がらくた小説館

わがままな男




犯人『金をよこせ』
警察官『いくら欲しい?』
犯人『一億だ』
警察官『わかった用意する』
犯人『逃走の車も用意しろ』
警察官『わかった』
犯人『その後にこの女を解放する』
警察官『わかった』

犯人『まだ用意出来ないのか?』
警察官『大金だからちょっと時間がかかる』
犯人『こいつがどうなってもいいのか』
警察官『急いでいるからもう少し待ってくれ』
犯人『ちっ、腹が減ったから何か食べものをくれ』
警察官『すぐに用意する』
犯人『吉野家の牛丼つゆだくだ』
警察官『今吉野家に牛丼はない。豚丼でもいいか?』
犯人『仕方ないな。早く持ってこい』

 豚丼をほおばる犯人。その隙に捕われていた女性が逃げ出す。途端に犯人が拳銃を構えた。
 警察官も負けじと拳銃を向ける。

犯人『俺を打つのか?』
警察官『待て。落ち着け。銃を下ろすんだ』
犯人『下ろしたら撃つんだろ?』
警察官『馬鹿いうな。いいから下ろせ』
犯人『嫌だ』
 犯人はそう言って銃を離そうとしない。

 そこで警察官は犯人をなだめるように、優しく言った。


 『撃つから撃つな』





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