全国の名物研究所

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名物調査 【岩手県】



 もう20年ほど前ですが、三陸海岸を一人旅で回ったことがあるんです。リアス式海岸を見下ろす高台に立つ国民宿舎に泊まったんですが、そこの受付の女性が、国民宿舎に似つかわしくない美人でして(すいませんちょっと偏見入ってますが)、向こうも若いアンちゃんが一人でこんなところへやってきたのが珍しいのか、話すうちに意気投合しちゃったり……。まっ、それだけなんですけどね。でも、なんか良い思い出です。私の頭の中では、いまだに「岩手県=国民宿舎のきれいなお姉さん」ですから。

ところで岩手県の名前の由来って知ってます?

 なんでも昔、悪さをしていた鬼をとっ捕まえてしぼり、もう二度と悪さをしないという誓いに岩に手形を押させたのが「岩手」の由来だそうです。盛岡市にある三ツ石神社に手形のついた巨石があるとか。

 閑話休題。岩手県の名物でしたね。

 盛岡には三大麺というのがあるそうですが、昔からの「わんこそば」、それからおなじみの「冷麺」、最近話題になっているのが「じゃじゃ麺」。
 わんこそばは日本、冷麺は韓国、じゃじゃ麺は中国という、アジアの麺文化が結集しているというとちょっとオーバーかな。でも、それらを取り込んでオリジナルなものに仕上げて、しかも固有のブランドを確立させるという、そのパワーや手法はなかなかしたたかですよね、岩手県。

 まあ、これもベースとなる食文化がしっかりしていて、しかも本物志向だから成り立つのではないかといったら褒めすぎでしょうか?

 農林水産省が調査した、カロリーベースで食料の自給率を都道府県別に表すと100%を超えているのは、北海道、秋田、山形、青森、そして101%とかろうじて超えているのがここ岩手県。県単独で生き残っていけるのは、日本ではこの5県しかないということになるのでしょうか。
 岩手県は上位5道県の中でも、これはという特徴はないですが、バランスが良い上に高水準のような気がします。

 ユーミンの曲に「モリオカという機内アナウンスがロシア語のように聞こえた……」みたいな歌詞がありましたっけ。岩手県って、小岩井農場とか宮沢賢治が名づけたイギリス海岸とか、なんとなく異国情緒があるんだけど、それがうまく日本風にアレンジされているみたいな、ふしぎな土地だと思います。

 久しぶりに三陸海岸の海が見たくなりました。


★岩手といえばこの食材★

 えっと、何だろう……。なかなか思い浮かばない。小岩井の乳製品、前沢牛、三陸の魚介や海藻類、そうそう、宮古辺りはいろいろと美味しいものがありますよね。ちなみに、宮古には「鮭の中骨缶」という名物の缶詰があるそうです。鮭缶でなく鮭の中骨の缶詰なんです。そういえば子どもの頃、鮭缶の中骨が妙に美味かったのを覚えていますが、要するにアレなんでしょうかねぇ。一回食べてみたいものです。
 琥珀細工、南部鉄器と工芸品ならすぐ思い浮かぶんですけど……。


★岩手の郷土料理といえば★

「そばかっけ」
 そばをのして三角に切り、鍋にダイコンやネギなどの季節の野菜、豆腐と一緒に煮上げ、独特なタレでいただく。岩手県はそばの産地としても知られ、美味しいそばがいろいろなところで食べられますが、切りそばとはまったく違う風味と食感がくせになります。
 岩手県では、いわゆるすいとんみたいなものを「ひっつみ」もしくは「はっと」と呼ぶみたいですが、この辺の使い分けがはっきりわかりません。
ほかにも「いもの子汁」、「納豆汁」もあります。
 あとは、三陸のわかめ、魚、貝(あわび、ホタテ、牡蠣)など。
なんとなく小麦粉やそば粉から作られる料理が特徴のような気がします。


★ご当地米★

 岩手のお米は「いわて純情米」というブランドになっているようで、その代表品種が「ひとめぼれ」だそうです。
国民宿舎のねーちゃんに一目ぼれした純情な私が言うのもなんですが、「ひとめぼれ」と「純情」ってかみ合うような合わないような……。
 でも、岩手産の「ひとめぼれ」は何回かしか購入したことがありませんが、いつも大当たりではずれたことがありません。
 そのほか、いわて純情米ラインナップは、いわてっこ、かけはし、ゆめさんさ、あきたこまち、ササニシキなど。でも、あきたこまちはやっぱり秋田県、ササニシキといえば宮城県と思ってしまいますが……。
 鮭の身とイクラがご飯にのった「はらこめし」というのがありますが、てっきり三陸が本場だと思っていたら、宮城県、それも私が住んでいた阿武隈川の辺りが発祥らしいですね。


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