[救急外来2]



[救急外来2] 

私がボォーっとしていると、医師がきた。手にはゴムの手袋。
「縫うので麻酔かけます。その前に消毒します」「はい」
傷口に掛かっていた布が外され、腕でベチャベチャする音が聞こえてきた。
そこでまた医師は席をはずした。看護士に指示を出しているようだ。
私はこんなに深い傷口が見れるのは最後だと思い、頭を起した。
だが頭は持ち上がらず、仕方がないので腕を上げた。
しかし傷口は消毒薬で茶色になっていて、何が何やら判らず。
しかも私は視力が悪く、細部まで見る事は出来なかった。
笑わずに居られなかった。思い通りにならない。
切り過ぎて病院のお世話になったのもそうだし、
自分の視力が弱くて最後に傷口も見れない始末。
大バカも良い所だ。間抜けな自分に笑えた。
声を上げて笑ってしまったので、変な人だと思われ、
すぐさま医師に「今なにかしました!?」と詰問された。
「いいえ何も」(自分の傷見たかったんですけど、見れませんでした)
「動かしたら駄目ですよ。何もしないで下さい!」「はいすみません」
それからは医師が席を外す時はつねに看護士が私を監視していた。
「今から麻酔うちますから。痛いですよこれは」
知っている。麻酔注射は痛い。長く感じる。しかも私は注射は嫌いだ。
「その前にこれ太ももに付けたいんですけど」
と言われ湿布の大きいのに管のついた物を看護士が持ってきた。
(それなんですか?)
と聞く余裕もなくGパンをおろして、太ももにその機械を貼った。
刺す前の予告「痛いですよ」針が刺さった。本当に痛い。
(うぅ~~うっ)子供だったら泣くな!と考えているうちに、
先に刺した所から痛みが消えていくのが判る。
終わってすぐ、傷口全体の痛みは消えた。痛みから解放され天井を見ていたら、
ジュジュッジュジュと音が。肉を焼いているような音。
顔を少し上げると傷口から煙が出ていた。
「血管も切れていたので焼いて出血止めてます」との説明。
痛くはないが音と煙にビビル。暫くして音がしなくなった。
「じゃ縫いますね」「はい」
また席を離れ看護士に指示を出す。
いつになったら帰れるのだろう、早く終わって帰りたいと考えていた。
もう疲れた。起きているのも辛かった・・・




[救急外来3]





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