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傷はピンクの線を首に書いたみたいになってます。線の上部分がまだぷっくり腫れているので、隠さないとみっともない状態声もちょっと可笑しいような腫れや引きつりは時間が経てば治るそうです。声は分からないけど、皆は変っていないと言うから、頭蓋骨を響いて自分に聞こえる声だけが可笑しいのかもしれません。私が簡単に考えすぎなのか皆が心配しすぎなのか、退院祝いをあちこちから頂きました。旦那が義母に話してしまって、義母は毎日仏壇に手を合わせて快復を祈っていてくれたとも聞きました。(おまえが一ヶ月は家事をやれ)と旦那に言ってくれたそうです。やってくんないけどね・・・私には心配してるなんてことは言わず、旦那だけ説教してくれる義母は、私にとって素晴らしい姑です。52年間、努力とか辛抱とか無縁だったのに、とても恵まれた環境に居るといえるかも人生は折り合いが取れるようになってると聞くけれど、私の場合は楽ばかりかもしれないです。其の分なにか人のためになることしなきゃいけないとは思います。そんな訳で(勝手にガン友の皆さんに日焼け防止グローブを贈る会)発足です。以前母に頼まれて作った物、ガン友の皆さんは手の甲が黒ずんできたのを隠したいと仰っていたので勝手に作ります。人のためになるかどうかは分かりません。ゴミが増えるだけかもしれないけど、自分が楽しくできて喜んでもらえそうなことと言ったらこれぐらいなんで仕方無い頑張るとか無理するとか修行とかお金使うとか大嫌いなんでねカテゴリーひたすらマカロンはこれで終了です。起承転結のないただの体験談なので、フリーページにしなくて正解でした。最初から読むのが面倒臭いけど、そんな人居ないでしょ。今の私は皺くちゃになるのも病気になるのも怖くない気がするし、どんな場合も笑っていられる気もするので、これからは白寿目指して、迫力のある図々しいババアになるべく生きていきます。今もそんな感じだけどね・・・・・
2012.05.25
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退院は明日でも明後日でも良いといわれた理由が退院してから分かりました。入院中より気分が悪い空腹は感じるけど食べたい物が浮かばないし、手足に重りを付けているみたいですぐ疲れる。帰ったら家事を頑張ろうと思っていたけど、体が動かない家にいても透けパジャマのまま夕食は旦那が惣菜を買ってきてくれるが、揚げ物ばかりで食欲湧かないもう少し頭使えと言いたいが言える訳が無い旦那と息子は私が退院したことでほっとしているのが分かるやたら明るくて家事から解放されたことを喜んでいる。それに比べて娘はなにかと気遣ってくれて、頼まなくても出来ることはやってくれる。生まれた時はあまりにブサイクなんで、可哀想な子産んでしまったと思ったけど、成長とともにだいぶましになったし本当に本当に本当に娘が居て良かった。旦那を見るとイラッとするが、娘を見れば幸せだと感じるやっぱり良い方だけを見ていれば、笑っていられるみたい 毎日ベットで チクチク 入院中と 変らない 飾りを 選ぶのが 超楽しい 疲れると 首がじんわり 熱くなって くるけど、 ストレスの無い 作業だから 続行。 フェルトじゃ ないのもある こっちの方が 自分は好き良い暇つぶしになりました。看護婦ちゃん達待っててねぇ~
2012.05.23
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外が明るくなる頃、昨夜忙しそうに走り回っていたピンクちゃんが検温に来る。「 チーフ(師匠)と話が合うとはねぇ」「 なんで〇山さんはピンクちゃんだけのもんじゃないよ」「 だってあの人雑用はやってくれるけど、全然動いてくれないんだもん」ぷぷぷなんか分かる頭の中はいつもなに作るか考えているんじゃないかな、〇山さんに免じて師匠を許しておくれ、分かる人には分かるすごい人なんだから私の退院前に帰ると言うのでマカロン先に選ばせてあげる、決めていたのがあった様子ピンクのをポケットにしまうとそこをポンポンと叩いて 「 大事にするね」こんなもんで喜んでもらえるのは嬉しいよお世話になりました。退院したら暫く休みだからもっと沢山作って持ってくるとピンクちゃんと約束する。 大きさ色々 全部で こんだけ 欲しいって 言ってくれた 人はもっといた からやっぱ 足りない朝食後の回診で退院許可が出て、娘にメール今日退院できれば休みなので来てもらえることになってた。荷物の整理をしていると、また新たな入院患者が来る。まだ30代と思える女性・・・・この人も〇沢さんのガン友でしたこんなに若い人まで・・・・ちょっと胸が痛くなる。首がぷっくり腫れて傷のある私を見ると気の毒そうに 「 どうされたんですか」「 たいした病気じゃないの、グロテスクなもの見せてごめんなさい。」(たいした病気じゃなくてごめんなさい)心で言い直す謝ることじゃないけど・・・そこに別の病室からも今日から入院するガン友だと言う中年の女性が入ってきて、3人のガン友は女子高生のように賑やかにお喋りを始める病気になったがための容姿の悩みも笑いながら話、良い化粧品を教えあってる。それが女と言うものなのだろうか、男性だったらどうなんだろう生きていく限りは元気な方が良いし、楽しい方が良いし、女なら綺麗な方が良い。良い方に心が向いていればどんなことも笑い話に出来るのだろうか・・・・・賑やかな病室に蟹江医師がいつも通り小走りで来て、退院後に注意することを教えてくれるその後すぐ内科の先生も来て次の診察日を相談、なるべく仕事を休まなくて済む日程を頭に人差し指立ててクリクリしながら考えてくれました。色々有難う御座いましたこの病院じゃなかったら一ヶ月休むだけでは済まなかったかも。甲状腺の暴走も治まって、退院してからは薬も飲まなくて良いと言われ清々しい気分になる。10年以上飲み続けた薬をもう飲まなくて良いこれで仕事中にでっかい地震がきて赤ちゃん連れて非難することになっても自分の薬の心配なんかしなくて良いし、ママが迎えに来るまで一週間でも一ヶ月でも待つことが出来る。震災がなければ手術はしなかったと思うけど、52になって一生治らないと思ってた病気を治してもらえて、健康に自信を持って働けるなんて素晴らしいしかも良い出会いが沢山あった、皆さんのガンが消えることを心から祈ります。元気いっぱいで病室を出るのは気が引けてすっぴんで退院するつもりだったけど、綺麗にして元気な顔で出て行くべきだし、それが先生方や看護師さん達へのお礼にもなると考え直して、娘にメールして化粧品を持ってきてもらう。娘と話すのは久しぶり頼んだ物は必要最低限のしかも試供品を持って来てくれた。久しぶりの化粧・・・・・やっぱ化粧すると顔色良くなって元気に見える。娘が退院の手続きをしてくれている間に〇沢さんに挨拶「 お話できて楽しかったです、お大事にしてくださいね。」「 また会いましょうねあっ、ここじゃなくて他所でね。」「 ハイお茶しましょう」退院の手続きが済むと忘れ物のチェックをしてもらう決まりなので、初めてナースコールのボタンを押すとスタンドの明かりが点いた間違えたガン友のお3人に笑われる 「 いいわね、世話の焼けない患者さん」すっかり片付いて病室を出ると、ヘルパーさんが 「 あれ、〇山さん帰っちゃうの」「 帰っちゃうよお世話になりましたばいばい」ナースセンターに行き看護師さん達にもバイバイ柄の付いた白衣を着た女性が出てきて、丁寧にマカロンのお礼を言ってくれて、エレバーターの前まで来て見送ってくれました。この人が婦長さんだった、退院の日になってやっと分かった
2012.05.21
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夕方のなるといつも通りの夜勤と交代する挨拶で看護婦さんがぞろぞろやって来る。最後の晩の夜勤はピンク好きの看護婦さんでした。本当にマカロンが楽しみだった様子で、出来た物を見て目がキラキラしている小太りの貫禄のある看護婦さんが 「 私も小物作るの好きなんです。」と話かけてくる。初めて会う看護婦さん、この階だけで何人働いているんだろ看護婦さん 「 オヤを習っているんですよ。」 「 ああ最近人気ありますよね。」「 イーネオヤも興味あるんだけどオヤは10年やっていてね、最近は生徒が増えましたよ。」オヤを10年・・・・10年・・・・日本でオヤを10年 【送料無料】トルコの可憐な伝統...価格:1,575円(税込、送料別)私 「 最近毛糸だまに載りましたよね、日本で10年もやってる人がいるなんて驚きですよ。」「 日本在住のトルコ人に教えてもらってたんだけど、生徒2人ぐらいしかいなかったのが最近は百人近くいるんじゃないかな。私もね毛糸だまは好きでずっと購読しているんです、編み物は好きで棒針もかぎ針も一本針も講師の免許取ったんですよ。」「 一本針も」「 でもね、毛糸って高いじゃないですか、自分じゃ買えないからデザイナーさんのとこでニッターしてたんです、毛糸だまにも編んだ物が何回か載ってますよ。」「 お仕事しながらですか」「 そう1枚2週間ぐらいで仕上げなきゃならなくて、締め切り近づくとデザイナーさんのとこに泊まり込みですね、徹夜で一緒に刺繍したりして」「 1枚を2週間で・・・仕事しながら」「 2週間で出来なければニッターは勤まらないんです。」師匠師匠と呼ばせてください~~~~おいらのマカロンなんかゴミっす、恥ずかしいっす夜勤は3人しか居ないからピンクちゃんは忙しそうで小走りで動いているのが聞こえるけれど、師匠とは長めにお喋り聞きたいことがいっぱいありましたどこにでもお師匠さんはいるもんだ、こんな出会いもあるなんて驚きこの夜はペタペタ歩く足音がうるさくて、疲れている〇沢さんも目が覚めるほどだったけど、5時間ほど眠れてまた明け方目が覚める。ペタペタはまだ聞こえて来る、誰かが一晩中廊下を歩き回っていた様子。見ると中年の男性が点滴引きずりながらスリッパをペタペタ鳴らしている。あの人はたぶん、家に帰れば体を気遣ってくれる家族が居て、仕事復帰を心待ちにしている同僚も沢山居るのでしょう、皆のためにも早く治したいのでしょう。ばかやろー関係ない人間にも気を使えおいらだって点滴スケートはエレベーターのとこまで行ってやったんだぞそれもダメだけどまだ5時半、そこにまた初めて会う看護婦さんが 「 すみません採血させてください。」この看護婦さん超美人何所に隠れてたのか、頭1つ分突き抜けた美人若くて清楚、頭はお団子にして綺麗に整えてあり薄化粧でスタイルも良い。綺麗な人を見ると普通のおばさんは(デビューすれば良いのに)とかすぐ言いますが、私はそんなことは言いません、堅気の商売の方が良いに決まってるそれでも何所かでカチンコの鳴る音が聞こえてきそう、私の役は中年の入院患者ABCかしかも注射が上手い、全然痛くないそれを言うと「 そう言ってもらえるのが一番嬉しいです」 綺麗すぎる綺麗すぎて逆に薄幸な感じがするのはおいらの僻みだろうか・・・ペタペタオヤジはこのお姉さんが見たくて歩き回っているのかも・・・転んじまえ
2012.05.19
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消灯前の検温で来た看護婦さんと少しお喋り、どんな患者が嫌かって話患者さんの中には勝手に管を抜いてしまう人がいて、仕方なくベットに拘束するのだけれど、手が使えないので足で蹴ったり唾を吐いたりするそうです〇沢さん 「 呆けてるのかしらババァ寝てろって言ってやれば良いのに」 看護婦さん 「 混乱しちゃうのかもしれないですね。」〇沢さん 「 呆けたくないわ~神様が願いを一つ聞いてくれるなら呆けたくないって言うわ。」私 「 病気を治してじゃないんですか」「 病気は先生に治してもらうから良いけど、呆けはどうしようもないでしょ、自分が分からなくなっちゃうんだから、息子に迷惑かけたくないもの。」息子さん幸せだな今まで色々あったとは思うし、お母さんの体も心配だろうけど、これほど子供に甘えない親は珍しいと思う、私も息子には幸せになって欲しいから見習わなきゃいけないなこの夜も眠れず、スケートはやめたのでひたすら朝になるのを待つ、3時間は眠れたかなまた明け方には目がパッチリお2人はまだグッスリ寝ているからブラインドを開けるわけにもいかず、ただボンヤリと明るくなるのを待つ。やることが無いのは私にはちょいストレスでも寝ていなくてもストレスを感じていても気分はそれほど悪く無い、微熱も続いているけれどそれも自分では感じない、点滴の効果なのかな・・・・・いつ退院できるのか分からないけど、用意した分のマカロンは約束したから作ってしまいたくて、ブラインドの隙間から朝日が入ってくるとすぐにチクチク始める。部屋の電気がつくとお婆ちゃんは朝の身支度をするが〇沢さんは元気がなくグッタリ平気だと言ってたお婆ちゃんも、退院してからは薬の副作用で苦しむとまた笑いながら話す。今日で退院ですね、この場合おめでとう御座いますはおかしい、なんて言えば良いのかな朝の回診でやっと点滴は抜いてもらえることになり、ほっとするちょび先生 「 退院は明日か明後日になるけど、どちらが良いですか」明日か明後日・・・・・明々後日が良いと言ったらそれもありなのか明日退院できるのに明後日でも良いと言う理由が分からない早い方が良いと言って、明日の昼前に退院させてもらうことにする。もう左腕振り回して点滴が逆流することもない、思い切り両手挙げて伸びスッキリでも隣のお婆ちゃんが帰り支度をしているのが分かってちょっと寂しくなる・・・「 色々教えていただいて有難う御座いました。」 90度に頭下げてお礼を言いました。お婆ちゃんなんて狎れなれしい呼び方してすいません娘みたいだと言われて調子に乗りましたガン友のお2人はまた2週間後にここで会うそうですお婆ちゃんのガンが消えて、天寿を全うするまで長生きしてくれることを祈ります。ちょっと寂しくなってとぼとぼとトイレに行くとヘルパーさんが「 〇山さんお風呂入る」 「 えっ入って良いの」「 点滴取れたからね、入りたいって言ってたでしょう」 「 ヤッターー」明日退院だから帰るまで我慢しようと思っていたけど、やっぱり我慢できない大喜びでお風呂へお風呂と言ってもシャワーだけなんだけど、それが気持ち良いベタベタ貼られていたテープの糊が首や胸の周りに残っているし、汗かいたのに何日も洗っていない髪はもっさりしている覚えていないぐらい何度もやった採血で右腕が青くなっていて、首の傷は紐をかけられているみたいに少しつっているけれどシャワーでしみるところは無い背中にカサブタが出来てるこれ何時できた麻酔がかかったまま移動するときにどこかにぶつけられたのか、それとも私が暴れたのか見なかったことにするカサブタも取っちゃうスッキリその後の検温では熱は下がり血圧も平常値になっていました。垢と一緒に病魔も落ちたみたい、色んなとこが治った気がする
2012.05.18
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〇沢さんは女で一つで娘と息子を育てたそうです。ご主人はまだ子供さん達が小学生の頃交通事故で亡くなられたそうで、それも麻雀帰りで飲酒運転をしていたとかで、他人を巻き込まなかったのが不幸中の幸い1人で子供を育てていくことを思うと涙も出なかったそうです。おまけに姑に、あなたが厳しいことばかり言うからあの子は慌ててしまったのだと、散々責められ、その後の援助も一切無く。寝る間も惜しんで様々な仕事をしてきたそうです。寝ないで働いた分今は寝てばかりいるのだと笑う〇沢さん昔苦労した分を楽をしているなら折り合いは取れていると言えるだろうが、闘病生活では昔より状況は酷いんじゃないかな・・・・・〇沢さんは、今になって思えば亭主は死んでくれてよかったと笑いました。顔に惹かれて一緒になったけど、ギャンブルが好きで生活費も使い込む人だったから、生きてたら謝金だらけで入院なんてしてる場合じゃなかったかもしれないと・・・・良い方に考えたらそうかもしれないけど、そうですねとは言えないお子さん方の話をされている時はとても幸せそうで、娘さんはとても良い方と縁があって可愛い孫が2人いるし、息子さんは36まで独身で同居していたけれど、病気を切欠に結婚して、(なにも心配しなくて良い、嫁と2人で看病する)と言ってくれたそうです。それでも〇沢さんは同居はせず息子夫婦の近くで1人住まいをしていて、体調の悪い日は可愛いお嫁さんが食事を作って持って来てくれるそうです。絶対に息子に迷惑はかけたくないので、寝たきりになったら老人ホームに入るための貯金もあるとか・・・・・苦労して育てた息子なら少しぐらい世話になっても良いのにと思うのは他人だからかなご自身が恵まれない子供時代を過ごしたので、自分がやってもらえなかった分、お子さん達には誕生会や成人式などの祝い事はしっかりやったそうです。自慢の息子さんは国立大を卒業して大企業にお勤めで、結婚しないのだけが心配だったけど、病気になったことで身を固める決心をしてくれて、もうなんの心配もない様子。頭が良すぎる人って性格に問題があるんじゃないかと、私みたいに先祖代々のバカは疑ってしまうけどやっぱりいるんだね、100点取れる人我がプー息子は15点ぐらいかな、親が5点だからそれでも十分だけどね〇沢さんは持ち物を小さな袋に分けて使いやすく整理してあり、トイレや洗面など袋ごと持っていけば良いようにしてあるし。体を起こすたびに手鏡を見て髪を整えてそれからまた帽子をかぶり、トイレに立つ時は具合が悪くてもパジャマのしわをのばして綺麗にしてから行く。そんな様子を見ていると、几帳面に家事をやってきたのが分かるような気がしました。仕事が忙しいのを言い訳に家事を疎かにすることは無かったんじゃないかな、〇沢さんにそんなことを聞いてみると、やはり家事は頑張ったそうです。お母さんが働いているから家が汚いとか、おかずが冷凍食品ばかりなんて思いはお子さん達にさせたくなくて、睡眠時間は毎日2時間ほどだったとかだから其の分今寝ているとまた笑う〇沢さんだからそれは・・・・・独身のお兄さんがいて、生前は父親代わりにお子さん達と良く遊んでくれたそうです。1人で頑張る〇沢さんに保険金を残してくれたのだけれど、身内に独り占めだと非難されて、母親と同居の弟さんに半分渡したら、大金を手にしたお母様が贅沢な食事やパチンコで半分使ってしまい、怒った義妹は母親の面倒を看る代わりに兄弟達に生活費を要求〇沢さんともう1人の弟さんは、毎月4万の振込みをしているそうです。母親をたぶらかして一緒に遊んだのはお姉さんなんだそうですが、お姉さんは一円も出す気はないそうで、義妹は毎月8万でお母様の面倒を看ているのだとか。私 「 お母様は体の具合が悪いとか、呆けが始まっているとかあるんですか」「 なんにも無いわよ、健康そのもの。」「 なのに月8万なんですか」「 そうよ私こんな体なのに酷いでしょ。」義妹死ね遺産分けて貰ったのに図々しい〇沢さん 「 でもね、あの母親じゃあ私だったら8万貰っても嫌頑固で言う事聞かないの。」お母様には色々不満があるようです、反面教師になったとも言ってました。私がマカロン作っているのを見て、自分も縫い物が出来れば良かったと言う〇沢さんお母様は和裁の職人さんだったそうなので、逆に針を持つのが嫌になってしまったのかな〇沢さん 「 孫に服とか作ってあげられたら楽しいでしょうね。」まだまだお子さん達に愛情を注ぎ足りないのかな、それが楽しいと感じる人なのかな「 子供服ぐらいならすぐ作れるようになりますよ」「 趣味を持とうと思ってね色々試してみたのよ、陶芸をやってる友達が居てね、教えてもらいたくて遊びにいったらひん曲がったへんな皿で食事出されてね、所詮素人が作った物なんて自分で使うしかないし貰ったっていい迷惑じゃない、だから陶芸はやめたのハッハッハッハ」明るい過去の苦労話をした後でも落ち込む様子は無い。頑張ったことは苦労には感じていないみたい、ひがみっぱいことも言わない。〇沢さんと話していると、叔母が晩年息子に泣かされた理由が分かった気がしました
2012.05.16
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癌で入院中のお婆ちゃんと首にざっくり傷のある私が、笑いながらうるさいぐらいの声でお喋りしているとこに新たな患者さんがやって来る、この出会いも衝撃でしたすらっと背の高い年配の女性、お名前は〇沢さん。隣のお婆ちゃんとは顔見知りで同じ抗がん剤の投与で2泊3日の入院でした。お2人はガン友なんだそうです付き添いの息子さんが荷物の整理などてきぱきと動いて世話を焼いていて、それに関心したお婆ちゃんが褒めると 「 私に全然似てないでしょ、さらった子だから」息子は自分とは違う出来た子なのでさらった子なんだそうで、そんなふうに自分の子を人前で褒める人は初めてなので少しひきましたけど、話を聞けば確かに出来すぎ息子でした。お2人はガン患者とは思えないほど明るくて女3人になってますます賑やかになり、お婆ちゃんはまたプリントアウトした抗がん剤の記事を〇沢さんに見せる。日本でもそれを使ってくれるところがあるけれど、保険がきかないから治療費が高額になる、でも最後の砦だと思っていれば良いかもとお婆ちゃんが話すと。〇沢さん 「 私はこの病院が良いわ、末期になってもここにおいてって先生に頼んであるの。」私 「 私も他の病院はあまり知らないけど、ここは良い病院だと思いました。」「 そうよね、ご飯は不味いけどね。」「 ・・・・・食べられないほどじゃないけど、なんか物足りないですね。」「 お茶も不味すぎてびっくりしたわ。」やっぱ不味いのか・・・私が我儘だとか贅沢だとかルゴールで味覚がバカになったとかではなくて、どうしたって不味い物は不味いんだな・・・・・息子が入院したときは飯は旨かったと言ってたのに、作る人代わったのかな6年も前か〇沢さんの容体は深刻なようで隣のお婆ちゃんよりも強い薬を使っていて辛そうでしたが、それに対する不満は一切言いません。お隣と同じ大腸ガンで同じく再発してしまって、それも3か所あるそうで、ガンちゃんと仲が良いと笑いながら話てました。〇沢さんも同じ干支だと分かり、12才づつ歳の違う3人でますます賑やかにお喋りヘルパーさんも看護婦さんも時間があると一緒に喋って、部屋がやたら賑やか私は女同士のお喋りはあまり好きじゃなかったのだけれど、自分の性格が変ったのかなと思えるほど、出にくい声で喋りました。話ていればお2人は気が紛れるかなって思いもありましたけど、なによりお2人の話はドラマのようで聞きたくなりました。この日もあっと言う間に時間が経っって夕方になり、この日は白衣の先生方がぞろぞろと5人もやって来て、眠れないし落ち着かないって私の話を5人で頷きながら聞いてくれました。パセドォー病の手術自体が珍しいのかも・・・・・・この病院に何人の医者がいるのか知らないけど、これまでに10人は診に来てくれてる。他人の仕事を勝手に見てる的なことにはならないのだろうか・・・もしくは私の透けパジャマが目当てなのか、だとしたらお生憎様そんな訳無いか
2012.05.14
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お喋りしてマカロン作ってで時間の経つのが早い消灯時間になるとすぐに隣からイビキが聞こえて来るやはり抗がん剤の投与って疲れるのかもしれない・・・・TVをつけっぱなしで寝てしまった様子、イヤホンを付ける決まりだから音は聞こえないけど、明かりが漏れて来る。朝の連ドラ楽しみだって言ってたのにTVカード使い切ったらまた買わなくちゃならないよ、暫く迷ってからこっちのリモコンで消すことにする。カーテンを少し開けて腕を伸ばしてピッ消えた良かった。いくら仲良くなったからって勝手なことはしない方が良いとは思うけど、お婆ちゃんはグッスリ寝てる。私は今夜も眠れない、眠れないとは言っても横になっていれば寝ていると言う話も聞くけれど、横になりたくないから本当にここ数日ろくに寝ていない。点滴棒つかんでラジオ体操みたいなことしたり、点滴棒の足に乗ってスケートして遊ぶ。自分バカみたい分かっているけどじっとしていられない。今夜はお経と謝罪とお姉さんが聞こえない、皆正気に戻ったのかなその代わりに私がスケートしてるのかな・・・・・点滴スケートでこけたらものすごく迷惑かける一番信用できないのは自分だなうとうとしてもこめかみから首にかけてジワッと熱くなって目が覚める。2時間寝たかどうか・・・明け方にはパッチリ目が覚めて、またラジオ体操第一からやる点滴逆流自分で管しごく今日の回診は初めて会う外科の先生、胸の管を抜いてくれて傷口のテープも貼り替えてくれる。点滴はまだでもこれで乳首隠せます。パジャマの下にタンクトップ着て、朝から堂々とディールームへコーヒー買いに行く。朝食に出た紙パックの牛乳と割ってカフェオレにする旨~~~~い入院して初めて旨いと思える物口にしたあとは風呂に入れたらもう言うことは無い素晴らしいぞおいらの人生病気は治るし、5月からの仕事は決まっているし。これから言う不満はすべて我儘だ飯が不味いなんて言っちゃいけないお茶も不味くない、薬も苦くない、喉が痛いのはもうすぐ治る。感謝の気持ちを忘れずに生きるのだ、そしてガンも笑い飛ばす強い婆を目指すのだ。面会時間になると隣に息子さんらしき見舞い客が来る。お婆ちゃんに息子が居ると分かって嬉しくなる私1人じゃなくて良かった。2周り上の人の息子なんだから私と同世代と思えるけど、お婆ちゃんはその息子に野菜ジュース飲めとか早寝早起きしろとか健康に気遣う説教をしている。息子って何時まで経っても子なのかな・・・・そこに我がプー息子もやって来る。ありがとー「 ママさーもうパジャマ透けてないし、ルゴールは飲まなくて良いし快適だよ」「 イゴール・ボブチャンチン」「 それ誰だルゴールだよ、ヨードチンキみたいな赤チンみたいなやつ。」「 何それ」 だらけの親子の会話息子 「 婆ちゃんが見舞いに来たいって言ってたよ。」 面倒臭いのが身内に居たの忘れてた、何故入院がばれたのか・・・・私 「 ここまで来たらまた帰るまで心配だし、こんな傷みたら貧血おこすよ。」「 空いてるベット借りることになるだろうね、皆仕事だから家で休むわけにもいかないし、バンドエイド貼る程度の傷だから心配ないって言っといたけど、どうしても自分で確認しないと気が済まないみたいだよ。」「 確認してなにが分かるんだか、傷見て青くなるだけだよ。絶対来させないで、病気で入院してるのに婆ちゃんの心配なんてしたくない」「 分かるよ、ちゃんと言っとくから退院したら電話してやってよ。」息子よホローはお願いします、ママはダメ娘だからすぐイライラしちゃうんですよ。母は腹が立つほど素直で他人の言葉にすぐ惑わされる、( 〇〇すると〇〇が悪くなるそうよ)みたいなクソど素人の言葉を真に受けてすぐ騒ぐ、悪意が無いから批判すると不思議がる。パセドォー病になった時もどこぞで聞いたらしい病院に変えろと散々言われた。仕事があるから他には通えないと言うと仕事を辞めろと言われて、仕事は棺桶入るまで絶対辞めないと言った覚えがある。面倒臭い母だ、娘は悪人だからああいった素直すぎる善人とは上手く付き合えない感謝しながら生きようと誓ったそばから心配してくれる母親にうんざりしてるやっぱり自分が一番信用できないな隣の息子さんもプー息子も帰ってまたお喋り、今度は息子の愚痴も出る。長男はマスオさんで、次男はバツ1の独身、見舞いに来ていたのは次男の方だそうです。男の子はつまらない、別れてしまえば孫には会えないし、会えたとしても結局母方の親になつくから寂しいとか 「 でも仕方ないのよ私も自分の親のとこばっかり行ってたからね。」長男は皮肉屋で優しくないし、次男は優しいけど頼りないと、息子の対する不満は言うが嫁の悪口は一切言わない、分かれた次男の嫁さえ悪く言わない。こんな人がいるなんて驚きだ。
2012.05.13
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( 退院延びた誰か着替え持ってきて ) 家族に一斉送信すぐに返信が来る。明日は息子が休みが取れたので、退院の手続きや帰りの荷物持ちをしてくれるつもりだったらしい、残念着替えだけ持ってきてもらうことにする。明日は胸の管が抜けるだろうか・・・・着替える前に風呂に入りたいしずかちゃんじゃあるまいし、昼から風呂に入りたいってほどの風呂好きではないけれど、頭を洗いたくて仕方ない暇だと風呂を思い出すのでまたマカロン作る。そこに賑やかに誰か入ってくる、隣のベットに入院する人が居る様子。1人部屋終わってしまった荷物をごそごそ出しては大声で独り言を言っている、お年寄りのようだけれど、どこが悪くて入院したのだろう看護婦さんが2人一緒に薬の確認をしている。カーテン越しに挨拶を交わす。これがちょっと人生観の変る衝撃の出会いでした。隣の患者さん 「 私2泊3日だけの入院だけど、よろしくお願いします。」「 こちらこそよろしくお願いします、私ももうすぐ退院なんですよ。」 カーテン開けて話す。小柄のお婆ちゃんがベットにチョコンと座っていて、腕からのびる点滴の管が一辺がA4ぐらいの四角い機械に繋がっていました。「 何所がお悪いの。」 「 甲状腺です、パセドォー病の手術してもらったんです。」「 私は抗がん剤の投与に来てるの。」 「 ・・・・・辛いそうですね。」「 それが何故か私ぜんぜん平気なのよ、吐き気止めが効いてるのかしら。」大腸がんで3ヶ月入院して半年たたずに再発してしまい、月に2回抗がん剤の投与で入院しているのだと笑いながら話すお婆ちゃん「 ガンなんかになる前はしょっちゅう海外旅行しててね、ハワイに行ったときに自分の肌があまりに綺麗なんで、なんて綺麗なお腹だろうと思って写真撮ったのよ、そしたらあなた大腸ガンで大きな傷が出来ちゃってあっはっはっはっは」お歳は私より2周り上で同じ干支でした、母より少し年下。大病してそれが再発したのにこの明るさは何なのか・・・・・性格なのかなこれほど年齢の違う方と長くお喋りをしたのは始めてかもしれません。この方とは寝ている時間以外はずっと喋っていました。日本の医師会はダメだなんて話しから地元史まで。副作用の無い抗がん剤が開発されたのに研究費が出ないから開発者はアメリカに行ってしまったそうで、詳しい内容をPCで調べてプリントアウトしてきたと言って読ませてくれたり。この界隈に生まれた時からお住いだそうで、戦中戦後の町の様子を話てくれました。悲惨な話のはずなのに間に笑い話を盛り込みつつです幸運にも自宅は焼けず家族も皆無事だったのですが、食べる物は一切無く、そんな頃にアメリカ兵からもらったパイナップルの缶詰は忘れられない物だそうです。戦後のアメリカの食料支援は思惑があってのことだし、其のせいで日本の食糧自給率は下がったと言う説もあるけれど、実際にお腹を空かせた子供時代に食べたこともない甘いフルーツを貰った人の話はまた違いました。あの缶詰を思い出すと、日本は占領した国の子供達になにをあげたのだろうと考えさせられるそうです。年寄りって昔の自分が頑張った話ばかりしたがる生き物だと思っていたけど、このお婆ちゃんは違うPC使いこなして新しい情報を知っているし、昔の苦労話も笑い話に変えて、今の人は幸せだなんてセリフは出てこない。ましてや抗がん剤を投与しながら大笑いできるなんてお婆ちゃんはお喋りが一区切りつく度に有難うと言ってくれて、世代の違う相手と話す機会がないから楽しかったと言う意味らしいのだけど、こんな強くて楽しいお婆ちゃんの話は皆で聞くべきだと思いました。私、あなたを目標にあと24年生きます歳を取ることは皺と病気との闘いだって気がしてましたけど、どちらも怖くなくなりました。
2012.05.12
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マカロンあげると1人に話たがために、楽しみにしてくれている子が何人か増えた。退院までに用意した分全部できるかなマカロンのお陰で時間の経つのが早い見舞い客も帰る時間になり、またあのお経のような唸り声とめいちゃんへの謝罪が聞こえて来る。早く誰か教えてやれよ・・・・・今夜はそれとは別にお姉さんと連呼する声も聞こえる、やはり抑揚の無い声で早口でお姉さんお姉さんお姉さんと連呼している、看護婦さんを呼んでいるみたい。暫くして 「 順番だから待って」 と怒鳴る声が聞こえてきた看護師って大変な仕事だね、治療費払ってるからより多くサービスを受けたいなんて考える図々しい患者も居るだろうし、呆けちゃって治療も拷問も分からない患者も居るでしょう。他人の誠意が分からなくなったら長生きする意味は無いかもしれない。お経とめいちゃんへの謝罪とお姉さん連呼を聞きながら消灯時間になるナースセンター行ってなんか手伝ってあげたい気分、じっとしていられない観たかった映画がやっていたので横になってTV観る快適それにしても何故私は眠くならないのか・・・・・映画が終わってもまだ眠れない、枕が変ったからなんて理由ではなくなにか変少し動けば眠れるかもしれないと思い、横になったまま両足上げて自転車こぎ体操するすぐにドキドキこの感じは病気が酷かった頃と似ている眠れなくて動悸がしてじっとしていられなかった。違うのはイライラしないとこ、気分は爽快術後からずっと微熱が続いていて血圧も高めだけれど、それも自分では感じなくて、痛いのは喉だけ。僅かに残された甲状腺が暴走している、手術前に説明してもらった通りのことがおきてる。蟹江医師は左右で70g取って4g残したと言ってたから、4gが暴走状態なんだな。病気が酷かった頃は落ち着かなくて、1日中掃除したり夜中にランニングとかしてた。動悸がして手が震えて眠れないからイライラして、とにかく気分が悪かったけど、あの頃処方されたのと同じ量の薬を飲んでいるのだから、甲状腺はかなり頑張っている、はっきりと違うのは動悸がしても寝てなくても気分がとても良いとこ、手も震えてないこの夜は2時間寝ただけでまた明け方に目が覚めてしまうパッチリ夜の眠れずにいる時間が勿体無い、枕元の照明がもっと明るければ夜も縫い物ができるのに、オレンジっぽい明かりで読書がやっとじゃないかな、本でも持ってくれば良かった。ブラインドを開けて朝日を浴びると良い気分、窓からの明かりでマカロン作る。予定通りなら明日退院だから約束したぶんが間に合わないいつも通りの朝の挨拶と食べきれない朝食が終わると、ちょび先生の総回診胸の管から出る液体は昨日は60ccで今日は50ccだとかで、明日まで抜くのはおあずけになる。私 「 点滴は」 「 点滴も明日までですね、まだ化膿止めが残ってますから。」「 早ければ明日退院できるって言われてたんですけど・・・」「 明日は・・・・・無理ですね。」着替えが足りない
2012.05.09
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ルゴール・・・あの不味さは何に例えたら良いのか苦いとか渋いとかを超えた別の物、僅かな甘味がより気持ち悪くしている赤チン知ってる人は少ないだろうけど、あれ飲んだらきっと近い味がするに違いない。まだ声が出にくいし喉も痛くて飲み込むのが辛いけど、ルゴールを飲めばすぐ治るが飲まなければ一ヶ月痛いままだと言われたら、一ヶ月痛い方を取るでもルゴールと別れられるかもしれない期待が持てたし、管も減って気分は明るくなったので、また暇つぶし出す。 写真は完成品です。 マカロンですから、 美味しそうな クッキーみたいな ケーキみたいな 感じにしたい どのぐらいの ふくらみ加減が 一番可愛いのか つかめないまま完成ここに来て初めて作ったけど、これかなりはまる超楽しいベビー服や玩具を作った残りの端切れや、髪飾りやワンポイントにするための残りモチーフが、使えるし、使う生地や飾りで雰囲気が変わってやればやるほど面白い。自分なりの作りやすい手順みたいな物がつかめてますます夢中になっていく。何所にでも手芸好きは居るもので、看護婦さんやヘルパーさんの中にはがっつり食いついて、材料が何所に売っているのかなんて質問をする人も居て、マカロン切欠でお喋り出来て楽しいすぐにお昼になってしまうイゴールの結果が気になって食欲無し空腹を感じない不思議な体になってる易消化食の味気ない食事は不味くはないけど楽しくない、ただ胃袋に入れるだけ、しかも欲しくなければ食べなくても良いと言われる程度の栄養ならなおさら食欲は出ない。お膳と睨めっこしていると、看護婦さんが足音も聞こえないほど静かに入ってきて、カーテンからひょっこり顔だけ出す粉薬をサッサッと振って見せて 「 これだけで良くなりました」「 あざーす食欲出てきたーーーー。」なんでも気の持ちようで変るもんだ、さっきまでクソ不味いと思ってたお茶も飲めないほどでは無いし、味気ない易消化食も良く噛めば味わい深いものがある。ここって極楽じゃないですか上げ膳据え膳で1日寝てて良いなんて喉が痛いとか声が出にくいとかそんな病院に居ればなんの心配もないことはもう気にならない、胸に開いた穴から出る管も点滴の管ももう平気、すっかり元気パジャマもレンタルはやめて自前の物に着替え、看護婦さんが手伝ってくれる。タオル使い放題ももう終わり着替えたは良いがこのパジャマ薄手で透ける、この下にタンクトップを着るつもりだったけど、胸の管が邪魔で無理だし、なにか羽織るにも点滴が邪魔どうしたものか・・・・なやんでるとこに旦那が見舞いに来てくれる私 「 管減ったよ」 「 良かったね。」「 このパジャマ可笑しい新しいの買えば良かった。」 「 なんで」「 乳首見えてない」 「 見えてるよ。」「 可笑しくない」 「 いつもと同じだろ。」こいつ私が家で平気で透けパジャマ着てるからって、外でも平気だと思ってるのか「 この下に一枚着るつもりだったんだけどこの管が抜けないから無理なんだよ。」「 別に変じゃないぞ。」 古女房は乳首見えてても構わないらしい旦那にマカロンに使うストラップを100均に買いに行ってもらう、いつもなら絶対にしてくれないような買い物を少しも嫌がらずにすぐに行ってくれる。私が髪の毛ボサボサで管が繋がってて乳首が見えていても、機嫌が良ければ問題ないのかな。旦那は明日から仕事、退院するまで夕食を作ってくれるらしい。息子も娘も文句言わずに食べてくれると良いのだけれど・・・・・旦那が帰ってからまたマカロン作りに夢中になって時間が経つのがあっと言う間若い看護婦さんが 「 出来た(マカロン)」 と検温に来る。ここの病棟はこの階だけでも30人近い看護婦さんが働いているようで、一括りに看護婦さんと呼んでいるけれど年齢も容姿も幅がある、彼女は娘と同じぐらいの歳かなマカロンの完成を楽しみにしている様子、ピンクが好きなんだそうだ。「 これ良いよね、色んな使い道あるでしょピルケースにもできるよね。」「 なんの薬飲んでるの」 「 ダイエットサプリ」若い子らしい悩みがあるんだね、出来たら欲しいの選んで良いと約束する。退院までに何個できるかな材料は9個分あるけれど・・・・・失敗した最初のマカロンは解いてやり直す。
2012.05.08
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ほとんど眠れないまま明け方にはパッチリ目が覚めてしまって。点滴棒に荷物いっぱいの状態で洗面へ。手鏡を荷物に入れ忘れていたし、昨夜は気分も悪かったので、自分の姿を鏡でじっくり見るのは術後初めて。首周りが腫れてでこぼこになっている・・・・・でもなぜか、2日間ほとんど寝てないし何も食べていないようには見えない・・・クマも無ければクスミも無い、目が大きくなった気もする・・・いつもより綺麗ついでにシワ取り手術もしてくれたのか照明は家の洗面より暗いからそのせいでもなさそう。なんでだろう化粧もしていないのに5才ぐらい若返ったように見える2日間絶食してるのに空腹を感じないのも不思議すごく気分が良い看護婦さんが私が起きたのに気付くとすぐにやってきて、朝の体温と血圧を測ってくれる。微熱があって血圧も普段より高めなのにも拘らず気分は爽快、喉が痛いだけ。まだ5時半、この看護婦さんは目が覚めた順に回ってくれている様子。私 「 今日少しは管が減るかな」 「 回診のとき先生が決めてくれると思いますよ。」回診と聞いて白い巨塔思い出す〇〇教授の総回診です、みたいな団体で来るやつか大学病院じゃないから教授は居ないか・・・・なんでも良いやしばらく暇なので、持って来た暇つぶしグッツ其の2を出す。今流行のマカロン手芸、すべて裁断した状態で持ってきた プラくるみボタン(40m...価格:157円(税込、送料別)いつものナカムラさんで格安で購入。今まで作ったことは無いけれど、入院中の暇つぶしに丁度良いと思って縫うだけにしておいた。最初に作った物はコツがつかめなくてファスナーの付け方が汚くなってしまうでもこれは記念の初マカロンだから自分の分これで良し、すぐ2つ目に取り掛かる。あっと言う間に時間が立って7時、初めて会う白衣のお医者さんが小走りにやって来て。「 病院長の〇〇です、おはようございます。」 「 え・・おはようございます。」また小走りに去って行くこの朝の挨拶は毎日ありました。何百人か居るはずの患者すべてにしているので、質問などする暇は無し患者の為より、職員に病院長の姿勢を見せる為にやってるみたい・・・大変だねその後すぐ蟹江医師がやっぱり小走りでやって来て傷の状態を診てくれる。傷に触って、喉の痛みとか声の出方など確認すると、また小走りで帰っていく。蟹江医師も甲状腺の専門内科医も病院に来ている日は、外来が始まる前か昼休みに必ず1回は様子を診に来てくれました。内科と外科の連携もとても良くて、片方に話した事はすぐ片方に伝わって2度手間無し〇〇教授の総回診は無いけど、この病院にして良かった。8時になり、今日から食事が出来ることになっていたので、ヘルパーさんが 「 お待たせー」 と、朝食とお茶を運んでくれる。易消化食だけど2日ぶりの食事、味噌汁飲んでホッとするが・・・・・なんでしょう不味くはないけど、美味しくも無い煮物もちゃんと味は付いているし、出汁も取ってあるのが分かるけど・・・・動物系の物を一切使っていないような、油っ毛の無いコクの無い物足りなさ・・・そんなに良い物食べてたわけじゃないのに食事に不満を感じる自分が嫌だ。しかも半分しか食べられない、一度手を付けたものは残さない主義なのにもう食べられない。なんとか残さずたいらげようと頑張っているとこに、申し訳なさそうに看護婦さん来る。 来やがったなルゴールしかも食事中にもう無理もうご飯一粒だって食べられないフリーズする私を見て粉薬だけ置いて 「 また後で来ます」 小走りで去って行く。粉薬なんかは砂糖と同じだ、食事と一緒に貰ったほうじ茶で飲む・・・・・このほうじ茶不味すぎるもうなにもかもが不味くなってしまったのか自分ヘルパーさんが片付けに来て残した物を見て 「 食べたくなかったら残して良いですよ。」「 無理しても食べた方が言いんじゃないの」 「 いいえ、欲しいだけで良いの。」何故食欲無ければ食べなくても良いの体力落ちないその時点滴が目に入る・・・・・そうか点滴だ食後の歯磨きをしながらもう一度鏡で自分の顔を良く見てみると。白目が綺麗になってる青みがかった赤ちゃんの用な白目肌もしっとりしてる点滴ってすごい今までに何?の点滴をしたのか1回500mlを何回取り替えたっけかかなりの解毒作用があった様子、きっと体内は毒だらけだったんでしょう。そこにルゴール再登場粉薬と一緒に置いて行かれたらたぶん捨てていたに違いない、捨てたいでも看護婦さんの申し訳なさそうな顔を見ると捨てるのは違うと本当は分かっていることを再認識。これは自分の為であって飲まされている訳じゃない、不味いから飲めないなんて我儘なんだ、にも拘らず、きついことも言わずにそばで見ていてくれる看護婦さん優しい子だ。よし飲んでやるぞ薄めてないから最初と同じだ、最初に飲んだように喉の奥に抛り込めが良いんだ首の傷も気にせずに思い切りあおってゴクリその途端喉で逆流ブハーまた吐き出してしまう喉にも吐き出す機能があるのかすぐに吐き気ゲロロ~~~~今度は胃に詰まった物があるので、喉まで上がったり下がったりを繰り返すなんて情けない薬は飲めねぇは飯は残すは、自分何様だまたもルゴールに完敗した、でも飲んですぐ吐き出したのにまた喉にべったり張り付いてる恐ろしやルゴール、発明した奴はとっくに死んでるだろうが、二度と生まれてくるなもうグッタリ・・・冷や汗が出て動悸までするこの動悸はルゴールのせいなのか病気のせいなのかゴロゴロしてると看護婦さんが走ってやって来て。「 〇山さん採血しましょう、結果が良ければ薬飲まなくて良いそうです」「 本当取って取って」こんなに嬉しい採血ってあるでしょうか、注射の痛みなんか少しも気にならない。この病院は優しい看護婦さんばかり、有難いね。9時なって総回診、ちょび先生が看護婦さん1人だけ連れてくる、ベタベタ貼られたテープで肌が赤くなっていたので、違う物に取り替えてくれて、尿道の管と心電図を送るコードは外すよう指示してくれる。これで体から繋がった管は二本だけ、だいぶ身軽になれた自分でトイレに行けるってなんだか嬉しい。点滴のせいでトイレが近いので早速行く、通じもあった・・・・・ルゴールがそのまま大腸菌が一億個は死んだんじゃないか・・・・・ルゴール恐るべし、長旅をしたにも拘らずそのままの匂いと色でまた現れるとははたして採血の結果は吉と出るか凶と出るか
2012.05.06
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病室に戻っても管だらけなのに変りはありませんでした。胸からはまだ体内から出血したものを捨てる袋と、看護室に心電図を送る装置が下がっているし、点滴と尿道に刺さった管もまだ繋がったまま起きて良いのか分からなかったけど、ベットに座ってクッシャクシャになった髪に手櫛かけて束ね直す、腕を上げるのは少しも辛くは無いし、本当に不思議なことに首の傷も痛くない。首よりも喉の奥が痛い、タンが絡みやすく咳が出るとその度に痛い首周りを触ってみると、顎の下の正面と左右にバンドエイドが貼ってあるのに今更気付く、切開したお肉をホチキスみたいな物で顎下にとめたのだろうか首に触るとじんわりと熱い、それに痺れている、痺れているから痛くないのかな傷には短く切ったテープが縦にペタペタ貼られていて、その上からガーゼで覆ってある。ガーゼが何の為にくっ付いてるのか私が傷を見てショックを受けないようにか手のひらで傷の大きさを測ってみる、15cmぐらいかな?想像していたより小さい、私は承知の上で望んでしてもらった手術だけれど、手術しか方法の無い人にはショックだろうから、ガーゼはやっぱり傷を隠すためなのかな。そこに看護婦さん来て 「 〇山さん起きられましたね、良かった」勝手に起きて正解だった。手術後は歩いた方が良いと言われて、点滴を下げた棒にいっぱいぶら下げた状態でガラガラとナースセンターまで歩く、誰かの見舞いでこんな後景見たことあるな、頭はスッキリしているし、目眩も無く歩くのは辛くない。最初はがっしり体を支えてくれていた看護婦さんも手を離して、歩き始めた幼児に対するように褒めてくれる、すれ違う看護婦さん達も皆すごいすごいと褒めてくれるあんよ出来るのはそんなにすごい事なのか・・・・・トイレには行くのは問題なさそうだけれど、尿道の管はまだ明日までは抜けないと言われて少し凹む、トイレで倒れたりしたら看護婦さん大変だし仕方無いのかな部屋に戻って横になるが昨夜ほとんど寝なかったにも拘らずまったく眠く無いベットを起こしてもたれて座る・・・・・暇暇つぶしはいっぱい持ってきたけれど、こんな時に目が疲れる作業をして良い物だろうか迷っているとこにまた看護婦さんが薬を持ってくる。切り取られた甲状腺は最後の悪あがきで大暴走するので、毎日飲んでいた薬は3倍に増えるがそれは聞いていたので問題なし、喉は痛いけど水で流し込む。看護婦さん 「 苦い薬ですよね、飲み込めるなら錠剤もありますよ。」「 飲み込むとき痛いけど錠剤の方が良いな、これ苦い。」「 あとこれを朝昼晩飲まなきゃならないんですけど・・・・・ルゴール。」なんだか申し訳なさそうに小さなカップに入った物を手渡される透明な赤茶色のとろみのある物、ヨードチンキみたい匂いも似てる良い男を想像させる名前だがなにかで読んだ記憶がある・・・・・主人公が闘病中に飲ませれていた・・・・・なんの本だったか・・・・その匂いからも不味さは想像できる、あの主人公も苦しんでいた。でもこんなもんは一気にいけば良いんだ、舌に乗せるから不味いのが分かるんだ、思い切って一気に喉の奥に抛り込む、ゴクリ・・・・最初に飲んだ薬は粉砂糖でした、でもそれのために水を全部飲んでしまっていた。走って水を汲んで来てくれる看護婦さんすごく気の毒そうに私を見てる。味覚を感じない部分に抛り込んだはずのルゴール君は喉の奥にべったりと貼り付いて、いくら水を飲んでも消えてくれず、そこからものすごい主張をしてくる。うがいをするように喉の奥まで水を溜めると少し和らぐが、飲んでしまうとまたルゴール君がこんにちはぐったりこれが朝昼晩・・・・・手術しなきゃ良かったかももう編み物なんかする気にはなれない、疲れがいっぺんに押し寄せて来た感じ。起きていた方が良いと言われて車椅子に乗せられるが、ルゴールのせいで吐き気に襲われる。冷や汗まで出てくる、起きてるの無理激烈な不味さ、喉を消毒するのが目的だから飲みやすくしたら意味がないものなのかこんな物を飲まなきゃならない患者がこの病院には私以外にもいっぱい居るのだろね、小児病棟にも居るだろうかいくら治療でも子供にこんな物飲ませたくない。次のルゴールは私の赤ちゃん達が将来飲むかもしれない分を代わりに飲んでやると思えばいけるかもしれない・・・・・もしくは捨てるか・・・・捨てるかな・・・・ぐったりしてるとこに息子が見舞いに来てくれる。傷とか血とかはまったく平気な息子、管人間となってぐったりしている私を見ても普段と同じトーンで話かけてくる 「 暇つぶし持ってきたよ」ノートPC充電してゲームが出来るようにしてくれた。上げ膳据え膳の病院でベットでゲーム、ルゴールさえ居なければ天国しかしこの時はまだ後3日で退院できると信じていた私、退院の日は皆仕事だから1人で帰らなければならない、荷物が増えるのは嫌も~~~~~のすごく迷うが持って帰って貰う事にする。息子 「 退院しても暫く寝てなきゃいけないだろうからその時遊べば良いね、俺昨日ママーンが改造手術してる頃スロが大爆発でさ、今月もかなり勝ってるから退院祝い期待して良いよ。」息子よ有難う、言いたい事はいっぱいあるがとりあえず有難うすぐ退院だからもう見舞いには来なくて良いと言って、帰ってもらう。息子も娘も私が入院したぐらいでは困ることも無い様子、家のことは心配いらないな。だとしたら、管が抜けてルゴールと会わずに済めばここは快適だ気分が良くなって、ベットを起こして編み物出す。窓際の場所だから明るくて照明は要らないずっと水だけでなにも食べていないのになぜか空腹は辛くない、点滴のおかげかな付け襟はすぐに完成してしまい、次の暇つぶしグッツを出すべきか悩んでいると、看護婦さん達がぞろぞろとやってきて、夜勤と交代します夜勤の〇〇ですと挨拶看護婦さんって正看とか準看とかいるはずだけど、この病院は名札がすべて看護部となっていて誰が婦長なのかも分からない。昔お産で入院した病院では担当の看護婦さん以外に質問や頼みごとをすると、担当さんがやたら機嫌を悪くしたけど、ここはそれも無い。看護婦さん達がいつも声を掛け合って、担当が忙しければ違う人が来てくれる。良い感じ夜になり静かになると他の病室から声が聞こえて来る年配の女性の声で抑揚なくお経みたいに唸る声、歌っているようにも聞こえる。それに合わせて、めいちゃんごめんね~~~と連呼する男性の声が聞こえる。お経の唸りが止まると、めいちゃんへの謝罪も止まる。お経が聞こえて来るとまためいちゃんごめんね~~~~めいちゃんにどんだけ悪さしたのか知らないが、あのお経はめいちゃんじゃねぇよと誰か教えてやったらどうなのか・・・・・消灯時間が近づいた頃、夜のルゴールが運ばれて来る。夜勤の看護婦さんも申し訳なさそうに私にルゴールを手渡して、今度は少し水で薄めてくれる。先に水も用意してくれてそばで見守る看護婦さん・・・捨てたい捨てたい~~待て、これを飲むのは自分のためだ、看護婦さんだって辛そうにしてるじゃないか量が増えたが飲みやすくなったかもしれない、こんな物にビビってたまるかすぐに飲み干してやる、見ていて頂戴私の赤ちゃん達、ルゴールなんかに負けないまた一気に喉の奥に抛り込むが、量が増えているので半分しか飲み込めず、残りが口内に広がるブハァー・・・コントみたいに吐き出してしまう、同時に吐き気オエ~これまともに飲むの無理、なさけないけどルゴールに完敗その夜は口内に広がったルゴールの味が消えず、いつまでもムカムカ吐き気がする、2時間おきに看護婦さんが体温と血圧を測りに来るのでそれも気になって眠れない。明日からルゴールとどう戦ったら良いのか、これほどの強敵がかつて居ただろうか。
2012.05.04
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大きな声で名前を呼ばれて意識が戻るとまた青い人達が私をぐるりと取囲んで顔を覗き込んでいました。「 終わりましたよぉー集中治療室に来てますからねぇー。」 青い人の誰かが教えてくれる。「 あ・・りが。」 お礼を言おうとしたが声出ないすぐに青い人達は居なくなり、今度はグレーの制服の看護婦さんが「 集中治療室担当看護婦の〇〇です、よろしくお願いします。」と挨拶してくれる。この子マスクしてるから鼻から下見えないけど、超可愛い白衣に着替えた執刀医がやってきて 「 〇山さん声出ますか」「 は・・い・・。」 「 あ~~~と声伸ばしてみて。」 「 ああががが・・・。」「 大丈夫声出てますね、心配ないですよ」 大丈夫なのか・・・まあ良いや。その途端ものすごい発汗がある、サウナに入ったみたいにすごく暑い私を取囲んで様子を見てる先生と看護婦さん達。これは想定内の出来事らしく数分で発汗が治まると、皆さっさとはけて行く。可愛い看護婦ちゃんが体を拭いてくれる、あんがとまだ朦朧としていて意識飛びそうなとこに旦那来てなにか言うが聞こえないさっさと帰れと手で合図家で家事やっててもらう方が有難いです。頭がはっきりするにつれて自分の状況が分かってきました。右手の人差し指に洗濯バサミみたいな物が挟まっていて、腕には血圧を測る帯が巻いてあり、胸には体の中からの出血を外に捨てる管が傷の下にあけた2ヵ所の穴から出ている、それに心電図のコードが何本か貼り付いて、左の腕には点滴、そして酸素マスク腰から下は尿を捨てる管が尿道に刺さってる、何時の間にパンツ脱がされたのか・・・ぐるりと壁に囲まれていて右側だけがカーテンで仕切ってあり、その向こうにも何人か患者さんが居る様子、隣の人の頭が少し見えるけどピクリとも動かない。右斜め下に看護婦さん達のデスクが見えて、皆とても忙しそうにキビキビと動いている。足元の壁の向こうにもベットがあるようで、そっちからは唸り声が聞こえて来る。ここは戦場ですね、こんなとこに自ら望んで来たのは私ぐらいでしょう。せめてナースコールは押さないように頑張ろうと、どうでも良い誓いを立てました。執刀した先生は2人、1人は声が国村準で顔が蟹江敬三のさっきも来た蟹江医師、もう1人はちょび顎鬚の若い先生、そのちょび先生がチューブを持ってやって来る。誤飲性肺炎を防ぐ為に鼻からチューブを入れて胃袋にダイレクトに薬を注入するそうで、これも初体験の鼻チューブ・・・・オエっとなりました甲状腺の手術をしたのだから唾を飲むと痛いのは当たり前なのだけれど、チューブのせいでよけいに痛い、不快時間も分からない、あとどれだけここに居れば良いのか少しうとうとするが看護婦ちゃんの声で目が覚める、2時間おきに血圧と体温を測らなければいけないとか、そうか2時間おきならそれを目あすにしましょう。今術後2時間経ったってことですね、あと何時間経てば病室に戻れるのかな・・・・とにかくベットが固くてすぐに背中が痛くなる、もぞもぞ動くたびに背中の枕を動かしてくれる看護婦ちゃん。やっぱこの子可愛いこんな子が息子の彼女だったら良いのにと夢見るが、すぐに息子なんか相手にする訳ないなと思いなおす落ち着かなくて胸のあたりをまさぐって、自分がどの程度の管人間なのかどの管がどっち方面に伸びているのか確かめていると、なにかがカチっと外れて心電図がピーーー自分心臓止まりました看護婦ちゃん少しも慌てず 「 ごめんなさいゴードが外れました。」 謝って直してくれる付けたり外したりして遊びたい衝動に駆られるが、一生懸命働いている人に悪いので我慢酸素マスクが取れてイライラさせられた指の洗濯バサミも外れ、やっと朝になり採血、寝たままレントゲンも撮る、結果が良ければ病室に戻れるはず。でもその頃には鼻チューブの気持ち悪さがマックス、込み上げてくる身動きできないと思っていたけど、吐きたくなると自力で90度に体を起こしました。ゲロゲロ~~明日のジョーならこんな感じかなり首にも力入ったけどまったく平気、ゆっくり横になるとまた込み上げてきて90度に体起こす、エクソシスト状態体を起こすと、ここは想像よりずっと広くて、患者さんも沢山いるのが分かりました。動いちゃダメと怒られている人もいるし、誰かの名前を呼び続けている人も居る、皆自分にとり憑いた悪魔と戦っているんだな。ちょび先生が来て鼻チューブから胃に溜まっている物を抜いてくれる、うがいをさせてもらうと、気分はだいぶ良くなって眠気がおこりました。何分眠れたのか目が覚めると看護婦ちゃんがこっちを見ていて 「 寝返りしますか?」と聞いてくれる。「 有難う、もう大丈夫このままで良いよ」それでも看護婦ちゃん寝返りさせようと背中の枕を動かしてくれる、可愛いそばに居た中年の看護婦さんがそれを見て 「 なにしてんの?」「 ずっと同じ姿勢ですから動いた方が良いと思って・・・。」 「 大丈夫だって言ってるじゃない」 「 ・・・。」ばばぁ看護婦ちゃんの親切にケチつけんじゃねえよあ・・・・・いつもの自分に戻ってる気がする、気持ちだけは元気だ。検査の結果病室に戻れることになり、不快な鼻チューブを取ってもらえてだいぶ楽になる。そこに介護士さんが来て 「 体拭きましょうね。」 暖かいタオルで足の指まで拭いてくれて、サッパリ介護する人の優しさにふれて、ますます元気を取り戻した気分になるが・・・・・・「 お下洗いますねぇー。」 ・・・・・・腰に何かひいて温水をかけながら、お下を・・・・・自分でもそんなに気にして洗ったこと無いよってほど伸ばしたり開いたり隅々まで洗ってくれる・・・・・・なんか惨め自分じゃじっくり見たことは無い部分数人に見せた記憶はあるけどね。手術前日には入浴してあちこち綺麗にしたつもりだったけど、昔デートの前にしたみたいにここもよ~く洗えばよかったと後悔管だらけになって下の洗浄不足を後悔まあ尿道に管刺された時点で人目にはふれているのだけれど、洗ってもらうのは自分的に意味が違う・・・・・介護士さん有難う、洗わなくていいと言えばよかったね、ちょっと流す程度かと思ってました。2時になってベットごとガラガラと運ばれ集中治療室を出ると、外が明るいのが分かって、手術から1日経ったのを実感太陽の明るさは全ての照明に勝ると感じる。走るのに近いスピードでガラガラと廊下を進むと、首に分厚いガーゼを巻いた私を気の毒そうに見る見舞い客達が、さっさと左右に分かれて通路をあけてくれる。大勢で持ち上げられて病室のベットに移されると、体がマットに沈むのを感じました。良かった、もう背中の痛みに悩まされることはなさそう。またガラガラとベットで病室に移動、TV横に置いた自分のバックを見てなぜか安心するまだ管だらけ、でも動けるし時間も分かる、それに個室状態。喉もと過ぎれば熱さ忘れるで、やっぱり手術して良かったと感じて嬉しくなる。しまった看護婦ちゃんにお礼言えなかった。何所かで息子と出会ってくれないかな
2012.05.01
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20日手術の日は休みを取った旦那と朝8時半に病院に行きました。小さい冷蔵庫とTV付きの4人部屋、明るい窓際の場所でした。差額ベット代1日2,100円ベットは、高低やリクライニングがボタンでウィ~ンと調節できて固すぎず柔らかすぎず快適ベットで食事が出来るテーブルも大き目でいっぱい物を乗せても大丈夫介護用だけどこのベットとテーブル欲しい、こんなので休日ゴロゴロ過ごしたら快適かも同室の方は明日退院で、術後集中治療室から戻ったときには1人部屋になってると聞いて、看護婦さんにヤッターと親指立ててみせる持参したパジャマは集中治療室を出るまで使えないのでレンタルした甚平に着替え、タオルもレンタルに含まれているのでどっさり持ってきてくれる、タオル使い放題暖かいお絞りももらって化粧落した顔拭いてさっぱり快適4・5日の入院なんてどーってこたーないと、その時は感じた私手術前の検査で看護婦さんが体調を優しく聞いてくれる。 私「 お腹空いてるだけかな」前日の夕方から水を飲むだけだったので、空腹で胃が痛くなる「 私も今日健康診断で食べてないんですよ、辛いですよね、〇山さん点滴しますから。」大目に採血してから人生初点滴 腕を動かしても痛くない不思議、体内に柔らかい針だけ残して固い針は抜くのだとか・・・・・どんな仕組みなのか手術に耐えられる体調なら午後2時頃には手術室へ向かうと聞いて、旦那には自宅待機してもらうことにする、24日には退院できると思い込んでいる私は持参したバスタオルとパジャマを一組、小銭を残して財布を持って帰ってもらうことにする。私 「 私のカード類全部入ってるけど使い込んだら死刑」旦那軽く笑うだけ無言、ちょっとそわそわして落ち着かない様子。私 「 さっさと帰って寝てろ。」 「 じゃあ・・・2時頃また来るからな。」あとは手術を待つだけ、点滴していても動くのに不自由は無いので、前日に用意した暇つぶしグッズをテーブルに広げる、ワクワクワクワクリクライニングのベットにもたれながらレース編みレース糸は糸玉が小さくて場所とらないから持ってきたのだ、ベビー服の付け襟作るのだ暫くして看護婦さんがやってきて私を見て静止 「 何やってるんですか」私 「 暇つぶしいっぱい持ってきたんだ」糸細い~すごい~と言われてちょっとおしゃべり、次にヘルパーさんが来てまた私の前で静止そしておしゃべり、どうやら珍しい患者らしい・・・・・確かに手術前だもんね編み物していたので暇を持て余すこともなく、予定時間になる。私の執刀医は午前中に大きなオペが入ってたそうなので、忙しい日だったと思います。5月から仕事が始まる私の希望を聞いて手術日を決めてくれて、50女の傷の心配をしてくれた優しい外科医のお手並み拝見です。手術室の前で旦那に 「 大丈夫か」 と聞かれて「 何が」と答えてしまうあんた私と30年近く付き合ってんのに何いってんの、大丈夫に決まってんだろうがじゃぁねぇ~と手を振って手術室へ・・・・・・扉の向こうは別世界でした床も壁も外とは素材が違う。手術室の外は白衣の天使が働くとこ、こっちは青い手術衣に大きなマスクと帽子で表情もよく分からない手術室担当の看護婦さん達が働くとこ、ふざけたこと言ったら怒られそう目の前の看護婦さんがはっきりした大きい声で「 手術室担当看護婦の〇〇です、よろしくお願いします。」と挨拶してくれる。そして生年月日と名前を言って本人確認、緊迫した空気ほかほかに暖かい毛布を肩から掛けてもらって、少し歩いて手術台のある部屋へ向かうその間も大きな声で、確認や準備作業をする看護婦さん達、一つ一つ点呼している。私の病気を治すためにこれから大勢の人が働くのだな、こんな大変なことをやってもらうのにたいした料金は掛らないのだから保険って有難い。手術台に横になると、こんなに必要かってほどの人数の表情の分からない青い人たちが全員で私を覗き込んでいる、やっと始まるね点滴から麻酔する 「 麻酔が入る時少し痛いですよぉでもすぐ眠くなりますからねぇ。」すぐに睡魔に襲われて、あっと言う間に意識飛ぶ夢も見ることなく抜け落ちた時間・・・・・意識が戻ってからの話はまた今度、5時間起きてたら疲れた・・・
2012.04.27
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今日退院しました早ければ24日には退院って聞いてたけど、それは20代アスリートだったらってことらしい、2日延びちゃったけど、それでも快復は早い方だと言われました。もうすっかり元気ってわけではないですが、お風呂も食事もなんでもOK20日にばっさり切って、ガバッと開いたはずの傷口もくっ付いて一本の線になっています。不思議なことに縫い目がありません、まだ少ししびれているだけで痛みもほとんどありません。入院の経験はお産と子供の頃の盲腸ぐらいだから、病院の良し悪しなんて良く分からないけど、と~~~~~~~ても良くしてもらいました。管だらけになったけど、手術して良かった次の受診まで薬も飲まなくて良いとか・・・・・ウルウル10年以上毎日欠かさず飲まなければいけなかった薬を2週間も飲まなくていいとは・・・スッキリこの6日間で面白い体験と出会いがありました。私に文才があれば一冊書けるはず、ブログでは語り尽くせません。こんな体験が出来ただけでも手術して良かった、歳を取るのも楽しいもんだし、病気になるのも悪いことばかりじゃない私の面白体験を言いふらしたいので、新しいカテゴリーを作ってそこで紹介します。フリーページは面倒臭いしどんな素晴らしい体験であっても人生の1Pに過ぎないから、さらっと過去のことになって、私の体験記など興味の無い人には見なくて済むようにしたいです。新しいカテゴリーはひたすらマカロン大スペクタクル冒険活劇ちょっとエログロあり、副題は誰も得しないおばさんの透けパジャマ近日発表乞うご期待それでは膝がガクガクするほど疲れているので3日ほど寝ます
2012.04.26
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