全国の名物研究所

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名物調査 【栃木県】



 小学校の修学旅行で日光に行きました。

 私が子どもの頃は修学旅行用の専用電車があって(もう少し前の世代は「ひので号」という名前でヘッドマークもついていた)、川崎駅から日光駅まではその団体専用列車に乗って出かけました。 
 車内は子ども向けに窮屈な座席配置になっていたため、短い停車時間で滞りなく乗車できるようにと、体育館に椅子や机を並べて整列乗車の予行練習をさせられましたっけ。今考えると面白い時代でした。

 修学旅行に行くとなると、日光や戦場ヶ原などについて事前に勉強させられました。でも、いろいろ予備知識を持ってその土地を訪ねてみると「とても面白いもんだ」って言うことに気がついたのがそのときだったと思います。
 だって、東照宮の「眠り猫」とか「見ザル聞かザル言わザル」なんか、それなりに予習していかないと面白くないし、見逃してしまいますよね、絶対。

 もうひとつ、栃木県というと思い出すことがあります。

 いわゆるブランド米がもてはやされるようになって、ずっと不動のトップに君臨しているのが、魚沼産コシヒカリですよね。

 魚沼産コシヒカリは粘りのあるやわらかさと甘みが身上だと思いますが、どうも私はこれがあまり好きではありません。魚沼郡に「親戚の親戚」がいて、魚沼産の特上品をいただいたこともありますが、やっぱり好みではない……。家族も同意見で、だからわが家ではあんまりコシヒカリが登場することはありませんでした。我が家の人気は、あきたこまちやはえぬきといった東北のお米です。

 ところが、です。ある日、栃木県産コシヒカリというのを口にしたら、びっくりしました。
 今までの思っていたコシヒカリとはかなり違う。やや固めで歯ごたえもあり、しかもモチモチしていながらコシヒカリらしい甘みがあるんですね。

 これはコシヒカリじゃないって思ったほどです。

 でも、それから、栃木県産コシヒカリを見かけるとしばしば購入しました。たまにハズレることもあるんですが(笑)、同じコシヒカリなのに、こうも違うものかって、「品種は同じでも産地などが変わると違うものになる」という、お米の面白さを教えてくれたのが栃木産コシヒカリでした。

 石川県に引っ越してからは栃木産コシヒカリとは疎遠になってしまいましたが、栃木産と同じ特徴を持つ米が富山産コシヒカリで、こっちの方がさらに美味しいです。

 さて、ごはん党の私のこだわりを見出させてくれた栃木県には、私好みの祭りもあるんです。

「強飯式」といいまして、日光山輪王寺などで開催されます。どんな行事かといえば、山盛りのご飯を山伏たちに強いられるというもの。ニュースなどで見かけるたびに、「うわ~、うらやましい!」って思うのは私だけ?
 なんせ、いつもは健康のためにカミさんからご飯の量を制限されている身なので、ただひたすらに羨ましい光景です。

 ところで、栃木県の名物にはどんなものがあるのでしょうか?
 例によって個人的な思い入れたっぷりに書き出します。

食べられるもの

1.日光のゆば
 日光駅前はこののぼりがやたら目に付く。ゆばといえば京都だと思っていたけど、京都のゆばは一重で、日光のゆばは二重で間に豆乳が残っているのが特徴とか。言われてみれば確かに違っていたような気が……。もともとは修験者に栄養があり保存のきく食品として重宝されていたらしい。

2.たまり漬け
 こののぼりやのれんも良く見かける。もともと、醤油や味噌の醸造が盛んな土地だったので、その醸造過程で出る上澄み汁の二次利用を考え地元の野菜を漬け、日光東照宮に参拝する客をもてなす茶屋でお茶請けとして出したら評判になったそう。

3.中禅寺湖のヒメマス料理
 ヒメマスはベニサケの陸封形といわれるもので、普通サケは海へ下るものだが川へ下れなくなったものがヒメマス。中禅寺湖のほか、北海道の支笏湖、富士五湖の西湖や本栖湖あたりが有名。数も少なく幻の魚と言われ、いつでも食べられるものでないが、とにかく美味しい。

4.那須高原のスイーツ
 記憶の中で一番古い栃木県は家族で行った那須高原だった。茄子が大嫌いだったので、「茄子がたくさん生えている高原なんて行きたくないっ」って思ったけど、行ってみたら雲上のパラダイスで驚いたっけ。ここは牧場が多いせいか昔から洋菓子屋さんが多い。スイーツのストライクゾーンはかなり広い私なので、あまりコメントはしないでおこう。

5.温泉まんじゅう
 かつて、旅行雑誌の取材で鬼怒川、川治、塩原温泉あたりの主だった温泉まんじゅうを食べ歩いたことがあった(全部で10軒くらいを2日で回った)。その時は「もう当分温泉まんじゅうは食べたくないっ」と思ったけど、どれも甲乙をつけがたい美味しさだった。ちなみに、塩原温泉には栄太郎から暖簾分けされた栄太郎という店もある。

6.宇都宮の餃子
 宇都宮は餃子の消費量が日本一ということで、「餃子の街」で町のPRを考えたのが平成2年。思ったよりも歴史は浅い。地域のブランディング、イメージ戦略では必ず出てくる成功事例となった。今では食で町おこしを企てるところはどこも「宇都宮に続け!」が合言葉になっているとかいないとか……。ちなみに、栃木市は「ジャガイモ入りやきそば」で町おこしをしている。なお、宇都宮駅は駅弁発祥の地といわれ(説はいくつかあって明確な文献がない)、往時をイメージして再現した駅弁も売られている。

7.佐野のラーメン
 「ご当地ラーメン」が注目されるようになったとき、喜多方や旭川などと一緒にブームになったのがここ。特に首都圏から近いため、多くの人かこぞって出かけ、ちょっとしたブームにもなった。私も何度か行ったけど、なぜか行くのはいつも夜でしかも道に迷い、結局お目当ての有名店には一度も行ったことがない。

8.その他麺類
 県下一円に、手打ちそばの名店といわれる店がとにかく多い。バブルの頃は「栃木でゴルフをし、帰りはそんなそば屋のそばを食って……」みたいなことを語る人がたくさんいたけど、今はどうなのだろうか。面白いのは、佐野の「耳うどん」。うどんといっても普通の細長い麺ではなく、耳のような形をしている。佐野の一般家庭ではこれを正月三が日に食べる習慣があるそうで、「悪魔の耳を食べてしまえば、我が家の話を悪魔に聞かれないので、その年は無病息災で過ごせる」という。

9.小山の米パン
 小山市では学校給食などで米パンを積極的に使って、米パンを名物にしているそう。なぜ、小山が米パンなのか? 私はよく判らない。


食べられないもの

 参考までに、私が栃木県と聞いて思い浮かべる食べられない名物を以下に挙げます。

1.中禅寺湖やいろは坂の凶暴猿
 人間が餌付けしたのが悪いのだろうが、それにしても凶暴すぎる! 北陸にもニホンザルはたくさんいるが、ずっとおとなしい。

2.温泉
 名湯・秘湯がざっくざく。個人的に好きなのは、日光湯元と塩原、川治、那須湯本かな。温泉の泉質がピカイチ。

3.益子焼
 ちょっとぼてっとした民芸風で手ごろな価格の焼き物。とんかつやの食器はなぜか益子焼が多い(気がする)。そういえば、駅弁の峠のかまめしの容器も益子焼。今日の益子焼を作った功労者に人間国宝の濱田庄司という人がいた。「焼き物が好きだ」といったら、この人の作品を差し上げるといってくれた人が今まで2人もいたが、未だに手元には氏の作品はひとつもない。社交辞令とは言っても、ねぇ。

4.テーマパーク銀座
 日光、鬼怒川、那須と、とにかくテーマパークがたくさんある。全国的にテーマパークは壊滅状態なのに、まだいくつも残っていることにむしろ感心してしまう。どうやって経営が成り立っているのだろうか?

5.渡良瀬橋
 森高千里の歌。ちょっとマニアックかな……。特にファ ンでもないけど、この歌だけは好き。私のイメージする栃木の雰囲気にぴったり来る。栃木県歌にしたらいいとさえ思う、けど。


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