しーくれっとらば~’S

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SERENADE 第9話 悠季



SERENADE


~THE 9th~ side YUUKI MORIMURA


---まだ心身ともに心地よい疲れが残ってるよ---

圭、本当にお疲れ様でした。
フジミの定期演奏会も盛況のうちに終了!
何もかも君のお陰だよ。

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圭。

僕はまだ、お酒と君に酔っているみたいだよ。
フジミの演奏会も終わり、そのまま打ち上げと称しての飲み会。
君は快く参加を承知したけど本当は早く家に帰って来たかった
ってのが、途中からバレていたよ。あははっ。
だって五十嵐くんが二次会に誘わなかったんだよ、僕たちを。
川島さんもほかの人たちに
「桐ノ院さんと守村さんはご自分たちのコンサートも終わったばかりで
 まだお疲れが残ってるみたいだから無理強いするのはよしましょう。」
って、気を使ってくれてたしさ。
ホント、いい仲間だよね。

・・・とか言ってる僕も、みんなとの打ち上げも楽しいけれど
君と二人で打ち上げがしたかったんだ・・・。

フィナーレを終えた時君と握手したけれど、...
僕だってあの時なら!
君に最高のキスをプレゼント出来たと思うんだ。

けど、そんな事・・・出来ないしね。
だから君と視線を絡めて「瞳」でキス・・・したんだよ。
みんなと別れてから家に戻るまでの間、手を繋いで歩きたかったね。
夜、遅い時間だったけど、まばらに人影があったからそれも出来ずに。

そんな事があったからか、君は玄関ドアを開けると有無もなく
熱烈なキスを僕にくれて。
僕が先にしてあげたかったのに。君への感謝を込めてね。

でもまさか玄関で、その・・・してしまうなんて思ってもみない事で、
幾ら演奏会が巧く終わって、多少の酒が入っていたからって
場所も弁えず(わきまえず)みたいな事、する人じゃないと思ってたから。
でもね、実は僕も早く君とひとつになりたくて、ね。
だから拒まなかっただろ?嬉かったんだ。

ベッドに移ってからも、いつもより熱く強い想いが伝わってきて
それに応えるのに心と身体が伴わなくて、身体は疲れてるのに、その、えっと
僕の心が、はしたなくも“もっと”とか、言ってしまって・・・。恥かしい、よ。

ねぇ、圭。
君が僕に嫉妬?そんなバカな。僕が君の先を行くわけないし、
僕はいつも君の背中を一生懸命追いかけて、追いかけて・・・。
今回のソロとフジミの定期で、まぁ、自分なりにも良く出来たかな
って思ってさ。
ちょっと君に近づけたかな、なんて嬉しくなったんだけど
今日の演奏会。君のタクトを見てたら、
また君が大股で僕を追い越してった気分だったよ。
お互いに『抜きつ抜かれつ』って思ってたんだね。

僕たちは男同士で、同じ音楽に魅入られた者同士で。
だから、音楽に対する苦悩も喜びも分かり合えて、その・・・
愛し合う時もお互いが判るから今まで、多少のぶつかり合いはあったものの
巧くやってこれたんじゃないのかな?
これからもそうありたいと思ってるのは僕だけじゃない筈だよね、圭?

僕の愛しい人   圭。
                 悠季。

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日記帳をおいて、ベッドで眠っている
僕の大きな愛し人の顔を覗き込んだ。
キリっとした眉と光を放つような視線を送る瞳を持った
この人に出会えて本当に僕は幸せなのだ、と。



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