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小さな小物入れをそっと開けると、
昔、
大事にしていた指輪が一つ。
あの頃の自分には、
ちょっと大人びていて、
不釣り合いな指輪。
でも、
どんなものよりも、
大事だった。
早く、大人になりたくて、
早く、あの人に似合う女になりたくて、
精一杯背伸びしていた、
あの頃。
今は、
その好きな人の年齢をはるかに越え、
気が付けば、いい大人。
懐かしさの中に、
キラキラと輝かしい自分がいて、
それが、今、眩しかった。
あの頃のように、
何かに一生懸命になり、
何かを精一杯追いかけ、
走り回る事は、
もう出来ないのだろうか。
後ろなんて無いかのように、
前進するだけのがむしゃらさを、
今手に入れる事は出来るのだろうか。
初めから諦める事など考えず、
ただ、前を向く、
その勇気を持てる日はあるのだろうか。
そんな思いに駆られながら、
また小物入れを閉じる。
数年後、
前へ向き、
走り続ける自分でいられるように。
☆ まみのすけ ☆