晴&直 楽しいね♪ part2

晴&直 楽しいね♪ part2

見通しのたてかたについて


『子どもにわかりやすく伝えるために』
~見通しのたてかたについて~

2010年7月17日
『自立して生活するために・・・』
~環境の整理、見通しのたてかたについて~

*当日はパワーポイントを使用しながら発表しています。
 これはその時に使った原稿です。
 写真や動画を想像していただきながら読んでくださいね*


<タイトル>
早速ですが今日は『子どもにわかりやすく伝えるために・見通しのたてかたについて』のことを中心に、家で取り入れている支援の紹介をさせていただきたいと思います。

<はじめに>
子どもたちは***養護学校に通う小学部5年生の男の子の双子です。
晴が兄で直が弟です。

みなさんがお手持ちのレジュメには、イニシャルでの表示とさせていただいております。どうぞご了承ください。

子どもたちは3歳のときに二人とも自閉症スペクトラムと診断されました。
晴は中度・直は重度の知的障害を伴っています。

子どもたちの特徴は、多動が激しく、とても衝動的です。
二人ともパソコンのネットが好きでよく動画を見たり音楽を聴いたりしています。
晴はTVゲームが大好きで良いといえるのか?!マニアともいえるくらいの腕前です。
直は小さなものをチャラチャラというのかパラパラしたりする感触遊びや、積み木の文字を並べたりして遊ぶが好きです。

<視覚支援のはじまり>

そんな子どもたちですが、自閉症だと診断を受けた3歳の時には、超多動というのでしょうか?!少しの時間もジッとしていることができなくて、ごはんを食べたりすることなど、一人では何もできない状態でした。
そして何より困っていたことは言葉が通じないということでした。
これから先どうやって生きていけばいいんやろぅ、ととても悩んでいた時に、当時主治医の先生からカードを使ってコミュニケーションがとれることを教えてもらい、わらをもつかむ思いでやってみました。
始めは当時大好きだったりんごジュースと嫌いだったお茶の2枚のカードから始め、2週間後に初めてこどもがジュースのカードを持ってきてくれた時は、「おかあさんジュースちょだい」「ハイ、どうぞ」と会話ができ、初めて気持ちが通じ合ったようでとてもうれしかったです。

それまでこどもは何もできないと思いこんでいたので、これでなんとかなる、なんとかやっていけるのではないかと思えた瞬間でした。
これが我が家の視覚支援の始まりです。

それからはどうすればこどもに伝わるのか、どうしたらこどもから伝えてくれるようになるのかを考えるようになりました。

自閉症の特性として耳からの情報より、目からの情報の方が理解しやすいことは、みなさんもご存じだと思います。
うちの晴と直もそうです。

ついつい声を掛けて指示してしまうのですが、何回教えても反応が鈍く、この子にはまだ難しいことなのかな?!と思ったことでも、絵で見せて教えるとスグに行動できることもありました。
やはり言葉だけやと伝わってなかったんやなぁ~絵や文字だとわかるんやなぁ~と思ったことが何度もありました。

色々なタイプのお子さんがおられるので、「これやったらできそうやなぁ~」とか、「これはまだちょっと難しいなぁ~」など感じられると思いますが、今日はこんなやりかたや方法があるんだなぁ~と知ってもらえたらなぁと思います。

家の中ではほっこりと過ごして欲しい、そして自分で理解して行動ができるようになってもらいたいと思い、活動がしやすいようまた少しでも子どもたちのストレスが減らせればと、わかりやすい絵や写真、文字を使って支援をしています。

今日はその様子を紹介させていただきます

<構造化・玄関>
まずはじめにここは玄関です。

帰宅したら靴を片付けるのですが、げた箱を開けて片付けることやたくさんの中から自分の靴を探すのが難しいようなので、大人に指示されなくてもどこに片付けたらいいのか場所がハッキリわかりわかるよう、百均で購入した靴入れを使っています。
上着も自分でどこに片付けたらよいのかわかるようフックに名前を書いています。

晴はハンガーに掛けられるよう練習をしていたので、ハンガーに1,2,3とテープを貼って記しています。

<構造化・部屋>
続いて部屋です。

晴と直の性格が違うので4年生から各々の部屋を持っています。
それぞれの部屋の前に、ここは誰の部屋なのかがわかりやすいよう写真と文字で示しています。

右側は晴の部屋のテレビで、晴はTVゲームをしていて、上手くいかないとよく腹を立てていることがあり、そんなときに他のゲームをしたらいいよ、怒ったり泣いたり暴れたりするのは格好悪いよ、ということを○と×を使って教えています。

<構造化・脱衣所>
次にお風呂の脱衣所です。
子どもたちはお風呂から上がってくると当然のことのように「さぁ拭いて!」と両手を軽く上げて求めていました。
「それではアカンやろぅ」と思い、自分で拭いてパジャマを着て脱衣所から出てこられるように、置いてある場所に印をつけたり、動きやすいように工夫をしました。

晴は体の仕上げ拭きが必要な他は一人でできるようになっています。

直はお風呂から上がってくるとスグに着替えがあるので濡れている手で触ってしまいました。
パジャマの上にバスタオルを置いておくことで先に手に取ることができるようになり、体を拭くのはまだ手伝ってもらっていますが、自分でパジャマを持ってコーナーまで行きパジャマを着てでてこられるようになっています。

<ヘルパーさん、父用>
これは家に来てくれているヘルパーさんと父用に作ったものです。
色んな人がバラバラな対応をすると、子どもたちは迷ったり混乱したりしてしまうので、みんなが統一したやりかたで子どもたちと接することができるように、見やすい所に貼っています。
これで私がいなくても安心して対応してもらえるようになったのではないかと思っています。

**ここからはスケジュールに関しての話をさせていただきます**

<スケジュール・保育所>
これは子どもたちが保育所に通っているときに提示していたスケジュールや、その他諸々です。
今から思えば「あれも、これもわかって欲しい」と本当に押し付けの支援でかわいそうなことをしていたなぁ~と思います。
これでは子どもたちは情報量が多くてどこをみたらいいのか?!そこにどんな意図があるのか?!読み取ることができなくてわけがわからなかったと思います。

子どもたちは見通しが持てることでとても落ち着いて過ごすことができますが、見通しが持てなかったりわからなかったりすると、とても不安になるので、スケジュールは大切なものだと思います。

私たちでも一日の予定を言葉で伝えられたらきっと覚えられないし、時間が少し経つとどうだったかな?と心配になったりすることがあります。私たちはまた訊き直すことができますが、子どもたちにはそれができず、わからないままになってしまいます。それでこのように絵や写真をつかった絵カードで提示するととてもわかりやすく伝えることができるようになりました。

<スケジュール・小学部一年・晴>
晴が一年生の時に使っていたスケジュールです。

学校の先生を中心に色々な方に相談させてもらい教えてもらうことができて、スケジュールボードもスッキリしました。
この頃から私も少しずつ支援がわかり始めてきたように思います。

スケジュールは上から下へと一日の流れ活動を提示しています。
晴は絵と文字が理解できていたので絵カードの割合も絵と文字が半々くらいになっています。
見にくいのですが右にはカレンダーを付けています。
晴はどちらでも理解できたのとスペース的なこともあって縦型のものを使っていますが、
カレンダーは左から右へ進む方がわかりやすいと思いますので、そのタイプのカレンダーをおススメします。

<スケジュール・小学部・直>
直が一年生の時に使っていたスケジュールです。

この時の直はまだスケジュールの理解がなく、カードと場所のつながりもわかっていない状態でした。朝起きて今日は学校に行くのか家で遊ぶのか、休日なら車に乗ったもののどこに行くのかもわからず、見通しが全く持てていなかったので、不安な毎日、時間を過ごしていたと思います。

こんな時にはこのように一日の流れではなく次の活動の1枚だけを提示した方がわかりやすかったのだろうと思います。
でもこの時私はこの一日の中の何か一つでも、どれか一つでもピンとくるものがあったらなぁ~つながってくれたらなぁ~という思いがあったのです。

左の写真はそんな親の思いにこたえてくれたとても貴重な写真で、直が初めてスケジュールを見てくれたときのものです。
絵をみているのか何を思ってみているのかはわからなかったのですが、興味をもってみてくれたことがとてもうれしかったのを今でも覚えています。

実はこの日の前日に直の好きな活動があり、それがこの時のスケジュールです。
やらせの写真で後日撮ったものなのですが見てください。

<前日の活動>
この当時大好きだった大型スーパーの『きっずコーナー』に行ったのです。
その日のスケジュールにこの『きっずコーナー』が入っていました。

次の日にスケジュールを見ていたのもこの写真・スケジュールがあるかなぁ~と期待していたのではないかと思っています。

子どもは楽しみな活動があるとスケジュールに興味をもってくれるし、知りたいという気持ちも芽生えてくるのではないかと思いました。

これが一年生が終わる3月頃のことで、二年生の夏にようやく次の活動がわかるようになりました。

<スケジュール・小学部5年>
これは今現在使っているスケジュールです。

<スケジュール・小学部5年・晴>
晴のスケジュールです。

晴はもうほとんど文字だけでも理解ができるようになっています。
時計はデジタルとアナログの両方が読めるようになったので、自分で時間の配分ができたり、調整
しやすいように時間の提示もしています。

カレンダーは、晴が日中一時サービスを受ける時に、その時父や母は何をしているのだろうか?と思ったり、今日は誰と出かけるのか、土曜日お父さんは仕事なのか休みなのか、宿泊の時は誰と一緒なのか、などがとても気になり、知りたいようだったので、家族みんなの予定が記入できるタイプのものを購入して使うようになりました。
今は他の人の予定には興味がなくなり、私も面倒なので記入はしなくなっています。

<スケジュール・小学部5年・直>
直のスケジュールです。

直はその日の活動が理解できるようになったので、明日のことも知りたいだろうと思い提示するようになりました。
カードがたくさんあると見にくいし遊んでしまうこともあるのではないかと、明日の方には透明のシートを重ねていますが、透明ではなく下のカードが見えるくらいの薄い色のシートにした方がわかりやすいだろうなぁ~と思いつつもう一年以上この状態が続いています。

<まきまきカレンダー>
スケジュールボードの上に貼っている横一列で左から右に進んでいくタイプのカレンダーです。
手作りなのですがおめめどうが販売している「巻物カレンダー」を真似て作ったものです。
一番左が今日になるようにしています。
終わった日はハサミで切るか、折っていくか、しています。

今年度のGW前から使い始め、直が『家』の予定がずらりと並んでいるのを見て指さしながらニンマリしていたので、「つかみはOK♪」という手ごたえを感じました。
新しいことを始める時には子どもにとって良い情報、活動にしてあげられるようにすることが大切だなぁ~と思いました。

保育所の時には巻物カレンダーを購入し、私が折りながら使っていたのですが、私が折るのを忘れていると晴樹が自分で折っていたのを見て、「できるんや~」と知り、その日以降は晴の役目になりました。
直にもそんな日がくるのかなぁ~とひそかに願っているところです。

**ここからはワークシステムに関しての話をさせていただきます**

<ワークシステム>
子どもたちはとても注意散漫で目に入ると衝動的に動いてしまうタイプの子たちなので、机と棚以外は何も置いていないシンプルな部屋を勉強部屋にしました。そこで課題や勉強、登下校時の準備や後片付けなどをしています。

課題の後はヘルパーさんと近所のコンビニや公園に行くという楽しみなことがあるのでそれを励みにしていると思います。

出かける場所は晴は事前に決めていたり、その時にヘルパーさんと相談したりしています。
直はコンビニ・公園・神社など選択肢の中から自分で選んで決めています。

<ワーク・晴>
二年くらい前に撮ったもので、晴が課題をして出かける所までのビデオを見て頂きます。

机の上に貼ってあるカードの順番に課題をしていきます。
二人の絵のカードは大人と一緒にする課題でまだ一人でするのは難しいものです。
虫の絵カードは晴が一人する課題で大人は手伝わなくても、ひとりでできるやりきれる自立課題です。
課題が終わったら棚に戻し、全てできたら、「終わりました♪」と大人に伝えてスケジュールに戻り、ヘルパーさんと出かけていきます。

では、見てください。

→ビデオ

課題が終わって大人に「終わりました!」と報告し受け取っているカードはトランジションカードといって「スケジュールに戻りましょう」という意味のあるカードです。

<ワーク・直>
直も晴と同じです。机の上のカードと棚をみて自分で今日の課題や量、終りの情報を得て、自分で判断して活動しています。

その様子のビデオを見てください。

<休憩>
ここでちょっと休憩タイムです。

みなさんにお時間をいただき、少しお話をさせていただきたいと思います。
突然ですが、みなさんは気分転換などされていますでしょうか?
子育てでそれどころじゃない、とおっしゃるかとは思いますが、子育てには欠かせないことだと思っています。

こういう学習会に参加され支援の知識を得られるのもとても大事なことだと思うのですが、同時に仲間作りの場になればいいのになぁとも思います。
悩み事だけではなく普通にする会話も、共有できたり共感できたりする仲間がいると、会って話をするだけでホッとできたり、また頑張ろうと思えたり、気持がリフレッシュされたりします。
気の合う人や味方になってくれる人など仲間をドンドン増やしていってください。

それとよく感じるのですが、私たち親が子どもにしてあげられることって本当に少ないですよね、
自閉症を治してあげたり、代わってあげるなんてことはできません。
その親ができる少ないことの中の支援があると思うのです。

先日門先生が「構造化はこちらからのコミュニケーション」とおしゃったことと、
養護学校勤務の先生で息子さんが自閉症児なのですが、その先生が「構造化はマナー・エチケットだ」とおっしゃったのもとても印象に残っています。
支援の中でもこの構造化が一番はじめにできることで、どこのご家庭でもできると思います。
子どもたちだけでなく、家族みんなが過ごしやすくなるのと思いますので、おススメしたいです。

子どもが楽に過ごせるようになると親も楽になります。
親が失敗をすると子どもにも迷惑をかけてしまいますが、運命共同体です!無駄にはしないからね、と、あきらめたり怖がったりせず、学校の先生と相談したりしてまた別の支援を考えるようにし、子どもとともに親も成長していけたらと思っています。

支援には準備が必要で手間と時間がかかり面倒に思うこともありましたが、視覚支援をすることで子どもたちは何をすればよいのか自分自身で理解して行動ができるようになり、落ち着いて過ごせるようになったなぁと実感しています。
またそうすることで子どもたちの成長も促せたのではないかと思っています。
今を大事に過ごし、いい経験を積み重ね将来に活かしてもらいたいと願っています。

みなさんも今日は色々とお忙しい中この学習会に参加されておられると思います。
何か一つでも持ち帰っていただき実践されたら実りある学習会だったと思っていただけるのではないか、そうあってもらいたいなぁと思います。

では、話を戻しまして、支援グッズの紹介などをさせていただきたいと思います

<支援グッズの紹介>
最近は手ごろな価格で支援グッズが販売されていたり、インターネットで無料で絵カードが配信されていたりするので、用意をする手間がずいぶん省けるようになったのではないかと思います。
お手持ちのレジュメにも載せてもらっていますので、お時間があるときにでも是非ネットで検索してみてください。

インターネットのWebで検索してください。
【販売】
・アドプラス
    ・おめめどう
    ・アクセスインターナショナル
 【絵カード】
    ・絵カードのおうち
    ・絵カード館
    ・障害児教育支援機器情報→フリーシンボル素材
    ・教育用画像素材集→基本語彙、シンボル
 【課題作り】
    ・富屋特別支援学校
    ・ゆうゆうセンター
欲しい絵がある場合は、インターネットの画像で検索してみてください。
いろんなイメージが出てきますよ。
 例えば、『りんご』『音楽』『夏』『走る』など
情報を絞り込みたいときには、一コマあけて『イラスト』と入力するのがおススメです。
 『りんご イラスト』という感じです。色んなイメージのりんごの絵がでてくると思います。

<ご静聴ありがとうございました>

障害の特性や支援のやりかたを知ることはとても大事なことだと思います。
私もまだまだできていないのですが、そのことを知ったうえで、子どもの気持ちを考えたり、子どもの気持ちに寄り添ったり、また同じ視点に立つことを大切にして支援をしていたらと思っています。
これからも今できることを子どもたちにはしていきたいと思っていますし、時間の隙を狙って仲間と食事に行ったり、趣味の手芸をしたり、私自身の生活も楽しんで過ごしていきたいと思っています。
どの子も必ず成長しますので、安心して今しかできない子育てを楽しんでください。
今日は最後までおつきあいくださりありがとうございました。



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