日々云々。

日々云々。

苗字


あたしはなかなか彼のことを名前で呼べなかった。
普段、先輩という立場の彼は
どうしてもつい仕事の延長線上にいるようで
あたしはなかなか名前を言い出せずにいた。

そのことが彼はどうしても気になるようで
プライベートでは散々言われてはいたのです・・・






とうとう、怒っちゃいました、怒らせちゃいました。
それでも言えないあたしです。

「いい加減にしないか、ここは会社じゃないんだから」
「何でそこまでこだわるの?」
「お前は俺と同じ名字になってもそう呼ぶつもりか?」

・・・あたしは一瞬固まってしまいました。
何、それ?
なんか大事なことすっ飛ばしてやいませんか?
あたしはあなたから重大な台詞を聞いていないんですけど。
それなのにしっかりしているようでやはり天然な人なのです。

「あ、あの・・・それって、どういう意味で言ってるんですか?」
「・・・?何がだ?」
「あたしの名字が変るってどういうことですか?」
「つ、つまり・・その・・なんだ」

やっと気が付いた鈍感の上に『超』がつくあなた。
あたしは、笑ってこう答えた
「その時が来たらちゃんと言いますからご心配なく!
それより1番大事なこと忘れていたら元も子もないんじゃない?」



あたしはこの日あなたから一生忘れることのない言葉をもらった。





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