ええ感じ…。

ええ感じ…。

・ストレス関連疾患


・第一次予防(ストレス要因の除去・ストレス対処)
・第二次予防(早期発見と対応)
・第三次予防(職場復帰支援)

勤労者のメンタルヘルス不全
(心の不健康状態の総称)

■THPの重要課題
・生活習慣病対策(心身症対策)
・精神疾患対策(精神障害対策)

■ストレス関連疾患
(1)心身症
(2)精神障害
(3)行動障害

■質問表の心理テスト
・一般的
(GHQ精神健康調査票・CMI健康調査票・THI(The total health index))
・抗うつ(CES-D・DSD・ベック)
・不安(MAS・CAS・STAI)
・アルコール(KAST(久里浜式アルコールスクーリングテスト))
・統合失調症(DSM-6)



(1)心身症


高血圧・糖尿病に代表される身体疾患のうち、発症や症状の変化が、
心理社会的要素(ストレッサー)との間に時間的関連性が認められるもの

■心身症の定義
「心身症とは、身体疾患の中で、その発生や経過に心理社会的因子が密接に関与し、気質的ないし機能的障害が認められる病態をいう。ただし、神経症やうつ病などのほかの精神障害に伴う身体症状は除外する」(1991日本心理医学会)

・4つのストレッサー:物理的・科学的・生物学的・心理社会的
・器質的:胃潰瘍、過敏性腸症候群など
・機能的:緊張型頭痛、摂食障害など

■心身症の現れ方
・再発を繰り返す(消化性潰瘍・気管支喘息など)
・コントロールの悪い糖尿病や高血圧
・慢性的な下痢や腹痛
・重篤な疾患(心筋梗塞・くも膜下出血など)

■心身症への対処
・職場要因の有無について検討(早期介入)
・業務関連疾患が生じた場合
 ※業務上疾病として労災認定
 ※安全配慮義務不遂行に伴う過失責任



(2)精神障害


精神疾患といわれるもの
1.うつ病(単極性気分障害)
2.躁うつ病(双極性気分障害)
3.統合失調症
4.アルコール依存症
5.パニック障害
6.適応障害


■1.うつ病(うつ状態)人口の2~3%/生涯有病率15%


・特徴
 ※ゆうつな気分・不安・おっくう感
 ※本人はうつ病と気づきにくい(当初は身体症状から自覚されるため)

・症状
(「興味の減退」と「快体験の喪失」が2週間以上続き、毎日やっていたこ とが辛くてできなくなる)

 ※朝の不調(早く悪目覚める・ゆううつ・朝刊読みたくない・たいぎ)
 ※仕事の不調(取り掛かる気になれない・根気がない・判断できない
        ・話せない・自信や展望がもてない)
 ※生活の不調(好きだったことがつまらなくなる・涙もろくなる・
        夕方まで気分が沈む・誰かにいてもらいたい)
 ※身体の不調(不眠・疲れやすい・だるい・頭痛・食欲や性欲低下)

・対処
 ※休養(3~6ヶ月の休養)
 ※服薬(最低半年)
 ※心理療法や精神療法
 (認知療法・辛い気持ちを受けとめて治療の継続を支持する)
 ※家族と連絡を取り、面談や精神科受診(安全配慮義務の観点)
 ※職場復帰支援
 ・2004年の復帰支援に関する支援の手引き(5つのステップ)に順ずる)
 ・直属の上司の支援が大切
 (就業制限・段階的な復帰・相談できる人間関係づくりなど)

・精神疾患の薬
 ※抗うつ薬(脳内の神経伝達物質の働きを回復させる作用)
  ・三環系抗うつ薬
  ・四環系抗うつ薬
  ・SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
  ・SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)
  ・スルピド(少量:潰瘍/大量:統合失調症)
  ・リチウム(躁病)
(セロトニン・ノルアドレナリンは快感や感情を起こさせる神経伝達物質)



■2.躁うつ病(躁状態)人口の0.5%


・特徴
 ※軽度:バイタリティあふれる仕事・熱心な人
 ※進行:活動的な一方でパフォーマンスの低下・周囲への迷惑
 ※病識が薄く、治療につなげるのが難滞
 ※質ではなく量的異常(やりすぎ傾向)

・症状 
 ※睡眠Hの現象
 ※活動性の高まり
 ※気分の高揚→アルコール依存症も同時におこることもある
 ※抑制や配慮に欠ける言動
 ※大声でよくしゃべる
 ※非現実的で雄大傾向

・対処
 ※行動の理由を確認し、問題の事実を伝える
 ※長期休職が必要
 ※具体的な問題点や事例性を収集
 ※家族と連絡を取り面談や精神科受診(安全配慮義務)



■3.統合失調症 人口の0.8% 生涯有病率0.1~1.7%
----------------- (2002精神分裂病から呼称変更)
・症状
 ※(陽性状態)妄想や幻聴
 ※(陰性状態(陽性の後遺症状態))
        コミュニケーション障害
        意欲、自発性欠如
        ひきこもり傾向
 ※気分は連続性で、質的ではなく量的異常
 ※病識が薄く、治療につなげるのが難滞

・対処
 ※陽性には薬物治療
 ※客観事実を積み重ねて、妄想を明らかにする
 ※家族と連絡を取り面談や精神科受診(安全配慮義務)
 ※担当者は産業保健スタッフが望まれる
 ※安全配慮義務の観点から業務命令を出すことも考えられる
 ※休業、復職のプロセスに長い支援が必要



■4.アルコール依存症


・症状
 ※毎日飲まずにはいられない(身体依存)
 ※切れると手の振るえ・冷や汗・イライラ・眠れない(精神依存)
 ※飲み会での逸脱行為・遅刻・欠勤・アルコール臭(行動障害)

・対処
 ※完全禁酒
 ※治療は難滞
 ※禁酒会の利用
 ※早期対処



■5.パニック障害


・症状(突然起こる不安発作が繰り返されるもの)
 ※動悸・息切れ・めまい・息苦しさ・非現実感・死ぬのではと脅える
 ※診断による異常所見なし
 ※予期不安を伴うため外出恐怖やひろば恐怖がおこる

・対処
 ※薬物療法(服薬は一年以上)
 ※予後は良好



■6.適応障害


・症状(誰から見ても明らかなストレスエピソードの1~3月以内に発現)
 ※不安・ゆううつ
 ※行為障害(無欠・無謀運転・けんか)

・対処
 ※ストレッサーの解消→半年以内に症状は消える




(3)行動障害


■ストレス関連疾患の行動特性
・出勤困難・無欠・人間関係のトラブル・多量飲酒
・アレキシサイミア
 ※自分の気持や感情に気付きにくく、言語化できない
・過剰適応
 ※生真面目で仕事にのめりこ、NOと言えない自己犠牲
・タイプA行動パターン
 ※心筋梗塞など虚血性疾患に見られる行動的な危険因子
 ※・時間に終われる切迫感
  ・焦燥感を伴う敏速行動
  ・熱中的で精力的
  ・他者への敵意攻撃性


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