マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2010.02.18
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 味噌パワーを見よ 

 33km辺りでコースは右折。道理で折り返し点が見えなかった訳だ。チョコレートの残りを食べながら下っていると、M井さんの姿が見えた。差は1.5kmほどか。33.8km地点の「いわき市企業交流会館」前が第2折り返し点。ここで水を飲み、自前のアンパンを食べ、小さな袋を破って味噌汁の素を舐める。そしてトイレへ。

 これが良かったのだろう。俄然パワーが出た。道端に「たい焼き君」が座り込んでいる。どうやら被り物の暑さに耐えられなくなったようだ。人間にとって重要な頭部は発汗によって適度の温度が保たれている。それをゴム製の被り物で被ってしまったら苦しくなるのは当然のこと。

 緩い坂道を歌を歌って登る。歌は「泳げたい焼き君」。毎日毎日ボクらは鉄板の 上で焼かれて嫌になっちゃうよ ある朝ボクは店のおじさんと けんかして海に逃げ込んだのさ 初めて泳いだ海の底 とっても気持が良いもんだ おなかのアンコが重いけど 海は広いぜ心もはずむ (オウ!)七色サンゴが手を振って ボクの泳ぎを眺めていたよ

 これがなかなか走りのリズムに良く合う。往路のK藤さんが私を見つけてくれた。ほとんど疲れを感じさせないにこやかな彼女。続いて若い女性と一緒の明走会のM井会長。「何でそんなとこ走ってるの~!」とエール。スピードランナーの彼が遅かったのは、初フルの会員をサポートしていたからのようだ。続いて「南仙台」の半袖Tシャツ発見。「S木弟頑張れ~!」とハイタッチ。淡々と走るY広さんは見つかったが、E名さんの姿がない。

 角を曲がった地点が35km。タイムは3時間42分台。先刻の折り返し点でゆっくりしたため、もう4時間半を切るのは難しいかも知れない。だが脚は痙攣もせずに何とか持っている。頑張って最後の坂を登り切ると残りは下り。歌でリズムを取りペースを上げる。37.3km地点の給水所で水。そしてスタッフの人に第3折り返し点までの距離を尋ねる。

 返って来た答えは500m。すると再び折り返した地点が39kmだから、ゴールまでの残りは約3kmと計算。折り返して来たM井さんに「毎度!」とエールを送る。差は先ほどより少し縮まって800mくらいか。ひょっとしたら追い着けるかも知れない。最後の折り返しから急いでUターン。「泳げたい焼き君」を歌いながらのラストスパートに、驚いて振り返るランナー達。

 海が近いせいか風が冷たい。帽子を被り腕まくりした袖を直す。みなと運動公園を左折した時、懸命に走るA山さんが往路に。思わず彼の名を呼ぶ。深夜の2時まで勤務し、全く寝ないでマラソンに来た彼は70過ぎ。かなり疲労してるはずなのに良く頑張っている。40km地点を4時間17分ちょっとで通過。残り2.2kmを13分で走るのはきつい。前方に銅屑の巨大なボタ山が見え出した。高さ25mほどの頂上には真っ白な雪も。

 最後の角を曲がったところで後ろから声。夢中で走ってる間にM井さんを抜いたようだ。追い駆ける彼に「4時間半を切るから」と言うと、「僕は36分で良いです」と遅れ出す。歌が文部省歌に変わった。狭霧消ゆる港への 道に白し朝の霜 ただ水鳥の声はして 未だ覚めず岸の家 呼吸が苦しいのか、歌が切れ切れになる。

 ここまでは1km毎の表示があったのに、どうした訳か残り1kmの表示が見つからない。道路脇のスタッフの方にゴールまでの距離を聞くと500mとのこと。時間は4時間26分を過ぎている。果たして間に合うか分からないが、意識してストライドを伸ばす。アクアマリンパークの中にゴールのアーチが見えた。2人ほど抜いてゴールへ飛び込む。4時間29分38秒。念願の4時間半切りを何とか達成出来た。<続く>   





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Last updated  2010.02.20 15:02:41
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