その2。



私達2人とおじさん、その台湾人妻と子供2人、女性ガイドと運転手が
乗り込んだ現地の旅行会社の送迎バスでホテルに向かう。
空港の前は広大な公園になっていて、規則正しく植えられたソテツと
ヤシの木が南国風?な眺め。空港からの道沿いにもヤシの木が植えられ
ていた。まるで伊豆か宮崎みたい。。(^-^;;
天気も良いなぁ。。なんてのんびり景色を眺める余裕ナシ。なんてたっ
てバスの運転が非常に荒い(-"-; 体感速度時速100kmぐらいのスピード
が出てるし、ブレーキは直前にならないと踏まない。。前の座席の背を
掴み、“安全姿勢”で頚椎をヤラれないように守る。
それにしてもこの台湾人妻がべらべら喋り続けて五月蠅い!!
子供の学校の事など、私達にはど~でもいい、同じ事を繰り返しお父さ
んに言っているが、このおじさんもてきと~に生返事をしているので、
私達は何回も何回も同じことを聞くハメになる(怒)
だんだん頭痛がヒドくなってきた。。

飛行機から見た時にも思ったけど、大きく高いビルがたくさん建って
いて、予想してたより都会の様相。決して田舎臭くはなく、ほ~っと
感心するくらい拓けている。

車は街中の広大な湖の横をず~っと走り、やがて海沿いに出る。
台湾人妻のお喋りに押されてほとんど話してなかったガイドさんが右手
を指して「あれがコロンス島です」と言った。
何事も大きく大陸的で、そして美しい光景。
その海沿いの道を少し走ってから巨大な廃墟のような茶色のビルの所を
左折。すぐに「HOLIDAY INN CROWN PLAZA XIAMEN」に着いた。
あと5分そのままバスに乗っていたら、台湾人妻を「ちょっと黙って!」
とぶん殴ってしまっていたかもしれない。。というくらいイライラ最高
潮ちょっと手前、絶妙のタイミングでの到着だった(笑)

ホテルはリッパ。3階くらいまで吹き抜けになったエントランスには赤
と黄色を主にした派手な飾りつけ。フロアの中央には巨大な梅の鉢植え
の周りに金柑の鉢植えが沢山飾ってある。その枝々には縁起のいい言葉
や願い事が書かれた赤い札が飾りつけられている。
その派手さに、入口を入ってすぐに圧倒される。
チェックイン。ガイドのおね~さんはうっかり者なのか、帰りのピック
・アップの時間をこちらが聞くまで言い忘れてた(-.-;
コロンス島の事をきいたら思い出したように地図をくれて、自分の名前
とケータイの番号を書いてくれて去っていった。。。

まず両替。物価が皆目分からないので、まずは2人合わせて1万円を両
替する。約692元になった。
両替のところの表示は「¥100000=6928.8元」となっていて、10万円も
替える人いるんかい!?と驚く。何に使うのそんなに??

部屋は7階の角部屋。ホテル正面を向いた窓からは鎮海路と思明南路の
交わる広い交差点が見える。道を挟んで向かいには岩肌がむき出しにな
っていて、その上に建物が建っている。
なんとなく灰色なくすんだ景色だ。
しばらくだらだらした後、まだまだ明るいので街をうろうろしに行く事
にして、16:30頃ホテルを出る。
鎮海路を渡って、向かいの岩山の一角にちらっと見えた露店みたいな所
をのぞいてみたら、そこは果物屋台で、平台に詰まれた柑橘類や旧正月
用のかごに盛られた果物がにぎやか。でもそこは岩山の上から下りてく
る為の通路に見えるんですけど。。こういうただの通路やビルの階段の
せま~いせま~いスペースに間借りしているお店が街中でも目についた。

思明南路をしばし南下。台湾の街のように1階の通路の上に2階の建物
が張り出したような建て方の建物が続く。麺屋、QQ茶の店、生簀のある
海鮮レストラン等々。小さい家並みがごちゃごちゃ軒を連ね、生活感が
溢れる。年末の大荷物を両手にかかえた人々がたくさん歩いていく。
途中で右に折れて海側へ向かう。
この細道はひっそりしていて、両側に古い作りの集合住宅が続き、更に
生活感に溢れている。5~6階建ての団地の各々の窓には上から下まで
まるで鳥籠のような金属製の格子が嵌められている。これは少し古めで
ちょっとボロボロな集合住宅ならどこの建物のどこの窓も同じようにな
っている。
その窓際に出された鳥籠からは美しいさえずりが、そこここから聞こえ
る。風が無く、暖かい。3月下旬くらいの気温かな?
ものすご~く古いサイドカー付きのバイクとか、すっごい錆びてる自転
車に乗ってる人とか。。。珍しい光景が広がっている。
ふ~ん、と周りをきょろきょろしつつ歩。。きたかったが、足元工事中
の所が続き、また~に嘔吐物も落ちているので、そんなに上ばかり向い
て歩いているとキケンなのだ。。。(-_-;
その道はやがて海沿いの同文路に当る。右に折れて、先刻バスから見え
た海沿いの景色を目指して北へ進む。この辺り、鷺江路に出るまでの間
はずっと道路工事中。小さな商店が軒を連ねているが、年末だからか休
みのところが多い。海側のかなり広い敷地は海軍の学校とか関連施設が
あるみたいで、軍服姿の人が目立つ。校庭で遊ぶ元気な声が響いていた。

鷺江路に合流すると、道路も歩道もきれいで広くなる。
歩く人も自転車の数も増えたが、ちらほら、といった感じ。カゴを下げ
た行商人もいる。のんびり、ゆったり。
左手に海。香港等に行く航路の船が出るターミナルやバスターミナルが
続き、海を隔てて向こうにコロンス島が見える。渡し舟か?何艘もの船
が行き交う活気のある光景。
右手には街並み。ものすごく大きな岩肌を活かしたレストランや、巨石
の上に立てられた小ぢんまりとした寺?に続く、ごちゃごちゃとした古
い家並み。それに並んでピカピカのビルが立ち並ぶ。
発展途上のどこかの地方都市といった雰囲気の、新旧入り乱れた景色。
それにしてもニオイのない街だ。。香港や台湾の裏町で感じたような
ゴミのニオイも何かが発酵しているようなニオイもしない。
ただ排気ガスのニオイだけするがこれはしょうがない。
ある意味クリーンな印象を受けた。

車がすごいスピードでびゅんびゅん行き交う中、それを縫うように道路
を横断する。ある所にはちゃんと横断歩道も信号もあるが、そんなもの
はあまり関係ないと云った勢いで車が行き交う(-"-;
ぼやぼや驚くSに「“歩行者優先”なんて世界中で日本だけなのっ!」
と注意する。車の前に出て轢かれたら自分が悪い。そりゃそうだ。
日本の常識は世界の非常識。小走りに走って無理にでも一遍に道路を渡
ろうとするS。道路途中で立ち止まってもゆっくり渡る中国人風の私。。
自分の感性がすっかりアジアンになってしまっている事をつくづく感じ
た。。。私ってば順応力が高いって事かしら?(-.-;;

群を抜いてピッカピカなビルの横、入り口に岩山を利用したレストラン
がある細道の所に「全統永和豆漿」という文字が見えたので、ふらふら
寄って行く。
この“豆漿”というのは“豆乳”の事、と、台湾で見て知っていた。
豆腐マニアな私は中国の大豆の味が効いた濃くて美味しい豆乳が大好き
なのだ。結構歩いて一休みもしていい頃だし。。と、寄っていったはい
いけれど。。予想に反してそこは小奇麗なファーストフード店みたいな
感じだった(*_*;
入口に立っていた可愛いおね~さんが必死に何か話しかけてくる。
ん~確実に私を中国人と間違えてるなぁ。。(-"-) そう思ったけど、
とりあえずメニュ~も読めそうだし入ってみる。で、その勧誘おね~
ちゃんに英語で「中国語わかりませ~ん」と云う。一瞬目をまん丸にし
て驚きつつも、困った顔のまま席に座れと誘導しメニュ~をくれた。
もちろん中国語オンリーのメニュ~だ。
ここは点心や麺やいろんなものがあるらしい。
心配そうに覗き込むおね~ちゃんの視線を感じつつ、ど~しようか。。
と思ってたらSが「これってアレじゃない?豆腐の。。。」と。
指差す先には“豆花”の文字。これはふわふわ出来たてのお豆腐に、ほ
んのり甘いシロップをかけたモノで、香港辺りでは“豆腐花”とも言う。
それにしよう!と指差して注文。甘いのと甘くないのとあるようだった
が、甘いのが2杯でてくる。1杯4元。
小振りのラーメン丼くらいの大きさのお椀にたっぷりと、ちょっと温か
くフルフルと柔らかい豆腐が入っていた。お湯ははられており、砂糖が
上からかけられている。匙ですくって一口、口に入れると砂糖がジャリ
ジャリいう。大豆のあま~い香りがたっぷりと口中に広がる。
豆腐の味自体がとても美味しいのだ!(*^-^*)
量がとても多かったけど全部平らげる。お腹いっぱい~!
言葉は全然通じなかったけど、おね~さんがいろいろ面倒見てくれて
感謝感謝。満足して店を出る。一休みしたしもう一歩きしよう!

街中の大通り、中山路に出る。メイン通りなだけあって、すごい人が行
き交っていた。年末の買出しといった大荷物を抱えた人々、仲良く手を
繋いで歩くカップルや子供連れ。いろいろな人が歩いている。
ファッションなんかはそんなに日本と変わらない。ただ髪の毛を茶色に
染めてる人が少ないし、パーマかけてる人も少ないかなぁ。。
横道に広がる露店や屋台街を冷やかしつつ、混乱と喧騒の街を彷徨うう
ちに、夕闇が下りてきた。。。

                     その3。に続く。






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