Tomorrow is Another Day

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初めて抱っこ出来るまで



初めて抱っこ出来るまで



出産後2日目の朝、ダンナがマレーシアから到着した。車椅子に乗った私は初めて赤ちゃんを見にNICUへ行った。保育器に入っている赤ちゃんは管だらけであった。人工呼吸器、人工的に肺を膨らませた為に肺に穴が空いてしまったのでその為のドレイン、そしてたくさんの点滴のチューブ。それでも生きていてくれただけでダンナも私も本当に嬉しかった。

最初の予想より息子の回復は目覚しかった。人工呼吸器も5日目には取れ、自力で呼吸をする事が出来た。それでも他にまだ点滴のチューブが着いているので抱っこする事は出来なかった。NICUに入院している赤ちゃんには24時間、いつでも会える事になっている。私自身が入院中は日に何度か会いに行けるが、退院してからはそんなに頻繁には会えない。

そんな赤ちゃん達の為に看護婦さん達は「OXちゃんのすくすく日記」と言うノートを作ってくれた。ポラロイドカメラで取った写真を貼ってくれて、そこにコメントを入れてくれるのである。息子にも作ってくれた。これは本当に有り難かった。

出産後7日目には点滴のチューブもほとんど取れ、私は初めて抱っこする事が出来た。抱っこして初めて自分の赤ちゃんなんだと言う気持ちが沸いて来た。普通なら羊水の中にプカプカ浮いて心地良いはずのお腹の中なのに、さぞ窮屈だったであろうとか、生まれてからもいろいろ痛かっただろうと思うと初めて涙が出てきた。

息子の退院が決まった。11月11日。出産からちょうど3週間目であった。担当の先生に「私、一時はもう駄目かとも思いました。」と言ったら、先生は「私たちもそう思いました。これはほとんど奇跡です。」とおっしゃった。お医者さんの口から「奇跡」などと言う言葉を聞くとは想像していなかった私はとても驚いた。

私は息子より10日程早く退院していた。退院後も毎日面会に通っていたがまるまる5ヶ月の入院生活であった。息子を連れて病院を出る時なぜか複雑な気持ちであった。そしてこの病院を笑顔で退院する事ができた幸運を感謝した。


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