クッキーのおうち

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くっきーママの臨死体験?

genkina-su



私の臨死体験




 末っ子を産んだときの話です。
 末っ子はどういうわけか、妊娠9ヶ月に入ってから逆子になってしまって
出産予定日の2週間前にはほとんど動かなくなってしまったのです。
 どうもへその緒が巻きついて身動きがとれなくなったようでしたが、そのままだとくびがしまったり、いろいろと危ないという事で、急遽、帝王切開で産むことになってしまったのです。
 私は、生まれてから一度も手術なんて経験ないし(見たことはあっても)だいたい3人目にしてなぜ?って感じでしたけど、まあ帝王切開って、よくあるし、仕方ないさ、なるようになれって感じで手術台に乗っかりました。
病院によって違いますが、私は腰から下だけ麻酔する腰椎麻酔でした。ところが麻酔がうまく効かず、(これもたまにあるんですが)左の下半身しかくすりが効いてなかったんです。だから、切開が始まるともう痛くってがまんできずに別の薬で眠らせてもらいました。ですから、生まれてくる子供の顔を一番にみることができず、気がついたら病室のベッドの上でした。ベッドの脇には夫と娘がいて「赤ちゃん、見たよ。」なんてにこにこしてるんですが、私は、麻酔から完全に覚めてないのか「うんうん」としか言えませんでした。少しして夕方になったらしく、2人は帰ってしまい私もまた眠ってしまいました。
 誰かが私を呼ぶような気がして目が覚めました。ナースが様子を観に来たようでした。私は、ひどく寒くて、下半身は重くて、体を動かそうとしてもなんだか動きません。脈をとろうと私の手首をさぐっていたナースがあわてて首筋の脈拍を確認しました。「あれ、血圧低いのかな?」と私は思いました。でもこえにはなりません。ナースは私の出血の具合を見ると、あわてて部屋を飛び出しました。「出血多いのかな?嫌だな~。」なんて思ってると、婦長と院長が血相を変えて病室に飛び込んできたのです。
「早く、旦那さん呼んで。日赤に電話して。。。」
 まもなくわたしは手術室に連れて行かれ、心電図モニターを付けられたり、ショック状態の時に使う点滴薬を物凄い勢いで点滴されたりしました。耳元では「これでだめなら全摘(至急と卵巣を取る)して。。。」なんて聞こえました。「あ~、私、死ぬのかな?」以前、救命センターにいた時に、産後の大量出血で運ばれてきた2人の患者さんを思い出しました。1人は助かったのですが、1人は子宮が破裂していて助かりませんでした。
 私は周りの声はよく聞こえていて、戸惑っているナースに指示を出したいくらいでしたが、まったく動けないし、視野が異常に狭まっていて、まるでドアののぞき穴から見ているような気分でした。でも、頭の中はとてもクリアで、周りの様子も理解できたし、自分の置かれている様子も不思議とよく判りました。
「まだ産んだ子供の顔も見てないのに。。。。もうだめなの?」と沈みそうになりましたが、そのうち、点滴や輸血の効果が出てきたらしく、体が少しずつ暖かくなって、視野も広がってきました。さっきから手術台の上にじかに寝かされていたので、腰が痛くなっていたらしく、痛みも感じられるようになってきました。ナースの呼びかけに「はい」と声が出ました。
「助かったんだ」
 多勢いた医者やナースが出て行き、婦長が回りを片付けていました。たしか、病室から運ばれたのが夕方6時頃で、もう夜中の12時くらいでした。
「産後の死因NO.1なのよね」と婦長に笑顔で言われました。
 私の場合、ショック状態になっているのを発見したのが、ちょうど医者や日勤のナースが帰ってしまう直前だった事がラッキーだったようです。もし、あのナースがもっと遅く病室を廻っていたら、こんなに早く処置できていなかっただろうと思います。
 それまで、何度も救急の場面にいましたが、自分が患者の立場になるなんて思いもしませんでした。そして、あんなに、聞こえていて、頭の中がクリアだなんて考えてもみませんでした。確かに、耳というのは胎児の時代からよく発達しているので、最後に残るのも耳なのかもしれませんね。
 産後1ヶ月検診でクリニックに行くと「いやあ、死ぬかと思ったけどよかった、よかった、ははは。。。。」と院長が笑ってました。
「やっぱ、ほんとにやばかったのね。」





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