マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2012.11.11
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カテゴリ: 読書


 『新平家物語』の登場人物は多彩。平清盛とその一族、木曽義仲、源義経、源頼朝などが次々に興り、そして死んで行く。彼らの背後で常に政略を画策していた法王後白河院もその1人。作者が拵えた架空の人物もいた。町医者の阿部麻鳥。商人の朱鼻の伴ト。奥州の金売り吉次などがそうだ。小説は青年清盛が京の市場をうろつく場面から始まり、麻鳥夫妻が吉野山で花見をし、過去を振り返る場面で終わる。

 滔々たる歴史の流れに浮かんでは消える何人もの人々。小説を書き終えた作者は、「主人公はそれらの人ではなく、歴史の流れそのもの」だと言う。なるほど、歴史の流れが主人公なら良く分かる。盛者必衰、諸行無常の世界だ。それにしてもこれだけの長い小説を、良く書けたと思う。新聞への連載は7年以上にも及び、その間体調を崩して休載した時もあったらしい。

 登場人物に対する作者の目は実に厳しく、そして優しい。良くこれだけの愛情と観察を持って人間を捉えられるものだ。吉川英治の人物の大きさがとても良く分かる作品だった。次は山岡荘八の代表作『徳川家康』全26巻に挑戦する予定。きっと読了までには1年を要すると覚悟を決めている。ここ3年ほど私は歴史小説ばかり読み続けて来た。小説からも歴史を学べると信じてのことだが、いよいよその集大成かも知れない。

 その前に今は一旦小休止して村上春樹の『風の歌を聴け』を読んでいる。ノーベル賞候補作家の小説で「お口直し」をする訳だ。現代が対象だし、文体がこれまで読んだものとは丸きり違うので、とても新鮮。まるでマチスの絵を観るような感じだ。彼の小説は古本5冊と新刊書1冊が座右にあるが、多分1カ月ほどで読み終えると思う。その後がいよいよ『徳川家康』の出番。心して臨みたいと思う。

この文章は本日2度目。最初に2時間以上かかって書いたものが、最後の最後に一瞬で消滅。気を取り直して再び書いたものの、内容は全く違ってしまいました。う~む残念。何とかなりませんかねえ楽天ブログ!!





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Last updated  2012.11.11 09:02:22
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