がらくた小説館

幹事

同窓会の幹事をすることになった。勿論好んでそうなったわけではない。

この前高校時代の恩師にたまたま出会った。そして話の流れからしてそうなっただけなのだ。

だけどなぜ私が!!と思うがこうなっては仕方が無い。 恩師に出会えたことが吉でもあり、その結果が必ずしも吉である保障はどこにもなかったのだ。

かくして私は3年4組の名簿を眺め、片っ端から葉書を送ることにした。 ただ、四人を除いては。

勿論それは嫌いな人間だからというシンプルなものだ。幹事の特権の一部を乱用させてもらったのだ。

そうして待ちに待った!?同窓会は開幕した。

ここで少し自己紹介をしておきたと思う。せめて性別だけでも。私は女だ。そして学生時代は結構もてた。

だが、今はすっかりおばさんである。私がおばさんなのだから、必然的に周りも勿論おっさんおばさんの集まりである。

学生時代の思い出話に華を咲かせて笑顔になるのが何よりの証拠だった。

あの頃は私を取り合って、何人もの男が争っていた。勿論この会の中にもそのメンバーはいる。あれほど憎しみあった宿敵達は、今は仲良く肩を組んで泥酔していた。

時が立つとみんな少しずつ大人になって、それは寂しいことかも知れないが嬉しいことでもあった。

と、すると私はなんてことをしたのだろう。今になって自己嫌悪に襲われた。

「きらい」というだけで私はクラスメート4人を誘わなかったのだ。もういい年齢である私は、同級生の中で一番子供じみたことをしてしまったのだ。

気づくのが遅すぎたではすまない。取り返しがつかないとはこのことを言うのだろう。

私は二次会を一人キャンセルし、帰宅した。なんだかそのままあの場所にいることが、自分自身許せなかったのだ。

そして唯一の罪滅ぼしとして、私は後日その四人にも同窓会の葉書を送った。



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