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今年の3月の話ですが、岐阜提灯協同組合さんが組合員さん向けに開催した実技研修会を
見学させていただきました。
2日間に亘る研修会で、1日目は「摺込み(すりこみ)」、2日目は「張り」研修でした。
専門用語で、どんな内容かわかりにくいと思いますので、簡単に説明しますと...
摺込みとは、木版を元に作った型紙で和紙に絵を摺込むことで、
そして張りは、ヒゴを巻いて和紙を張る作業をいいます。
研修の話に戻ります。
講師の先生が、「せっかくなので体験してみてください」とおっしゃってくださいましたので、
摺込みと張りの一部を体験させていただきました。
上の写真は提灯の形をした木枠にヒゴ(研修は竹ではなく、細い針金に紙をまいたヒゴを使用)を
巻く作業です。木枠にヒゴ用の切り込みが入っていますので、それにあわせて巻きつけます。
簡単そうに見えますが、力を入れすぎると角ばった八角形になり、丸い膨らみをおびた提灯に
はなりません。緩すぎるとヒゴが外れてしまいます。この力加減が難しくて、がたがたになって
しまいました。
そして糊付け作業。
刷毛に適量の糊を含ませ、素早くかつリズミカルに糊付けします。
糊がダマになってしまったりして、均等につけるのは難しい。
つけすぎも少なすぎも和紙の張り具合に影響します。
その後、和紙を張り、余分な和紙を切り落とす工程も体験させていただきましたが、
本当に細かく繊細な作業でした
改めて、岐阜提灯の職人さんの技術のスゴさを感じました。
体験させてもらった工程はほんの一部で、あとは手直しして完成させてくださいました。
こちらです。
近くでみると和紙の重なり部分がガタガタになっていて、愛嬌たっぷりですが、
遠目でみると立派な提灯にできあがりました。
優しい水色をした透けた和紙が見ている私たちに涼を与えてくれます。
もうすぐお盆です。提灯を飾られているご家庭も多いと思います。
是非ご自宅の提灯を観て、提灯の繊細さを感じてみてください。
最後に提灯づくりに興味を持たれた方にご案内です。
岐阜市歴史博物館では、市民向けに提灯づくりの講座を開催しています。
詳しくは、こちらまで http://www.rekihaku.gifu.gifu.jp/kouza.html
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