元海外在住夫婦のお買い物日記

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革の種類

高品質でお手頃な革製品 -> 革の種類


革の種類


革は、牛革などと言った素材に基づく呼び方の他、なめし方、後処理などによって分類され、特別な名前が与えられる場合があります。中には、特定のタンナー(なめし業者)でなめされた革にのみ与えられる名称もあります。

特別な革に与えられたブランド名とも言えます。

ここでは、比較的よく知られている革の素材名を上げます。


 ◆・・・分類上の名称
 ●・・・(◆より狭い)分類上の名称
 ○・・・材料革としての商品名


◆(シェル・)コードバン

日本ではランドセル用の素材として馴染みがあります。
非常に繊維が緻密で手触りが滑らかで、強度が高いのが特徴です。
また、原料の供給量が少ないため、貴重で比較的高価な革です。

コードバンは、食肉用(昔は農耕用)大型馬のお尻の部分の繊維が緻密な層に植物タンニンなめしを施した革を指します。馬の背中の部分を皮を原料とした馬革とは異なります。コードバンは、床の部分に相当しますが、一般的な革の床の部分が繊維が荒く、強度に劣るのに対して、馬のお尻の部分では、繊維が緻密で強度が高くなっています。
また、構造上、銀面は無く(削られる)、床1層から成り、銀面の剥離(浮き)なども起こりません。

なめされたコードバンには、染色、塗装などの処理が施されますが、処理の方法によっては、変色や色落ちし易い場合もあります。

コードバンは、「コルドバの革」の意味があり、スペインのコルドバ発祥と言われていますが、現在では、スペイン産の原皮は非常に貴重で、北フランスなどが原料皮の供給地となっています。

日本の「 新喜皮革 」やオールデンに原料革を供給しているアメリカの「 ホーウィン社 」などでなめされたものが有名。原料皮から製品にまで仕上げられるタンナーは、世界でも前述の2社のみ。

 ○オイル(・シェル)・コードバン

 コードバンに時間をかけてオイルフィニッシュを施すことにより、折り曲げても割れない、しなやかな革に仕立てたもの。
 アメリカのホーウィン社が製造する「Genuine Shell Cordovan」など。


◆ヌメ革(広義 タンニンなめし牛革全般)

狭義では、植物タンニンでなめされ、染色などを行わない牛革を指す。
一般的には、染色、加脂などの工程が加えられた植物タンニンなめしの牛革全般を指してヌメ革と呼ぶことが多い。

頑丈な反面、表面はやわらかく、キズつき易い革で、色落ちなども見られますので取り扱いが難い革といえます。経年変化(エイジング)が楽しめ、使い込むほどに、味わいが増すため人気があります。

最近は、無染色のヌメ革(狭義のヌメ革)を名乗る革も多いですが、オイルなどを含ませてる感じのものが大半で、なんちゃってヌメ革です。匂いで分かります。


 ○ドイツヌメ

 成牛革を植物タンニンでなめし、染色は行わず仕上げたもの。
 製造国はドイツ。
 素仕上げの他、グレイジングが行われる場合もある。
 最初は、肌色、ベージュと言った色合いですが、日光などで容易に変色しキツネ色になり、更に深みを増していきます。

 基本的に狭義の「ヌメ革」ですが、本物の「ヌメ革」自体少ないので、あえて「ドイツヌメ」の呼称が使われる。
 ドイツ産でなくとも、無染色のヌメ革を「ドイツヌメ」と呼んでいる場合もあるかもしれませんね。

 製造は、ドイツのブロイニンガー社が有名。


●ブライドルレザー

 植物タンニンなめしの成牛の革(カウ、ステアハイド)にロウを染込ませた堅牢な革で、元々は馬具に使われていました。
 変色しやすく、キズつき易い欠点もありますが、堅牢な革で強度があります。
 また、使っているうちに色が変化して行き、独特の味が出る特性があり、この点を好む人も多く、最近では人気が高まっています。

 ブライドルレザーはイギリスが発祥で、タンナーやブライドルレザーを製品を製作するメーカーもイギリスに多く見られます。
 タンナーとしては、イギリスの「 J&E SEDGWICK社 」と「 メトロポリタン社 」が「 ホワイトハウスコックス 」に革を納めており有名。
 「 グレンロイヤル 」を展開する「 チェッカーレザー社 」も自身でブライドルレザーをなめしている様。
 また、「 クレイトン社 (傘下のSamuel Sharp社の製造?)」のブライドルレザーもよく使われているようです。


○ブッテーロ

イタリア植物タンニンなめし協会 認定革。
 イタリア トスカーナー地方のタンナーで、成牛皮にタンニン鞣しを施した高級牛革で、分類上、ヌメ革の1種と言えます。
 鞣し染めの技法が用いられ、加脂も施すようでオイルレザーでもあります。
 丈夫な革で本来の用途は馬の鞍。
 独特の染色技法や成牛のショルダー部分のトラ(シワ)をそのまま生かす手法も特徴と言えます。

 発色が美しく、独特のムラ感があり、しっとりとした手触りでヌメ革ですので当然、エンジングも楽しめます。
 とても丈夫ですが、(特にエイジング前は)表面は柔らかく傷付きやすいの注意が必要です。

 フィレンツェのタンナー「ワラピエ社」が製造。


 ○ブルガロ

イタリア植物タンニンなめし協会 認定革。
 イタリアのサンタクローチェ地方に伝わるバケッタ製法と呼ばれる牛脚脂を加脂する手法が用いられ、
 手鞣し・手染めで仕上げたタンニン鞣しのオイルレザーです。

 ステアを原料皮とし、時間をかけて加脂を施し加工されます。

 手触りは柔らかめで、表面はキズが付き易く、色落ちすることもありますが、エンジングが楽しめ、使い込むほどに風合いが増す素材です。

 製造は「 ロ・スティバレ社 」。


○ミネルバ・リスシオ

イタリア植物タンニンなめし協会 認定革。

 ステアのショルダー(肩部分)を原料皮とし、時間をかけて手鞣し・手染め・牛脚油の加脂を施し加工されます。
 手触りは柔らかめで、表面は傷付き易い。

 製造は、フィレンツェの「バルラッシ・カルロ社」。


○ミネルバ・ボックス

イタリア植物タンニンなめし協会 認定革。
 製法は、基本的にミネルバ・リスシオと同じですが、こちらはシュリンク(しわ)加工が施されています。

 ステアのショルダー(肩部分)を原料皮とし、時間をかけて手鞣し・手染め・牛脚油の加脂を施し加工されます。

 製造は、フィレンツェの「バルラッシ・カルロ社」。

 シュリンク加工を施した表面の風合いが特徴で、ミネルバ・リスシオの特性も合わせ持っており、表面はキズが付き易く注意が必要
 です。


 ○ラティーゴ

 牛革をタンニンなめしし、オイルやグリースを加えたオイルレザーです。
 本来は、馬の鞍などに使われていたようです。
 日本では HERZ の製品に使われていますね。
 硬めのハードタイプの他、揉みを加えたソフトタイプもあります。
 発色は綺麗とは言いがたいのですが、ハンドクラフト風の素朴な味わい出るのが魅力です。
 アメリカ西海岸が発祥の革のようで、起源は西部開拓時代ともネイティブアメリカンとも言われよく分かりません。
 そもそも「ラティーゴ」は、商品名と言うより、製法名なのかもしれません。


●サドルレザー

 ヌメ革の一種。
 その名の通り、本来は馬の鞍に使われる原料革を指します。
 ステアハイドを植物タンニンになめした牛革で、加脂が施されることも。
 (本来は、厚手の原皮を時間を掛けてピット槽でなめす。)
 仕上げにグレイジングが施され銀面に光沢が与えられます。

 サドルレザーと称していても製法は様々で、本来のサドルレザーとは大きくかけ離れたものもあります。


◆クロムなめし系

 ●ボックス・カーフ

 仔牛(カーフ)を原料とした高級牛革素材。
 「なめらかな革」の意味を持つ。

 クロムなめしが施され、表面はカーフ本来の細かいシボ(しわ)を生かし、アニリン塗料で仕上げられる。

 なめしにかける時間が短く、適度に硬さやはりがある。キズが少なく均一に整ったキメの細かい肌合いが特徴。

 イタリアの「ブレンダボックス」などの革もボックスカーフに分類される。


 ○マローカーフ

 フランスの「 デュプイ社 」が製造するボックスカーフ。
 このタンナーは、スーパーブランドにも革を供給しています。


 ●グローブレザー(コンチネンタルレザー)

 本来、手袋用に用いられていた牛革を指す。
 一般的には、野球のグラブに使われる牛革のこと。
 ステアハイドをクロムなめしし、オイルを多く含ませて仕上げています。
 柔らかく、しなやかで、丈夫という特徴があります。


 ○チェルケス

 仔牛(カーフ)をクローム鞣しし、セミアニリン仕上げが施されたもの。
 表面に細かい型押しが施されており、傷つき難いようになっています。
 製造はフランスの「 デュプイ社 」。


◆オイル(ド)レザー

オイルをなじませた牛革の総称。
本来、オイルの添加は、なめしの工程の中で行われるが、完成品にオイルを馴染ませたものを含む場合もある。
植物性、動物性オイルや鉱物オイルが使われる。
一口にオイルレザーと言っても、質感は様々。
ブッテーロやミネルバ・ボックスもオイルレザーの一種。


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