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この間発表されました。日本国内で体外受精によって生まれた子供は、平成15年には1万5223人(前年比15.7%増)で、日本産科婦人科学会が調査を始めた1986年以来の累計が10万189人に達したことが調査により分かりました。これは出生数(約115万人)の1.3%に当たります。30人学級が3クラスあれば1人は体外受精児という計算になります。この間セミナーに行ってきたので忘れないうちに書いておこうと思います。もし赤ちゃんができなかったら、不妊治療をするわけですが、タイミング方などでできないときには、排卵誘発剤による治療→人工授精(AHI)→体外受精(IVF)→細胞質内精子注入(ICSI)が行われます。今回はそのEBMについて聞いてきました。クロミッドやHMGによる治療では80%の人が4周期までに妊娠率する。AHIによる妊娠率は2.9~9.2%(平均7.5%)、80%以上の人が妊娠するのに7周期かかる、それ以上は行っても成功率に変化がない。精液検査で数が500万運動率10%以下で妊娠にいたる症例はない。IVFは妊娠率21.7%、80%の人が妊娠するのは4周期IVFを行っても13.5%は受精障害である。ICSIでは妊娠率19.9%、5周期までに80%の人が妊娠する。私たちは経験上一つの治療法を6ヶ月続けてだめなら次の治療法を考えます。こんなにはっきりとしたエビデンスを聞いたことはなかったので勉強になりました。薬を4周期使ってだめならAIH、AIHを7周期してだめなら、そそくさとIVFをすすめる、IVF4回しても、受精しないならICSIへということになります。市役所によっては体外授精に補助金を出すところもあるようです。
2005.01.30
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母乳に関して、忘れないうちに書き足しておきたいと思います。風邪をひいたりすると、薬を飲んで授乳をやめてしまうお母さんがおられます。医師にかかっても産婦人科医以外の医師はお乳を中止するように指導することが多いので、お薬はもらったもののどうしようかと迷う人もおられます。お乳をやめている間には、乳腺炎を起こさないように注意しなくてはなりません。また、やめている間におっぱいの出が悪くなる可能性もあります。その間のお乳の手入れは大切です。ですが、飲んだ薬は、飲んだあと徐々に血液や母乳に移行していきます。母乳中の薬の濃度が最高になるのは2~3時間後と考えられていますので、薬を飲む直前あるいは直後に授乳をすれば、赤ちゃんへの影響が少なくできるといわれています。実際のところはお乳をストップしなければいけない薬はそれほど多くありません。便利なページを見つけましたよ。授乳と薬
2005.01.27
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メールで患者様から相談が寄せられました。【今流行の感染性胃腸炎になって、お医者さんにかかっています。薬が出たので、母乳をあげないように、また同じ病気にかかるといけないから母乳をやめるように指示されました。お乳は張るし、やめている間におっぱいの出が悪くなるのではないかと心配している】というご相談でした。同じようなことをおっしゃる方は多いです。まえも風邪をひいたので赤ちゃんにうつったらいけないと思いお乳をやめていますという患者様もおられましたから。日本の新生児死亡率も乳児死亡率も非常に少なく、世界で赤ちゃんが一番死なない国になりました。これは日本の医師が母乳育児に努力したからだと言われています。母乳は便利なもので、その子が必要とする物質を含んだお乳が出るそうです。早産したお母さんからは早産の赤ちゃんに必要な物質を含み、成熟児を生んだお母さんは成熟児に必要な物質を含んだお乳が出ます。お母さんが病気をすると、お母さんがかかった病気の抗体(免疫物資)をお乳から赤ちゃんに与えることによって、赤ちゃんが病気になるのを防ぎます。以前から知られていることですが、産婦人科以外の医師は知らない人が多いのでしょう。すぐにお乳をやめるように指示されます。このことはラ・レーチェリーグのホームページを見ると、アメリカではやっている西ナイルウィルスに感染したお母さんの症例が示されています。♪母乳をあげてかまわないこと♪母乳には、赤ちゃんが同じ病気になることを防ぐ働きがあることをおつたえしました。お薬110番にこんなページがありました。授乳と薬すぐに返事がありましたミルクを飲まないので困ってたが、母乳はよく飲むし、お乳のはりもおさまって助かりました。参考に母乳のページ作りました
2005.01.26
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最近は1歳まで母乳だけでいいというような風潮があって、離乳食をできるだけおくらせたいと思っているお母様もいます。実際のところどうなのか、1歳まで本当にいらないのか、私たちが育児をした時は現在と同じ5ヶ月から開始という方法で育てたが別段不都合はなかったが‥‥私たちの立場から、ではどのように指導するのがベストなのか、ちょっと調べたいことがあったので、新しい離乳食のページを作りながら少し調べてみました。 離乳食へジャンプ子供にはそのときそのときに教えなくても自分でするようになる行動があります。たとえば5ヶ月くらいになると、立つ練習なのでしょうが膝に抱くと足をぴょんぴょんさせる時期があったり、体をのけぞらせてパラシュートのように手足を伸ばしたりします。そして自然にいろんな運動能力を獲得していきます。子供は決して受動的なものではなくて、能動的に反応します。だから離乳食も、始めるのはゆっくりでいいでしょうが、5~6ヶ月になって、よだれが増えて赤ちゃんの消化能力の発育が育ち、大人が食べるのを見て、食べたそうにすれば、はじめる時が来たと考えてよいのではないかと考えています。アメリカ小児科学会が6ヶ月未満の乳児に果汁を与えるべきではないと勧告を出しています。この勧告もよく見てみると、糖分の多い果汁を固形食を与える前の乳児に与えることは、母乳やミルクが果汁に置き換わってしまうことがあり栄養不足になる危険性があること、糖分が多い(果汁は糖分11g/100ml,母乳や人工乳は7g/100ml)果汁は、糖分が小腸で十分吸収しきれずに下痢の原因になることもあるので、わざわざ与えるメリットのない果汁を6ヶ月までの乳児に与える必要はないということです。そして、固形食は4~6ヶ月ではじめられるとしています。以前卒乳ができないというご相談を受けたことがあります。もう1歳半のお子さんです。よくよく事情を聞いてみると、離乳食がぜんぜん進んでいないので、お母さんもつい母乳に頼る→離乳食が進まない→母乳をあげるの繰り返しです。そして、今お母さんは外でもどこでもオッパイをほしがる赤ちゃんに手を焼いて、恥ずかしいので卒乳したいと考えています。それ相応に離乳食ははじめたほうがいいのだなと思った経験です。
2005.01.23
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高血圧は心疾患のおもな危険因子です。成人の血圧は小児期のパターンをなぞる傾向があるため,幼少時の血圧に着目して調査しています。妊娠期間を通じて喫煙していた女性の子供は,喫煙しなかった母親の子供に比べて 5 歳の時の収縮期血圧が約 1 mmHg高くなっていた。妊娠中に禁煙した女性と喫煙を続けた女性を比較すると,禁煙は子供の血圧に対する有害な影響を予防しうることが示唆された。母親の年齢も高血圧と関連し,出産時の年齢が 5 歳上昇すると児の収縮期血圧が0.7mmHg上昇した。6 か月以上の母乳哺育は低い血圧と関連した。そのほか,母親の体重・身長,父親の体重,児の 5 歳時の体重・身長・BMIが血圧と関連していた。心疾患リスクは小児期に決まる妊娠中の禁煙,母乳哺育,家族全員の肥満予防が大事であるということが示されています。妊娠中の喫煙はやっぱりやめましょうね!!
2005.01.22
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妊婦さんに腰痛はつきものです。いつもの調子で、「腰が痛くない人のほうが少ないわよ」などといっていましたが、よく聞くと股関節に問題があるらしい。整形外科の先生に早く子供を生むように言われていると、はてどんな病気なのかしら?よくわからないので尋ねてみた。「妊娠したら診察に来なさいと言われてるの?」「痛みが出るようなら診察に来なさいといわれています」「ほんなら診察受けてきてよ」ですがあまり診察に行きたくなさそうです。行くといつも10枚くらいレントゲン写真を撮るので躊躇していたようです。「先生も心得ているから、妊娠中なら考慮してくれるはずよ」と説得して、受診してもらうことにしました。妊娠とレントゲンはしばしば質問を受ける問題です。おぎゃ献金のホームページに放射線被爆と先天異常のページがあります。ここを見てみると、単純写真などは影響は少ないことがわかります。放射線被爆と先天異常
2005.01.17
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先日ニュースでも報道されましたが、20代の女性のほぼ4人に1人がサプリメントを利用しているのだそうです。最近特に妊婦さんからサプリメントについて相談を受けることが多くなりました。この間も「スピルリナ」というサプリメントについて質問を受けました。正直なところ名前も知らず、サプリメントアドバイザー試験の勉強をした時にも聞いたことのないものでした。見るとちゃんと特定保健用食品のマークはついています。特保マークがついているし、まあ食品ということで大丈夫かなと思いつつも、私が不安げな顔をしたのでしょう、患者様は「やめときます」とおっしゃいます。気になっていたので調べて見ました。<まず百科事典で調べてみました>ラン藻綱ユレモ科の1属で、地球上に最初に出現した原始的な原核生物であるといわれ、その一つを顕微鏡で見ると、らせん状をしているので、ラテン語で「らせん」を意味するスピルリナと名付けられました。細胞糸が規則正しくらせん状に巻くことが特徴です。海にも生育するが淡水産の種類が多い。日本には約10種類の生育が知られています。アフリカのチャド湖の北に点在する天然の炭酸ナトリウムを高濃度に含む小さい湖にはスピルリナの1種が大量に産し、土地の人はケーキにして食べる。このラン藻は藻体の乾燥重量の45~49%に及ぶ多量の蛋白質を含み、光合成によって高い生産性を示す。1970年代に紹介されて以来、その栄養面から注目を浴びた植物プランクトンであり、主にタンパク質やミネラルの優良な供給源として工業化されている。国立健康・栄養研究所のデータベースで調べてみましたが、食物タンパク質、ビタミンB、鉄源として有効であろう ということくらいのようです。そして安全性は・重金属などの不純物がなく、また肝毒性のあるミクロシスチンが含まれていないスピルリナ種を摂取する場合、安全性が示唆されている。しかし、ミクロシスチンを含むものは肝毒性があり、摂取するのは恐らく危険と思われる。小児はさらに感受性が高いため危険である。従って検査されていない製品の摂取は全て避けたほうが良い。 ・妊娠中及び授乳中の安全性については十分な情報がないため、摂取は避けたほうが良い。 ・フェニルケトン尿症の症状を悪化させる可能性は否定できないことから、既往のある人は使用を避けること。特保マークはついていますが、妊婦さんは使用しないほうがいいようです。
2005.01.16
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BCG接種のあとは、きれいになるのに時間がかかります。「そんなものよ」とお答えしたら、安心されますが、意外と気にしているお母さんが多いように思います。今日も電話でご相談がありました。私たちが読む予防接種のガイドラインには次のように記載されています。【BCG接種後10日頃から個々の針痕部位に小さな発赤や膨隆が生じる。その後その部分が化膿することもある。このような変化は接種後1カ月頃で最も強い。やがて個々の針痕部位には痂皮が生じ,3カ月頃までには落屑して小さな瘢痕を残すのみとなる。ときに局所の反応が強く複数の針痕が融合したり,湿潤やびらん面を形成するようなこともある(健康状況調査報告によれば1.6%)。このような時にも局所の清潔を保てば早晩治癒する。このような局所の変化が3カ月を過ぎても治癒しない,あるいはいったん瘢痕化したのちに再度炎症反応を示すことがまれにある。このような強い局所の反応のあった例の一部はのちにケロイドとなることがある。】清潔にしておくだけでいいのですよ。これは異常反応ではなく,BCGがついた証拠です。包帯をしたり,バンソウコウをはったりしないで,そのまま普通に清潔を保ってください。自然になおります。ただし,接種後3カ月を過ぎても接種のあとがジクジクしているようなときは医師に診てもらってください。ついでに予防接種のページ作りました。
2005.01.15
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12月16日付けの米科学誌ニューロンにこんな論文が発表されました。視覚が発達する時期に適度な刺激がないと、脳神経のネットワークづくりに必要な神経細胞の突起が減ることを理化学研究所(埼玉県和光市)のヘンシュ貴雄(たかお)チームリーダーらがマウスで見つけました。視覚の体験によって脳神経の形態が変わることをとらえたのは初めて。チームは「ほかの感覚でも、刺激が脳の正常な発達を促している可能性がある。人でも同じではないか」としている。マウスは生後約20-40日の「視覚の臨界期」に片目を覆って育てると、視覚は失わないものの、遠近感がなくなる。チームは、この時期に片目を覆って育てたマウスの大脳皮質の神経細胞を観察。正常なマウスに比べ、突起が15-40%少ないことを見つけた。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~生まれたときには、120億あるといわれる脳神経細胞の数はそろっていますが、神経間のつながりはごくわずかしかできていません。樹状突起をのばして他の神経細胞とのつながり(神経回路網)をつくり、髄鞘化されて神経の伝達速度もスピードアップします。シナプスの数は生後8~15ヶ月に脳のあらゆる場所で最大となります。この時期に脳を働かせると、シナプスが働いて、神経細胞が情報を送れるようになるのです。この時期に適当な刺激を与えてあげると、神経の発達が促されるということですね。
2005.01.13
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この間から子供に感染性胃腸炎のような病気がはやっています。1日だけ熱が出る子もいますが、熱は出ない子の方が多いです。症状は軽症で嘔吐は1日でおさまります。下痢はもう少し長引く子供が多いように思います。たいがいこんな冬にはやる胃腸炎はロタウィルスかノロウィルスが原因だと言われています。参考までに国立感染症研究所のホームページはこちら ↓感染性胃腸炎子供が嘔吐したときはまず絶飲絶食、嘔吐がおさまったら水分摂取を十分にしてくださいねというのですが、ときどき「お乳以外は何も飲みません。何を飲ませたらいいですか?」と聞かれて、返事につまることがあります。「お白湯は飲みません」とおっしゃいます。「お茶は飲まないの?」「飲ませたことがありません」「果汁は?」「飲ませないほうがいいと思ったので、飲ませていません」「赤ちゃん用のイオン水でも飲ませたらどうなの?」「そうですね、飲ませてみます」ちなみにこの赤ちゃんはもう離乳食を食べている赤ちゃんです。離乳食はできるだけゆっくりしたいと考えておられるお母さんもいらっしゃいます。どう育てるかはお母さんの判断でよいと思います。しかし6ヶ月を過ぎると、子供は熱を出すこともあります。やはりそれ相応のお乳以外のものに慣らせておく必要があるように思います。他にも同じようなことを訴える方がいらっしゃいます。「お茶を飲みません、どうしたらいいですか?」「ほうじ茶や麦茶いろんなお茶があるでしょ、いろいろ試してみては」「そうですね、やってみます」こんな感じです。もっといろいろ積極的に試してみてほしいと思います。このたびの特別養護老人ホームの感染性胃腸炎、大変なことです。ノロウィルスは軽症なものだと思っていたので、びっくりしました。ついでに国立感染症研究所のホームページで調べてみました。 ↓ノロウィルス潜伏期:1~2日乳児から成人まで幅広く感染しますが一般に症状は軽症であり、治療を必要とせずに軽快します。まれに重症化する例もあり、老人や免疫力の低下した乳児では死亡例も報告されています。嘔気、嘔吐、下痢が主症状ですが、腹痛、頭痛、発熱、悪寒、筋痛、咽頭痛などを伴う こともある。ウイルスは、症状が消失した後も3~7日間ほど患者の便中に排出されるため、2次感染に注意が必要です。ノロウイルスはヒトの空腸の上皮細胞に感染して繊毛の委縮と扁平化、さらに 剥離と脱落を引き起こして下痢を起こすらしいことが明らかになっています。しかしながら、このような現象がどのようなメカニズムによるものなのか、その詳細はまだ不明だそうです。この病態を考えると下痢が長引くことがあるのはしょうがないのかしらと思います。ついでに厚生労働省のノロウィルス食中毒の予防に関するQ&A
2005.01.10
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いままで、妊娠中の超音波は赤ちゃんには悪影響はないと思ってはいましたが、このような論文がでてほっとしました。Lancetという雑誌に「ランダム化試験における8年間の追跡調査により、小児の発達に悪影響がないことが証明」という論文がのりました。・・◆・・◆・・◆・・◆・・◆・・◆・・◆・・◆・・◆●妊娠18週-38週の間に超音波画像およびドップラー法による臍動脈血流速度波形の検査を5回実施する群(多回検査群、n=1,490)、●妊娠18週時点で超音波画像検査を1回実施する群(通常検査群、n=1,477)に無作為に割り付けて調査しています。1歳、2歳、3歳、5歳、8歳の時点において、出生時に先天性異常のなかった小児と単胎児を評価し、多回検査群1,362例および通常検査群1,352例が対象となった。追跡調査率は1歳時85%(2,714例中2,310例)、8歳時75%(2,714例中2,042例)であった。1歳時およびそれ以降において、身体サイズの計測値は両群でほぼ同じであった。また、小児期の発語、言語、行動および神経学的発達に関する標準検査では、どの年齢においても有意な悪影響はみられなかった。「妊娠18週以降に出生前超音波検査を繰り返し実施することで、胎児の発育に小規模の影響が及ぶ可能性があるが、その後の小児期には成長が認められ、発達の転帰に関する測定値は、出生前に超音波スキャンを1回しか受けなかった小児とほぼ同じである」と著者らは記している。「今回の試験結果では超音波検査に関する再保証が得られたが、出生前超音波スキャンによる生体への潜在的影響について、さらに研究を実施する必要性が弱まるわけではない。本分野の研究は今後も継続すべきである。また、これらの研究では、最新のパルス・カラードップラー装置を用いたランダム化比較対照試験を実施し、今日の診療で超音波検査が実施される在胎齢の全範囲において検討する必要がある」・・◆・・◆・・◆・・◆・・◆・・◆・・◆・・◆・・胎児の発育に小規模な影響が及ぶ可能性があるなら、不必要な検査はやっぱり極力避けるべきということを覚えておきたいと思います。
2005.01.09
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【ワシントン30日共同】強い心理的なストレスは細胞の老化を早める可能性が高いと、米カリフォルニア大サンフランシスコ校などのチームが30日までに発表した。研究論文が近く、米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載される。 ストレスがさまざまな病気の引き金になることは指摘されていたが、具体的なメカニズムは不明で、同チームは細胞の老化が病気を引き起こす一因とみている。 チームは、病気の子供を介護している母親39人と、健康な子供を持つ母親19人について、免疫にかかわる白血球細胞の核の中にある「テロメア」という部分の長さを調べた。テロメアは細胞が分裂して年を経る度に短くなるため、細胞の老化の一つの目安になる。 介護している母親では、介護期間が長くなるほどテロメアが短かった。また母親全体の中で、調査に対し特に強いストレスを感じていると答えたグループ(14人)は、特に小さいグループ(14人)と比べ、年数に換算して9-17年分もテロメアが短いという結果だった。これは12月にみかけたものです。病気の子供を介護するということがどれほどの苦痛を伴うものであるかということを如実に示しています。子供を介護しているお母さんにとっては、なんと残酷な検査でしょうと思ったのは私だけでしょうか?読んだ時はとても切ない気分になりました。
2005.01.07
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親が夜型だと‥‥ 幼児も夜更かし、募る「イライラ」 ◆親が夜型の生活をしていると、子供も夜型になり、精神状態が不安定になりやすい◆こんな調査結果を、高知大学教育学部の原田哲夫助教授(環境生理学)がこのほど、大津市で開かれた日本時間生物学会学術大会で報告した。親の生活リズムが、子の生活リズムに影響を及ぼしやすいことはこれまでも言われていたが、精神状態にも密接に関連することを示唆する結果となった。昨年高知市内の0~6歳の保育園児役630人を対象に親に答えてもらう形で調べた。午前0時より前に就寝する親の子供は、約9割が午後10時までに寝ていたのに対し、0時以降までおきている親の子供では、2割以上が10時を過ぎてもおきていた。精神状態との関係では、●「ちょっとしたことでもすぐに怒りだす」ことが 「よくある」 「しばしばある」 「たまにある」午前0時より前に就寝する親の子供:約8割午前0時以降までおきている親の子供:約9割●「ふだん気分が落ち込むことがあるか」の問いには 「よくある」 「ときどきある」 「たまにある」午前0時より前に就寝する親の子供:38%午前0時以降までおきている親の子供:45%原田助教授は「昔は夜になると子供を先に寝かせる親が多かったが、最近は若い親を中心に子供との間に時間的な密着が進んでいるようだ」と分析。就寝が0時以降になると、成長ホルモンの分泌が鈍り、大人でもイライラ症状が出やすくなると言われており、親の精神状態が子どもに伝播しているのではないかとみている。(2004年12月24日朝日新聞より)夜更かしがよくないことはよくわかりますが、夜更かししていない子供にも「気分が落ち込むこと」が38%もあるということにちょっとびっくりしています。若いお父さんお母さんには元気にお子さんと接してほしいと思います。
2005.01.06
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受動喫煙の機会が多いと、子供の読解や算数の成績が悪いという研究を米シンシナティ子供病院(オハイオ州)のチームがまとめ米公衆衛生専門誌に発表しました。過去に米政府が実施した健康調査の被験者になった6から16歳の子供でタバコを吸わない4400人を対象にした研究です。血中のニコチン濃度を測定した上で、読解、算数(数学)、論理的思考力、短期記憶力をテストしています。ニコチン濃度が高いと読解、算数(数学)、論理的思考力の点数が低いことが判明しています。ニコチン濃度がきわめて低くても関連ははっきりしています。個別の点数低下はわずかであるが、米国全体で3300万人以上の子供が受動喫煙の害を受けているとみられ、公衆衛生上は重大な問題であると指摘しています。与える影響がわずかであることに救われた気がします。子供の受動喫煙は中耳炎、乳児突然死症候群、喘息との関連が指摘されています。小さなお子様がいるご家庭では、ぜひ禁煙にしてほしいものです。健康を害するだけではなく知的能力にも影響を与えることがわかったわけですからね。
2005.01.05
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