子育てヒント本



 ☆彡 コミック

 〇「たたかえ!お母さん」「B級ママでいこう」
                        たかはまこ 

 あまり本屋さんでは見かけないのですが、子育て中の人ならゼッタイ共感できます。出産から「寝てくれない!」悩み。「食べてくれない」悩み、「アトピー」や「子どものヘンなシュミ」「兄妹げんか」「お友達との関係」「子連れの外食」などなど・・・。お母さんがたいていぶつかる様々な壁を、作者のたかはさん一家が明るく、ズボラに乗り越えてくれます。「B級・・・」の法はこの続編で出版社がかわっていますが、登場人物やマンガのスタンスは同じ。かるみんはこのコミックがなくてインターネットで取り寄せたくらい。
 優等生でないママがいい味出してます。

 ☆彡 文庫本

 〇「子どもを幸福にする愛 辛くする愛 “こころ”を育てる心理学」
                加藤諦三   青春出版社 543円+税

 日々の子育て、はたして自分の子育てはこれでいいのだろうか。母親は常に悩んでいます。教育現場で出会った「いいこ」の破綻。親には気を使うが、教師や友人の前では傍若無人にふるまう子、虐待の傷が「不登校」の形ででてきても、親に気持ちを伝えられない子。・・・そして自分がつい子どもたちに向けてしまう言葉や態度をじっくり振り返れる本。言い当てられてグサッとくることもあるけれど、加藤さん自身が辛い少年・青年時代を送ってこられたため、その経験も含まれているのだと思われます。
 反省したからといってまた同じ失敗をしてしまいがちだけれど、やっぱりこの本を読むのと読まないのでは、将来の子どもに大きく関わるように思います。



  ○「ワーキングマザーと子どもたち」  

                 久田 恵  ちくま文庫  600円+税

著者の久田恵さんは、シングルマザーであった。だからこそ、一つ一つのエピソード(子どもの立場から書かれたものも多い)がそれはもう、リアルなのである。
ワーキングマザーは、仕事などで充実している人も多いかもしれないが、子育てについては、ちょっとしたことでも心が大きく揺れ動く。子どもの病気。子どもの表情や、ひとこと。朝、「保育園に行きたくない」と泣かれること・・・。
保育士さんや学校の先生からの鋭いひとこと。周囲からのちょっとした言葉。子どものことで休んだ次の日の職場の雰囲気・・・。

朝7時半から子どもを預け、高速道路を使って1時間の職場へ車を運転している間も、時間との戦いだった。10数年間よく事故を起こさなかったことだと、今では奇跡のように思い返す。

お迎えは2年ほど前までは最高に延長しても6時だった。私学の中高等学校の教師という仕事上、5時に職場を出るなんて、ありえない話。10時まで残って仕事をしても、また明け方4時に起きて続きをする日も珍しくなかった。

子どもたちに「お母さん、今日何時に来るの」と言われたときにはショックだった。私は「来る」人間だと思われている。でも、それが当然なほど、子育てはオットが中心にならざるを得ない働き方だった。

後半はオットの仕事も忙しくなり、職場で平謝りしながら、車で職場を飛び出した。時計をチラチラ見つつ、保育園にはいつもギリギリのお迎え。ある時覆面パトカーにつかまってしまった時には、本当に泣きたくなった。

頼れる人は誰もいない。オットか私が迎えに行かないといけないのだ。子どもたちはどんなに不安だろう。悪かったのは私なのだが、悔し涙が出た。

そんな毎日のワーキングマザーの涙が、この本にはいっぱい詰まっている。愚痴を言えば「じゃあ、やめれば」なんて言われたり、自分の気持ちを分かってくれる人はいない・・・。、と思っている人、「ここにすべてをわかってくれる人がいる」と心から思えます。(私はオットも職場もものすごく理解して協力してくれたけれど、それでも追い詰められていました)シングルマザーなら、なおさら、ですよね。


一つ目の「天丼」という文庫本でわずか5ページのお話で、涙が止まらなかったくらいだから。

解説の杉山由美子さんも「オアシス見つけた」と書いていらっしゃいます。

解説の一部を抜粋してみます。
「時計を気にし息をきらして駆けつけた保育園へのお迎え。病気の子を一人家に置いて出掛け、何度も家へ電話をかけた日々、「仕事と子どものどちらが大事なんですか」と詰問されたこと。
あの日あの時、働く母親を支えたのは、子どもの健気な姿と笑顔。この子どもたちのさびしさ、悲しさ、喜び・・・さまざまな心の内面をさわやかに共感をこめて描く。」

暗い話ばかりではありません。読み終わったときには、力が湧いてくる本です。



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