化学物質過敏症・・発症から今日まで

化学物質過敏症・・発症から今日まで

発症



ある日、勤めている会社でカラーコピー機を導入しました。コピー機が社内に入ってきた瞬間は「嫌な匂いだな」と思いましたが、その後は通常の事務の仕事をこなしました。

次の日から3日目までは、何事もなく仕事をしました。

4日目 気分が悪くなりました。体調が悪いだけと思い、まさかこれがカラーコピーが原因であるとは思いませんでした。

5日目 ちょうど会社の休みで、ゆっくり家で休養をとったため、体調は回復しました。

6日目 会社に出社し、コピーを使うと、口の中が苦くなりました。「なぜだろう」「おかしいな」と思い始めました。ただ、家に帰ると、全く苦みはなくなるので、忘れてしまいます。

7日目 昨日と同じで、コピーを使うと、口の中が苦くなる。体が重くなるような感覚が出てきました。

8日目、9日目も同じように、コピー機を使うと、口の中が苦くなる。さすがに、「このコピー機から何か悪いものが出てきているのでは・・・」と思う。家に帰っても体がとてもだるく、用事をするのが苦痛になってきた。

10日目 会社の中にいるだけで、口の中が苦い、生唾が出る、コピー機の前を通るだけで目がチクチクする、頭が痛い、体がだるい、吐き気などの症状が出ました。家に帰っても体がだるく、症状は消えない。また、会社に着て行った服もすぐに洗濯しないと、その服からも刺激を感じる。今まで経験したことのない症状で、すごく恐い・・・。以前、化学物質過敏症の方が辛そうにしているテレビを見た事がありましたが、私もそれに似た症状だし、きっとインクか何か揮発性の物質を吸い込みすぎたのでは・・・と化学物質過敏症と言う病気を疑いました。

11日目 会社を休む。しかし、口の中が苦い、生唾が出る、頭痛、だるさ、吐き気、微熱(37.4℃)がありました。自分が何らかの病気であるのは間違いないが、なんの病気か分からず、不安で一杯でした。冷静になろうと思うのですが、気が高ぶって、落ち着くことができませんでした。

コピー機の前を通っただけで目がチクチク痛かったので、「原因はコピー機であろう」と思いました。

病院に行こうと思いましたが、どこの病院を受診すればいいのか分かりません。インターネットで調べたところ、化学物質過敏症等の方を支援してくれるNPO法人「CS支援センター」があることが分かり、電話しました。症状等を伝えると、次のようなアドバイスをいただきました。

●コピー機で気分が悪くなる人はいる。

●会社に着て行った服からも刺激を感じるのであれば、コピー機から何らかのガスが出ているのではないか。

●労災センターまたは、近くの保険所に連絡をとって受診できる病院を教えてもらう。 との事でした。

さっそく、労災センターに電話しましたが、予約がいっぱいで、3ヶ月先まで待つことになる。その上、受診しても検査はするが、治療はできないとの事でした。私は、体が辛かったので、「すぐにでも治療してほしいのに・・・」と思い、断りました。

次に、近くの保険所に電話をしましたが、頼りにはなりませんでした。化学物質過敏症そのものを知らない職員の方が電話に出られ、次々と電話に出られる職員の方が代わって行くのです。その度に一から症状を説明しないと行けないので、大変でした。挙げ句の果てに、他の保険所に電話してくれとの事でした。、健康な時は、電話で疲れる事はないけれど、この時は、集中する事が難しく「はぁはぁ」と息が上がってしまうのです。

そして、紹介された別の保険所に電話しました。そこでは、CS支援センターの連絡先を教えられ、がっくりしました。そこで、一番始めに、CS支援センターに電話した事、数件電話したが受診できる病院が見つからない事を一から説明しました。すると、

●近くの内科を受診し、まずは他に病気がないか調べる。

●根本的に治療は難しいかもしれないが、今の症状を和らげる事は可能かもしれない。 との事でした。

11日目の昼 近くの病院の内科を受診しました。病院の先生は、

●コピー機が原因であるかは特定できない。

●化学物質過敏症であるかどうか、判断できない。

●化学物質過敏症という特異な病気を疑るのではなく、まず体の検査をし、どこも悪くなければ、化学物質過敏症を疑ってみるべきだ。

●とにかく、今の症状をとるために点滴をしましょう。 との事でした。

病院で点滴をうってもらいながら、

「この病気はもう治らないのではないか。」「どこの病院に行っても治療方法などないのではないか。」「私はもう、会社に行く事ができないのではないか。

それどころか、買い物や旅行も無理だ。」「どこか山の中でテントを張って生活しなければならないのか?」など、悪い事ばかり考えていました。

点滴が終わると、大分症状が良くなりましたが、2時間程度でした。

12日目 また、会社を休む。電話をする、新聞を読む、少し動くだけで嫌な汗が出る。何事にも集中できない。食欲なし。頭痛や体のダルさも治らない。

14日目 会社を休む。少し気分が良くなってきた。車に乗り、買い物に出かけたが、車独特の匂い、道路のコールタールの匂いで、また気分が悪くなる。

30分以上の運転は無理だと思った。

15日目 会社を休む。田舎にある実家へ帰りました。車を運転し、休みながら帰りました。田舎の空気が良い事が、身にしみて分かりました。「ずっと空気のいい所で生活すれば、化学物質過敏症も治るのではないか。」と思えるほどでした。

16日目 久しぶりに会社に出社しました。購入したカラーコピー機から古いタイプ(トナー)のコピー機に替っていました。会社の判断が本当にありがたいとおもいました。他の人は何の症状も出ていないのに、本来なら私が会社を去らなければならないのに・・・感謝しきれませんでした。

ただ、そうはいっても、社内に入ると何かしら刺激が残っていて、体がだるくなり、すぐに家に帰りました。「もう会社へは行くことができないのでは・・・」と不安感に襲われました。

つづきは・・病院へ



すぐれ物キーメイトマスク。


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