特徴であるホーン・セクションは「シー・ウィンド・ホーン」と称されセッションに引っ張りだこだった。今回の再結成では当時のレパートリーのセルフ・カバーと新曲で構成されている。ヴォーカリストのポーリンのソロ活動の影響もありAOR色よりジャズ色が濃く反映されている。 ♪2009・5月(4)
26.Paul Brown & Marc Anotoinne/Foreign Exchange
スムース・ジャズ界を代表するロック的なアプローチを得意とするポール・ブラウンと、メロディアスなサウンドを得意とするマーク・アントワンが共演したアルバム。ジャズやラテンなどの要素も取り入れて、お互いの個性が見事に融合した一枚。 27.Jorge Dalto/Chevere(1976)
アルゼンチン出身のキーボード奏者ホルへ・ダルトが1976年に発表した。彼は既に亡くなっているが、あの独特の清涼感あふれるピアノの音は夏にぴったりのBGMだ。 28.Chris Botti/Chris Botti In Boston
2008年の9月18日と19日にボストンで行われたライヴ。この日はスペシャル・ゲストとしてスティング、スティーヴン・タイラー(エアロスミス)、ヨーヨー・マ、らのジャンルを超えたゲストと共にボストン・ポップス・オーケストラをバックに彼のトランペットが会場のファンを包み込むような様子が伝わってくる。このライヴはDVDでも発売されている。 29.Inger Marie/My Heart Would Have A Reason
ノルウェー出身のジャズ・シンガー、インガー・マリエの3枚目のアルバム。彼女は隠れた名作を掘り起こし、自分のスタイルでカバーするのが特徴。今作ではザ・ビートルズ、ボブ・マーリー、スーパートランプ、スティング、ジミー・クリフなどジャンルに拘らない選曲が意外な調和をかもし出している。 ♪2009・6月(2)
30.Al Jarreau/Jarreau(1983)
ジャズ・シンガーながら他のジャンルにも積極的に進出するアル・ジャロウが1983年に発表したアルバム。プロデューサーにジェイ・グレイドンを迎えたことで、当時流行していたAORサウンドへ挑戦した。アル・ジャロウはジェイ・グレイドンと数枚AORアルバムを製作していて、このアルバムでは1曲目の「Mornin'」は典型的なグレイドン作品でありAORサウンド満開と言える。アルバム全体と通してアル・ジャロウのジャズ色は薄められたことで、AORアルバムとしての完成度は高まった。 31.Leon Ware/Leon Ware(1982)
Q・ジョーンズに見出されその後、ソウル/ブラコン界で主にソングライター/プロデューサーとして活躍し、故マーヴィン・ゲイとの共演などで知られるリオン・ウェアがAOR色を強めて発表したアルバム。メロウ・ソウル系のAORアルバムとして評価の高いアルバムで、彼の甘いヴォーカルと見事なアレンジが一体化している。 ♪2009・7月(6)
32.Benjamin Orr/The Lace(1986)
当時カーズのメンバーだったベンジャミン・オールがグループ活動期に発表したソロ・アルバム。カーズらしいロック・ナンバーに混じって「Stay The Night」はこのアルバムを代表する曲でロック調のリズムと哀愁を含んだメロディ・ラインが特徴でシングルカットされた。 33.England Dan Seals/Stones(1980)
ジョン・フォード・コーリーとのデュオを解消して発表されたソロ・アルバム。ウェスト・コースト・ロック色が出ていたデュオ時代よりはカントリー色が強まっているのが特徴のAORアルバム。 34.Craig Donaldson/You'll never Get A Way With It(1980)
クレイグ・ドナルドソンについては予備知識は全く無かったが、このアルバムが製作されたのは1980年と言えばAOR全盛時代である。そんな時期の作品として聴いたが、やはりウェストコースト・ロック系サウンドのAOR色が強い。ポップなサウンドは最初から最後まで捨て曲がないのも特徴である。 35.Chuck Mangione/Fun And Games(1980)
フュージョン系のトランペッターであるチャック・マンジョーネが1980年に発表した。1980年の冬季五輪演奏用に作った1曲目を始め、ポップなナンバーがアルバム全体を占めている。この頃の彼の作品が一番勢いがあり、笑顔で飛び上がっているジャケットもそれを物語っていた。 36.Sunrize/Sunrize(1982)
どことなくエロチックなジャケットがサウンド志向を想像させる。サンライズが1982年に発表した唯一のアルバムで、交流が深かったアイズレー・ブラザーズがプロデュースを担当している。全体的にソウル・ファンク色を感じさせる作りだが、アルバムを通して聴くと「ナイトフライト」と傾向が似ておりAORの影響を感じさせる。 37.Babadu!/Babadu!(1979)
このアルバムの存在を全く知らなかったが、今度のCD化される以前は高額でアナログ盤が取引されていたとか。ババドゥというアーティストに関しては全く知らなかったが、ハワイ出身でこのアルバムのプロデューサーもハワイ出身のバンドで人気を博したカラパナに在籍していたカーク・トンプソン。彼は「レムリア」というバンドのプロデューサーでもあり、レムリアもババドゥもどちらもハワイアン・ソウル色が強いのが特徴。ババドゥでもカーク・トンプソンのそうした傾向が反映されていて、どの曲も短いがグレードが高く捨て曲は無い。 ♪2009・8月(3)
38.The Dudek,Finnigan,Krueger Band/The Dudek,Finnigan,Krueger Band(1980)
レス・デューデック、マイク・フィニガン、ジム・クリューガーの3人が組んだバンドで、アメリカン・ロック色を前面に出したダイナミックなサウンドにと3人のヴォーカルが絡む。一般的にはAORに分類されるがAOR色はそれほど濃く反映されてはいない。バックには当時は西海岸中心のセッション・マンで、今では映画音楽家として確固たる地位を築いているジェームス・ニュートン・ハワードがキーボードで参加している。 39.Tavares/Loveline(1981)
当時流行していたディスコ・サウンドを前面に出していたタヴァレス兄弟で組んだバンド。このアルバムではカシーフなどと組んでメロウ色も出るなど、ディスコ・サウンドだけではないカラーがアルバムを通して感じられる。メロウ系AORとしての側面も若干ながら感じさせられる。 40.Average White Band/Shine(1979)
スコットランド出身のアヴェレージ・ホワイト・バンドが1979年にデヴィッド・フォスターをプロデューサーとして招いて制作したAORアルバム。元々はソウル色が強かったロックバンドだが、このアルバムでは名曲「Let's Go 'Round Again」を中心にディスコ・サウンドにストリングスを絡めるなどデヴィッド・フォスター起用が見事にはまった。 バンドはその後活動休止となるが、ドラマーのスティーヴ・フェローンはエリック・クラプトンのバックを務め、ギターのヘイミッシュ・スチュワートはポール・マッカートニーの右腕としてバンドを束ねる役やソングライターとしても重要な地位を占める等して、ポールの日本公演でもギターやベースを担当し活躍した。 ♪2009・9月(1)
41.J.D.Souther/You're Only Lonely(1979)
主に1970年代中盤から80年代にかけて西海岸を中心に活動していたSSWで、イーグルスのメンバーやマイケル・マクドナルドらとの交流が盛んだった。このアルバムでもイーグルスのグレン・フライとの共作が2曲収められている。しかし、このアルバムの最大の魅力はロイ・オービソンへオマージュを捧げたタイトル曲であるのは間違いない。 アルバム全体としては軽快なウェスト・コースト・ロックを感じさせられる。ゲストにデヴィッド・サンボーンやダニー・コーチマーらが加わっている。 ♪2009・10月(2)
42.Kaleo/Aloha Monday(2006)
ハワイ出身のシンガー・ソングライターが2006年に発表したデビューアルバムが国内盤で発売された。1970年代のセシリオ&カポノ系のサウンドを現代に蘇らせたかのような作品だ。ハワイらしい爽やかなAORサウンドをウクレレやアコースティック・ギターで表現している。今後のアルバム発表が楽しみなアーティスト。 43.Leblanc & Carr/Midnight Light(1977)
マッスル・ショールズでギタリストとして活動していたピート・カーと、カントリー系のソングライターとして活動していたレニー・ルブランが組んで発表した。シングル・ヒットとなった「Falling」に交じって、イーグルスのナンバーとして有名な「Desperado」をカバーするなど南部の土の香りと、西海岸のサウンドが程よく融合している。再発が待たれていたAORの名盤であったが、早く買わないと廃盤になってしまうかも。 ♪2009・11月(6)
44.Ramsey Lewis/Love Notes(1977)
EW&Fのリーダーであるモーリス・ホワイトがドラマーとして在籍していたこともあるラムゼイ・ルイスが1977年に発表した。ルイスのキーボードを中心にしたサウンドで、スティーヴィー・ワンダーの曲も2曲取り上げ彼もバックで演奏している。ルイスのピアノの音色とファンキーさが見事に融合していて、ジャケットのルイスの指のアップもハッとさせられる。 45.Phase 7/Playtime(1980)
アメリカの炭酸清涼飲料の「7-UP」をなぞったジャケットからは想像し難いが、「フェーズ7」はハワイ出身者で固められた7人組のローカルバンドだ。EW&Fに影響を受けたサウンドはハワイ独特のグルーブと相まってオリジナルなサウンドを築いている。「チョットマッテクダサイ」というホテルのショウでライヴ録音したオチャラケ曲は無駄だと思うが、レア度の高い一枚だと思う。 46.Cate Bros./In One Eye And Out The Other(1976)
アーニーとアールのケイト兄弟が1976年に発表した。ブルーアイド・ソウル系のAORサウンドが特徴で、バックにはエアプレイの2人もミュージシャンとして参加している。ソウル色の強いヴォーカルスタイルと西海岸系の演奏が良い割合で溶け合っている。 47.The Dukes/The Dukes(1979)
ウィングスを脱退したギタリストのジミー・マッカラーを中心に、アルバムの曲の大半を作るヴォーカリストのミラー・アンダーソンが結成したバンド。ジャーニーのような産業ロックに近いサウンドながら、メロディ・ラインもヴォーカルもしっかりとしていることから捨曲の無い素晴らしいアルバムである。アルバム発表後にバンドのリハーサルに来なかったジミーはアパートの自室で急死した。死因は麻薬の過剰摂取であると当時は発表されていたが、体調が急変した際に部屋にいた人物が直ちに通報しなかったことも要因とされている。 48.Norah Jones/The Fall
ジャズ・ヴォーカリストのノラ・ジョーンズの新譜。映画出演などでアルバム製作のインターバルが空いたが、本作では従来のジャズ色は薄らいでいる。素朴でフォークっぽさも多少残っているような、リラックスして聴くサウンドに仕上がっている。 49.Beegie Adair/Winter Romance
女流ジャズ・ピアニストのべジー・アデアがオーケストラをバックに、X'masシーズンにぴったりな定番曲を中心に演奏している。派手さはないが、この時期ならではのしっとりとした雰囲気に満ち溢れている。来年から個人的に定番アルバムにしたい。 ♪2009・12月(4)
50.David T.Walker/Wear My Love
名セッション・ギタリストとして名高いデヴィッド・Tが初めてホリデイ・アルバムに取り組んだ。定番のX'mas曲らはいずれもが有名な曲ばかりだが、デヴィッド・Tのギター魔術で違ったイメージを持たせている。更に、タイトル曲は自作であり、ここでは珍しく彼の渋い地声?を聴くことが出来る。 51.Bob Dylan/Christmas In The Heart
ユダヤ教から近年キリスト教に改宗したボブ・ディランが自身のオリジナル・アルバムの制作を一時中断して発表した新譜はキャリア史上初のX'masアルバム。管理人に取っても彼のアルバムを始めて購入した。収録のどれもが定番曲だが、ディラン特有のしゃがれ声で歌うX'mas曲を聴いて子供が違和感を抱かないかは疑問だが、アルバム全体を通じてほのぼのさも感じる作りとなっている。私が買った紙ジャケアルバムには、ジャケットと同じデザインのX'masカードが封入されている。 52.Bobbi Humphrey/Tailor Made(1977)
女性フルート奏者のボビー・ハンフリーが1977年に発表したアルバム。ソウル色が強いリズム・セクションに彼女の華やかなフルートの音色が溶け込んで独自のサウンドを作り上げている。彼女のキュートな歌声も収録されている。 53.Rodney Franklin/Rodney Franklin(1980)
19歳でデビューした天才キーボード奏者の自らの名を冠したセカンド・アルバムで1980年に発表された。ファンキーでグルーブ感溢れるサウンドで、当時のフュージョン・ブーム真っ只中で制作されただけあって当時の香りが今でも漂ってきそうだ。バックにはネイザン・イースト、ジェフ・ポーカロ、フィル・アップチャーチらが加わっており、今の時代にも通じそうなサウンドに溢れている。