マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2010.02.25
XML
 少し前の新聞に東アジアや東南アジアに住む人がどこから来たかの調査結果が載った。日本や中国など10カ国からなる国際研究チームが、アジアの73民族・集団を6万箇所、約2千人について遺伝情報を調査・解析し、特徴を比較した結果、遺伝的な多様性は南に住む民族の方が大きく、北へ行くほど小さくなることが分かったようだ。



 現在のインドから東南アジアや東アジアの諸民族の共通の祖先がタイ、マレーシア、インドネシアに入ったのは今から数万年前のこと。長い旅を続けて色んな場所に落ち着いたのだろう。そして、凍結したベーリング海峡を通って、モンゴロイドが北米大陸や南米大陸へ移動したと言うのがこれまでの定説だった。

 最近、デンマークなどの国際研究チームがグリーンランド西部の永久凍土で見つかった約4千年前の男性の頭髪を分析し、遺伝情報の79%解読に成功。これをアジア、アメリカなど35地域の住民の遺伝子と比較した結果、ベーリング海峡を挟んだロシア極東地域に住むアジア系住民のものと最も似ていることが判明。彼らの祖先がグリーンランドへ移住したのは5500年前とのこと。これも同じく「ネーチャー」に発表された由。なるほど、ここまでは良かった。

 ところがギッチョン。何と約3500年前の南米インディオのミイラから「ズビニ鉤虫」が見つかった由。この寄生虫は温・熱帯アジアが原産のもので、寄生主の人間が摂氏5度以下の土地で2年以上暮らすと、死滅する性質を有する由。となれば、厳寒期のベーリング海峡を渡って南米大陸に達することはとても不可能。つまり、温暖な太平洋を航海して南米大陸へ渡ったモンゴロイドがいなければそんなことは起きないのだ。

 たとえアウトリガー(艇を安定させるため左右に付けられた補助装置)を持ったカヌーで渡ったとしてもその大きさはたかが知れており、積める水や食料の量は限られるだろう。それにインディオの祖先になるには、ある程度の数の男女が渡航する必要があると思うのだが、一体彼らはどんな方法で、そして何のために危険を冒してまで大海原を漕ぎ渡って行ったのだろう。もちろん南太平洋の島々には、古くから竹と貝を組み合わせて作った「海図」がある。竹は海流の方向と距離を、そして貝は点在する島を表すのだが。<続く>






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2010.02.25 15:41:03
コメント(2) | コメントを書く
[考古学・日本古代史] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR


© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: