https://www.amazon.co.jp/dp/B0078Z9MBI 女性ダンサーをあしらったジャケットは蝶が羽根を広げているようにも見えて、ものすごく印象的。ベルベットのような優しい温かさに包まれた必聴の一枚。 アート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズなどで活躍したトロンボーンの名手カーティス・フラーの「ブルースエット」はブルーノートの「サムシンエルス」やビル・エバンスの「サンデイ・アット・ザ・ビレッジ・バンガード」(リバーサイド)などと並ぶモダン・ジャズの超人気盤である。このアルバムはまたモダン・ジャズの名門レーベル”サヴォイ”を代表する超ベスト・セラーとしても名高い。人気の秘密はいくつかあるが、なんといっても吹込みにも参加しているベニー・ゴルソン(テナー・サックス、作・編曲)がこのアルバムのために作曲した親しみ易いメロディを持つ「ファイヴ・スポット・アフター・ダーク」と「マイナー・バンプ」の2曲がなんといっても魅力だ。ゴルソンは「クリフォードの想い出」「ウィスパ―・ノット」といったモダン・ジャズの名曲の作曲者として知られるが、ニューヨークのクラブ「ファイブ・スポット」に捧げた本アルバムのトップを飾るブルース曲もまたゴルソンの名曲中の名曲。また、トロンボーンとテナー・サックスというともに中音域でふくよかなサウンドを出す2つの楽器の組み合わせでいわゆる”ゴルソン・ハーモニー”と称されるベルベットのような優しい感触の温か味のあるサウンドを生み出すアレンジもファンの心を捉えて離さない人気の秘密。そのうえさらに演奏メンバーの顔ぶれが最高ときている。1959年5月の吹き込み当時、リーダーのカーテイス・フラーは24歳、ゴルソンは30歳、ピアノのトミー・フラナガンは29歳、ベースのジミー・ギャリソンは25歳、ドラマーのアル・ヘアウッドは35歳。メイン・ソロイストとして活躍フラーもゴルソンもフラナガンもまだまだ成長盛り、意欲満々の時代の録音というわけだ。ところでカーテイス・フラーが作曲したアルバムのタイトルが「ブルースエット」だが、英語の原タイトルは「BLUES-ETTE」となっている。この”-ette”は女性名詞をつくるときにつける接尾語。つまりこのアルバムはブルースを優しい女性形のサウンドで表現しようと試みたもの。幻想的な女性の裸像をあしらったカバーとともに女性ファンからも愛される人気の秘密になっている。(児山紀芳) カーティス・フラーの代表作であり、モダン・ジャズの永遠のベストセラーとしても評価されている「BLUES-ette」(Savoy MG12141)が、3つの別テイクとボーナス・トラックを加えた豪華デジパック仕様で初復刻です。最初の6曲が、1959年5月21日に録音されたオリジナルLPから。(7)-(9)が別テイク。(10)-(12)はボーナス・トラックで、フラー、ソニー・レッド、トミー・フラナガンが参加した1957年9月5日録音の「Jazz It's Magic」(Regent MG6055)のセッションから。「Five Spot After Dark」など、ベニー・ゴルソンとのコンビで素晴らしい演奏を繰り広げたフラーの名演を、最新マスタリングによる高音質でじっくりお楽しみください。全12曲、76分収録。(jazzyell 113号より) ファイヴ・スポット・アフター・ダーク(Five Spot After Dark) アンディサイデッド(Undecided) ブルースエット(Blues-ette) マイナー・バンプ(Minor Vamp) ラヴ・ユア・スペル・イズ・エヴリホエア(Love, Your Spell Is Everywhere) トゥエルヴ・インチ(Twelve Inch) 録音:1959年5月21日,Hackensack, New Jersey ファイヴ・スポット・アフター・ダーク(テイク4)(Five Spot After Dark (Alt. Take)) ブルース・エット~テイク2(Blues-ette (False Starts & Chatter/ Alt. Take)) ラヴ・ユアー・スペル・イズ・エヴリホエ(Love, Your Spell Is Everywhere (Alt.Take)) Two Ton (Bonus Track) Soul Station (Bonus Track) Club Car (Bonus Track) 録音:1957年9月5日,Hackensack, New Jersey カーティス・フラー(tb)、ベニー・ゴルソン(ts) トミー・フラナガン(p)、ジミー・ギャリソン(b) アル・ヘアウッド(ds)